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2連敗なんて
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いろいろ話し合った結果、今後はバステンを奴隷長、ルーナを副奴隷長として扱うことにした。二人は早速、今後の方針を話し合うことたようだ。僕がいたんじゃ話し合い辛いかもしれないから、ルーナに「今日はあまり無理をしないように」と言って部屋から出た。
「あ」
「きゃ」
部屋を出るとすぐそこにシルビアがいた。聞き耳を立てていたのだろうか。
「え、えっと」
「……またあとで」
僕が何か言おうとする前に彼女はぼそっと言って足早に去ってしまった。見た感じ、激怒していた訳じゃなさそうだ。カリン、うまく言ってくれたのかな。
それにしても。
いやあ、どうすっかなこれ。
午後の商業ギルドのプレゼンを前に、僕とシルビアの間にはなんとも言えない気まずさが流れていた。人間関係って難しい。
「この後どうしようかな」
午後まで時間が少し余ってしまった。シルビアとの関係改善に努めた方がいいんだろうけど、今すぐに話しかけに行くのは悪手な気がする。
「そうだ、ニステルは戻ってきたかな?」
あの問題児にバステンとルーナの言うこと聞くように言っておかなきゃいけない。
……
「……! ……っ!」
建物の外に出ると、訓練所建設予定の空き地でニステルがズタボロになって這いつくばっていた。目の前にはプテュエラがおり、羽を楽しそうにバッサバッサと動かしている。
「………っっっ!」
ニステルが何やら必死の形相で叫び、プテュエラに飛びかかるが風壁に弾き返され、追撃の風弾が容赦なく彼女を襲う。
あっ、これプテュエラが周りに迷惑かけないように魔法で防音仕様にしてんな。
プテュエラと目が合うと、彼女はニコリと笑って一部の防壁を解いて中に入れくれた。
「お邪魔します」
「くっ……そ、ガぁ!」
プテュエラの暴風で遮断されていたのは、音だけでなく匂いもだった。ニステルのむせ返るような汗と血の匂いが鼻腔を刺す。
あれほど僕とルーナに絶望的な戦力差を強いてきたニステルも、亜人の前では圧倒的敗者としてひざまずくしかなかったみたいだ。
「このあたしが、二連敗なんて、してたまるか……ぐぼぁっ!」
彼女はプライドと気力で立ち上がるが、そこに鼻歌交じりで何十発もの風弾が機関銃のように飛んできて、鍛え抜かれた女剣闘士の身体を穿っていく。
「がっ、あっ、ぐっ、がっ」
上下横下上上横。
あらゆる角度から飛んでくる風弾になすすべ無く、だんだんとニステルの身体が衝撃で浮かび上がっていく。
全方向からの風弾によって、空中に縫い付けられているのだ。
やがて無慈悲な風の嵐は過ぎ去り、力を失ったニステルは白目を剥いて、どうっと倒れ伏した。ちょろちょろと失禁水が地を濡らし、まごうことなき完全敗北の土ペロだ。
それでもなお、その手には愛用の大剣が握られていた。
「ふうむ、確かに人間にしては頑丈だな。悪くない」
プテュエラはちょっと感心したように頷いている。
「プテュエラ、かわいがりはその辺にしてやって」
「ん? こいつが殺気を飛ばして絡んできたから、遊んでいただけだぞ? 昨日言っていた新しい奴隷だろう?
ちょうどよかったから、力を計っていた。……も、もしかして違うのか? 客人か?」
「大丈夫大丈夫、客人じゃないよ」
一気に不安そうになって羽をばたつかせ始めたプテュエラをなだめ、ついでにもみもみしておく。
にしても、てっきりプっさんが生意気な新入りに稽古つけてるのかと思ったよ。ニステルはなんていうか、マジで戦闘狂なんだな。サンドリアと戦ってあれだけボコられたのに、わざわざプテュエラに喧嘩ふっかけるなんて、イカれてるよ。
「それで、どうだった? ニステルは? 僕はまあいいとこまでいったんだけど、本気出されて負けちゃったんだよね」
「うむ、そうか。それは仕方ないだろうな。この者は人間の中では指折りの実力者だろう。フレイムベアには負けるだろうが、食い下がれるだろうな」
「えっ、勝ったって言ってたよ?」
「む? そんなはずはない。フレイムベアの纏う炎は魔力的作用を大幅に減衰させるからな。ニステルとかいったか? こやつの必殺技は見事なものだったが、打ち破れはしないだろう」
おいおい、あの危険極まりないヴァニラ・ア◯スが使ってそうなクリーム攻撃も使ったのかよ。周りに人いるし建物あるんだぞ。まったく、こいつは分からせないとだめだな。拳で。
「えっ、減衰するならプテュエラの魔法も減衰するんじゃ……」
「いいか、ケイ。確かに減衰はする。しかし、それは同じレベルの相手の話だ。フレイムベアの攻撃をゴブリンが防げると思うか? そういうことだ」
そういうことらしい。あまりにも隔絶した実力差の前では先輩自慢のつよつよ毛皮もただの紙切れみたいなもんだと……弱肉強食世知辛え……。
「うーん、でもニステルやジャンゴさん、ああ、彼女の前の雇用主ね。彼らが嘘つくとは思えないんだけどな」
「……ふむ。あまり気にしていなかったが、フレイムベアの若い個体は、まだその身にうまく炎を宿らすことができなかったはずだ。おそらく若い個体と戦ったのではないか?」
「……あっ、なるほど」
そっか、そういう可能性もあったな。
「いやさ、サンドリアが僕が負けたあとに戦ってくれたんだけど、彼女はフレイムベアに手こずるって言ってたからすっごい心配しちゃったんだよ」
「ははは。ケイは心配性だな。生まれたての亜人ならともかく、ある程度成長した亜人がフレイムベアに負けるわけないだろう? 手こずるといっても、私たちが一発で倒せるところを、サンドリアは二、三発必要だ、ぐらいの意味合いだろうさ」
「あ、そうッスか」
僕の知ってる「手こずる」と違うんですけど……。
とりあえずプテュエラに手伝ってもらい、ボロボロのニステルを教会の一室に運び込んだ。派手にやられていたけどさすがの回復力と打たれ強さだ。もう回復しつつある。それでも痣とか切り傷がめちゃくちゃあって、生々しい。
にしてもすげえ体だ。バインバインだし、フェロモンがすごい。ベステルタ系統だけどまた違う色気がある。年齢っていくつくらいなんだろう。四十歳はいってないと思うんだけど。長年、戦いに明け暮れた彼女の身体は古傷だらけで、皮膚は頑丈に厚くなっている。それでも老いは感じさせず、内から湧き出る生命のエネルギーを感じさせた。
「す、ぅ……」
あとこうやって眠っていると、やたらと穏やかな顔立ちでギャップがすごい。少女性すら感じるあどけなさで、こう、ぐっとくる。
「……あの、これ」
ニステルの血や汚れを拭っていると、シルビアが扉の隙間からひょこっと顔を出して、コトリと透明な液体の入った瓶を置いた。
「さっきのコスモディアより、濃く作ったやつ。こっちも試してみて」
「あ、ありがとう」
すると「うん」と言って、ほんの少し笑ってまた引っ込んでいった。シルビアの方から歩み寄ってきてくれたようだ。うう、ありがたい。引かれて押されると好きになっちゃいそう。
んで、完成したと思しきコスモディアをしげしげと眺める。
「なんか光ってない?」
光の加減かな、と思ったけどそんなことはない。シンプルに光ってる。薄毛のおっちゃんの頭皮みたいなねっとりした輝きではない、鈍感オブ・ザ・イヤー受賞した僕にでさえ分かる神々しさだ。
「うーん飲ませられないし、とりあえずニステルの怪我してる時に塗っていこう」
本当はやむを得ず口腔摂取させることも考えたけど、最初だからね。最初は印象が大事だ。最初だけは紳士に行こう。寝てる女性を好き放題にするなんて紳士ではない。許可取るまではだめだ。はやく許可取ろう。
コスモディアポーション、通称コスポを念入りに塗っていく。くぅ、美魔女戦士のニステルの体に触れてると、やっぱこう、昂ってくるな……がまんがまん……。ほら、ニステルの小皺を数え落ち着くんだ。一本、二本……。
「……小皺消えてね?」
コスポを塗った箇所のシワが消えている。
え、もしかしてこれ若返り効果ある?
背筋がヒヤリとした。
それはちょっと……やばいかも。
「あ」
「きゃ」
部屋を出るとすぐそこにシルビアがいた。聞き耳を立てていたのだろうか。
「え、えっと」
「……またあとで」
僕が何か言おうとする前に彼女はぼそっと言って足早に去ってしまった。見た感じ、激怒していた訳じゃなさそうだ。カリン、うまく言ってくれたのかな。
それにしても。
いやあ、どうすっかなこれ。
午後の商業ギルドのプレゼンを前に、僕とシルビアの間にはなんとも言えない気まずさが流れていた。人間関係って難しい。
「この後どうしようかな」
午後まで時間が少し余ってしまった。シルビアとの関係改善に努めた方がいいんだろうけど、今すぐに話しかけに行くのは悪手な気がする。
「そうだ、ニステルは戻ってきたかな?」
あの問題児にバステンとルーナの言うこと聞くように言っておかなきゃいけない。
……
「……! ……っ!」
建物の外に出ると、訓練所建設予定の空き地でニステルがズタボロになって這いつくばっていた。目の前にはプテュエラがおり、羽を楽しそうにバッサバッサと動かしている。
「………っっっ!」
ニステルが何やら必死の形相で叫び、プテュエラに飛びかかるが風壁に弾き返され、追撃の風弾が容赦なく彼女を襲う。
あっ、これプテュエラが周りに迷惑かけないように魔法で防音仕様にしてんな。
プテュエラと目が合うと、彼女はニコリと笑って一部の防壁を解いて中に入れくれた。
「お邪魔します」
「くっ……そ、ガぁ!」
プテュエラの暴風で遮断されていたのは、音だけでなく匂いもだった。ニステルのむせ返るような汗と血の匂いが鼻腔を刺す。
あれほど僕とルーナに絶望的な戦力差を強いてきたニステルも、亜人の前では圧倒的敗者としてひざまずくしかなかったみたいだ。
「このあたしが、二連敗なんて、してたまるか……ぐぼぁっ!」
彼女はプライドと気力で立ち上がるが、そこに鼻歌交じりで何十発もの風弾が機関銃のように飛んできて、鍛え抜かれた女剣闘士の身体を穿っていく。
「がっ、あっ、ぐっ、がっ」
上下横下上上横。
あらゆる角度から飛んでくる風弾になすすべ無く、だんだんとニステルの身体が衝撃で浮かび上がっていく。
全方向からの風弾によって、空中に縫い付けられているのだ。
やがて無慈悲な風の嵐は過ぎ去り、力を失ったニステルは白目を剥いて、どうっと倒れ伏した。ちょろちょろと失禁水が地を濡らし、まごうことなき完全敗北の土ペロだ。
それでもなお、その手には愛用の大剣が握られていた。
「ふうむ、確かに人間にしては頑丈だな。悪くない」
プテュエラはちょっと感心したように頷いている。
「プテュエラ、かわいがりはその辺にしてやって」
「ん? こいつが殺気を飛ばして絡んできたから、遊んでいただけだぞ? 昨日言っていた新しい奴隷だろう?
ちょうどよかったから、力を計っていた。……も、もしかして違うのか? 客人か?」
「大丈夫大丈夫、客人じゃないよ」
一気に不安そうになって羽をばたつかせ始めたプテュエラをなだめ、ついでにもみもみしておく。
にしても、てっきりプっさんが生意気な新入りに稽古つけてるのかと思ったよ。ニステルはなんていうか、マジで戦闘狂なんだな。サンドリアと戦ってあれだけボコられたのに、わざわざプテュエラに喧嘩ふっかけるなんて、イカれてるよ。
「それで、どうだった? ニステルは? 僕はまあいいとこまでいったんだけど、本気出されて負けちゃったんだよね」
「うむ、そうか。それは仕方ないだろうな。この者は人間の中では指折りの実力者だろう。フレイムベアには負けるだろうが、食い下がれるだろうな」
「えっ、勝ったって言ってたよ?」
「む? そんなはずはない。フレイムベアの纏う炎は魔力的作用を大幅に減衰させるからな。ニステルとかいったか? こやつの必殺技は見事なものだったが、打ち破れはしないだろう」
おいおい、あの危険極まりないヴァニラ・ア◯スが使ってそうなクリーム攻撃も使ったのかよ。周りに人いるし建物あるんだぞ。まったく、こいつは分からせないとだめだな。拳で。
「えっ、減衰するならプテュエラの魔法も減衰するんじゃ……」
「いいか、ケイ。確かに減衰はする。しかし、それは同じレベルの相手の話だ。フレイムベアの攻撃をゴブリンが防げると思うか? そういうことだ」
そういうことらしい。あまりにも隔絶した実力差の前では先輩自慢のつよつよ毛皮もただの紙切れみたいなもんだと……弱肉強食世知辛え……。
「うーん、でもニステルやジャンゴさん、ああ、彼女の前の雇用主ね。彼らが嘘つくとは思えないんだけどな」
「……ふむ。あまり気にしていなかったが、フレイムベアの若い個体は、まだその身にうまく炎を宿らすことができなかったはずだ。おそらく若い個体と戦ったのではないか?」
「……あっ、なるほど」
そっか、そういう可能性もあったな。
「いやさ、サンドリアが僕が負けたあとに戦ってくれたんだけど、彼女はフレイムベアに手こずるって言ってたからすっごい心配しちゃったんだよ」
「ははは。ケイは心配性だな。生まれたての亜人ならともかく、ある程度成長した亜人がフレイムベアに負けるわけないだろう? 手こずるといっても、私たちが一発で倒せるところを、サンドリアは二、三発必要だ、ぐらいの意味合いだろうさ」
「あ、そうッスか」
僕の知ってる「手こずる」と違うんですけど……。
とりあえずプテュエラに手伝ってもらい、ボロボロのニステルを教会の一室に運び込んだ。派手にやられていたけどさすがの回復力と打たれ強さだ。もう回復しつつある。それでも痣とか切り傷がめちゃくちゃあって、生々しい。
にしてもすげえ体だ。バインバインだし、フェロモンがすごい。ベステルタ系統だけどまた違う色気がある。年齢っていくつくらいなんだろう。四十歳はいってないと思うんだけど。長年、戦いに明け暮れた彼女の身体は古傷だらけで、皮膚は頑丈に厚くなっている。それでも老いは感じさせず、内から湧き出る生命のエネルギーを感じさせた。
「す、ぅ……」
あとこうやって眠っていると、やたらと穏やかな顔立ちでギャップがすごい。少女性すら感じるあどけなさで、こう、ぐっとくる。
「……あの、これ」
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「あ、ありがとう」
すると「うん」と言って、ほんの少し笑ってまた引っ込んでいった。シルビアの方から歩み寄ってきてくれたようだ。うう、ありがたい。引かれて押されると好きになっちゃいそう。
んで、完成したと思しきコスモディアをしげしげと眺める。
「なんか光ってない?」
光の加減かな、と思ったけどそんなことはない。シンプルに光ってる。薄毛のおっちゃんの頭皮みたいなねっとりした輝きではない、鈍感オブ・ザ・イヤー受賞した僕にでさえ分かる神々しさだ。
「うーん飲ませられないし、とりあえずニステルの怪我してる時に塗っていこう」
本当はやむを得ず口腔摂取させることも考えたけど、最初だからね。最初は印象が大事だ。最初だけは紳士に行こう。寝てる女性を好き放題にするなんて紳士ではない。許可取るまではだめだ。はやく許可取ろう。
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「……小皺消えてね?」
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