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初戦決着
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それから数回ほど同じような攻防が繰り広げられ、戦いは膠着するかに思われたがそうはならなかった。ロナちゃんが相手が槍を使っての跳躍するタイミングを覚えたのか──今まさに跳躍しようとしている相手の槍を派手に蹴り飛ばしたのだ。バランスを失って落下してくる相手をロナちゃんは捕まえる。もちろん落下した相手を救うためではない。
「えへへ」「あはは」
ロナちゃんと相手が見あって、変な笑い声をあげた直後──ロナちゃんは相手を持ち上げたかと思うと、アルゼンチンバックブリーガーの体勢に入って相手を締め上げ始める。ミシミシと言う擬音と共に、上がるのは相手の悲鳴。アルゼンチンバックブリーガーは相手の背中や腰にダメージが行く。相当きついはずだ。
「散々暴れてくれちゃって……! 絶対逃がさないからね!」「いたいいたいいたいいたいいい!?」
相手はどうやらこの手の痛みに対する経験があまりない様だ。いや、この手のダメージに慣れている人間の方が少ないか。鎧があろうが何のその、ロナちゃんは鎧ごとへし折るかの勢いで軽く飛び跳ねながらアルゼンチンバックブリーガーを継続している。アルゼンチンバックブリーガーはそれだけでも効く技だが、相手を揺らしながらかけるとより強烈になるのだ。
「ギブアップするなら放してあげるよー?」「うううう、まだまだー!」
ロナちゃんの声に相手は痛みにもがきながらもギブアップは否定する。が、その言葉を聞いたロナちゃんの表情に笑みが浮かぶ。獰猛な笑みが──直後、相手はさらなる悲鳴を上げることになる。
「──壮絶だな」「しかし、効果的です。跳ね回ってリーチの長さで攻めてくる相手をようやく捕まえたのですから、あのまま倒しきるのが最上かと」「相手の悲鳴がなければ、素直にそう言えるのですが」
レイジ、カナさん、エリザが武舞台上の状況を見てそれぞれそんなことを口に出していた。確かに効果的なんだが、相手の悲鳴が壮絶なんだよなぁ。こちらだけでなく、対戦相手のヴァルキュリアスの皆さんや大会のスタッフを務めているプレイヤーさんもうわぁ、と言う感じの表情を向けながら武舞台を見ている。
これ、配信されている先で見ている人はどう思っているんだろう? ちょっと気になるところではあるが怖いので見に行くのはやめておくことにする。しかし相手もギブアップしないな……意地もあるんだろうが、トラウマにならなきゃいいけど。
「頑張るねー?」「こ、このぐらいの痛み……あああああっ!?」
どうやらロナちゃんはより厳しく技をかけ始めたようだ。文字通り相手の背骨をへし折る勢いで力を入れ始めたのがうかがえる。そのまま決着までもっていくつもりだろう。しかし、相手も素直に終わらせてはくれなかった。
「アーマーパージ!」「なに!?」
ヴァルキュリアスの選手が叫ぶと同時に、彼女の着ていた軽鎧が爆発した。流石にこれにはロナちゃんもたまらず手を放し、地面を転がる。が、ダメージはさほどでもなかったようですぐに起き上がった。爆発したことで煙が充満し、鎧をパージした彼女の姿が隠れている。が、その煙の中に見える影が動く。来るぞ。
「はああああっ!」
という気合が入った声と共に彼女は煙を纏いながら飛び出してきた。彼女の手には一対の鞭が握られている。鞭の先がロナちゃんに襲い掛かる。ロナちゃんはその鞭を回避はしたがかなり際どかったな。ヴァルキュリアスの彼女の鞭は早く鋭い一撃だったがゆえに、ロナちゃんでも回避がかなり際どくなったのだろう。
「なるほど、それが切り札の一つって事かなー」「予選では意図的に封印にして使わなかったけど、ここで使わされてしまうとは──だからこそ、勝たせていただきます!」
出来れば決勝まで温存しておきたかった、という感情が伝わって来るな。この手の技は相手に知られていない時が最も効果的な暗器に近いものがある。しかし、ここで使わなければ負けると判断したのだろう。温存した結果負けましたなんて展開は、負けたら敗退な準決勝では許されない。だからこそ手札を切ったのだろう。
補足として──アーマーパージをした彼女だが、内側に薄い皮鎧っぽいものを着こんでいたようで変な色気は全くない。きちんと戦士らしい風貌は保っている。
「一対の鞭からは逃れるすべはありません、覚悟をしてください」「逃げはしないよ、逃げた先に勝利なんてないもんね」
相手の言葉にロナちゃんがそう返答を返した後、再びぶつかる両者。鞭を変幻自在に操る相手だが、ロナちゃんはそれでもじりじりと相手との距離を詰めていく。ブルーカラーでもノーラが鞭を使うから経験はあるだろうし、このぐらいの障害は山ほど乗り越えてきたという自負もあるのだろう、戦意が揺らいでいない。
このロナちゃんの姿は相手にとって想定外だったのか、鞭の扱いが鈍る。速さを求めて振るう分、鞭の動きからしなやかさが失われたように見える。もちろん、それを見逃すロナちゃんじゃない。
「くっ!?」「先に言っておくと、こういう獲物を相手にした経験はたっぷりあるの。そして──」
ついに鞭をかいくぐって相手を捕まえたロナちゃん。すかさず後ろに回って豪快なバックドロップを決め、相手の後頭部を容赦なく武舞台の上に突き刺した。
「これ以上の戦いもいっぱい経験してる。そっちの動きの癖がある程度見えれば、攻めるのは難しくなかったりするの、結構ね」
──だが、そんなロナちゃんの言葉が相手に届いているかどうかは怪しい所だ。バックドロップが決まった時に、相手の首あたりから骨が折れる音が聞こえてきていた。現実なら間違いなく致命傷だ──それはこちらの世界でも同じだと言わんばかりに、力が抜けていく相手の体。ロナちゃんが相手の体から手を離すと、そのまま力なく武舞台の上に寝そべった後に消失した。
「決着! 次の選手は準備してください!」
ロナちゃんの勝ちはこれで確定したか。すぐにツヴァイが武舞台に上がり、ロナちゃんが武舞台から降りてこちらに戻ってきた。
「お見事です」「最初って大事だからね、勝ててよかったよ」
カザミネのねぎらいに、ロナちゃんはホッとしながらそう返答していた。一番手は緊張するもんな、最初どうなるかで勢いが決まる事はよくあるからこそ大事だからね。ロナちゃんはブルーカラー側にいい流れをもたらすきっかけを作ってくれたと言えるだろう。
「この勢いに乗って、ツヴァイも勝ってほしい所だな」「相手も決して弱くはないですが、この勢いをより増したいところですね」
レイジとカナさんの言葉に自分もうなずいた。さて第二試合、ツヴァイの戦いぶりに期待しよう。
「えへへ」「あはは」
ロナちゃんと相手が見あって、変な笑い声をあげた直後──ロナちゃんは相手を持ち上げたかと思うと、アルゼンチンバックブリーガーの体勢に入って相手を締め上げ始める。ミシミシと言う擬音と共に、上がるのは相手の悲鳴。アルゼンチンバックブリーガーは相手の背中や腰にダメージが行く。相当きついはずだ。
「散々暴れてくれちゃって……! 絶対逃がさないからね!」「いたいいたいいたいいたいいい!?」
相手はどうやらこの手の痛みに対する経験があまりない様だ。いや、この手のダメージに慣れている人間の方が少ないか。鎧があろうが何のその、ロナちゃんは鎧ごとへし折るかの勢いで軽く飛び跳ねながらアルゼンチンバックブリーガーを継続している。アルゼンチンバックブリーガーはそれだけでも効く技だが、相手を揺らしながらかけるとより強烈になるのだ。
「ギブアップするなら放してあげるよー?」「うううう、まだまだー!」
ロナちゃんの声に相手は痛みにもがきながらもギブアップは否定する。が、その言葉を聞いたロナちゃんの表情に笑みが浮かぶ。獰猛な笑みが──直後、相手はさらなる悲鳴を上げることになる。
「──壮絶だな」「しかし、効果的です。跳ね回ってリーチの長さで攻めてくる相手をようやく捕まえたのですから、あのまま倒しきるのが最上かと」「相手の悲鳴がなければ、素直にそう言えるのですが」
レイジ、カナさん、エリザが武舞台上の状況を見てそれぞれそんなことを口に出していた。確かに効果的なんだが、相手の悲鳴が壮絶なんだよなぁ。こちらだけでなく、対戦相手のヴァルキュリアスの皆さんや大会のスタッフを務めているプレイヤーさんもうわぁ、と言う感じの表情を向けながら武舞台を見ている。
これ、配信されている先で見ている人はどう思っているんだろう? ちょっと気になるところではあるが怖いので見に行くのはやめておくことにする。しかし相手もギブアップしないな……意地もあるんだろうが、トラウマにならなきゃいいけど。
「頑張るねー?」「こ、このぐらいの痛み……あああああっ!?」
どうやらロナちゃんはより厳しく技をかけ始めたようだ。文字通り相手の背骨をへし折る勢いで力を入れ始めたのがうかがえる。そのまま決着までもっていくつもりだろう。しかし、相手も素直に終わらせてはくれなかった。
「アーマーパージ!」「なに!?」
ヴァルキュリアスの選手が叫ぶと同時に、彼女の着ていた軽鎧が爆発した。流石にこれにはロナちゃんもたまらず手を放し、地面を転がる。が、ダメージはさほどでもなかったようですぐに起き上がった。爆発したことで煙が充満し、鎧をパージした彼女の姿が隠れている。が、その煙の中に見える影が動く。来るぞ。
「はああああっ!」
という気合が入った声と共に彼女は煙を纏いながら飛び出してきた。彼女の手には一対の鞭が握られている。鞭の先がロナちゃんに襲い掛かる。ロナちゃんはその鞭を回避はしたがかなり際どかったな。ヴァルキュリアスの彼女の鞭は早く鋭い一撃だったがゆえに、ロナちゃんでも回避がかなり際どくなったのだろう。
「なるほど、それが切り札の一つって事かなー」「予選では意図的に封印にして使わなかったけど、ここで使わされてしまうとは──だからこそ、勝たせていただきます!」
出来れば決勝まで温存しておきたかった、という感情が伝わって来るな。この手の技は相手に知られていない時が最も効果的な暗器に近いものがある。しかし、ここで使わなければ負けると判断したのだろう。温存した結果負けましたなんて展開は、負けたら敗退な準決勝では許されない。だからこそ手札を切ったのだろう。
補足として──アーマーパージをした彼女だが、内側に薄い皮鎧っぽいものを着こんでいたようで変な色気は全くない。きちんと戦士らしい風貌は保っている。
「一対の鞭からは逃れるすべはありません、覚悟をしてください」「逃げはしないよ、逃げた先に勝利なんてないもんね」
相手の言葉にロナちゃんがそう返答を返した後、再びぶつかる両者。鞭を変幻自在に操る相手だが、ロナちゃんはそれでもじりじりと相手との距離を詰めていく。ブルーカラーでもノーラが鞭を使うから経験はあるだろうし、このぐらいの障害は山ほど乗り越えてきたという自負もあるのだろう、戦意が揺らいでいない。
このロナちゃんの姿は相手にとって想定外だったのか、鞭の扱いが鈍る。速さを求めて振るう分、鞭の動きからしなやかさが失われたように見える。もちろん、それを見逃すロナちゃんじゃない。
「くっ!?」「先に言っておくと、こういう獲物を相手にした経験はたっぷりあるの。そして──」
ついに鞭をかいくぐって相手を捕まえたロナちゃん。すかさず後ろに回って豪快なバックドロップを決め、相手の後頭部を容赦なく武舞台の上に突き刺した。
「これ以上の戦いもいっぱい経験してる。そっちの動きの癖がある程度見えれば、攻めるのは難しくなかったりするの、結構ね」
──だが、そんなロナちゃんの言葉が相手に届いているかどうかは怪しい所だ。バックドロップが決まった時に、相手の首あたりから骨が折れる音が聞こえてきていた。現実なら間違いなく致命傷だ──それはこちらの世界でも同じだと言わんばかりに、力が抜けていく相手の体。ロナちゃんが相手の体から手を離すと、そのまま力なく武舞台の上に寝そべった後に消失した。
「決着! 次の選手は準備してください!」
ロナちゃんの勝ちはこれで確定したか。すぐにツヴァイが武舞台に上がり、ロナちゃんが武舞台から降りてこちらに戻ってきた。
「お見事です」「最初って大事だからね、勝ててよかったよ」
カザミネのねぎらいに、ロナちゃんはホッとしながらそう返答していた。一番手は緊張するもんな、最初どうなるかで勢いが決まる事はよくあるからこそ大事だからね。ロナちゃんはブルーカラー側にいい流れをもたらすきっかけを作ってくれたと言えるだろう。
「この勢いに乗って、ツヴァイも勝ってほしい所だな」「相手も決して弱くはないですが、この勢いをより増したいところですね」
レイジとカナさんの言葉に自分もうなずいた。さて第二試合、ツヴァイの戦いぶりに期待しよう。
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