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その先にあるラーメン
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ゴドーさんのところでいろいろ受け取ったよ。錬成器具は注文通りの出来、僕の亜人素材武器「ベストック」はとてもかっこよく、ベステルタの防具はまさかのライダースーツだった。贔屓目無しに、お世辞無しに似合っていた。ゴドーさんとファイナちゃんに任せてよかった。ついでにくれたサングラスをかければ完璧。彼女は無敵だぜ。
そして、もうあっという間にお昼だ。
せっかくだからブラガさんところでラーメンの進捗を聞きつつお昼にしよう。
だけどその前に。
のっしのっし。
「そろそろお昼ね? お腹空いちゃったわ」
「そ、そうだね」
のっしのっし。
ベステルタ、デイライトに立つ。というかもう歩いているけど。
とっても嬉しそうで、うきうきるんるんしている。その辺の露天を楽しそうに見たり、人や建物を観察したり。仕草は田舎者なんだけど、圧倒的異国美人っぷりと存在感が尋常じゃない。男女問わず視線を集めていた。おい、そこの、男、胸元を見るな。ぶっ飛ばすぞ。
(ケイ、ベステルタ様めちゃくちゃ目立ってない?)
(分かる。ていうか本人少し意識していると思う……)
まるでランウェイを歩くモデルみたいにデイライトの往来を闊歩する亜人。これバレるだろ、とはらはらしたけど問題なかった。一度衛兵に職務質問されたけど、あれはただベステルタに興味あっただけだな。ずっと胸見てたもん。ぶっ飛ばすぞ。
「ねえ、ケイ」
ニコニコのベステルタ。
「なに?」
「歩くのって楽しいのね」
少女みたいに微笑む。
(……シルビア、僕はもうダメかもしれない)
(ちょ、ちょっと気持ちは分かるけど頑張ってよ)
あまりにも可憐すぎる。はー、彼女が美人過ぎてはらはらする彼氏の気持ちが分かった気がする。彼女って感じではないけど。
注目を浴びつつブラガ店長の遠吠え亭に訪問。いや、訪麺。
店内はちょうどお昼のピークを終えたようで誰もいない。
ブラガさんがこちらに気付いて声をかけてきた。
「よお、ケイ。待ってたぜ」
ニヤリ、と意味ありげに笑うブラガさん。
「くっっぅぅさ!」
シルビアが鼻をつまんで顔をしかめる。無理もないな。
店内がクサイ。とてもくさい。そして胃袋をせっつかれる、つーんとした、刺激臭。むせ返る肉と骨のスメル。
間違いない。ブラガさん、やりやがった。
「ブラガさん……独学でたどり着いたんですね……ラーメンに」
「そうか、あの料理はラーメンっていうのか。やっと教えてくれたな。認めてくれたということか? だが、味を見てからにしてくれ。まだまだ納得しちゃいねえんだ」
「ええ……では四つほどお願いします」
ニヤリ。
「あいよ」
ニヤリ。
ラーメンを愛する者は余計な言葉など不要なのだ。
ブラガさんの奥さんが気を利かせてお店を閉めてくれた。ありがたい。これでプテュエラも一緒に食べられる。
「え、この臭い、食べ物なの? 私も食べるの?」
シルビアがかなりビビっている。
「そうだよ。すごい美味しいんだよ? 動物の骨からとったスープに麺が入っているんだ」
「……骨って。家畜の餌じゃん。私を担いでいるの?」
あ、不機嫌になっちゃった。そうだ、骨に忌避感ある人もいるんだよね。
「そんなものベステルタ様にも食べさせるつもり?」
「いや、ベステルタは割りと好きなんだよ。ほら、うきうきしてるでしょ?」
彼女は窮屈そうに椅子に座ってまだかなまだかな、と落ち着かない様子だ。
「……うーん、確かにそうかも。でもプテュエラ様は微妙そうだよ?」
しきりに鼻をふんふんさせてベステルタと何やら話している。
「まあ好みがあるからね。彼女たちには僕が作ったの振る舞ったんだけど、うまくいかなかったんだよ。でも、ブラガさんは本職だしこの匂いは本物に近いよ」
うーん、とシルビアは唸っていたがどうやら食べることにしたようだ。
「オークラーメン4つおまち!」
あ、オークなんだ。
それでは人二人、亜人二人によるレビューをご覧ください。(100点満点)
・50点(僕)
スープを一口飲んで思わず涙が出そうになったよ。これこれ。この味。オークの骨から染み出るくさうまスープ。完食完飲です。とは言いつつも惜しさが際立った。やはり麺とチャーシュー。麺の粉っぽさは無かったけど柔らか過ぎる。チャーシューは薄めのステーキという感じ。あと背脂入ってないからパンチが弱かった。タレも塩だから物足りない。でも、それ無しでもこれだけのコクが出るのはさすが異世界食材。半端無いぜ。半端無いと言えばブラガさんも、さすが本職ってところできっちり食べられるところまで仕上げてきた。僕の不親切な情報でここまで仕上げてくるとは。少なくとも臭くて食べられないということはない。点数は延びしろを期待して。後でブラガさんに色々伝えないと。あー、また来なきゃ。
・70点(シルビア)
初め骨を食べるなんて虫けらかと思って怒りそうになったけど、不思議と食欲が湧いてきたから食べてみた。思ったより美味しくてびっくりした。あと意外とあっさりしている。スープがさらさらしている気がする。臭いけど。ケイは麺が……チャーシューが……って唸っていたけど私はこのままでも十分平気だな。でも女の人は辟易しそう。男の人は好きだろうなー。また食べてみたい。
・60点(ベステルタ)
あの冒険の味。あの完成形かと思って期待したんだけど、正直拍子抜けだったわ。素材の違いかしら? フレイムベアのラーメンは未完成ながらわたしに無限の可能性を見せてくれたもの。ま、好みね。それに食べ進める内にこれはこれでありって思えてきたし。もっとパンチのある味の方が好きね。
・50点(プテュエラ)
やっぱり臭かった……。だが絶死ラーメンよりかは美味しかったぞ。何となくこの料理の方向性みたいのを感じられたな。おそらく雑味から旨味を生み出す料理なんだろう。肉は一緒に煮込んでいるのだろうか。していないならぜひやってほしい。この先化ける片鱗を感じたよ。ケイが執着するのも分かる。ただ、チャーシュー? の質は圧倒的にケイの方が旨かったな。ステーキでは合わないと思う。
「うおー、意見めちゃくちゃ参考になるぜ! ありがとうな!」
皆の意見をブラガさんに言うと、とても喜んでくれた。自分の作った料理を真剣に食べてくれて感想までもらえるのは嬉しいもんね。
「いいんですよ。僕が食べたかっただけなので。あと麺とチャーシュー、タレはいろいろ試した方が良いと思います」
麺は博多スタイルで低加水の細麺を目指した方がいいだろうな。あと、スープにはもう少し背脂を入れた方がいいことも伝える。
鞄から魚醤チャーシューとタレを取り出して渡した。あと簡単だけどレシピも伝えた。これでもっと美味しくなるだろう。そう思うと渡した甲斐もある。
「いいのか? お前が苦労して発見したレシピだろ?」
まあそうなんだけど、本職に任せた方が手っ取り早いし、普及しそうだしね。
「僕は作るのも好きですが食べるのも好きなんです。だからいいんですよ」
「……わかった! それからありがたく頂くぜ。その代わり旨いラーメン作ってやるからな!」
正直それが一番嬉しい。結局、労せず食べるラーメンが一番うまいんだよ。
ちなみにシャロンちゃんがまたいなかった。お母さんの具合が良くないらしい。心配だ。念のため酷くなるようなら手伝えるから連絡して欲しい、とブラガさんに伝えた。病気なら浄化で何とかなるからな。シャロンさんのお母様にはぜひお礼を言わなければ。シャロンさんだけだからな、斧舐めの変態呼ばわりされていた僕を公平に見てくれた人は……。
そして、もうあっという間にお昼だ。
せっかくだからブラガさんところでラーメンの進捗を聞きつつお昼にしよう。
だけどその前に。
のっしのっし。
「そろそろお昼ね? お腹空いちゃったわ」
「そ、そうだね」
のっしのっし。
ベステルタ、デイライトに立つ。というかもう歩いているけど。
とっても嬉しそうで、うきうきるんるんしている。その辺の露天を楽しそうに見たり、人や建物を観察したり。仕草は田舎者なんだけど、圧倒的異国美人っぷりと存在感が尋常じゃない。男女問わず視線を集めていた。おい、そこの、男、胸元を見るな。ぶっ飛ばすぞ。
(ケイ、ベステルタ様めちゃくちゃ目立ってない?)
(分かる。ていうか本人少し意識していると思う……)
まるでランウェイを歩くモデルみたいにデイライトの往来を闊歩する亜人。これバレるだろ、とはらはらしたけど問題なかった。一度衛兵に職務質問されたけど、あれはただベステルタに興味あっただけだな。ずっと胸見てたもん。ぶっ飛ばすぞ。
「ねえ、ケイ」
ニコニコのベステルタ。
「なに?」
「歩くのって楽しいのね」
少女みたいに微笑む。
(……シルビア、僕はもうダメかもしれない)
(ちょ、ちょっと気持ちは分かるけど頑張ってよ)
あまりにも可憐すぎる。はー、彼女が美人過ぎてはらはらする彼氏の気持ちが分かった気がする。彼女って感じではないけど。
注目を浴びつつブラガ店長の遠吠え亭に訪問。いや、訪麺。
店内はちょうどお昼のピークを終えたようで誰もいない。
ブラガさんがこちらに気付いて声をかけてきた。
「よお、ケイ。待ってたぜ」
ニヤリ、と意味ありげに笑うブラガさん。
「くっっぅぅさ!」
シルビアが鼻をつまんで顔をしかめる。無理もないな。
店内がクサイ。とてもくさい。そして胃袋をせっつかれる、つーんとした、刺激臭。むせ返る肉と骨のスメル。
間違いない。ブラガさん、やりやがった。
「ブラガさん……独学でたどり着いたんですね……ラーメンに」
「そうか、あの料理はラーメンっていうのか。やっと教えてくれたな。認めてくれたということか? だが、味を見てからにしてくれ。まだまだ納得しちゃいねえんだ」
「ええ……では四つほどお願いします」
ニヤリ。
「あいよ」
ニヤリ。
ラーメンを愛する者は余計な言葉など不要なのだ。
ブラガさんの奥さんが気を利かせてお店を閉めてくれた。ありがたい。これでプテュエラも一緒に食べられる。
「え、この臭い、食べ物なの? 私も食べるの?」
シルビアがかなりビビっている。
「そうだよ。すごい美味しいんだよ? 動物の骨からとったスープに麺が入っているんだ」
「……骨って。家畜の餌じゃん。私を担いでいるの?」
あ、不機嫌になっちゃった。そうだ、骨に忌避感ある人もいるんだよね。
「そんなものベステルタ様にも食べさせるつもり?」
「いや、ベステルタは割りと好きなんだよ。ほら、うきうきしてるでしょ?」
彼女は窮屈そうに椅子に座ってまだかなまだかな、と落ち着かない様子だ。
「……うーん、確かにそうかも。でもプテュエラ様は微妙そうだよ?」
しきりに鼻をふんふんさせてベステルタと何やら話している。
「まあ好みがあるからね。彼女たちには僕が作ったの振る舞ったんだけど、うまくいかなかったんだよ。でも、ブラガさんは本職だしこの匂いは本物に近いよ」
うーん、とシルビアは唸っていたがどうやら食べることにしたようだ。
「オークラーメン4つおまち!」
あ、オークなんだ。
それでは人二人、亜人二人によるレビューをご覧ください。(100点満点)
・50点(僕)
スープを一口飲んで思わず涙が出そうになったよ。これこれ。この味。オークの骨から染み出るくさうまスープ。完食完飲です。とは言いつつも惜しさが際立った。やはり麺とチャーシュー。麺の粉っぽさは無かったけど柔らか過ぎる。チャーシューは薄めのステーキという感じ。あと背脂入ってないからパンチが弱かった。タレも塩だから物足りない。でも、それ無しでもこれだけのコクが出るのはさすが異世界食材。半端無いぜ。半端無いと言えばブラガさんも、さすが本職ってところできっちり食べられるところまで仕上げてきた。僕の不親切な情報でここまで仕上げてくるとは。少なくとも臭くて食べられないということはない。点数は延びしろを期待して。後でブラガさんに色々伝えないと。あー、また来なきゃ。
・70点(シルビア)
初め骨を食べるなんて虫けらかと思って怒りそうになったけど、不思議と食欲が湧いてきたから食べてみた。思ったより美味しくてびっくりした。あと意外とあっさりしている。スープがさらさらしている気がする。臭いけど。ケイは麺が……チャーシューが……って唸っていたけど私はこのままでも十分平気だな。でも女の人は辟易しそう。男の人は好きだろうなー。また食べてみたい。
・60点(ベステルタ)
あの冒険の味。あの完成形かと思って期待したんだけど、正直拍子抜けだったわ。素材の違いかしら? フレイムベアのラーメンは未完成ながらわたしに無限の可能性を見せてくれたもの。ま、好みね。それに食べ進める内にこれはこれでありって思えてきたし。もっとパンチのある味の方が好きね。
・50点(プテュエラ)
やっぱり臭かった……。だが絶死ラーメンよりかは美味しかったぞ。何となくこの料理の方向性みたいのを感じられたな。おそらく雑味から旨味を生み出す料理なんだろう。肉は一緒に煮込んでいるのだろうか。していないならぜひやってほしい。この先化ける片鱗を感じたよ。ケイが執着するのも分かる。ただ、チャーシュー? の質は圧倒的にケイの方が旨かったな。ステーキでは合わないと思う。
「うおー、意見めちゃくちゃ参考になるぜ! ありがとうな!」
皆の意見をブラガさんに言うと、とても喜んでくれた。自分の作った料理を真剣に食べてくれて感想までもらえるのは嬉しいもんね。
「いいんですよ。僕が食べたかっただけなので。あと麺とチャーシュー、タレはいろいろ試した方が良いと思います」
麺は博多スタイルで低加水の細麺を目指した方がいいだろうな。あと、スープにはもう少し背脂を入れた方がいいことも伝える。
鞄から魚醤チャーシューとタレを取り出して渡した。あと簡単だけどレシピも伝えた。これでもっと美味しくなるだろう。そう思うと渡した甲斐もある。
「いいのか? お前が苦労して発見したレシピだろ?」
まあそうなんだけど、本職に任せた方が手っ取り早いし、普及しそうだしね。
「僕は作るのも好きですが食べるのも好きなんです。だからいいんですよ」
「……わかった! それからありがたく頂くぜ。その代わり旨いラーメン作ってやるからな!」
正直それが一番嬉しい。結局、労せず食べるラーメンが一番うまいんだよ。
ちなみにシャロンちゃんがまたいなかった。お母さんの具合が良くないらしい。心配だ。念のため酷くなるようなら手伝えるから連絡して欲しい、とブラガさんに伝えた。病気なら浄化で何とかなるからな。シャロンさんのお母様にはぜひお礼を言わなければ。シャロンさんだけだからな、斧舐めの変態呼ばわりされていた僕を公平に見てくれた人は……。
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