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決勝第七試合決着
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カザミネも相手もすでにその顔から落ちる汗の量が明確に増えた。息も荒いがまだ均衡は破れない。しかし、それは後わずかな間だろう。僅かずつではあるが、お互いの振るう武器の鋭さが落ち続けている。精神的にかなり苦しい状況であることは疑う余地もなく、決着の時は近い。
お互いが武器を振るう回数も減ってきた。互いが互いの手をある程度学んだからなのか、迂闊な攻撃はそのままカウンターからの一撃で倒される未来が見えているんだろう。なので武器を振るう前に行うフェイントに掛ける時間が明確に増えた。いかに相手を釣り出し、己の一撃を相手に叩き込むか──
(疲労は動きを雑にさせる要因の一つだ。が、両者ほとんど動きが鈍っていない。だが、それも一撃を受けるまでだ。一撃を受けたら、それが緊張の糸を切る最大のきっかけになる。むろんその一撃で即死する可能性も高いが、たとえ即死しなくても戦いの流れを決定的にする事になる)
──だからこそ、武舞台の上の二人は相手に最初の一撃を叩き込む事に全てを賭けて立ちまわっているのだ。相手だけでなく自分の疲労に対しても必死で戦いながら。しかし何事にも終わりは来る。何度目になるか分からない競り合いの末、相手の薙刀の切っ先がカザミネの頬辺りを捉え、一筋の赤い筋が走ると同時に鮮血が舞う。
「つっ!」
カザミネはその痛みに反射的に声を出す。相手はそれを好機と見たようで、カザミネに対して薙刀の一撃を更に振るう。しかし、カザミネの精神力はその程度の痛みで揺らぐものではない。何度も苦境に立って来たカザミネにとって、あの程度の傷による痛みなど精神を揺らがすことは無い。
振るわれた薙刀の一撃を、カザミネは大太刀を振るって弾き返した。澄んだ金属音とともに弾かれた相手の薙刀が手を離れて宙を舞う。すかさずカザミネは距離を詰め、自分の間合いに入る。しかし、相手はそこで両手の手首付近に隠していたと思われるナイフを取り出し、カザミネに対して襲い掛かった。
これが決定的な決着に繋がる行為となった。カザミネは大太刀の間合いに詰めてはいたが大太刀をまだ振るってはいない。相手の行動に対処できる体勢を維持していたのだ。一方で相手は焦った事で襲い掛かってしまった。そう、つまり攻撃のモーションに入ってしまった。フェイントなど一切なく、ただ真っすぐに。そんな攻撃にカザミネが対応できない訳がない。
「いざという奥の手を持っているっていうのは、時として隙を晒す悪手となるんですよ」
という言葉の後に相手のナイフを構えた突撃攻撃を回避したカザミネは、静かに大太刀が相手に振るう。直後、相手の首が宙に舞った。相手の敗因は、マッスルは力に任せて押してくるというベールが既に剥がれていたのにもかかわらず暗器を何の工夫もなく、焦って振るってしまった事だ。焦って振るえば、鋭さも何もない。相手は最後に冷静さも技も失ってただ我武者羅にナイフを突き刺そうとしただけだった。
『勝負ありです! この試合はブルーカラーの勝利です!』
進行役のプレイヤーの宣言を聞きながら、自分は最後の攻防について考えていた。カザミネじゃなくたって、相手側の最後のナイフをただ何の考えも揺さぶりもなく突き刺そうとした行動はこの塔に昇って来る猛者にはまず通用しないだろう。追い詰められた時にこそ、その人の積み重ねというものは出てしまうのだ。相手とカザミネ、明確な差はその積み重ねとギリギリの状況でも心をできる限り冷静に保てるか否かの点にあったと言っていい。
ましてや、相手が暗器を持っている可能性が高いという事もすでにカザミネは知っていた。だから相手が使ってくることをカザミネはきちんと予想したうえで行動していたからこそ、最後の攻撃を奇麗に回避してから首を飛ばす動きが出来たのだろう。落ち着いてしっかりと振るわれたいい太刀筋だった。
そうして勝利したカザミネは武舞台を降りてきたのだが、当人は疲労困憊な状態だった。その為か、武舞台を降りるとすぐさましゃがみ込んでしまった。息は荒いままでなかなか整えられない。当然ブルーカラーと自分から心配する声が次々と出るが……
「大丈夫、です。もう少しすれば落ち着きますから。ただ、強敵であったことは事実です。あの薙刀の刃はとても恐ろしかった。あの攻撃の筋は振るわれるたびに肝が冷えたという言葉を使うのが適切です。しかし、最後の最後で相手は己の脆さを露呈しました。マッスルは暗器を隠し持っている可能性が高い、その情報があればこそ最後の攻撃を予想できました」
荒い息のまま、それでもカザミネはゆっくりと先ほどの戦いを皆に伝えながら振り返っていた。
「もし暗器を持っている可能性が高いという情報がなければ、最後の一撃を喰らっていた可能性は否定できません。ですが、彼らはもうそういった情報を先の戦いで露出してしまっている。それを考慮した上で使うべきでしたね。流石に私でも、追い詰められたからとにかく使おうというだけの雑な動きならば──疲労していても見切る事は出来ますから」
いやいや、それはカザミネが最後まで冷静さを維持し途中で緊張の糸を断たなかったからこそだと思うけどね。でもまあ、言わなくていいか。彼もそれは頭ではわかってなかったとしても体と心で理解しているはずだ。今のカザミネに必要なのは休む時間だ。二週目に備えてとにかく呼吸を落ち着けてもらいたい。
「なんにせよ、二勝目を上げてくれたのはデカいぜ。後は俺とレイジがそれに続くだけだな」「そうだな」
次がレイジの試合、そして一週目最後がツヴァイだ。この二人が勝ってくれればブルーカラーの勝利数は四勝になって状況はかなり押し戻せる。残り二試合の結果は、明確に二週目へと多大な影響を与える事になる。
「じゃあ、行ってくる」
レイジは短く告げた後に武舞台に向かって歩き出した。その声には気迫を感じたが、過剰な力みはない。どうやら変に焦ったりはしていない様だ。精神的には良い状態と言っていいだろう。
「ああ、暴れてこい!」
レイジの言葉にブルーカラーを代表する形でツヴァイが返答を返した。レイジは右手を軽く上げながら武舞台へと昇っていく。
「いつも通りって感じでいいわね」「ええ、変に気負っていないのは良い事です。普段通りの動きをしてくれるでしょう」「レイジさんも~結構肝が据わっていますよね~。今はそれがとても頼もしいですけど~」
と、ブルーカラーの女性陣がレイジの事を誉めている。初期からずっとタンカー一本でブルーカラーの先頭に立ってきたのがレイジだ。その積み重ねによる信頼はとても厚いという事だろう。さて、気になる相手だが──ん? 腰に騎士剣が二本下がっていて、背中にはこれまた二本の槍がXの形で背負われているのが見える。
更に鎧も真っ赤で、よく見ると相手の肩には六文銭が描かれている。つまりこれは、真田の赤備えを模しているのかな? もしくは真田幸村のファン? 流石に六文銭に赤い鎧ときて、真田家の事なんか知りませんはないだろう。
「──真田の赤備え、か」「分かってくれるとは嬉しいねえ。大坂夏の陣で真田家が見せたその戦い、俺は常に戦いはそういうもんだと思っている。苦境に陥っても、数で不利でも最後まで戦い抜くものだと。だからあの真田家の赤備えを模させてもらっている。真田日本一の兵 古よりの物語にもこれなき由って言葉は聞いた事があるか? そう呼ばれるように俺は強くなるという誓いも込めているつもりだ」
レイジの言葉に、相手も素直に答えた。やはりあれは大坂の陣で真田家が見せた赤備えを模したもので間違いなかったようだ。真田の軍は大阪夏の陣で家康の本陣まで攻め入り、家康公を追い詰めた逸話は歴史に興味を持つ人ならば知らない人はまずいないだろう。圧倒的に数の上で不利であったにもかかわらず、本陣まで攻め入った真田の赤備えはまさに伝説と呼ぶにふさわしい。
「日本一の兵、か」「ああ、良い言葉だろう? 気合も入るし熱くなる。その心構えで戦い続けて今、俺はここに居る。決して口先だけではないと分かってもらえるはずだ」
などと会話を交わしながらお互いが武器を構える。次の試合が始まるな。
お互いが武器を振るう回数も減ってきた。互いが互いの手をある程度学んだからなのか、迂闊な攻撃はそのままカウンターからの一撃で倒される未来が見えているんだろう。なので武器を振るう前に行うフェイントに掛ける時間が明確に増えた。いかに相手を釣り出し、己の一撃を相手に叩き込むか──
(疲労は動きを雑にさせる要因の一つだ。が、両者ほとんど動きが鈍っていない。だが、それも一撃を受けるまでだ。一撃を受けたら、それが緊張の糸を切る最大のきっかけになる。むろんその一撃で即死する可能性も高いが、たとえ即死しなくても戦いの流れを決定的にする事になる)
──だからこそ、武舞台の上の二人は相手に最初の一撃を叩き込む事に全てを賭けて立ちまわっているのだ。相手だけでなく自分の疲労に対しても必死で戦いながら。しかし何事にも終わりは来る。何度目になるか分からない競り合いの末、相手の薙刀の切っ先がカザミネの頬辺りを捉え、一筋の赤い筋が走ると同時に鮮血が舞う。
「つっ!」
カザミネはその痛みに反射的に声を出す。相手はそれを好機と見たようで、カザミネに対して薙刀の一撃を更に振るう。しかし、カザミネの精神力はその程度の痛みで揺らぐものではない。何度も苦境に立って来たカザミネにとって、あの程度の傷による痛みなど精神を揺らがすことは無い。
振るわれた薙刀の一撃を、カザミネは大太刀を振るって弾き返した。澄んだ金属音とともに弾かれた相手の薙刀が手を離れて宙を舞う。すかさずカザミネは距離を詰め、自分の間合いに入る。しかし、相手はそこで両手の手首付近に隠していたと思われるナイフを取り出し、カザミネに対して襲い掛かった。
これが決定的な決着に繋がる行為となった。カザミネは大太刀の間合いに詰めてはいたが大太刀をまだ振るってはいない。相手の行動に対処できる体勢を維持していたのだ。一方で相手は焦った事で襲い掛かってしまった。そう、つまり攻撃のモーションに入ってしまった。フェイントなど一切なく、ただ真っすぐに。そんな攻撃にカザミネが対応できない訳がない。
「いざという奥の手を持っているっていうのは、時として隙を晒す悪手となるんですよ」
という言葉の後に相手のナイフを構えた突撃攻撃を回避したカザミネは、静かに大太刀が相手に振るう。直後、相手の首が宙に舞った。相手の敗因は、マッスルは力に任せて押してくるというベールが既に剥がれていたのにもかかわらず暗器を何の工夫もなく、焦って振るってしまった事だ。焦って振るえば、鋭さも何もない。相手は最後に冷静さも技も失ってただ我武者羅にナイフを突き刺そうとしただけだった。
『勝負ありです! この試合はブルーカラーの勝利です!』
進行役のプレイヤーの宣言を聞きながら、自分は最後の攻防について考えていた。カザミネじゃなくたって、相手側の最後のナイフをただ何の考えも揺さぶりもなく突き刺そうとした行動はこの塔に昇って来る猛者にはまず通用しないだろう。追い詰められた時にこそ、その人の積み重ねというものは出てしまうのだ。相手とカザミネ、明確な差はその積み重ねとギリギリの状況でも心をできる限り冷静に保てるか否かの点にあったと言っていい。
ましてや、相手が暗器を持っている可能性が高いという事もすでにカザミネは知っていた。だから相手が使ってくることをカザミネはきちんと予想したうえで行動していたからこそ、最後の攻撃を奇麗に回避してから首を飛ばす動きが出来たのだろう。落ち着いてしっかりと振るわれたいい太刀筋だった。
そうして勝利したカザミネは武舞台を降りてきたのだが、当人は疲労困憊な状態だった。その為か、武舞台を降りるとすぐさましゃがみ込んでしまった。息は荒いままでなかなか整えられない。当然ブルーカラーと自分から心配する声が次々と出るが……
「大丈夫、です。もう少しすれば落ち着きますから。ただ、強敵であったことは事実です。あの薙刀の刃はとても恐ろしかった。あの攻撃の筋は振るわれるたびに肝が冷えたという言葉を使うのが適切です。しかし、最後の最後で相手は己の脆さを露呈しました。マッスルは暗器を隠し持っている可能性が高い、その情報があればこそ最後の攻撃を予想できました」
荒い息のまま、それでもカザミネはゆっくりと先ほどの戦いを皆に伝えながら振り返っていた。
「もし暗器を持っている可能性が高いという情報がなければ、最後の一撃を喰らっていた可能性は否定できません。ですが、彼らはもうそういった情報を先の戦いで露出してしまっている。それを考慮した上で使うべきでしたね。流石に私でも、追い詰められたからとにかく使おうというだけの雑な動きならば──疲労していても見切る事は出来ますから」
いやいや、それはカザミネが最後まで冷静さを維持し途中で緊張の糸を断たなかったからこそだと思うけどね。でもまあ、言わなくていいか。彼もそれは頭ではわかってなかったとしても体と心で理解しているはずだ。今のカザミネに必要なのは休む時間だ。二週目に備えてとにかく呼吸を落ち着けてもらいたい。
「なんにせよ、二勝目を上げてくれたのはデカいぜ。後は俺とレイジがそれに続くだけだな」「そうだな」
次がレイジの試合、そして一週目最後がツヴァイだ。この二人が勝ってくれればブルーカラーの勝利数は四勝になって状況はかなり押し戻せる。残り二試合の結果は、明確に二週目へと多大な影響を与える事になる。
「じゃあ、行ってくる」
レイジは短く告げた後に武舞台に向かって歩き出した。その声には気迫を感じたが、過剰な力みはない。どうやら変に焦ったりはしていない様だ。精神的には良い状態と言っていいだろう。
「ああ、暴れてこい!」
レイジの言葉にブルーカラーを代表する形でツヴァイが返答を返した。レイジは右手を軽く上げながら武舞台へと昇っていく。
「いつも通りって感じでいいわね」「ええ、変に気負っていないのは良い事です。普段通りの動きをしてくれるでしょう」「レイジさんも~結構肝が据わっていますよね~。今はそれがとても頼もしいですけど~」
と、ブルーカラーの女性陣がレイジの事を誉めている。初期からずっとタンカー一本でブルーカラーの先頭に立ってきたのがレイジだ。その積み重ねによる信頼はとても厚いという事だろう。さて、気になる相手だが──ん? 腰に騎士剣が二本下がっていて、背中にはこれまた二本の槍がXの形で背負われているのが見える。
更に鎧も真っ赤で、よく見ると相手の肩には六文銭が描かれている。つまりこれは、真田の赤備えを模しているのかな? もしくは真田幸村のファン? 流石に六文銭に赤い鎧ときて、真田家の事なんか知りませんはないだろう。
「──真田の赤備え、か」「分かってくれるとは嬉しいねえ。大坂夏の陣で真田家が見せたその戦い、俺は常に戦いはそういうもんだと思っている。苦境に陥っても、数で不利でも最後まで戦い抜くものだと。だからあの真田家の赤備えを模させてもらっている。真田日本一の兵 古よりの物語にもこれなき由って言葉は聞いた事があるか? そう呼ばれるように俺は強くなるという誓いも込めているつもりだ」
レイジの言葉に、相手も素直に答えた。やはりあれは大坂の陣で真田家が見せた赤備えを模したもので間違いなかったようだ。真田の軍は大阪夏の陣で家康の本陣まで攻め入り、家康公を追い詰めた逸話は歴史に興味を持つ人ならば知らない人はまずいないだろう。圧倒的に数の上で不利であったにもかかわらず、本陣まで攻め入った真田の赤備えはまさに伝説と呼ぶにふさわしい。
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