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残酷な明と暗
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決着がついた後の様子はまさに光と影と言った感じだった。ブルーカラーのメンツに喜ばれながら迎えられた自分と、後ろから聞こえてくる怒号と罵声。特にやっぱりお前があそこで余計な事をしなけりゃまだ分からなかった! と言う声が多く聞こえたな。ほんと、あの乱入は敵の自分から見ても下手を売ったなと言う乾燥しか出ないからね、仕方がない。
『さて、これにて二次予選のすべての試合が終了しました。まずは皆様お疲れさまでした! これから準決勝に進むギルドを発表いたします。発表順はスコアが高いとAI審査員が判定した順とさせていただきます』
進行役のプレイヤーさんの言葉と共に、武舞台の上から何かが下りて来た。それはトーナメント表。空白の四枠の一つにブルーカラーが入れるか否かが、今決まるのだ。となれば、誰もがそわそわし始める。ここに居る人達は当然残りたいはず、しかし枠は四つしかない。その椅子に座れるギルドはどこなのか。
『では一位のギルドを発表いたします!』
そして始まるドラムロール。なんでわざわざそこまでするんだと思わなくもなかったが、ある意味お約束でもあるのかと考え直した。
『一位はマッスルウォーリアー! 肉弾戦をメインにした戦い方で圧倒的な勝率を上げました! しかしこのギルドは脳筋ではありません。筋肉を生かすには知力も必要と公言しており、魔法戦士やバトルメイジも多数在籍しております。力押しだけではない知力と体力共に鍛え上げられた者が集う強豪ギルドです!』
これは自分たちとは別のブロックのギルドだな。一次予選にも二次予選にもいなかったギルドだ。呼ばれたギルドマスターがくじを引いているようだ。
『マッスルウォーリアーの準決勝の位置は右から二番目の枠に決定いたしました! 残すは三つのギルドとなります。では次の発表に参りましょう! 第二位のギルドは──』
再びドラムロール。誰かが生つばを飲み込んだ音がやけにはっきりと聞こえた。
『ヴァルキュリアス! 二位のギルドはヴァルキュリアスです! こちらは女性限定ギルドですが、その実力は本物! 槍を中心に様々な武器を使いこなす戦いのプロと言ってもいいギルド! むろん魔法の扱いに長けているプレイヤーも多く隙がありません! マッスルウォーリアーとの直接対決ではぎりぎりの戦いの末に敗北を喫しましたが、リベンジに期待しましょう!』
これも戦った事のないギルドだ。どうやらもう一方の二次予選はかなり極端な成績になっていたみたいだな。呼び出されたヴァルキュリアスのギルドマスターがくじを引く。
『ヴァルキュリアスの準決勝の位置は左の一番目となりました! ヴァルキュリアスとマッスルウォーリアーの再選が決勝で見られるのか!? 注目したいところです!』
準決勝での激突はなくなった、か。スコアの一位と二位という圧倒的な勝率を上げたギルドがぶつかり合ってくれれば少しはこちら側の勝ち抜いたギルドが楽になるのだが、やはりそんな考えが上手くいくほど甘いものではないか。
『さて、残りのギルドは二つとなりました。が、すでにお分かりの様に片方の二次予選から二つのギルドが出てしまいましたので、同じ二次予選で戦ったギルドの皆様はもう可能性が消えました。残念ではございますが、明日からは塔を上る方々のサポートに回っていただきますよう、お願いいたします』
そう、発表の通り向こう側の二次予選における椅子はもう埋まってしまったのである。肩を落としつつも、やっぱりこうなる事がわかっていたのだろう──あまり落ち込まずにお互いお疲れ様みたいな会話が交わされている。
『さて、もう一つの二次予選の結果ですがかなりの大混戦となりました。本当にぎりぎりの差で順位が決まっております。しかし、その中で勝ち抜いたギルドが三位と四位にランクインしています。ではまいりましょう、三位のギルドは』
心臓の音がよく聞こえる。いよいよ結果が出る──ブルーカラーは生き残れたのか否か。この答えがもうすぐ出る。やや長めのドラムロールの後に三位のギルドが発表される。
『発表します! 三位のギルドはブルーカラー! 混戦の二次四選のさなか、やはり光るものを放っていたのがこのギルド! 特に最後の一戦の勝利は非常に大きかった! 全員が死力を尽くせるギルドとでも言わんばかりの戦いぶりを見せてくれました!』
入った、何とか入れた。思わず安堵の息を吐いてしまった。なんにせよ良かった、これで助っ人としての役割も何とか果たせていたと自分自身に納得させることができる。ただ、準決勝の相手はどちらも強そうだ。ツヴァイがどちらを引くかだが──
『ブルーカラーの準決勝の位置は左の二番目! これにより準決勝第一試合はヴァルキュリアスVSブルーカラーとなりました!』
この発表を受けると、会場のあちこちからハーレムギルドだから対戦相手も女を選んだんだろー! とか、流石女好き、ここでしっかり女性限定ギルドとの対戦を引くー! などのヤジが非常に多く飛び交った。そのヤジを聞いて崩れ落ちているツヴァイ。うん、狙ったわけじゃないよな。そういう星の下にあるってだけの話だろう。
ただ周囲はそんなことを知るわけもないからなぁ。だからどうしてもハーレムギルドと言われてしまうんだよな。この認識は結局最後まで覆ることは無かったなぁ、かなり不憫だ。一方でヴァルキュリアスのギルドマスターは苦笑を浮かべていた。どうやら彼女はツヴァイの事を多少知っているのだろう。嫌悪感がなく同情気味な雰囲気を出しているように感じる。
『はい、心温まる声援が数多く飛び交っておりますがお静かに願います。では最後となる四位のギルドの発表です。大混戦の中、最後のイスに座ったギルドはどこなのか!?』
再びドラムロールが鳴るが、今度は明確に長い。引っ張っているなー……勝ち抜ける可能性があるギルドは誰もが手を組んで祈るように発表を待つ。ドラムロールが止まった。緊張が走ってから一拍おいて、ついに発表が行われる。
『第四位は、ウィザードナイツ! ギルドに参加するには一定レベルの魔法を扱えることを前提とする魔法使いギルド! しかし近接戦における対処方も研究しており、近寄れば魔法使いを倒すことは簡単だなどと言う認識を破壊するギルド! 彼らが最後の勝ち抜いたギルドだーっ!』
歓声と同時に悲鳴も多数上がった。いうまでもないが、歓声を上げたのがウィザーズナイツ。悲鳴はほかのギルドだ。
『本当にこちらの二次予選は混戦でした! 参考までにスコアを公表させていただきます! 本当にどのギルドが勝ち抜くのか最後まで分からないと言う手に汗握る展開でした!』
そしてスコアが公表された。スコアの最大値が一〇〇〇。で、マッスルウォーリアーが九八〇。ヴァルキュリアスは九三二。ブルーカラーが七一九、ウィザードナイツが六四〇と言う結果だったようだ。で、向こうの二次予選は上二つのギルドが圧倒的だったから良いとして、問題はこちら側。六四十から六二〇の間になんと五つのギルドが入っているという大混戦だった。
特に悲惨極まったのが、自分たちが最後に戦ったギルドだろう。何と彼らのスコア六三七。そう、最後の戦いで勝っていれば間違いなくウィザードナイツを抜いていた事は間違いない。たった三点差で五位となってしまったのだ。本当に最後の最後にやらかしたあの槍と格闘使いプレイヤーは大戦犯と言われても反論できないな、これは。
「まじかよー!?」「あとちょっとだったのかよ、あそこで勝てていれば勝ち残れたのかよ!」「うわあああ、最悪だああああ!」
そんな悲鳴と嘆きの声が数多響き渡る。気持ちは理解できる、本当にこんな僅差で負けたとなれば、嘆いても嘆き足りないだろう。更にリベンジの機会はもうないのだ。その中でも特に──顔を青どころか真っ白にしていたのは、言うまでもないだろう。
「あ、あああ……」
例のプレイヤーはもはや言葉にならない何かを発していた。ほかのメンバーはすでに声もなく座り込んでしまっている。周囲はもはや意図的に目をそらしているありさまだ。もちろん自分が慰めに行くなんてことはできない。それをやってしまったら、ただの嫌味だ。自分ができる事はそっと離れる事だけである。
(だが、これで首はつながった。相手がどれだけ強敵であろうと最後まで全力を尽くすしかない。いよいよ明日で最強ギルドの決定戦も決着がつく。気合を入れなおさなければ)
長いように感じた大会もあとわずか。全てを出し切る気持ちで挑むとしよう。
『さて、これにて二次予選のすべての試合が終了しました。まずは皆様お疲れさまでした! これから準決勝に進むギルドを発表いたします。発表順はスコアが高いとAI審査員が判定した順とさせていただきます』
進行役のプレイヤーさんの言葉と共に、武舞台の上から何かが下りて来た。それはトーナメント表。空白の四枠の一つにブルーカラーが入れるか否かが、今決まるのだ。となれば、誰もがそわそわし始める。ここに居る人達は当然残りたいはず、しかし枠は四つしかない。その椅子に座れるギルドはどこなのか。
『では一位のギルドを発表いたします!』
そして始まるドラムロール。なんでわざわざそこまでするんだと思わなくもなかったが、ある意味お約束でもあるのかと考え直した。
『一位はマッスルウォーリアー! 肉弾戦をメインにした戦い方で圧倒的な勝率を上げました! しかしこのギルドは脳筋ではありません。筋肉を生かすには知力も必要と公言しており、魔法戦士やバトルメイジも多数在籍しております。力押しだけではない知力と体力共に鍛え上げられた者が集う強豪ギルドです!』
これは自分たちとは別のブロックのギルドだな。一次予選にも二次予選にもいなかったギルドだ。呼ばれたギルドマスターがくじを引いているようだ。
『マッスルウォーリアーの準決勝の位置は右から二番目の枠に決定いたしました! 残すは三つのギルドとなります。では次の発表に参りましょう! 第二位のギルドは──』
再びドラムロール。誰かが生つばを飲み込んだ音がやけにはっきりと聞こえた。
『ヴァルキュリアス! 二位のギルドはヴァルキュリアスです! こちらは女性限定ギルドですが、その実力は本物! 槍を中心に様々な武器を使いこなす戦いのプロと言ってもいいギルド! むろん魔法の扱いに長けているプレイヤーも多く隙がありません! マッスルウォーリアーとの直接対決ではぎりぎりの戦いの末に敗北を喫しましたが、リベンジに期待しましょう!』
これも戦った事のないギルドだ。どうやらもう一方の二次予選はかなり極端な成績になっていたみたいだな。呼び出されたヴァルキュリアスのギルドマスターがくじを引く。
『ヴァルキュリアスの準決勝の位置は左の一番目となりました! ヴァルキュリアスとマッスルウォーリアーの再選が決勝で見られるのか!? 注目したいところです!』
準決勝での激突はなくなった、か。スコアの一位と二位という圧倒的な勝率を上げたギルドがぶつかり合ってくれれば少しはこちら側の勝ち抜いたギルドが楽になるのだが、やはりそんな考えが上手くいくほど甘いものではないか。
『さて、残りのギルドは二つとなりました。が、すでにお分かりの様に片方の二次予選から二つのギルドが出てしまいましたので、同じ二次予選で戦ったギルドの皆様はもう可能性が消えました。残念ではございますが、明日からは塔を上る方々のサポートに回っていただきますよう、お願いいたします』
そう、発表の通り向こう側の二次予選における椅子はもう埋まってしまったのである。肩を落としつつも、やっぱりこうなる事がわかっていたのだろう──あまり落ち込まずにお互いお疲れ様みたいな会話が交わされている。
『さて、もう一つの二次予選の結果ですがかなりの大混戦となりました。本当にぎりぎりの差で順位が決まっております。しかし、その中で勝ち抜いたギルドが三位と四位にランクインしています。ではまいりましょう、三位のギルドは』
心臓の音がよく聞こえる。いよいよ結果が出る──ブルーカラーは生き残れたのか否か。この答えがもうすぐ出る。やや長めのドラムロールの後に三位のギルドが発表される。
『発表します! 三位のギルドはブルーカラー! 混戦の二次四選のさなか、やはり光るものを放っていたのがこのギルド! 特に最後の一戦の勝利は非常に大きかった! 全員が死力を尽くせるギルドとでも言わんばかりの戦いぶりを見せてくれました!』
入った、何とか入れた。思わず安堵の息を吐いてしまった。なんにせよ良かった、これで助っ人としての役割も何とか果たせていたと自分自身に納得させることができる。ただ、準決勝の相手はどちらも強そうだ。ツヴァイがどちらを引くかだが──
『ブルーカラーの準決勝の位置は左の二番目! これにより準決勝第一試合はヴァルキュリアスVSブルーカラーとなりました!』
この発表を受けると、会場のあちこちからハーレムギルドだから対戦相手も女を選んだんだろー! とか、流石女好き、ここでしっかり女性限定ギルドとの対戦を引くー! などのヤジが非常に多く飛び交った。そのヤジを聞いて崩れ落ちているツヴァイ。うん、狙ったわけじゃないよな。そういう星の下にあるってだけの話だろう。
ただ周囲はそんなことを知るわけもないからなぁ。だからどうしてもハーレムギルドと言われてしまうんだよな。この認識は結局最後まで覆ることは無かったなぁ、かなり不憫だ。一方でヴァルキュリアスのギルドマスターは苦笑を浮かべていた。どうやら彼女はツヴァイの事を多少知っているのだろう。嫌悪感がなく同情気味な雰囲気を出しているように感じる。
『はい、心温まる声援が数多く飛び交っておりますがお静かに願います。では最後となる四位のギルドの発表です。大混戦の中、最後のイスに座ったギルドはどこなのか!?』
再びドラムロールが鳴るが、今度は明確に長い。引っ張っているなー……勝ち抜ける可能性があるギルドは誰もが手を組んで祈るように発表を待つ。ドラムロールが止まった。緊張が走ってから一拍おいて、ついに発表が行われる。
『第四位は、ウィザードナイツ! ギルドに参加するには一定レベルの魔法を扱えることを前提とする魔法使いギルド! しかし近接戦における対処方も研究しており、近寄れば魔法使いを倒すことは簡単だなどと言う認識を破壊するギルド! 彼らが最後の勝ち抜いたギルドだーっ!』
歓声と同時に悲鳴も多数上がった。いうまでもないが、歓声を上げたのがウィザーズナイツ。悲鳴はほかのギルドだ。
『本当にこちらの二次予選は混戦でした! 参考までにスコアを公表させていただきます! 本当にどのギルドが勝ち抜くのか最後まで分からないと言う手に汗握る展開でした!』
そしてスコアが公表された。スコアの最大値が一〇〇〇。で、マッスルウォーリアーが九八〇。ヴァルキュリアスは九三二。ブルーカラーが七一九、ウィザードナイツが六四〇と言う結果だったようだ。で、向こうの二次予選は上二つのギルドが圧倒的だったから良いとして、問題はこちら側。六四十から六二〇の間になんと五つのギルドが入っているという大混戦だった。
特に悲惨極まったのが、自分たちが最後に戦ったギルドだろう。何と彼らのスコア六三七。そう、最後の戦いで勝っていれば間違いなくウィザードナイツを抜いていた事は間違いない。たった三点差で五位となってしまったのだ。本当に最後の最後にやらかしたあの槍と格闘使いプレイヤーは大戦犯と言われても反論できないな、これは。
「まじかよー!?」「あとちょっとだったのかよ、あそこで勝てていれば勝ち残れたのかよ!」「うわあああ、最悪だああああ!」
そんな悲鳴と嘆きの声が数多響き渡る。気持ちは理解できる、本当にこんな僅差で負けたとなれば、嘆いても嘆き足りないだろう。更にリベンジの機会はもうないのだ。その中でも特に──顔を青どころか真っ白にしていたのは、言うまでもないだろう。
「あ、あああ……」
例のプレイヤーはもはや言葉にならない何かを発していた。ほかのメンバーはすでに声もなく座り込んでしまっている。周囲はもはや意図的に目をそらしているありさまだ。もちろん自分が慰めに行くなんてことはできない。それをやってしまったら、ただの嫌味だ。自分ができる事はそっと離れる事だけである。
(だが、これで首はつながった。相手がどれだけ強敵であろうと最後まで全力を尽くすしかない。いよいよ明日で最強ギルドの決定戦も決着がつく。気合を入れなおさなければ)
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