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決勝戦・四回戦開始
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自分と相手が武舞台に上がる。直後、相手が突如片手剣を抜いて自分に切っ先を向けてきた。良い片手剣だな、業物と表現していい品質だ。
「お前は危険すぎる。事前にある程度の情報は仕入れていたが……ブルーカラーのメンバーは本気を今まで出していなかったのだろう? それはおそらく、お前も同じなはずだ。仕入れた情報の中には眉唾物なものも多くあったが、前の三戦で見せたブルーカラーの戦いぶりを見て、その考えを改めた。情報はすべて真実で、お前はあまりにも危険な存在であると」
なるほど? どこからどこまでの情報を向こう側が仕入れていたのかは分からないけど、その情報から判断してこんな行動、そして発言をするに至ったという事か。
「お前は絶対に倒させてもらう。そうしなければ俺達がヤバいと、直感が訴えかけてくるんでな。一気呵成に倒させてもらう!」
言葉には勢いがあるが、一方で目には動揺? 不安? そんな感じの雰囲気を感じる。それをごまかすためにこんな風に声を上げて来たのだろうか? 別にそれを悪いとか何とか言うつもりはないけれど──こちらだって負けてやるわけにはいかない。ロナちゃんは相打ちだったとはいえ、こちらはまだ一度も勝利をあげる事が出来ていないのだ。
このままずるずると負け続ければ取り返しがつかなくなる。だからこそそろそろ一勝をあげないとまずいのはこちら側。倒させてもらうと宣言されても、ハイそうですかと向こうの思い通りに事を進ませるわけにはいかないのだ。
『えー、えーと、お互い準備はよろしいでしょうか?』
進行役のプレイヤーが困惑しているが、相手も自分も戦闘態勢を取った。相手の武装は──片手剣に自分と同じように腕に着ける形の小さな盾。腰にはダガーが一本、背中には槍と大太刀。そして腰の後ろ側にはやや大きめな袋が見えている。こりゃ実際に戦ってみないと立ち回りが分からないな。
『お互い戦闘態勢を取ったので、両者共に準備完了とさせていただきます! では、始めてください!』
試合開始とともに相手は片手剣を構えて猛然と突っ込んでくる。こっちは弓があるからな、遠距離に留まる理由なんかあるわけない。しかし、猛然と突っ込んだのは相手だけではない。自分も同じように前に出たのだ。
「な!?」
相手は驚きの声を上げたが、それでも前進を止めずに片手剣を勢いのままに自分に対して振るってくる。その剣を自分は右側に回避し、反撃に移ろうとして──更に前転した。妙に強い殺気を相手の左腕の先辺りから感じ取ったからだ。
「チッ!」
相手が舌打ちをした。そして振り返って確認すると、相手の左腕のガントレットからは二本の爪が生えていた。防具に仕込んでいた暗器の一種か……しかもその爪の表面はうっすらと濡れている事に気が付いた。
「なるほど、毒か」「ご名答って奴だよ……くそ、初見で見破るか? ここまで一回も使ってこなかったのによ」
見破ったというよりは殺気が隠せてなかったから避けたんだけどね。筋肉モリモリのマッチョマンでありながら、ああいった暗器を使いこなすだけの器用さ。うーん、もしかして自分が戦闘に特化した場合は相手の様な事になったんだろうか? ある意味では自分の上位互換だな、戦闘能力だけを考慮すれば。
「マッスルウォーリアーというギルドの名前からは想像しにくい手段ではある、な」「こっちのギルドは、体を鍛えてたくましい体を作るのは前提条件だ。そのうえでより勝利を目指すための技も身に着ける、ただパワーで押すだけの集団じゃないんでな」
ふむ、そういう事なのか。だから暗器も使うし、魔法を防ぐ技量も身に着けるという話になって来ると。準決勝までパワーによる力押しをしてきたという戦い方は、相手にそう認識させるための一種のダミー情報を振りまいていたという事になるな。で、決勝で本来の戦闘スタイルを各々がとる、と。確かにここまでの情報とは異なる戦法を取れば、相手は動揺するだろう。
「だが、振るう必要がなければ単純な力押しで勝つだけだ。逆に言えば、ブルーカラーはそれでは勝てないと判断させる強さを持っているとこちらが認めた形になる。だから、毒だろうが道具だろうが使わせてもらう!」
言い終わると同時に、相手は左手から小さな袋を自分に向かって投げつけた直後に突進してくる。自分はその袋をできる限り優しく掴み、地面に向かってそっと置く。。そこから相手をぎりぎりまで引き付けてから《大跳躍》を使って高く飛び、相手の頭上を取る。
「ん!?」
相手は自分が突如消えたように見えたはずだ。急ブレーキをかけて左右を見渡す──マッスル側の方から「上だ!」という声が飛んできたが、遅い。自分はすでに六つの強化オイルを投げ終えている。道具を解禁したのはそちら側だけじゃないんだ。自分は風魔術の《フライ》を展開し、強化オイルの炎の間合いから逃れる。
直後、爆発音と共に立ち上る六本の炎の柱。もちろんその炎は容赦なく相手の体を焼く。これにはさすがの相手も悲鳴を上げて地面を転がるが──その姿に向かって、自分はさらに八岐の月で相手の体や頭部に矢を射かける。相手が不規則に転がるので命中率があまりよくないが、ある程度は胴体に命中しているためノーダメージという事はないだろう。頭部には残念ながら当たらず。
何とか転がって体にまとわりついた炎を消し終えた相手だが──自分はそれに合わせてさらなるオイルを数本、相手に向かってばらまいた。相手は燃やされてたまるかと地面に落ちる前にオイルをキャッチしようと試みるが、当然自分がそれを許す理由はない。オイル瓶を狙って矢を放ち、瓶を無理やり叩き割る。爆発が起き、炎が渦巻き、再び相手の体を焼き焦がす。
一本が割れれば、さらに近くの強化オイルの瓶が誘爆する。結果として炎はさらに大きくなり、相手の姿を容赦なく炎の抱擁となって抱きしめる。更なる相手の悲鳴が響き渡るが、自分は追撃の矢を次々と放つ。この戦いで大事なことはできるだけダメージを受けないで相手を倒す事。オイル瓶はここで使い切ってしまっても構わない。むしろ相手を早く倒せるのであれば使うべきだ。
(ここまで温存したが、これ以上温存する理由はないからね。まさに使い時って奴だ……次の手札もあるし)
相手が炎の向こうで踊っている姿に対して更にダメージを追加していく。しかし、いくら装備が良いとしてもかなり粘るな。強化オイルによる炎ダメージは決して安くないはずなんだが。そこに追加で八岐の月から放たれるドラゴンの矢でダメージを稼いでいるのに……あの頬に包まれた状態の彼が一種の身代わりの術で逃れている可能性も考慮したが、《気配察知》先生がそれは無いと教えてくれている。
炎が収まり、鎧のあちこちがすすけた状態の相手が姿を見せた。その手に握られていたのは空っぽの瓶。形状からしてポーションの瓶だな、つまりダメージに対してポーションがぶ飲みで耐えるという古典的な手段で耐えていたのか? が、相当のポーションを飲んだはず……つまり、ポーション中毒になりかかっている可能性は高いな。
(──あれ、使おうか)
自分はそう考えて、あるポーションを取り出す。相手は自分の手に握られたポーションを見て使わせまいとしたのだろう。腰に差していたダガーを素早く投擲してきた。自分はそれを回避するが、その会費中に相手は再び自分に向かって来た。だが、かえって好都合である。子のポーションは自分で飲むために取り出したのではないのだから。
「うおおおおおお、おおおお!?」
慌てて攻撃してきたためか、幾分キレのない片手剣による攻撃を自分は盾でいなし、相手は体勢を崩す。自分はすかさずポーションの蓋を開けて『相手の』口の中にポーションを流し込んだ。その後強制的に口を閉じさせ、吐き出させることなく飲み込ませた。直後、相手の体から傷がかなり消えた。
「これは回復ポーション? どういうつもりだ? わざわざ戦闘中に相手を回復させるなんて、馬鹿にしているのか!?」
自分が行った相手にポーションを飲ませて回復させた行為に対し、一種の挑発のつもりか? と考えたのであろう相手が大声で自分に対して怒りの声を上げた。まあ、そう受け取られてもしょうがない行動ではある。だが、もちろんそんな挑発のための行動ではない。彼に飲ませたのは、ポーション中毒になった体でも効くポーションだ。それが効果を発揮したという事は……
(後は相手が一本でもポーションを飲めばお終いだ。自分の中に爆弾が回復行為によって仕掛けられたとは思わないだろう。龍の国の薬師の師には申し訳ない使い方だが──)
相手が相手だ。決められる手段が増やせるなら遠慮なく使わないと。こちらが優位なら絶対やらない手段ではあるのだが、今はそうはいっていられない。さて、これで仕込みは済んだ。後は決まるかどうかだが、決まるように相手を誘導する必要はある。ここから一定のダメージを相手に与えなければ……
***********
10年以上書いているのに、戦闘シーンは書くのが難しい……
「お前は危険すぎる。事前にある程度の情報は仕入れていたが……ブルーカラーのメンバーは本気を今まで出していなかったのだろう? それはおそらく、お前も同じなはずだ。仕入れた情報の中には眉唾物なものも多くあったが、前の三戦で見せたブルーカラーの戦いぶりを見て、その考えを改めた。情報はすべて真実で、お前はあまりにも危険な存在であると」
なるほど? どこからどこまでの情報を向こう側が仕入れていたのかは分からないけど、その情報から判断してこんな行動、そして発言をするに至ったという事か。
「お前は絶対に倒させてもらう。そうしなければ俺達がヤバいと、直感が訴えかけてくるんでな。一気呵成に倒させてもらう!」
言葉には勢いがあるが、一方で目には動揺? 不安? そんな感じの雰囲気を感じる。それをごまかすためにこんな風に声を上げて来たのだろうか? 別にそれを悪いとか何とか言うつもりはないけれど──こちらだって負けてやるわけにはいかない。ロナちゃんは相打ちだったとはいえ、こちらはまだ一度も勝利をあげる事が出来ていないのだ。
このままずるずると負け続ければ取り返しがつかなくなる。だからこそそろそろ一勝をあげないとまずいのはこちら側。倒させてもらうと宣言されても、ハイそうですかと向こうの思い通りに事を進ませるわけにはいかないのだ。
『えー、えーと、お互い準備はよろしいでしょうか?』
進行役のプレイヤーが困惑しているが、相手も自分も戦闘態勢を取った。相手の武装は──片手剣に自分と同じように腕に着ける形の小さな盾。腰にはダガーが一本、背中には槍と大太刀。そして腰の後ろ側にはやや大きめな袋が見えている。こりゃ実際に戦ってみないと立ち回りが分からないな。
『お互い戦闘態勢を取ったので、両者共に準備完了とさせていただきます! では、始めてください!』
試合開始とともに相手は片手剣を構えて猛然と突っ込んでくる。こっちは弓があるからな、遠距離に留まる理由なんかあるわけない。しかし、猛然と突っ込んだのは相手だけではない。自分も同じように前に出たのだ。
「な!?」
相手は驚きの声を上げたが、それでも前進を止めずに片手剣を勢いのままに自分に対して振るってくる。その剣を自分は右側に回避し、反撃に移ろうとして──更に前転した。妙に強い殺気を相手の左腕の先辺りから感じ取ったからだ。
「チッ!」
相手が舌打ちをした。そして振り返って確認すると、相手の左腕のガントレットからは二本の爪が生えていた。防具に仕込んでいた暗器の一種か……しかもその爪の表面はうっすらと濡れている事に気が付いた。
「なるほど、毒か」「ご名答って奴だよ……くそ、初見で見破るか? ここまで一回も使ってこなかったのによ」
見破ったというよりは殺気が隠せてなかったから避けたんだけどね。筋肉モリモリのマッチョマンでありながら、ああいった暗器を使いこなすだけの器用さ。うーん、もしかして自分が戦闘に特化した場合は相手の様な事になったんだろうか? ある意味では自分の上位互換だな、戦闘能力だけを考慮すれば。
「マッスルウォーリアーというギルドの名前からは想像しにくい手段ではある、な」「こっちのギルドは、体を鍛えてたくましい体を作るのは前提条件だ。そのうえでより勝利を目指すための技も身に着ける、ただパワーで押すだけの集団じゃないんでな」
ふむ、そういう事なのか。だから暗器も使うし、魔法を防ぐ技量も身に着けるという話になって来ると。準決勝までパワーによる力押しをしてきたという戦い方は、相手にそう認識させるための一種のダミー情報を振りまいていたという事になるな。で、決勝で本来の戦闘スタイルを各々がとる、と。確かにここまでの情報とは異なる戦法を取れば、相手は動揺するだろう。
「だが、振るう必要がなければ単純な力押しで勝つだけだ。逆に言えば、ブルーカラーはそれでは勝てないと判断させる強さを持っているとこちらが認めた形になる。だから、毒だろうが道具だろうが使わせてもらう!」
言い終わると同時に、相手は左手から小さな袋を自分に向かって投げつけた直後に突進してくる。自分はその袋をできる限り優しく掴み、地面に向かってそっと置く。。そこから相手をぎりぎりまで引き付けてから《大跳躍》を使って高く飛び、相手の頭上を取る。
「ん!?」
相手は自分が突如消えたように見えたはずだ。急ブレーキをかけて左右を見渡す──マッスル側の方から「上だ!」という声が飛んできたが、遅い。自分はすでに六つの強化オイルを投げ終えている。道具を解禁したのはそちら側だけじゃないんだ。自分は風魔術の《フライ》を展開し、強化オイルの炎の間合いから逃れる。
直後、爆発音と共に立ち上る六本の炎の柱。もちろんその炎は容赦なく相手の体を焼く。これにはさすがの相手も悲鳴を上げて地面を転がるが──その姿に向かって、自分はさらに八岐の月で相手の体や頭部に矢を射かける。相手が不規則に転がるので命中率があまりよくないが、ある程度は胴体に命中しているためノーダメージという事はないだろう。頭部には残念ながら当たらず。
何とか転がって体にまとわりついた炎を消し終えた相手だが──自分はそれに合わせてさらなるオイルを数本、相手に向かってばらまいた。相手は燃やされてたまるかと地面に落ちる前にオイルをキャッチしようと試みるが、当然自分がそれを許す理由はない。オイル瓶を狙って矢を放ち、瓶を無理やり叩き割る。爆発が起き、炎が渦巻き、再び相手の体を焼き焦がす。
一本が割れれば、さらに近くの強化オイルの瓶が誘爆する。結果として炎はさらに大きくなり、相手の姿を容赦なく炎の抱擁となって抱きしめる。更なる相手の悲鳴が響き渡るが、自分は追撃の矢を次々と放つ。この戦いで大事なことはできるだけダメージを受けないで相手を倒す事。オイル瓶はここで使い切ってしまっても構わない。むしろ相手を早く倒せるのであれば使うべきだ。
(ここまで温存したが、これ以上温存する理由はないからね。まさに使い時って奴だ……次の手札もあるし)
相手が炎の向こうで踊っている姿に対して更にダメージを追加していく。しかし、いくら装備が良いとしてもかなり粘るな。強化オイルによる炎ダメージは決して安くないはずなんだが。そこに追加で八岐の月から放たれるドラゴンの矢でダメージを稼いでいるのに……あの頬に包まれた状態の彼が一種の身代わりの術で逃れている可能性も考慮したが、《気配察知》先生がそれは無いと教えてくれている。
炎が収まり、鎧のあちこちがすすけた状態の相手が姿を見せた。その手に握られていたのは空っぽの瓶。形状からしてポーションの瓶だな、つまりダメージに対してポーションがぶ飲みで耐えるという古典的な手段で耐えていたのか? が、相当のポーションを飲んだはず……つまり、ポーション中毒になりかかっている可能性は高いな。
(──あれ、使おうか)
自分はそう考えて、あるポーションを取り出す。相手は自分の手に握られたポーションを見て使わせまいとしたのだろう。腰に差していたダガーを素早く投擲してきた。自分はそれを回避するが、その会費中に相手は再び自分に向かって来た。だが、かえって好都合である。子のポーションは自分で飲むために取り出したのではないのだから。
「うおおおおおお、おおおお!?」
慌てて攻撃してきたためか、幾分キレのない片手剣による攻撃を自分は盾でいなし、相手は体勢を崩す。自分はすかさずポーションの蓋を開けて『相手の』口の中にポーションを流し込んだ。その後強制的に口を閉じさせ、吐き出させることなく飲み込ませた。直後、相手の体から傷がかなり消えた。
「これは回復ポーション? どういうつもりだ? わざわざ戦闘中に相手を回復させるなんて、馬鹿にしているのか!?」
自分が行った相手にポーションを飲ませて回復させた行為に対し、一種の挑発のつもりか? と考えたのであろう相手が大声で自分に対して怒りの声を上げた。まあ、そう受け取られてもしょうがない行動ではある。だが、もちろんそんな挑発のための行動ではない。彼に飲ませたのは、ポーション中毒になった体でも効くポーションだ。それが効果を発揮したという事は……
(後は相手が一本でもポーションを飲めばお終いだ。自分の中に爆弾が回復行為によって仕掛けられたとは思わないだろう。龍の国の薬師の師には申し訳ない使い方だが──)
相手が相手だ。決められる手段が増やせるなら遠慮なく使わないと。こちらが優位なら絶対やらない手段ではあるのだが、今はそうはいっていられない。さて、これで仕込みは済んだ。後は決まるかどうかだが、決まるように相手を誘導する必要はある。ここから一定のダメージを相手に与えなければ……
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10年以上書いているのに、戦闘シーンは書くのが難しい……
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