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決勝戦第三試合決着
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相手がゆっくりとロナちゃんに近づいてくる。苦痛に歪んだその顔からは、もう二度とあの拳は喰らいたくないという感情がこれでもかと伝わってくる。ゆえに一気に距離を詰めず、最大限の警戒をしながら距離を詰めて確実にロナちゃんを倒すと言った考えだろう。それほどまでに相手が受けたダメージが重いという事だ。
ロナちゃんはまだ目を開けられない。それでも相手の接近に気が付いたのか、涙を流しながらも構えを取る。涙が止まっていないのでまだ目の痛みは引いていないのだろう。それでも構えを取ったのは、彼女が今まで積み重ねてきた戦いの経験がそうさせたのだろう。
お互いに苦しい表情を浮かべつつも相手に向かって構えて動かない。いや、動けないんだろう。次お互いが動いた時が決着の時だという事なんて、当人達だけでなく周囲で見ている人だってわかる。だからこそ、両者は動けない。相手に攻撃を当てられると思えるその時が来るまで。
それがいつか──と自分が思った瞬間、相手が動いた。攻撃方法は騎士剣によるリーチを生かした突き攻撃。早い、おそらく死力を振り絞って放った一撃なのだろう。騎士剣の切っ先は一瞬でロナちゃんの心臓付近に迫っていた。ロナちゃんは対応──できない! 騎士剣の切っ先から刀身部分がロナちゃんの心臓付近に深々と突き刺さっていく……
「捕まえたああああぁぁぁぁ!!」
攻撃を受けながらもロナちゃんはそう叫び、左手で相手の手を騎士剣ごと握りつぶす勢いで掴んだ。涙が止まらない目を、ここで右目だけ開ける。その開かれたロナちゃんの右目は──金色に染まっていた。
「最終奥義! 《人鬼・一翔》!!!」
ロナちゃんが叫ぶと同時に、ロナちゃんの右腕が金色のオーラを一瞬で纏う。相手は離れようとするが、ロナちゃんががっちりと握っている左手を放すはずがない。直後、相手の顔に叩き込まれる金色のオーラを纏った事で数倍に膨れ上がった拳。放たれた拳は高速回転するドリルのように相手のヘルメットを削り飛ばし、その勢いのまま相手の頭部すらも貫き一瞬で吹き飛ばすことでチリへ変えてしまった。
まるで一瞬で巨大な台風が発生し、そして去って行ったかのような衝撃。最終奥義というだけはある……恐ろしい大技だ。が、その一方で右手にオーラを集めて正拳突きをするような動きの関係上、攻撃そのものはバレやすいし回避も難しくはない、か。あくまで衝撃はパンチを相手に当てなければ発動しないというたぐいだろうし。だから捕まえるまで放たなかったことは容易に分かる。
なんにせよ、これでやっとこちら側が一勝を上げた。そう思ったのだが、ロナちゃんの様子がおかしい。ロナちゃんが拳を振り切った状態のまま動かないのだ。
「相打ち、かよ」「相手の攻撃も、ロナの心臓を捕らえていたと言う訳か……」
ツヴァイ、そしてレイジがポツリと口にした。相打ち!? 武舞台の上に立っているロナちゃんはまだ動かない。いや、ロナちゃんの体が真っ白い石膏の様になっていく。そして崩れていった……武舞台の上に残された物は、相手の首なしの体とロナちゃんだった灰。これは──
『この試合はダブルKOといたします! 次の選手は武舞台に上がってください!』
進行役のプレイヤーの言葉とと共に武舞台から両者の姿が消えて、武舞台の外で復活した。
「いたたたたた……体が持たなかったよ。心臓をギリギリ外す予定が狂っちゃった」
そこにはいつも通りのロナちゃんの姿が。この言葉で分かったことは、最終奥義は反動が大きい技であることと、ロナちゃんが見切りをしくじっていた事か。ロナちゃんの予定では、心臓付近に剣を突き立てられることで相手の剣と動きを一瞬止めたところを掴み、最終奥義で命がけのカウンターを取るという考えだったんだろう。
そうすればギリギリ自分は生きて相手は倒せるという計算だった。が、相手がロナちゃんの心臓を捕らえてしまった事で相打ちになってしまったと。やはり目を潰されたのが響いたんだろうな。
「目潰しの影響はどうなりました?」「今は平気、完全に治ったよ。まさかあのマッスルが目潰しをしてくるなんて、完全に想定外だったよ。あの一瞬が最大のしくじりだねー」
カナさんの言葉にロナちゃんはそう返答を返していた。確かに力と技で攻めてくるマッスルが、目潰しを使ってくるなんて自分も想像していなかった。が──そっちが先に使ったのなら、こちらも遠慮なく使えるという物だ。こちらは目潰しだけでは済まないあれこれがあるんだ。
「それでも、相手も倒したから許して欲しいかな?」「許す許さないなんて関係ないぜ、ロナ、本当によく頑張ってくれた」
ロナちゃんの言葉に返答を返したのはツヴァイ。そして自分を含めて誰もがうなずく。先ほどのロナちゃんの戦いぶりを見て、貶す事が出来るやつはまずいないと思うぞ? 自分の心臓を貫かれながらも相手を倒す一撃を放つなんて事、早々できる事じゃないんだから。
「じゃ、次は自分だから行ってくる」「ああ、頼んだぜアース。向こうが先に使ったんだ、お前ももう遠慮せず道具を使っちまえ。ここまでほとんど使ってないんだからよ、大盤振る舞いする機会だろ」
武舞台に上がる自分に、ツヴァイがそう告げてきた。ツヴァイも考えは一緒か……ああ、遠慮なんて一切しないよ。先に相手が使ってくれたから、卑怯って感覚はなくなったから気楽だね。武舞台に上がる自分は、最初の立ち回りを考えながら何を使おうかとあれこれ試行錯誤。最初からインパクトを与えるなら──あれが良いかな?
──マッスルウォーリアー側──
「とんでもねえ拳だったな」「どいつもこいつも、玉手箱のような連中が出てくる。向こうも準決勝まで本気を見せていなかったって事か」
ロナの最終奥義を見せられたマッスル側はロナが相打ちという形でも退場してくれた事に安堵していた。自分達が身に纏っている装備は決して安くはない。その装備をああも容易く貫き、首を消し飛ばす。その威力、その圧力の恐怖から目を逸らすことなく評価していた。
「心臓を貫かれてなお、あれだけの拳を振るうか」「最初の魔法使いの戦いぶりを見て甘く見ていたわけじゃなかった。むしろ最後の突きは全力で放った。なのに、あの女格闘家……止まることなくあの拳を叩き込んできた。ブルーカラー、何がハーレムギルドだ。一人一人の覚悟と最後まで戦うその意思の強さはどんな修羅場をくぐれば身につくんだ」
仲間の一人の言葉に、先ほどまでロナと戦っていた彼はこう口にする。それは彼の偽りのない本音である。ブルーカラーとの戦いをここまで見た&そのうちの一人と戦った事で、ブルーカラーと一般的なプレイヤーの違いを明確に刻み付けられていた。強いと言われていたヴァルキュリアスと戦った時にも、こんな感情は持たなかった。
「普通のゲームじゃない、殴られれば、斬られれば痛覚を軽減されていてもなお痛いというのがワンモアだ。だというのにあいつらはその痛みを乗り越えてくる凄味がある。体を深く切られても、心臓を貫かれてもなお向かってくるその姿は──表現しにくいが、恐怖を感じる事だけは確かだ」
この言葉に、武舞台に上がっていくプレイヤーを除いたマッスル側の面々は頷いた。ブルーカラーの決勝戦での戦いぶりは自分達がこれまで経験してきた物では説明ができない事があまりにも多い。普通は体を切られれば痛みで動きを止めるし、地面に伏して力尽きる。だが、ブルーカラーはだれもが力尽きるその瞬間まで戦いを止めなかった。
「次出てくる奴は何をしてくるのか、さっぱり分からない上にブルーカラーの助っ人として呼ばれた奴だ。さらに言えば有翼人のボスと戦うまで生き残っていた奴でもある。どれだけ強いのか、事前の情報なんか役に立たないかもな」
この言葉に、反論は上がらない。ただ会話を止めて武舞台の上を誰もが注目する。次の試合が、始まろうとしていた──
ロナちゃんはまだ目を開けられない。それでも相手の接近に気が付いたのか、涙を流しながらも構えを取る。涙が止まっていないのでまだ目の痛みは引いていないのだろう。それでも構えを取ったのは、彼女が今まで積み重ねてきた戦いの経験がそうさせたのだろう。
お互いに苦しい表情を浮かべつつも相手に向かって構えて動かない。いや、動けないんだろう。次お互いが動いた時が決着の時だという事なんて、当人達だけでなく周囲で見ている人だってわかる。だからこそ、両者は動けない。相手に攻撃を当てられると思えるその時が来るまで。
それがいつか──と自分が思った瞬間、相手が動いた。攻撃方法は騎士剣によるリーチを生かした突き攻撃。早い、おそらく死力を振り絞って放った一撃なのだろう。騎士剣の切っ先は一瞬でロナちゃんの心臓付近に迫っていた。ロナちゃんは対応──できない! 騎士剣の切っ先から刀身部分がロナちゃんの心臓付近に深々と突き刺さっていく……
「捕まえたああああぁぁぁぁ!!」
攻撃を受けながらもロナちゃんはそう叫び、左手で相手の手を騎士剣ごと握りつぶす勢いで掴んだ。涙が止まらない目を、ここで右目だけ開ける。その開かれたロナちゃんの右目は──金色に染まっていた。
「最終奥義! 《人鬼・一翔》!!!」
ロナちゃんが叫ぶと同時に、ロナちゃんの右腕が金色のオーラを一瞬で纏う。相手は離れようとするが、ロナちゃんががっちりと握っている左手を放すはずがない。直後、相手の顔に叩き込まれる金色のオーラを纏った事で数倍に膨れ上がった拳。放たれた拳は高速回転するドリルのように相手のヘルメットを削り飛ばし、その勢いのまま相手の頭部すらも貫き一瞬で吹き飛ばすことでチリへ変えてしまった。
まるで一瞬で巨大な台風が発生し、そして去って行ったかのような衝撃。最終奥義というだけはある……恐ろしい大技だ。が、その一方で右手にオーラを集めて正拳突きをするような動きの関係上、攻撃そのものはバレやすいし回避も難しくはない、か。あくまで衝撃はパンチを相手に当てなければ発動しないというたぐいだろうし。だから捕まえるまで放たなかったことは容易に分かる。
なんにせよ、これでやっとこちら側が一勝を上げた。そう思ったのだが、ロナちゃんの様子がおかしい。ロナちゃんが拳を振り切った状態のまま動かないのだ。
「相打ち、かよ」「相手の攻撃も、ロナの心臓を捕らえていたと言う訳か……」
ツヴァイ、そしてレイジがポツリと口にした。相打ち!? 武舞台の上に立っているロナちゃんはまだ動かない。いや、ロナちゃんの体が真っ白い石膏の様になっていく。そして崩れていった……武舞台の上に残された物は、相手の首なしの体とロナちゃんだった灰。これは──
『この試合はダブルKOといたします! 次の選手は武舞台に上がってください!』
進行役のプレイヤーの言葉とと共に武舞台から両者の姿が消えて、武舞台の外で復活した。
「いたたたたた……体が持たなかったよ。心臓をギリギリ外す予定が狂っちゃった」
そこにはいつも通りのロナちゃんの姿が。この言葉で分かったことは、最終奥義は反動が大きい技であることと、ロナちゃんが見切りをしくじっていた事か。ロナちゃんの予定では、心臓付近に剣を突き立てられることで相手の剣と動きを一瞬止めたところを掴み、最終奥義で命がけのカウンターを取るという考えだったんだろう。
そうすればギリギリ自分は生きて相手は倒せるという計算だった。が、相手がロナちゃんの心臓を捕らえてしまった事で相打ちになってしまったと。やはり目を潰されたのが響いたんだろうな。
「目潰しの影響はどうなりました?」「今は平気、完全に治ったよ。まさかあのマッスルが目潰しをしてくるなんて、完全に想定外だったよ。あの一瞬が最大のしくじりだねー」
カナさんの言葉にロナちゃんはそう返答を返していた。確かに力と技で攻めてくるマッスルが、目潰しを使ってくるなんて自分も想像していなかった。が──そっちが先に使ったのなら、こちらも遠慮なく使えるという物だ。こちらは目潰しだけでは済まないあれこれがあるんだ。
「それでも、相手も倒したから許して欲しいかな?」「許す許さないなんて関係ないぜ、ロナ、本当によく頑張ってくれた」
ロナちゃんの言葉に返答を返したのはツヴァイ。そして自分を含めて誰もがうなずく。先ほどのロナちゃんの戦いぶりを見て、貶す事が出来るやつはまずいないと思うぞ? 自分の心臓を貫かれながらも相手を倒す一撃を放つなんて事、早々できる事じゃないんだから。
「じゃ、次は自分だから行ってくる」「ああ、頼んだぜアース。向こうが先に使ったんだ、お前ももう遠慮せず道具を使っちまえ。ここまでほとんど使ってないんだからよ、大盤振る舞いする機会だろ」
武舞台に上がる自分に、ツヴァイがそう告げてきた。ツヴァイも考えは一緒か……ああ、遠慮なんて一切しないよ。先に相手が使ってくれたから、卑怯って感覚はなくなったから気楽だね。武舞台に上がる自分は、最初の立ち回りを考えながら何を使おうかとあれこれ試行錯誤。最初からインパクトを与えるなら──あれが良いかな?
──マッスルウォーリアー側──
「とんでもねえ拳だったな」「どいつもこいつも、玉手箱のような連中が出てくる。向こうも準決勝まで本気を見せていなかったって事か」
ロナの最終奥義を見せられたマッスル側はロナが相打ちという形でも退場してくれた事に安堵していた。自分達が身に纏っている装備は決して安くはない。その装備をああも容易く貫き、首を消し飛ばす。その威力、その圧力の恐怖から目を逸らすことなく評価していた。
「心臓を貫かれてなお、あれだけの拳を振るうか」「最初の魔法使いの戦いぶりを見て甘く見ていたわけじゃなかった。むしろ最後の突きは全力で放った。なのに、あの女格闘家……止まることなくあの拳を叩き込んできた。ブルーカラー、何がハーレムギルドだ。一人一人の覚悟と最後まで戦うその意思の強さはどんな修羅場をくぐれば身につくんだ」
仲間の一人の言葉に、先ほどまでロナと戦っていた彼はこう口にする。それは彼の偽りのない本音である。ブルーカラーとの戦いをここまで見た&そのうちの一人と戦った事で、ブルーカラーと一般的なプレイヤーの違いを明確に刻み付けられていた。強いと言われていたヴァルキュリアスと戦った時にも、こんな感情は持たなかった。
「普通のゲームじゃない、殴られれば、斬られれば痛覚を軽減されていてもなお痛いというのがワンモアだ。だというのにあいつらはその痛みを乗り越えてくる凄味がある。体を深く切られても、心臓を貫かれてもなお向かってくるその姿は──表現しにくいが、恐怖を感じる事だけは確かだ」
この言葉に、武舞台に上がっていくプレイヤーを除いたマッスル側の面々は頷いた。ブルーカラーの決勝戦での戦いぶりは自分達がこれまで経験してきた物では説明ができない事があまりにも多い。普通は体を切られれば痛みで動きを止めるし、地面に伏して力尽きる。だが、ブルーカラーはだれもが力尽きるその瞬間まで戦いを止めなかった。
「次出てくる奴は何をしてくるのか、さっぱり分からない上にブルーカラーの助っ人として呼ばれた奴だ。さらに言えば有翼人のボスと戦うまで生き残っていた奴でもある。どれだけ強いのか、事前の情報なんか役に立たないかもな」
この言葉に、反論は上がらない。ただ会話を止めて武舞台の上を誰もが注目する。次の試合が、始まろうとしていた──
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