690 / 765
連載
進む試合
しおりを挟む
二番手の槍使いと対峙しても、カザミネは全く揺らがない。むしろ槍使いのほうが怯えるかのように間合いを取っている。得物が槍である以上間合いを取るのは間違っていないのだが、そういった戦略的なものではなく単純な恐怖心から間合いを取っているように見受けられるのだ。
しかし、一人落とされている以上、このままのにらみ合いが続けば負けになるのは向こうだって当然分かっている。故に攻撃を仕掛ける外ない。怯えたような気配からは想像できないような鋭い突きがカザミネに向かって飛んでくる。が、カザミネは槍の先端を大太刀で難なく受け流した。
「ぐ……っ!」
槍を受け流されたことで体勢を崩しかけた槍使いだったが何とか持ち直す。カザミネはこの程度の崩しではすぐに立て直されると分かっていたかのように動かなかった。その姿が、さらに槍使いの恐怖心を増したかのような感じがする。その恐怖にあらがうかのように、槍使いが突きを何度も繰り出す。
それらをことごとくカザミネは弾き、かわし、時には下半身を狙ってきた槍を踏みつけてから相手を睨んだ。どうやらカザミネには槍の動きがすべて見えているようだ。そうでなければあそこまで理想的な受け流し、はじき返しなどできようはずもない。
「あ、当たらねえ……」「槍使いとは幾度も対峙してきました。槍の強み、厄介さは己の体で知っています」
槍使いの弱音にカザミネは淡々と返す。そしてここまで受けに回っていたカザミネが明確な一歩を前へと踏み出した。どうやら相手の力量は把握したから積極的に攻めようという事か。カザミネが前に踏み出したことで、槍使いは少しづつ下がりながら幾多もの突きをカザミネに対して繰り出すが、そのどれもがことごとく無力化される。
そのやり取りのさなか、ついにカザミネが槍使いの槍を大きくはじき返して明確な隙を作り出した。当然カザミネは躊躇せず相手の心臓を狙っての突き攻撃を繰り出した。相手の体に吸い込まれる大太刀の切っ先。だが──外れた。いや、正確には相手が心臓への直撃を回避した。被弾したことでダメージそのものはあるが、即死はしない。
カザミネは追撃せず、間合いを取った。その判断は正しかった──相手はカザミネに向かって唾を吐くかのような動きをしたのだが、自分の目には吐き出されたものが唾ではない事をとらえていた。吐き出されたものは針。針の先端には何らかの毒が塗られている可能性が高い。含み針とは──なかなかいやらしい暗器だ。
「やはり、そういう手段も使いますか」「汚い、なんて言うなよ? 使えるものはすべて使わなきゃ勝てないんでな」
カザミネはいやな気配を感じ取って引いたのだろう。そういうセンスはカザミネも長い旅で培ってきているからな──それにリアルの道場で得た経験もあるはずだ。それに、相手としては先ほどの含み針は当てたかった攻撃だろう。それを初見で見切られたのは相当に辛いはず。一番当てられる可能性の高い機会を逃したのだから。
「もちろん言いませんよ。最後の大会です、すべての力を駆使して戦わなければ悔いだけが残るでしょう?」「そう言ってもらえるのはありがたいんだがな──そちらから感じる殺気がより濃密になった気がしてならないんだがな?」
槍使いの顔からはいくつもの汗がしたたり落ちている。あれは冷や汗だろうな、彼の言葉通り、対峙していないこちらにまでカザミネの冷たい殺気が感じられるようになったのだから。カザミネは相手の含み針に怒っているわけではないだろう、ただただ次の機会で確実に相手を切って捨てるという意思を隠さないだけのはずなのだが、それが恐ろしい。
そこから再び数秒ほど両者はにらみ合い、再び槍使いの槍が振るわれる。だが、早い。先ほどよりもずっと早く鋭い突きがカザミネに飛んでいく。向こうもカザミネの恐怖に対して吹っ切れたのか、もしくは心のどこかに火が付いたのか。どちらにせよ、この戦い始まって一番早く鋭い突きがカザミネに向けられた。
これにはカザミネも弾く事はできるが受け流す余裕までは無い様で、両者の間に火花が幾度も舞い散る事になる。そんな攻防がしばし続いた後、突如槍使いは突きではなくカザミネから見て右側からの払い攻撃を仕掛けてきた。カザミネはこの攻撃を大太刀の切っ先に槍の切っ先を乗せるような形で滑らせながら己の身を低くすることで槍の穂先を通過させる形とし、回避して見せた。
「個人的な意見で恐縮なのですが」「なんだい?」
そのような攻防が終わった後に両者示し合わせたかのように一歩引き、カザミネが相手に向かってそう話しかけた。相手も警戒しながら応じている。
「下手な含み針なんかよりも、先ほどの攻撃で見せた突き攻撃や払い攻撃のほうがよっぽど恐ろしかったですよ」「──そうかい。あんたほどの使い手にそう言ってもらえるなら悪くない気分だな」
短い会話の後、槍使いはにやりと笑みを浮かべた。こちらからは見えないが、たぶんカザミネも同じような笑みを浮かべていたのかもしれない。そこから再び、お互いの獲物が振るわれて火花が散る光景が生み出された。しかし、決着の時は確実に迫ってきている。こんな激しいぶつかり合いを続ければ、当然中身のプレイヤーは消耗する。その消耗が明確な隙を生み出す。
問題は、それがどちらになるかと言う事だ。普通に考えれば連戦しているカザミネのほうが分が悪い。だが、人の集中力はそう言った予想をひっくり返す。ゆえに、集中力が切れたその時がこの二人の戦いの決着がつくタイミングとなる。その時は二分ぐらい後にやってきた。値を先に挙げたのは──槍使いのほうだった。
たった一発だけ。その一突きだけはそれまで放っていた突きに比べると明確に速度も鋭さも劣る突きだった。だが、カザミネはそれを見逃さなかった。上に大きく跳ね上げるかのようにカザミネはその突き攻撃に対して対処する。このカザミネの行動によって槍使いの体は大きくのけぞる形で体制を崩し、足ももつれた。
そこに襲い掛かるカザミネの大太刀による一閃。切り落とされたのは槍使いの首。カザミネが大太刀に付いた血を振り払う形で飛ばすと、それに呼応したかのような形で槍使いの体は地面に崩れ落ちた。それと同時にエリザがカザミネに向かって声を出す。
「カザミネさん、そろそろ出番を譲ってくださいな! あなた一人にばかり負担を押し付けるのは好ましいことではありませんわ!」
向こうの最後の一人は魔法使いだから、同じ魔法使いのエリザが出ると言い出したのか。それにカザミネは二人を相手に連戦している。流石にそろそろいったん下がって一息ついた方が良いのも確かだろう。カザミネもそう考えたようで、エリザを武舞台に上げてから下がっていく。
カザミネとエリザの交代が終わったタイミングとほぼ同時に相手の魔法使いも武舞台へと上がって来る。そして始まるのは呪文の詠唱。即座に攻撃魔法を繰り出すのか、それともまずは防御を固めるのかなどの魔法使いの性格が一番出るのは最初の魔法で何を唱えるか? であるなんて話も存在するが。
「《ダークエレメントアーマー》!」「《ライトエレメントアーマー》!」
先がエリザ、あとが相手の魔法使いだ。どちらも最初は属性耐性を高める防御魔法を選択したか。ただ、確かこのエレメントアーマーってのは確か属性耐性を上げる魔法ではあるのだが、その属性が苦手とする属性に対す居る耐性上昇値は低めになるって弱点があったような。つまりエリザは光系統が、相手は闇系統に対する耐性はほとんど上がっていない事になる。
(となれば、この後の展開は闇魔法と光魔法のせめぎあいになることはほぼ確実だな。むろんほかの属性も使われるだろうが、それはあくまで搦め手としてだ。本命は間違いなく闇と光になる。魔法にはあまり詳しくないが、一次予選と同じくこの二人の魔法使いによる戦いでもたっぷり学ぶことができそうだ)
自分ではできない魔法同士のぶつかり合いになる戦い。一次予選でもその戦いを見ることはいろいろと学ぶところがあった。ここでもしっかりとみてどういう魔法が主力になるのかをしっかり学んでおこう。自分が対峙したときに慌てないようにするためにも。
しかし、一人落とされている以上、このままのにらみ合いが続けば負けになるのは向こうだって当然分かっている。故に攻撃を仕掛ける外ない。怯えたような気配からは想像できないような鋭い突きがカザミネに向かって飛んでくる。が、カザミネは槍の先端を大太刀で難なく受け流した。
「ぐ……っ!」
槍を受け流されたことで体勢を崩しかけた槍使いだったが何とか持ち直す。カザミネはこの程度の崩しではすぐに立て直されると分かっていたかのように動かなかった。その姿が、さらに槍使いの恐怖心を増したかのような感じがする。その恐怖にあらがうかのように、槍使いが突きを何度も繰り出す。
それらをことごとくカザミネは弾き、かわし、時には下半身を狙ってきた槍を踏みつけてから相手を睨んだ。どうやらカザミネには槍の動きがすべて見えているようだ。そうでなければあそこまで理想的な受け流し、はじき返しなどできようはずもない。
「あ、当たらねえ……」「槍使いとは幾度も対峙してきました。槍の強み、厄介さは己の体で知っています」
槍使いの弱音にカザミネは淡々と返す。そしてここまで受けに回っていたカザミネが明確な一歩を前へと踏み出した。どうやら相手の力量は把握したから積極的に攻めようという事か。カザミネが前に踏み出したことで、槍使いは少しづつ下がりながら幾多もの突きをカザミネに対して繰り出すが、そのどれもがことごとく無力化される。
そのやり取りのさなか、ついにカザミネが槍使いの槍を大きくはじき返して明確な隙を作り出した。当然カザミネは躊躇せず相手の心臓を狙っての突き攻撃を繰り出した。相手の体に吸い込まれる大太刀の切っ先。だが──外れた。いや、正確には相手が心臓への直撃を回避した。被弾したことでダメージそのものはあるが、即死はしない。
カザミネは追撃せず、間合いを取った。その判断は正しかった──相手はカザミネに向かって唾を吐くかのような動きをしたのだが、自分の目には吐き出されたものが唾ではない事をとらえていた。吐き出されたものは針。針の先端には何らかの毒が塗られている可能性が高い。含み針とは──なかなかいやらしい暗器だ。
「やはり、そういう手段も使いますか」「汚い、なんて言うなよ? 使えるものはすべて使わなきゃ勝てないんでな」
カザミネはいやな気配を感じ取って引いたのだろう。そういうセンスはカザミネも長い旅で培ってきているからな──それにリアルの道場で得た経験もあるはずだ。それに、相手としては先ほどの含み針は当てたかった攻撃だろう。それを初見で見切られたのは相当に辛いはず。一番当てられる可能性の高い機会を逃したのだから。
「もちろん言いませんよ。最後の大会です、すべての力を駆使して戦わなければ悔いだけが残るでしょう?」「そう言ってもらえるのはありがたいんだがな──そちらから感じる殺気がより濃密になった気がしてならないんだがな?」
槍使いの顔からはいくつもの汗がしたたり落ちている。あれは冷や汗だろうな、彼の言葉通り、対峙していないこちらにまでカザミネの冷たい殺気が感じられるようになったのだから。カザミネは相手の含み針に怒っているわけではないだろう、ただただ次の機会で確実に相手を切って捨てるという意思を隠さないだけのはずなのだが、それが恐ろしい。
そこから再び数秒ほど両者はにらみ合い、再び槍使いの槍が振るわれる。だが、早い。先ほどよりもずっと早く鋭い突きがカザミネに飛んでいく。向こうもカザミネの恐怖に対して吹っ切れたのか、もしくは心のどこかに火が付いたのか。どちらにせよ、この戦い始まって一番早く鋭い突きがカザミネに向けられた。
これにはカザミネも弾く事はできるが受け流す余裕までは無い様で、両者の間に火花が幾度も舞い散る事になる。そんな攻防がしばし続いた後、突如槍使いは突きではなくカザミネから見て右側からの払い攻撃を仕掛けてきた。カザミネはこの攻撃を大太刀の切っ先に槍の切っ先を乗せるような形で滑らせながら己の身を低くすることで槍の穂先を通過させる形とし、回避して見せた。
「個人的な意見で恐縮なのですが」「なんだい?」
そのような攻防が終わった後に両者示し合わせたかのように一歩引き、カザミネが相手に向かってそう話しかけた。相手も警戒しながら応じている。
「下手な含み針なんかよりも、先ほどの攻撃で見せた突き攻撃や払い攻撃のほうがよっぽど恐ろしかったですよ」「──そうかい。あんたほどの使い手にそう言ってもらえるなら悪くない気分だな」
短い会話の後、槍使いはにやりと笑みを浮かべた。こちらからは見えないが、たぶんカザミネも同じような笑みを浮かべていたのかもしれない。そこから再び、お互いの獲物が振るわれて火花が散る光景が生み出された。しかし、決着の時は確実に迫ってきている。こんな激しいぶつかり合いを続ければ、当然中身のプレイヤーは消耗する。その消耗が明確な隙を生み出す。
問題は、それがどちらになるかと言う事だ。普通に考えれば連戦しているカザミネのほうが分が悪い。だが、人の集中力はそう言った予想をひっくり返す。ゆえに、集中力が切れたその時がこの二人の戦いの決着がつくタイミングとなる。その時は二分ぐらい後にやってきた。値を先に挙げたのは──槍使いのほうだった。
たった一発だけ。その一突きだけはそれまで放っていた突きに比べると明確に速度も鋭さも劣る突きだった。だが、カザミネはそれを見逃さなかった。上に大きく跳ね上げるかのようにカザミネはその突き攻撃に対して対処する。このカザミネの行動によって槍使いの体は大きくのけぞる形で体制を崩し、足ももつれた。
そこに襲い掛かるカザミネの大太刀による一閃。切り落とされたのは槍使いの首。カザミネが大太刀に付いた血を振り払う形で飛ばすと、それに呼応したかのような形で槍使いの体は地面に崩れ落ちた。それと同時にエリザがカザミネに向かって声を出す。
「カザミネさん、そろそろ出番を譲ってくださいな! あなた一人にばかり負担を押し付けるのは好ましいことではありませんわ!」
向こうの最後の一人は魔法使いだから、同じ魔法使いのエリザが出ると言い出したのか。それにカザミネは二人を相手に連戦している。流石にそろそろいったん下がって一息ついた方が良いのも確かだろう。カザミネもそう考えたようで、エリザを武舞台に上げてから下がっていく。
カザミネとエリザの交代が終わったタイミングとほぼ同時に相手の魔法使いも武舞台へと上がって来る。そして始まるのは呪文の詠唱。即座に攻撃魔法を繰り出すのか、それともまずは防御を固めるのかなどの魔法使いの性格が一番出るのは最初の魔法で何を唱えるか? であるなんて話も存在するが。
「《ダークエレメントアーマー》!」「《ライトエレメントアーマー》!」
先がエリザ、あとが相手の魔法使いだ。どちらも最初は属性耐性を高める防御魔法を選択したか。ただ、確かこのエレメントアーマーってのは確か属性耐性を上げる魔法ではあるのだが、その属性が苦手とする属性に対す居る耐性上昇値は低めになるって弱点があったような。つまりエリザは光系統が、相手は闇系統に対する耐性はほとんど上がっていない事になる。
(となれば、この後の展開は闇魔法と光魔法のせめぎあいになることはほぼ確実だな。むろんほかの属性も使われるだろうが、それはあくまで搦め手としてだ。本命は間違いなく闇と光になる。魔法にはあまり詳しくないが、一次予選と同じくこの二人の魔法使いによる戦いでもたっぷり学ぶことができそうだ)
自分ではできない魔法同士のぶつかり合いになる戦い。一次予選でもその戦いを見ることはいろいろと学ぶところがあった。ここでもしっかりとみてどういう魔法が主力になるのかをしっかり学んでおこう。自分が対峙したときに慌てないようにするためにも。
1,629
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
お前は家から追放する?構いませんが、この家の全権力を持っているのは私ですよ?
水垣するめ
恋愛
「アリス、お前をこのアトキンソン伯爵家から追放する」
「はぁ?」
静かな食堂の間。
主人公アリス・アトキンソンの父アランはアリスに向かって突然追放すると告げた。
同じく席に座っている母や兄、そして妹も父に同意したように頷いている。
いきなり食堂に集められたかと思えば、思いも寄らない追放宣言にアリスは戸惑いよりも心底呆れた。
「はぁ、何を言っているんですか、この領地を経営しているのは私ですよ?」
「ああ、その経営も最近軌道に乗ってきたのでな、お前はもう用済みになったから追放する」
父のあまりに無茶苦茶な言い分にアリスは辟易する。
「いいでしょう。そんなに出ていって欲しいなら出ていってあげます」
アリスは家から一度出る決心をする。
それを聞いて両親や兄弟は大喜びした。
アリスはそれを哀れみの目で見ながら家を出る。
彼らがこれから地獄を見ることを知っていたからだ。
「大方、私が今まで稼いだお金や開発した資源を全て自分のものにしたかったんでしょうね。……でもそんなことがまかり通るわけないじゃないですか」
アリスはため息をつく。
「──だって、この家の全権力を持っているのは私なのに」
後悔したところでもう遅い。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
結界師、パーティ追放されたら五秒でざまぁ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「こっちは上を目指してんだよ! 遊びじゃねえんだ!」
「ってわけでな、おまえとはここでお別れだ。ついてくんなよ、邪魔だから」
「ま、まってくださ……!」
「誰が待つかよバーーーーーカ!」
「そっちは危な……っあ」
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。