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二次予選開始、序盤の様子
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始まった二次予選だが、明確に一次予選とはレベルが違った。流石一次予選を勝ち抜いてきた猛者が集まる事もあって、一回戦目から激しいぶつかり合いが展開されている。双方ボロボロになり、とてもじゃないが温存など出来ない試合展開が繰り広げられている。決着がついたが、どの試合も最後の三人目にもつれ込んでの決着となっている。
(二次予選に入って一旦全員のHPなどは完全回復されたんだが、すぐさまこれか。だが、両ギルドともに強かった。緊迫した試合になったし、どちらが勝ってもおかしくない展開ばかりだった。だが、そのおかげでここで一敗したギルドはあとが辛いな。それを感じたのは自分だけじゃない、周囲の別ギルドの面子も同じような感想を持っていることがひそひそと伝わってくる)
皆小声だが、それを自分の耳は拾ってくる。皆初戦でこの第一試合のように大きく削り合いになってしまうと、この先勝ち抜くのは難しいだろうと言った感じの話が活発に行われている。その一方で、残ったギルドの面子的にこのような削り合いになる事は避けられないといった意見も出てきているな。
「いきなり初戦からすごい事になった。やっぱり二次予選に上がってくるギルドは強い連中ばかりだって事が証明されたという事になるんだな」
ツヴァイがぼそりと呟いた。他の面子も同じ意見の様で反論は一切上がらずただ頷くばかり。
「この初戦でどれだけ温存できるかどうか、それが大きなカギの一つとなる事は間違いないでしょう。それは一回戦の戦いを見た全部のギルドが持った共通認識の筈。全てのギルドにとって初戦こそが明暗を分ける事に繋がってしまうでしょうね」
カザミネの意見は間違っていない。今回のルールである戦い終了後にHPなどが全快せず、HPが減るほどに動きが悪くなるというペナルティが重くのしかかってくる。そこに黒星までついてきたら、心が折れてしまってもおかしくない。だからこそ初戦で勝ち、その上でどれだけ自分達のHPを温存できるか、が二次予選突破に大きく影響してくる。
「次の戦いが始まりますね。明確に先ほどツヴァイさんとカザミネさんが口にした事を理解しているようで、両ギルドの出場者に緊張が見られます。あまりよろしくないですね、適度な緊張は必要ですが──ああも強い緊張は体を縛ってしまう。その状態では普段通りの動きなど望むべくもない。この状況下であっても普段通り動けるか否かの心の強さもまた、重要な要素になってきましたね」
カナさんの言う通り、どちらのギルドも最初に出てきた二刀流を使うプレイヤー同士となった二人は明確に動きが硬い。お互い牽制を仕掛けているが、動かぬ己の体に苛立っている様にも見えてくる。それゆえ思い切った踏み込みもなく、時間だけが過ぎていく。お互いダメージは全く受けないまま五分が過ぎた。周囲からはブーイングが上がり始める。
「ふざけんな、もっとまじめに戦えよ!」「初戦の様子を見て自分達は温存したいとか考えてんのかよー!!」「こんな事を時間切れまで続けるなら、両方とも負け判定を下せ―!」「みっともねえぞー!! それでも最強をかけて戦うギルドの代表かよー!!」
なんて声が戦っている両者に遠慮なくぶつけられる。しかし、自分はふざけているとは思わない。お互いに焦っているのが見えるからだ──大きな動きが一切なく、ただただ時間だけが過ぎているのは戦っている両者こそが分かっているだろう。顔には汗が浮かび、焦りながらもなんとか突破口を開きたいという感情を感じる。
更に付け加えれば、両者ともに交代せず自分が突破口を開きたいと思っている節があるように見受けられる。交代するために後ろに下がれば、それを突破口とされて手痛い一撃を受けると考えているのかもしれない。だから両者ともに引けず、かといって下手な踏み込みは隙を生むだけと思って踏み込めずと言った感じなのだろう。
だが、周囲から見れば両ギルドが談合してHPを温存している様にしか見えないのもまた事実だ。二次予選も勝ち上がれるギルドの枠は二つ。だからその二つを分け合う為にこんな茶番を演じている──そのような考えを基にしたブーイングが増える一方だ。勘繰られても仕方がない試合展開だからな。
しかし、それを聞かされる両ギルドの出場者はたまった物ではない。歯ぎしりをするもの、深く帽子をかぶって目線を隠すもの、言い返したいが堪えているものなど反応は様々だが恐らく胸の内にある言葉は同じだろう。そう、俺達はそんなつまらない談合などしちゃいないという思いで一致しているはずだ。
「どう思う? 本当にあの二つのギルドはそう言った裏の協定を結んでいると思うか?」「──自分の見立てでいいのなら……その可能性はまずないと思う」
レイジの言葉にそう返すと、自分の声を聞き取ったのだろうと思われいくつかのギルドから鋭い視線が飛んできた。それを理解した上で自分は持論を述べた。先ほどの両者から感じる様子や雰囲気、戦いとお互いの考えなどを読んだうえでの意見をあくまでレイジに返答する形で周囲に聞こえるぐらいの声の大きさで。
「つまり、アースはあのギルドはまじめに戦っている、と?」「ああ、そう思う。談合ならあそこまで悲痛な表情を浮かべないだろうし……お互い切り口を必死で探しているんだ。そして下手に下がって交代なんて行動に出れば、弱気になったと相手に思われてそこから一気に均衡が崩れてしまいかねない」
事実、自分の指摘した通り双方ともに相手を崩せない事に大量の汗をかき、早く機会が来てくれと歯を食いしばりながら今にも泣きだしそうな表情を浮かべて必死に一進一退の攻防を繰り広げている。あの表情だけなら自分も演技の可能性を疑うが、両者の顔に流れる汗と長くワンモアにいて感じ取ってきた感情の読み取る力があれは演技ではないと強く感じさせてくるのだ。
「だからあんな形になっていると?」「そう自分は考えている。もちろん初戦の凄まじい削り合い故の決着というものが多大に影響しているのは事実だろうが、彼等が談合しているが故の停滞であるとは思えないな」
自分の言葉を聞いてか、周囲のギルドは離れたところでブーイングを飛ばしているギルドとは違ってもう一度両者の姿を観察し始めた様だ。いまだにお互いクリーンヒットはないが、ついに双方の体を掠める攻撃は出始めている。長く戦った事で両者ともに無意識に緊張が緩み始めて、本来の動きに戻りつつあるからなのかもしれない。
「お互いに浅い攻撃が当たり始めているな」「ゆっくりではあるが、削り合いに移行し始めているか」「ブーイングが聞こえたからかね?」「そうじゃないと思うぞ、そもそもああも集中して戦ってたら、周囲はともかくあの二人はブーイングなんて聞こえちゃいないだろ」
周囲のギルドの人々が口にした通り、あの二人にブーイングが届いている訳もない。一瞬でも目を離したら自分の首や顔面、あるいは心臓に攻撃を届かせてくる相手であるという事は分かっているだろう。鎧を着ているから心臓はないだろう? なんてことはない。磨きぬいた一流の剣と技量があれば、鎧を抜いて心臓に刃を届かせる事は十分に可能となる世界なのだ、ここは。
「でも、焦りはますます増している様に見えますわね。お互い攻撃が当たるようにはなりましたが、明確な一撃がない。そして明確な一撃がこの後の流れまで決めてしまいかねないという感情が顔に出過ぎるほどに出ていますわ。あまりああいう感情は表に出さない方が良いのですが、今回は両者ともに同じですから……本当にその考えが現実になりそうですわ」
とエリザは感じ取ったようだ。その見立ては外れていないだろう。まさに二人とも見えない鎖にがんじがためにされてしまっていて、別の答えが見つけられない状況に陥っているように感じられる。そしてそれは彼ら二人だけでなく控えにいるメンバーもだ。声も出さず、乱入もせず、状況を見守る事しかできていない。
(でも、下手に手を出すとかえってまずい事になりかねないとも言えるか。何も考えずに行う乱入は崩壊を招く一手になりかねない。このルールの元となったと思われる格闘ゲームのシステムでも、うかつに乱入させて援護をさせたらそこを狙い撃たれて大技を撃たれて一気に二人吹っ飛ぶなんて事もあるしねぇ……)
それでも、状況は明確に動き始めた。後はその流れがどこに向かうか次第か。流れを己の方に向けられるのは果たしてどちらなのだろう? 今のところはまだ分からない。
(二次予選に入って一旦全員のHPなどは完全回復されたんだが、すぐさまこれか。だが、両ギルドともに強かった。緊迫した試合になったし、どちらが勝ってもおかしくない展開ばかりだった。だが、そのおかげでここで一敗したギルドはあとが辛いな。それを感じたのは自分だけじゃない、周囲の別ギルドの面子も同じような感想を持っていることがひそひそと伝わってくる)
皆小声だが、それを自分の耳は拾ってくる。皆初戦でこの第一試合のように大きく削り合いになってしまうと、この先勝ち抜くのは難しいだろうと言った感じの話が活発に行われている。その一方で、残ったギルドの面子的にこのような削り合いになる事は避けられないといった意見も出てきているな。
「いきなり初戦からすごい事になった。やっぱり二次予選に上がってくるギルドは強い連中ばかりだって事が証明されたという事になるんだな」
ツヴァイがぼそりと呟いた。他の面子も同じ意見の様で反論は一切上がらずただ頷くばかり。
「この初戦でどれだけ温存できるかどうか、それが大きなカギの一つとなる事は間違いないでしょう。それは一回戦の戦いを見た全部のギルドが持った共通認識の筈。全てのギルドにとって初戦こそが明暗を分ける事に繋がってしまうでしょうね」
カザミネの意見は間違っていない。今回のルールである戦い終了後にHPなどが全快せず、HPが減るほどに動きが悪くなるというペナルティが重くのしかかってくる。そこに黒星までついてきたら、心が折れてしまってもおかしくない。だからこそ初戦で勝ち、その上でどれだけ自分達のHPを温存できるか、が二次予選突破に大きく影響してくる。
「次の戦いが始まりますね。明確に先ほどツヴァイさんとカザミネさんが口にした事を理解しているようで、両ギルドの出場者に緊張が見られます。あまりよろしくないですね、適度な緊張は必要ですが──ああも強い緊張は体を縛ってしまう。その状態では普段通りの動きなど望むべくもない。この状況下であっても普段通り動けるか否かの心の強さもまた、重要な要素になってきましたね」
カナさんの言う通り、どちらのギルドも最初に出てきた二刀流を使うプレイヤー同士となった二人は明確に動きが硬い。お互い牽制を仕掛けているが、動かぬ己の体に苛立っている様にも見えてくる。それゆえ思い切った踏み込みもなく、時間だけが過ぎていく。お互いダメージは全く受けないまま五分が過ぎた。周囲からはブーイングが上がり始める。
「ふざけんな、もっとまじめに戦えよ!」「初戦の様子を見て自分達は温存したいとか考えてんのかよー!!」「こんな事を時間切れまで続けるなら、両方とも負け判定を下せ―!」「みっともねえぞー!! それでも最強をかけて戦うギルドの代表かよー!!」
なんて声が戦っている両者に遠慮なくぶつけられる。しかし、自分はふざけているとは思わない。お互いに焦っているのが見えるからだ──大きな動きが一切なく、ただただ時間だけが過ぎているのは戦っている両者こそが分かっているだろう。顔には汗が浮かび、焦りながらもなんとか突破口を開きたいという感情を感じる。
更に付け加えれば、両者ともに交代せず自分が突破口を開きたいと思っている節があるように見受けられる。交代するために後ろに下がれば、それを突破口とされて手痛い一撃を受けると考えているのかもしれない。だから両者ともに引けず、かといって下手な踏み込みは隙を生むだけと思って踏み込めずと言った感じなのだろう。
だが、周囲から見れば両ギルドが談合してHPを温存している様にしか見えないのもまた事実だ。二次予選も勝ち上がれるギルドの枠は二つ。だからその二つを分け合う為にこんな茶番を演じている──そのような考えを基にしたブーイングが増える一方だ。勘繰られても仕方がない試合展開だからな。
しかし、それを聞かされる両ギルドの出場者はたまった物ではない。歯ぎしりをするもの、深く帽子をかぶって目線を隠すもの、言い返したいが堪えているものなど反応は様々だが恐らく胸の内にある言葉は同じだろう。そう、俺達はそんなつまらない談合などしちゃいないという思いで一致しているはずだ。
「どう思う? 本当にあの二つのギルドはそう言った裏の協定を結んでいると思うか?」「──自分の見立てでいいのなら……その可能性はまずないと思う」
レイジの言葉にそう返すと、自分の声を聞き取ったのだろうと思われいくつかのギルドから鋭い視線が飛んできた。それを理解した上で自分は持論を述べた。先ほどの両者から感じる様子や雰囲気、戦いとお互いの考えなどを読んだうえでの意見をあくまでレイジに返答する形で周囲に聞こえるぐらいの声の大きさで。
「つまり、アースはあのギルドはまじめに戦っている、と?」「ああ、そう思う。談合ならあそこまで悲痛な表情を浮かべないだろうし……お互い切り口を必死で探しているんだ。そして下手に下がって交代なんて行動に出れば、弱気になったと相手に思われてそこから一気に均衡が崩れてしまいかねない」
事実、自分の指摘した通り双方ともに相手を崩せない事に大量の汗をかき、早く機会が来てくれと歯を食いしばりながら今にも泣きだしそうな表情を浮かべて必死に一進一退の攻防を繰り広げている。あの表情だけなら自分も演技の可能性を疑うが、両者の顔に流れる汗と長くワンモアにいて感じ取ってきた感情の読み取る力があれは演技ではないと強く感じさせてくるのだ。
「だからあんな形になっていると?」「そう自分は考えている。もちろん初戦の凄まじい削り合い故の決着というものが多大に影響しているのは事実だろうが、彼等が談合しているが故の停滞であるとは思えないな」
自分の言葉を聞いてか、周囲のギルドは離れたところでブーイングを飛ばしているギルドとは違ってもう一度両者の姿を観察し始めた様だ。いまだにお互いクリーンヒットはないが、ついに双方の体を掠める攻撃は出始めている。長く戦った事で両者ともに無意識に緊張が緩み始めて、本来の動きに戻りつつあるからなのかもしれない。
「お互いに浅い攻撃が当たり始めているな」「ゆっくりではあるが、削り合いに移行し始めているか」「ブーイングが聞こえたからかね?」「そうじゃないと思うぞ、そもそもああも集中して戦ってたら、周囲はともかくあの二人はブーイングなんて聞こえちゃいないだろ」
周囲のギルドの人々が口にした通り、あの二人にブーイングが届いている訳もない。一瞬でも目を離したら自分の首や顔面、あるいは心臓に攻撃を届かせてくる相手であるという事は分かっているだろう。鎧を着ているから心臓はないだろう? なんてことはない。磨きぬいた一流の剣と技量があれば、鎧を抜いて心臓に刃を届かせる事は十分に可能となる世界なのだ、ここは。
「でも、焦りはますます増している様に見えますわね。お互い攻撃が当たるようにはなりましたが、明確な一撃がない。そして明確な一撃がこの後の流れまで決めてしまいかねないという感情が顔に出過ぎるほどに出ていますわ。あまりああいう感情は表に出さない方が良いのですが、今回は両者ともに同じですから……本当にその考えが現実になりそうですわ」
とエリザは感じ取ったようだ。その見立ては外れていないだろう。まさに二人とも見えない鎖にがんじがためにされてしまっていて、別の答えが見つけられない状況に陥っているように感じられる。そしてそれは彼ら二人だけでなく控えにいるメンバーもだ。声も出さず、乱入もせず、状況を見守る事しかできていない。
(でも、下手に手を出すとかえってまずい事になりかねないとも言えるか。何も考えずに行う乱入は崩壊を招く一手になりかねない。このルールの元となったと思われる格闘ゲームのシステムでも、うかつに乱入させて援護をさせたらそこを狙い撃たれて大技を撃たれて一気に二人吹っ飛ぶなんて事もあるしねぇ……)
それでも、状況は明確に動き始めた。後はその流れがどこに向かうか次第か。流れを己の方に向けられるのは果たしてどちらなのだろう? 今のところはまだ分からない。
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