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援軍追加入りまーす
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翌日、ちょっと不安──いやかなり不安な感情のままログインした。ベッドの上で目が覚めて起き上がった時に自分が見た物は……分身体が十人、跪いている光景だった。一体何事だ?
「我々にも食事をお願いします。その代わりにこの階層での試練には力をお貸しします」
代表者と思われる分身体がそう発言した。君達も飯目的かい! ちらっと本体である守護者に視線を向けると、頭を抱えていたが分身達の動きを力ずくで止めるという考えもない様だ。いや、止められないのかもな。昨日分身体が寝返らせるのも突破手段と言っていた。さらに自分ではなく分身体から持ち掛けたのだから問題が無いとも。
「なんでもいいの?」「不味いものでなければ構いません」
との事なので何か振舞おうと考えてアイテムボックスを覗いた時に気が付いた。各種肉や野菜が多数アイテムボックス内に収まっている。これは、昨日守護者が持ってきた材料の残りじゃないか。自分は入れた記憶がないのだが……自分の物扱いになってしまっていたのだろうか? なんか盗んだような気持になるんだけど、これを使わせてもらうか。
(野菜はそれなりに……肉は猪肉が多く残ってるな。うーん、これは猪鍋かな。何とかつくり方自体は覚えているからやってみるか)
味は味噌味にするんだったな。で、肝心の猪肉なんだけど……うーん、やっぱりちょっと匂いが気になるな。これは血抜き作業が上手く行かなかった奴なのかな? それともワンモアでは元からこういう感じだったっけか? まあ、いいか。ちょっとに王位の猪肉でもきちんとどうにかなる手段はある。
大きめなボウルの中に塩を溶かした水の中に肉を入れまして、もみ洗いもみ洗い。これを何回か繰り返してお肉を綺麗にする。そうしたら次は一旦水気を切ったお肉に対してお酒を入れて肉を沈める。リアルだと、水が漏れないようにしたパックにお酒を入れてお肉をその中に入れるのが普通かな。何せこの後更にお肉を揉んだ後に冷蔵庫に入れて数時間から一日ぐらい放置しなきゃならないので。
だが、ワンモアなら料理のアーツがあるので時間短縮は容易い。お酒の中で(なお、お酒は調味料として売り出されている龍の国の物を使用しています)揉みながら時間を進ませる。するとお酒がみるみる赤くなっていく……無論、このお酒は捨てる事になる。だが、この作業を行う事でお肉の臭みが抜けるのだ。これでやっと下準備が出来た。
なお、ここまでやっても肉の臭みが抜けない事ももちろんある。その時は──お肉の廃棄をお勧めする。手間暇かけて結局ダメなのか、ともったいなく感じるかもしれないけれどその手間暇をかけてもダメだった場合は捨てた方が無難だと確か猪鍋のレシピを公開している所でも指示していたはずだ。
それはともかく、今回は大丈夫なので先に進む。猪肉を食べやすいように薄くスライスし、ここでまたお酒に浸しておく。これも一日ぐらい浸しておくのが良いらしいが、もちろんアーツで時間短縮させていただく。そうやってお肉をお酒に浸している間、野菜を切って調味料も準備して全ての用意を整えたらやっと鍋の作成に入る。料理はいつも下準備が大変なのである。
手持ちの中で一番デカい鍋に油を敷いて、火を入れた後に細かく切っておいたにんにくを軽く炒めて香りが出てきたら猪肉を投入して、焼き色がついてきたら野菜も投入して軽めに炒める。ここまで来たら水とリアルなら出汁関連の調味料を入れる事になる。が、ワンモアにそんな都合の良い物はないので入れられない……
まあ、ワンモアの素材ならリアルより味が出る事が多いのでそこに賭けよう。手順さえおかしなことをしなければ問題は無いだろう。水を入れたあとに葉物野菜を投入し、強火で沸騰するまで煮込む。沸騰したら火を弱めて……リアルだと中火ぐらいかな、それぐらいの火加減だ。灰汁をしっかりとって、その後に味噌を投入する。
言うまでもないが、味噌は沸騰させたりあまりに高温で熱してしまうと風味などが吹っ飛んで不味くなってしまうからそこは注意しないといけない。味噌を溶かし込んだら弱火にして、じっくりと煮込む。この弱火でじっくり煮込む事によって、猪のお肉は柔らかくなってくれるのだ。逆に強火で長々と煮てしまうと固くなってしまうので注意がいる。
最後の仕上げに、軽く山椒をかけて完成だ。うーん、料理のアーツをフル回転で使ったのに完成までに一時間もかかってしまったか。それでも現実だともっと時間がかかるので十分に時間短縮は出来ているのだが……煮込まれている猪鍋からは、いい匂いが漂っている。この匂いならば、まずいという心配はないだろう。
後は十人分の器を用意し、とりわけ用の箸なども用意して……よし、完成かな。どれ、出来上がった猪鍋はどんな評価を受けたかなーっと?
猪鍋 制作評価八
猪の肉をできる限り丁寧に処理してあるおかげで、嫌な匂いもなく柔らかく食べやすくなっている。食べれば力がみなぎり、いつも以上の戦闘を繰り広げる事も出来るだろう。
空腹速度低下(大) 攻撃力増加(大) 防御力増加(中) 機動力増加(中)
評価八いってくれたか。なお、機動力というのは移動に関わる事全般の様だ。つまり瞬発力も最高速度も上がると言う事になる。これは強力な食べ物だな……手間がかかった分の価値はある。だが、自分は食えない。あくまで十人にふるまう為の物だからだ。それに……目の前で匂いを嗅ぎ続けた影響なのか、十分の分身体だけでなく、離れた場所から見ている分身体の方も目が血走っているように見える。
「さ、さあ完成しました。どうぞ召し上がれ」
自分がそう口にしたとたん、住人は鍋に群がって一斉に取り合いを始めた。その姿は、大家族の子供達が我先にと美味しいものの争奪戦を行う姿そのものである……
「そんな一気にとらないでよ!」「その肉は我が貰う!」「私はここを貰うわ!」「肉も野菜も譲らねーぞ!」「おおおおお!」
まるで戦争そのものだ……争う様に鍋の具合を取り合い、そして口に運ぶ。とりわけ用の箸は全く機能せず、みな自分の箸を鍋に突っ込んで取り皿にもっていっている。鍋の具は大量に入れたんだけど、あっという間に消えていく。皆さん体のどこに入るの? と言いたくなる気持ちをぐっとこらえて、動きが止まるのを待つ。
(締めの雑炊用のご飯は一応あるけど……これ入れても足りないかも)
結局鍋は、十五分かからずすべての具材が食いつくされた。凄まじい勢いだった──空になった鍋を、悲しそうに眺めている十人。そこに自分が締めの雑炊用のご飯を投入した事で、十人の顔に笑みが戻る。そして雑炊も出来上がった訳だが……うん、五分持たなかった。出来立てで相当熱いはずなのに、お構いなしにかっ喰らっていたんだもん……
「ああ、幸せだ」「美味しかった、美味しかった」「心置きなく仕えられる」「お肉、最高」「お肉の味が染みた野菜も旨かったぞ……」
ようやく満足したようで、全員がお腹あたりをさすりながら満足げな表情を浮かべている。これで十二人の援軍が自分につく事になるな。この後の試練はこれでかなり楽になるはずだ。腕を振るった甲斐はある……ただなぁ。食べられなかった分身体から向けられる嫉妬と殺意の圧がすごい事になってしまっている。
(そんな目を向けられても勘弁してくれ……気持ちはわかるけど、物理的に応えられないよ)
確かに猪鍋の匂いはすごくよかった。でもさ、自分だって作るだけで肉の一切れだって口にしていないんだから、そう言う視線で圧をかけてくるのは正直勘弁してほしい。そう考えた所でふと思った。この十人はもしかして、何らかの抽選の末に選ばれた十人だったんじゃないかと。
(その抽選に漏れたうえ、目の前でうまそうな飯を作られても匂いしか味わえないとなればそりゃあそこまで殺気の一つも放つ、か? うん、そう考えた方が納得できる)
しかしだからと言ってこれ以上の料理行為は繰り返すが勘弁してほしい。今日も残り時間的にちょっと挑戦する事は出来ないし……でも、明日からは援軍もいる事だし恐らく部隊長までは問題なく進めるだろう。もちろんそのまま勝って、守護者本体と戦い勝てればこの階は終わる。この二日間は決して無駄じゃないはずだ。
「じゃあ、今日はこれで失礼するよ。次の挑戦からよろしくね」「「「「「お任せください!!!」」」」」
自分が別れを告げると、見事にはもって返答を返してくれた。うん、士気は高いとみていいね。これならば頼りにしていいだろう……さて、他の事は考えるのを止めて寝よ。
「我々にも食事をお願いします。その代わりにこの階層での試練には力をお貸しします」
代表者と思われる分身体がそう発言した。君達も飯目的かい! ちらっと本体である守護者に視線を向けると、頭を抱えていたが分身達の動きを力ずくで止めるという考えもない様だ。いや、止められないのかもな。昨日分身体が寝返らせるのも突破手段と言っていた。さらに自分ではなく分身体から持ち掛けたのだから問題が無いとも。
「なんでもいいの?」「不味いものでなければ構いません」
との事なので何か振舞おうと考えてアイテムボックスを覗いた時に気が付いた。各種肉や野菜が多数アイテムボックス内に収まっている。これは、昨日守護者が持ってきた材料の残りじゃないか。自分は入れた記憶がないのだが……自分の物扱いになってしまっていたのだろうか? なんか盗んだような気持になるんだけど、これを使わせてもらうか。
(野菜はそれなりに……肉は猪肉が多く残ってるな。うーん、これは猪鍋かな。何とかつくり方自体は覚えているからやってみるか)
味は味噌味にするんだったな。で、肝心の猪肉なんだけど……うーん、やっぱりちょっと匂いが気になるな。これは血抜き作業が上手く行かなかった奴なのかな? それともワンモアでは元からこういう感じだったっけか? まあ、いいか。ちょっとに王位の猪肉でもきちんとどうにかなる手段はある。
大きめなボウルの中に塩を溶かした水の中に肉を入れまして、もみ洗いもみ洗い。これを何回か繰り返してお肉を綺麗にする。そうしたら次は一旦水気を切ったお肉に対してお酒を入れて肉を沈める。リアルだと、水が漏れないようにしたパックにお酒を入れてお肉をその中に入れるのが普通かな。何せこの後更にお肉を揉んだ後に冷蔵庫に入れて数時間から一日ぐらい放置しなきゃならないので。
だが、ワンモアなら料理のアーツがあるので時間短縮は容易い。お酒の中で(なお、お酒は調味料として売り出されている龍の国の物を使用しています)揉みながら時間を進ませる。するとお酒がみるみる赤くなっていく……無論、このお酒は捨てる事になる。だが、この作業を行う事でお肉の臭みが抜けるのだ。これでやっと下準備が出来た。
なお、ここまでやっても肉の臭みが抜けない事ももちろんある。その時は──お肉の廃棄をお勧めする。手間暇かけて結局ダメなのか、ともったいなく感じるかもしれないけれどその手間暇をかけてもダメだった場合は捨てた方が無難だと確か猪鍋のレシピを公開している所でも指示していたはずだ。
それはともかく、今回は大丈夫なので先に進む。猪肉を食べやすいように薄くスライスし、ここでまたお酒に浸しておく。これも一日ぐらい浸しておくのが良いらしいが、もちろんアーツで時間短縮させていただく。そうやってお肉をお酒に浸している間、野菜を切って調味料も準備して全ての用意を整えたらやっと鍋の作成に入る。料理はいつも下準備が大変なのである。
手持ちの中で一番デカい鍋に油を敷いて、火を入れた後に細かく切っておいたにんにくを軽く炒めて香りが出てきたら猪肉を投入して、焼き色がついてきたら野菜も投入して軽めに炒める。ここまで来たら水とリアルなら出汁関連の調味料を入れる事になる。が、ワンモアにそんな都合の良い物はないので入れられない……
まあ、ワンモアの素材ならリアルより味が出る事が多いのでそこに賭けよう。手順さえおかしなことをしなければ問題は無いだろう。水を入れたあとに葉物野菜を投入し、強火で沸騰するまで煮込む。沸騰したら火を弱めて……リアルだと中火ぐらいかな、それぐらいの火加減だ。灰汁をしっかりとって、その後に味噌を投入する。
言うまでもないが、味噌は沸騰させたりあまりに高温で熱してしまうと風味などが吹っ飛んで不味くなってしまうからそこは注意しないといけない。味噌を溶かし込んだら弱火にして、じっくりと煮込む。この弱火でじっくり煮込む事によって、猪のお肉は柔らかくなってくれるのだ。逆に強火で長々と煮てしまうと固くなってしまうので注意がいる。
最後の仕上げに、軽く山椒をかけて完成だ。うーん、料理のアーツをフル回転で使ったのに完成までに一時間もかかってしまったか。それでも現実だともっと時間がかかるので十分に時間短縮は出来ているのだが……煮込まれている猪鍋からは、いい匂いが漂っている。この匂いならば、まずいという心配はないだろう。
後は十人分の器を用意し、とりわけ用の箸なども用意して……よし、完成かな。どれ、出来上がった猪鍋はどんな評価を受けたかなーっと?
猪鍋 制作評価八
猪の肉をできる限り丁寧に処理してあるおかげで、嫌な匂いもなく柔らかく食べやすくなっている。食べれば力がみなぎり、いつも以上の戦闘を繰り広げる事も出来るだろう。
空腹速度低下(大) 攻撃力増加(大) 防御力増加(中) 機動力増加(中)
評価八いってくれたか。なお、機動力というのは移動に関わる事全般の様だ。つまり瞬発力も最高速度も上がると言う事になる。これは強力な食べ物だな……手間がかかった分の価値はある。だが、自分は食えない。あくまで十人にふるまう為の物だからだ。それに……目の前で匂いを嗅ぎ続けた影響なのか、十分の分身体だけでなく、離れた場所から見ている分身体の方も目が血走っているように見える。
「さ、さあ完成しました。どうぞ召し上がれ」
自分がそう口にしたとたん、住人は鍋に群がって一斉に取り合いを始めた。その姿は、大家族の子供達が我先にと美味しいものの争奪戦を行う姿そのものである……
「そんな一気にとらないでよ!」「その肉は我が貰う!」「私はここを貰うわ!」「肉も野菜も譲らねーぞ!」「おおおおお!」
まるで戦争そのものだ……争う様に鍋の具合を取り合い、そして口に運ぶ。とりわけ用の箸は全く機能せず、みな自分の箸を鍋に突っ込んで取り皿にもっていっている。鍋の具は大量に入れたんだけど、あっという間に消えていく。皆さん体のどこに入るの? と言いたくなる気持ちをぐっとこらえて、動きが止まるのを待つ。
(締めの雑炊用のご飯は一応あるけど……これ入れても足りないかも)
結局鍋は、十五分かからずすべての具材が食いつくされた。凄まじい勢いだった──空になった鍋を、悲しそうに眺めている十人。そこに自分が締めの雑炊用のご飯を投入した事で、十人の顔に笑みが戻る。そして雑炊も出来上がった訳だが……うん、五分持たなかった。出来立てで相当熱いはずなのに、お構いなしにかっ喰らっていたんだもん……
「ああ、幸せだ」「美味しかった、美味しかった」「心置きなく仕えられる」「お肉、最高」「お肉の味が染みた野菜も旨かったぞ……」
ようやく満足したようで、全員がお腹あたりをさすりながら満足げな表情を浮かべている。これで十二人の援軍が自分につく事になるな。この後の試練はこれでかなり楽になるはずだ。腕を振るった甲斐はある……ただなぁ。食べられなかった分身体から向けられる嫉妬と殺意の圧がすごい事になってしまっている。
(そんな目を向けられても勘弁してくれ……気持ちはわかるけど、物理的に応えられないよ)
確かに猪鍋の匂いはすごくよかった。でもさ、自分だって作るだけで肉の一切れだって口にしていないんだから、そう言う視線で圧をかけてくるのは正直勘弁してほしい。そう考えた所でふと思った。この十人はもしかして、何らかの抽選の末に選ばれた十人だったんじゃないかと。
(その抽選に漏れたうえ、目の前でうまそうな飯を作られても匂いしか味わえないとなればそりゃあそこまで殺気の一つも放つ、か? うん、そう考えた方が納得できる)
しかしだからと言ってこれ以上の料理行為は繰り返すが勘弁してほしい。今日も残り時間的にちょっと挑戦する事は出来ないし……でも、明日からは援軍もいる事だし恐らく部隊長までは問題なく進めるだろう。もちろんそのまま勝って、守護者本体と戦い勝てればこの階は終わる。この二日間は決して無駄じゃないはずだ。
「じゃあ、今日はこれで失礼するよ。次の挑戦からよろしくね」「「「「「お任せください!!!」」」」」
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