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第七試合目
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さて、ミリーが武舞台に上がったわけだが……こちらの残りメンバーは今上がったミリー、エリザ、そしてカザミネ。出来れば三人ともに勝ってほしい所だが、相手の魔法に対する防御力の高さを見せつけられた以上、ミリーとエリザの勝利は厳しいものがあるかもしれない。それでも、ミリーなら何とかしてくれそうだと期待をかけているが。
互いに構えて試合開始、と同時にミリーが後ろに下がりながら低ランクの魔法を乱れ撃った。しかしそれらの魔法はすべて、相手の近くまで飛ぶとかき消されてしまった。むう、いくら低ランクの魔法と言えどかなりの数の魔法を放ったんだぞ? なのにすべて等しく魔法がかき消えた。魔法を防いでいる仕組みが分からない。と、ここで様子をうかがっていたツヴァイが口を開く。
「なるほど、ハイレジストアーマーか……こうなると魔法使いのミリーやエリザはきついぞ……」
ハイレジストアーマー? なんだろうそれは……まあ、その意味は分かるが。魔法に対するレジスト性能が高い鎧って事で間違いないだろう。ヴァルキュリアスは全員、そのハイレジストアーマーとやらを着ているって事でいいんだろう。
「ツヴァイ、なんですのそれは?」「ああ、つい最近情報が開示されたんだが、軽鎧の合間に特定のクロークを仕込むことによって作られる鎧らしくてな……その鎧は軽鎧でありながらクローク装備並みどころかそれ以上の魔法防御をもち、低レベルの魔法はその余波で鎧に届くことなくああやって弾かれてしまうんだ」
そんな鎧の生産が行われていたんだな、むろん情報開示されたのはもう新しく生産するだけの時間がないからこそだろう。更にチートを疑われないようにするためかもしれない。こんな魔法防御力の高さは、知らなければ何かおかしい事をやっていると疑われる可能性も高いからな。
「なんですのその鎧は!? じゃあ今武舞台の上でミリーさんが苦戦しているのも……」「鎧の力という事だな。ここまで放ったミリーの魔法の威力がほとんどゼロぐらいまで減衰してしまっている。あれじゃあ牽制に使う魔法は軒並み無意味が、詠唱を行う威力の高目な魔法を使うしかないだろうが──あの槍の使い手がそれを許してくれるかどうか」
確かに、槍の鋭い突きがミリーを何度も襲っている。とてもじゃないが悠長に詠唱をしている時間はないだろう。むろん動きながら詠唱することもできるが、それはかなりの高等技術となる。それでもミリーなら……その技術を体得していると信じている。
「鎧に弱点はないのですの?」「ある。まずは重量がかさむらしい。その為機動力の低下は普通の皮鎧よりも大きい。なんで軽いクロースを仕込むだけで重くなるんだ? とも思うが、様々な細工を施すからどうしても重くなるという話だ。更に物理的な防御力も普通の軽鎧よりも劣るらしい。万能な鎧と言う訳では決してないそうだが……ああも魔法に対する抵抗力が高いと、そういったデメリットを飲み込んで使うだけの理由があるよな」
重量が嵩むとっても果たして本当かどうか。手に取ってみた訳じゃない、そんなものをただの情報だけで信じるのは無理がある。それに本当にかさむとしても、いったいどれだけなのかという情報がない。極端な話、一般的な軽鎧よりも一〇グラムでも多ければ重量が嵩むという言い方はできるのだ。
物理防御の方もそうだ。一般的な軽鎧よりも劣ると言っても果たしていかほどのモノか。が、そういったものの制作方法を見つけて制作して実践運用出来ていることに関しては見事としか言いようがない。それにワンモアのセキュリティは、チート行為を許さない。実際チートを仕掛けたという話は風の噂で聞いたことがあるが、その行き着く先は悲惨な物ばかり。実刑を食らって刑務所に服役している人間もいるという。
(まあ、六英雄が資金を出している世界で、セキュリティが甘いなんてことは絶対ないよな。むしろ六英雄が作らせているものにチートを仕掛けようって時点でケンカを売っている。闇に消されない分まだ温情があるという事かもしれないが)
なんてことを考えつつミリーの試合を見ているわけだが、旗色は明確に悪い。ミリーも何とか攻撃を回避しつつ魔法詠唱を行おうとしているが、やはり阻止されてしまっている。短い詠唱の魔法はすでに何度も試しているが、ことごとく無力化されてしまっている。あの鎧、魔法に関する防御力は本当にすごいとしか言いようがない。
「これも、ダメですね~」「魔法は脅威だからな、全力で対策を打たせてもらっている」
遠距離がだめなら近距離戦とミリーは切り替え、魔法で武器を作って距離を詰めたが──これも通じなかった。魔法で作られた武器がすぐに融解してしまったからだ。これでミリーの戦法はかなり封じられてしまった。あとできる事は、杖術で接近戦をするか何とか回避して長い詠唱の高レベル魔法を放って無理やりにでもあの鎧の魔法防御力を上回る攻撃を仕掛けるかしかないだろう。
(明確に、普段はやらない戦法を強いられる。魔法使いを自分達の舞台に引きずり込むための鎧、か。厄介だが、その考え方は正しい。対人戦はいつの世も、自分の強みを押し付けて相手の強みを潰すことが大事だ。彼女たちはその考えに則って行動している。秘境と言う訳ではない、厄介極まりないが)
これでは、ミリーの実力が一割も発揮できない。杖術などが出来ない訳ではないが(カナさんの指導がある)、それでも杖術はあくまでサブウェポン扱いでありメインは魔法攻撃なのがミリーとエリザだ。しかし、こうも牽制したり後ろに押しのけるノックバック効果のある使いやすい魔法がことごとくあの鎧によって封じられると、立ち回りが苦しいどころの話ではない。
相手はのびのびと突き攻撃や払い攻撃を行う事でミリーを確実に追い詰める。ミリーも杖で必死に抵抗しているが、あくまで防御行為であって攻撃に移れない。その状況は確実にミリーを追い込んでいく。さっきから鮮血が僅かだが舞い始めている──ついにミリーが回避しきれなくなり始めたのだ。
「ちょっと、厳しいですね~」「魔法使いなのになんという体術……やはり、ブルーカラーに所属しているだけあって一癖も二癖もある!」
ミリーを追い詰める相手は追撃の手を一切緩めないどころかより強めてきた。それに伴い、ミリーの体からは何度も鮮血が舞う。しかし、それでもミリーの目は死んでいない。何かしらの反撃手段があるのだろう、だからこそ必死で相手の攻撃をよけつつ詠唱をしようとしている。
が、何度も詠唱こそすれど魔法の発動までは至らないらしい。ミリーの手の内が何度も光ってはいるのだが、魔法が生成されていないのだ。このままでは、と自分だけでなくブルーカラーの皆が思い始めたときにそれは来た。突如ミリーの体が水に包まれたのである。その水は槍の勢いを殺し、ミリーの回避を手助けする。
「くっ、槍の勢いが削られる!? 厄介な!」
そう叫びつつも槍による攻撃を続行する相手、しかし槍の攻撃は水に触れるととたんに勢いを無くす。勢いがなくなった槍の攻撃をミリーが受けるはずもない。これでミリーがようやく攻撃に移れるようになったはずだ。その通りと言わんばかりに、ミリーが一本の太い水のランスを生成して相手に投げつける。
「これならどうですか~?」
声自体は穏やかだが、ここまで攻撃を受ける一方だったことによる苛立ちから来ると思われる圧まで放たれている。そんなミリーの放ったランスは相手の鎧が生み出している魔法を拒絶する膜に止められてしまう。だが、消えない。その貫き通さんとばかりに激しい音と共に水のランスは徐々に徐々に相手へと迫っている。
「この鎧が、防ぎきれない!?」
水のランスから逃れようとする相手だが、それれをミリーは許さない。水のランスの軌道を変えて相手に食らいつかせ続ける。そしてついに水のランスが鎧が生み出している魔法を拒絶する幕を突き破ったが──そこで完全に止まってしまった。そして水のランスが消え始める。
「危ない所だった、か」「それは、どうでしょうか~?」
なんと、水のランスの中央部分あたりから水でできた細いジャベリンのような物が発射された! 相手は水のランスが止まって消え始めていたから油断が生まれている状況、この水のジャベリンは届く可能性は十分にある! さて、その結果は──
互いに構えて試合開始、と同時にミリーが後ろに下がりながら低ランクの魔法を乱れ撃った。しかしそれらの魔法はすべて、相手の近くまで飛ぶとかき消されてしまった。むう、いくら低ランクの魔法と言えどかなりの数の魔法を放ったんだぞ? なのにすべて等しく魔法がかき消えた。魔法を防いでいる仕組みが分からない。と、ここで様子をうかがっていたツヴァイが口を開く。
「なるほど、ハイレジストアーマーか……こうなると魔法使いのミリーやエリザはきついぞ……」
ハイレジストアーマー? なんだろうそれは……まあ、その意味は分かるが。魔法に対するレジスト性能が高い鎧って事で間違いないだろう。ヴァルキュリアスは全員、そのハイレジストアーマーとやらを着ているって事でいいんだろう。
「ツヴァイ、なんですのそれは?」「ああ、つい最近情報が開示されたんだが、軽鎧の合間に特定のクロークを仕込むことによって作られる鎧らしくてな……その鎧は軽鎧でありながらクローク装備並みどころかそれ以上の魔法防御をもち、低レベルの魔法はその余波で鎧に届くことなくああやって弾かれてしまうんだ」
そんな鎧の生産が行われていたんだな、むろん情報開示されたのはもう新しく生産するだけの時間がないからこそだろう。更にチートを疑われないようにするためかもしれない。こんな魔法防御力の高さは、知らなければ何かおかしい事をやっていると疑われる可能性も高いからな。
「なんですのその鎧は!? じゃあ今武舞台の上でミリーさんが苦戦しているのも……」「鎧の力という事だな。ここまで放ったミリーの魔法の威力がほとんどゼロぐらいまで減衰してしまっている。あれじゃあ牽制に使う魔法は軒並み無意味が、詠唱を行う威力の高目な魔法を使うしかないだろうが──あの槍の使い手がそれを許してくれるかどうか」
確かに、槍の鋭い突きがミリーを何度も襲っている。とてもじゃないが悠長に詠唱をしている時間はないだろう。むろん動きながら詠唱することもできるが、それはかなりの高等技術となる。それでもミリーなら……その技術を体得していると信じている。
「鎧に弱点はないのですの?」「ある。まずは重量がかさむらしい。その為機動力の低下は普通の皮鎧よりも大きい。なんで軽いクロースを仕込むだけで重くなるんだ? とも思うが、様々な細工を施すからどうしても重くなるという話だ。更に物理的な防御力も普通の軽鎧よりも劣るらしい。万能な鎧と言う訳では決してないそうだが……ああも魔法に対する抵抗力が高いと、そういったデメリットを飲み込んで使うだけの理由があるよな」
重量が嵩むとっても果たして本当かどうか。手に取ってみた訳じゃない、そんなものをただの情報だけで信じるのは無理がある。それに本当にかさむとしても、いったいどれだけなのかという情報がない。極端な話、一般的な軽鎧よりも一〇グラムでも多ければ重量が嵩むという言い方はできるのだ。
物理防御の方もそうだ。一般的な軽鎧よりも劣ると言っても果たしていかほどのモノか。が、そういったものの制作方法を見つけて制作して実践運用出来ていることに関しては見事としか言いようがない。それにワンモアのセキュリティは、チート行為を許さない。実際チートを仕掛けたという話は風の噂で聞いたことがあるが、その行き着く先は悲惨な物ばかり。実刑を食らって刑務所に服役している人間もいるという。
(まあ、六英雄が資金を出している世界で、セキュリティが甘いなんてことは絶対ないよな。むしろ六英雄が作らせているものにチートを仕掛けようって時点でケンカを売っている。闇に消されない分まだ温情があるという事かもしれないが)
なんてことを考えつつミリーの試合を見ているわけだが、旗色は明確に悪い。ミリーも何とか攻撃を回避しつつ魔法詠唱を行おうとしているが、やはり阻止されてしまっている。短い詠唱の魔法はすでに何度も試しているが、ことごとく無力化されてしまっている。あの鎧、魔法に関する防御力は本当にすごいとしか言いようがない。
「これも、ダメですね~」「魔法は脅威だからな、全力で対策を打たせてもらっている」
遠距離がだめなら近距離戦とミリーは切り替え、魔法で武器を作って距離を詰めたが──これも通じなかった。魔法で作られた武器がすぐに融解してしまったからだ。これでミリーの戦法はかなり封じられてしまった。あとできる事は、杖術で接近戦をするか何とか回避して長い詠唱の高レベル魔法を放って無理やりにでもあの鎧の魔法防御力を上回る攻撃を仕掛けるかしかないだろう。
(明確に、普段はやらない戦法を強いられる。魔法使いを自分達の舞台に引きずり込むための鎧、か。厄介だが、その考え方は正しい。対人戦はいつの世も、自分の強みを押し付けて相手の強みを潰すことが大事だ。彼女たちはその考えに則って行動している。秘境と言う訳ではない、厄介極まりないが)
これでは、ミリーの実力が一割も発揮できない。杖術などが出来ない訳ではないが(カナさんの指導がある)、それでも杖術はあくまでサブウェポン扱いでありメインは魔法攻撃なのがミリーとエリザだ。しかし、こうも牽制したり後ろに押しのけるノックバック効果のある使いやすい魔法がことごとくあの鎧によって封じられると、立ち回りが苦しいどころの話ではない。
相手はのびのびと突き攻撃や払い攻撃を行う事でミリーを確実に追い詰める。ミリーも杖で必死に抵抗しているが、あくまで防御行為であって攻撃に移れない。その状況は確実にミリーを追い込んでいく。さっきから鮮血が僅かだが舞い始めている──ついにミリーが回避しきれなくなり始めたのだ。
「ちょっと、厳しいですね~」「魔法使いなのになんという体術……やはり、ブルーカラーに所属しているだけあって一癖も二癖もある!」
ミリーを追い詰める相手は追撃の手を一切緩めないどころかより強めてきた。それに伴い、ミリーの体からは何度も鮮血が舞う。しかし、それでもミリーの目は死んでいない。何かしらの反撃手段があるのだろう、だからこそ必死で相手の攻撃をよけつつ詠唱をしようとしている。
が、何度も詠唱こそすれど魔法の発動までは至らないらしい。ミリーの手の内が何度も光ってはいるのだが、魔法が生成されていないのだ。このままでは、と自分だけでなくブルーカラーの皆が思い始めたときにそれは来た。突如ミリーの体が水に包まれたのである。その水は槍の勢いを殺し、ミリーの回避を手助けする。
「くっ、槍の勢いが削られる!? 厄介な!」
そう叫びつつも槍による攻撃を続行する相手、しかし槍の攻撃は水に触れるととたんに勢いを無くす。勢いがなくなった槍の攻撃をミリーが受けるはずもない。これでミリーがようやく攻撃に移れるようになったはずだ。その通りと言わんばかりに、ミリーが一本の太い水のランスを生成して相手に投げつける。
「これならどうですか~?」
声自体は穏やかだが、ここまで攻撃を受ける一方だったことによる苛立ちから来ると思われる圧まで放たれている。そんなミリーの放ったランスは相手の鎧が生み出している魔法を拒絶する膜に止められてしまう。だが、消えない。その貫き通さんとばかりに激しい音と共に水のランスは徐々に徐々に相手へと迫っている。
「この鎧が、防ぎきれない!?」
水のランスから逃れようとする相手だが、それれをミリーは許さない。水のランスの軌道を変えて相手に食らいつかせ続ける。そしてついに水のランスが鎧が生み出している魔法を拒絶する幕を突き破ったが──そこで完全に止まってしまった。そして水のランスが消え始める。
「危ない所だった、か」「それは、どうでしょうか~?」
なんと、水のランスの中央部分あたりから水でできた細いジャベリンのような物が発射された! 相手は水のランスが止まって消え始めていたから油断が生まれている状況、この水のジャベリンは届く可能性は十分にある! さて、その結果は──
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