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番外編 零章
零話 藤堂正道の憂鬱 その五
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「ちょっと、先輩! 女の子が真面目に悩んでいるのに、その回答はないですよ!」
「流石にそれは冷たいよ、正道」
確かに冷たかったかもしれない。俺は咳をして、寺前を向き合う。
「すまない。大変な目にあっているのに今の発言は軽はずみだった」
「い、いいんです! 私も悪いっていうか……でも、本当に分からないんです。レンのことは嫌いなんです。意地悪でデリカシーがなくて……」
「あっ、それ、分かります。デリカシーのない男の子ってダメですよね~」
なぜ、そこで俺を見る伊藤。ちゃんと謝っているだろうが。
「でも、アイツに告白されたとき、すごくドキドキしたの……嫌いなはずなのに。それに健司も私のことが好きだって全然気づかなくて……」
「一緒にいたのにか?」
俺はつい、責めるような口調で寺前に尋ねてしまった。
健司は言っていた。
幼稚園の時から好きだったと。
だとしたら、今まで健司の気持ちに気づかなかったのは流石に鈍感すぎないか? 押水の一件で鈍感すぎるヤツに俺は嫌悪感を抱いていた。
確かにこの女、俺のこと好きじゃねえって思うのはうぬぼれているとか、ありえないと思うことはあるだろう。
だが、幼稚園の時からだぞ? ありえないだろうが。
もしかすると、寺前は押水のように好意が向けられていることに気づきながらも、無視し、ハーレムを狙っているのかもしれない。
だとしたら、俺は許さない。
もう、想いが踏みにじられる姿を見たくない。付き合うなら付き合う。付き合わないのなら付き合わない。
はっきりさせるべきだ。
俺の問いに寺前は眉がハの字になってぽつぽつと語り出した。
「……私、幼稚園の時、健司のおよめさんになるって言ったことがあったんです。でも、健司は嫌だ、とか、ブスとか言って……」
「……」
「それに、中学二年のとき、健司に告白しようとしたんです。その……机にラブレターを入れて、放課後に告白しようとしたんですけど……健司は私のラブレターをクラス中に晒して……あっ、でもそれは……」
「……埋めるか」
「はい?」
俺は風紀委員室にあるロッカーからスコップを取り出す。
アイツは……健司じゃない!
「せ、先輩? スコップ持ち出して何をする気なんですか?」
「いや、健司もどきのゴミを青島峠に埋めてやろうと思ってな。クズ過ぎるだろ?」
ありえない。寺前を責めようとした俺がバカだった。
幼稚園での事はまあ、仕方ないだろう。お互い幼かったのだ。よくあることだ。
だが、ラブレターを晒しただと? 幼稚園の時から好きだっただと? どの口がそんなことをふざくのか。
押水以上の悪だ。許せるわけがない。一番許せないのが、健司と同名だということだ。全国の健司に土下座しろ!
俺は健司に人誅をくわえるため、風紀委員室を出ようとしたが。
「や、やめて! 埋めちゃったら、息が出来ないよ!」
「安心しろ。首だけは外に出してやる。この時期、青島峠なら寒露が発生するから、のどが渇くこともないだろう」
「そ、それならいいのかな?」
「いや、よくないでしょ! 先輩、落ち着いてください! それに寺前さんもそういう問題じゃないでしょ! こんなところで少女漫画ヒロインの天然さを発揮しないでください!」
ったく、何が気に入らないんだ、伊藤は?
これくらい当然だろ?
「別に天然じゃないんだけど……ええっと、この話には続きがあって、私のラブレターなんですけど、健司が机から教科書を取ろうとしたとき、ラブレターが落ちちゃったらしんです。それを健司の友達が勝手にはしゃいで見せびらかしただけだって、健司が謝ってきたんです。最初は信じられなかったんですけど、でも、何度も謝ってきたし、その友達とも絶交したって言われたら、何か私が悪い気がして……だって、ラブレターさえ出さなければ、こんなことにはならなかったから」
「……それは一理あるな」
「先輩!」
「一理あるって言っただけだ。だがな、面白半分でやっていいことと悪い事くらい分かるだろ? 悪いのは健司の友達もどきだ。健司じゃない」
空気が読めないと言われ続けた俺だって分かる。好きなヤツに告白するのはすごく勇気がいることで、一番バカにされたくない部分だ。
お前がされたらどう思うのかって言ってやりたい。
「……どうして、そんなに健司さん推しなんですか、先輩?」
伊藤が呆れかえっているが、無視することにした。伊藤に話すようなことではない。
「それで寺前さんはどうしたいの?」
左近の質問に、寺前はうつむき苦しげな表情を浮かべていた。
「私、どうしたらいいのでしょうか? 一人を選んだら、もう一人が傷ついちゃう……私、告白しようとしたことはあるけど、告白を受けた事なんて一度もなくて……どうしたらいいのか……」
「誰も傷つけたくないと思うのであれば、誰とも付き合うな。ハッキリと断ればいい」
「先輩!」
伊藤は非難の声をあげるが、俺は本心を告げる。
もう二度と同じ過ちを繰り返さないために。
「付き合う気がないのであれば、付き合うな。いい加減な態度は二人を傷つけるだけだ。あえて誰も選ばない選択肢だってある」
「それはそうかもしれませんが……だからって、納得いきません! 自分の気持ちが分からないから、即フルのはおかしいと思います!」
なぜ、伊藤が俺の意見を否定する。お前は俺の相棒だろうが。
伊藤だって、押水の一件で自分の恋が報われなくて辛い思いをしてきた女子を何人も見てきただろうが。俺の言いたいことを察してくれ。
「なら、伊藤。お前はあの二人の勝負を認めろと言うのか? 本人の承諾も得ずに、勝手に決めた勝負の景品に寺前はされたんだぞ? それを認める方が納得いかないだろうが!」
「で、でも……誰もがみんな、器用に恋愛なんてできませんよ。あの二人は真剣でした。周りが見えなくなっちゃうのはマイナスかもしれませんが、だからってその真剣な想いは否定されるべきではないと思います!」
俺と伊藤は本気で睨みあっていた。
内心、驚いていた。普段の伊藤なら、俺に睨まれるとすぐに目をそらすのに、今は睨み返してきたからだ。足が震えているくせに、それでも、俺から視線をそらさず、口を逆Vの字にしてに睨んでくる。
伊藤には何か譲れないものがあるのだろうか? それとも、寺前の本心を見抜いているからか?
恋愛ごとに疎い俺には見当もつかなかった。
「まあまあ、落ち着きなよ二人とも。大切なのは寺前さんの気持ちでしょ? 僕達が口論しても意味がないよ。そうだよね、寺前さん?」
そ、それはそうだな。頭に血が上って大事なことを忘れていた。確かに寺本の意志が尊重されるべきだ。ただ、迷っているのであれば、止めた方がいいとは思う。
寺前の家庭の事情は複雑だ。それに寺前は自分の意志とは関係なく色んなことを押し付けられている。そこをもっと考えなければならなかった。
左近のおかげで気づけた。感謝しなきゃな。
伊藤はぶすっと頬を膨らませ、俺と顔を合わせようとしない。その態度に少し怒りを覚えるが、今は寺前の事を優先すべきことだ。
「すまない、寺前さん。言い過ぎた」
「いいえ……その、ありがとうございます。私の事、真剣に考えてくれたのは不良殺しさん……じゃなくて……不良……不良? ええっと、お名前は……」
困った顔をして上目遣いで見つめてくる寺前に俺はため息をつきつつ、再度名乗った。
「……藤堂だ。何かあったら連絡をくれ。微力ながら力になる。あの二人の気持ちは本気だからといって、キミがそれに応える必要はないことだけは覚えていてほしい」
「……はい。私、考えてみます。自分がどうしたいのかを……」
寺前は頭を下げ、風紀委員室を出ていった。
部屋が一気に静かになる。伊藤は拗ねたままだ。さて、どうするべきか……。
「正道! 彼女を止めて! まだ、同棲問題は解決していないから!」
そうだった! つい、忘れてた。
俺は慌てて部屋を飛び出し、寺前を追いかけた。
「流石にそれは冷たいよ、正道」
確かに冷たかったかもしれない。俺は咳をして、寺前を向き合う。
「すまない。大変な目にあっているのに今の発言は軽はずみだった」
「い、いいんです! 私も悪いっていうか……でも、本当に分からないんです。レンのことは嫌いなんです。意地悪でデリカシーがなくて……」
「あっ、それ、分かります。デリカシーのない男の子ってダメですよね~」
なぜ、そこで俺を見る伊藤。ちゃんと謝っているだろうが。
「でも、アイツに告白されたとき、すごくドキドキしたの……嫌いなはずなのに。それに健司も私のことが好きだって全然気づかなくて……」
「一緒にいたのにか?」
俺はつい、責めるような口調で寺前に尋ねてしまった。
健司は言っていた。
幼稚園の時から好きだったと。
だとしたら、今まで健司の気持ちに気づかなかったのは流石に鈍感すぎないか? 押水の一件で鈍感すぎるヤツに俺は嫌悪感を抱いていた。
確かにこの女、俺のこと好きじゃねえって思うのはうぬぼれているとか、ありえないと思うことはあるだろう。
だが、幼稚園の時からだぞ? ありえないだろうが。
もしかすると、寺前は押水のように好意が向けられていることに気づきながらも、無視し、ハーレムを狙っているのかもしれない。
だとしたら、俺は許さない。
もう、想いが踏みにじられる姿を見たくない。付き合うなら付き合う。付き合わないのなら付き合わない。
はっきりさせるべきだ。
俺の問いに寺前は眉がハの字になってぽつぽつと語り出した。
「……私、幼稚園の時、健司のおよめさんになるって言ったことがあったんです。でも、健司は嫌だ、とか、ブスとか言って……」
「……」
「それに、中学二年のとき、健司に告白しようとしたんです。その……机にラブレターを入れて、放課後に告白しようとしたんですけど……健司は私のラブレターをクラス中に晒して……あっ、でもそれは……」
「……埋めるか」
「はい?」
俺は風紀委員室にあるロッカーからスコップを取り出す。
アイツは……健司じゃない!
「せ、先輩? スコップ持ち出して何をする気なんですか?」
「いや、健司もどきのゴミを青島峠に埋めてやろうと思ってな。クズ過ぎるだろ?」
ありえない。寺前を責めようとした俺がバカだった。
幼稚園での事はまあ、仕方ないだろう。お互い幼かったのだ。よくあることだ。
だが、ラブレターを晒しただと? 幼稚園の時から好きだっただと? どの口がそんなことをふざくのか。
押水以上の悪だ。許せるわけがない。一番許せないのが、健司と同名だということだ。全国の健司に土下座しろ!
俺は健司に人誅をくわえるため、風紀委員室を出ようとしたが。
「や、やめて! 埋めちゃったら、息が出来ないよ!」
「安心しろ。首だけは外に出してやる。この時期、青島峠なら寒露が発生するから、のどが渇くこともないだろう」
「そ、それならいいのかな?」
「いや、よくないでしょ! 先輩、落ち着いてください! それに寺前さんもそういう問題じゃないでしょ! こんなところで少女漫画ヒロインの天然さを発揮しないでください!」
ったく、何が気に入らないんだ、伊藤は?
これくらい当然だろ?
「別に天然じゃないんだけど……ええっと、この話には続きがあって、私のラブレターなんですけど、健司が机から教科書を取ろうとしたとき、ラブレターが落ちちゃったらしんです。それを健司の友達が勝手にはしゃいで見せびらかしただけだって、健司が謝ってきたんです。最初は信じられなかったんですけど、でも、何度も謝ってきたし、その友達とも絶交したって言われたら、何か私が悪い気がして……だって、ラブレターさえ出さなければ、こんなことにはならなかったから」
「……それは一理あるな」
「先輩!」
「一理あるって言っただけだ。だがな、面白半分でやっていいことと悪い事くらい分かるだろ? 悪いのは健司の友達もどきだ。健司じゃない」
空気が読めないと言われ続けた俺だって分かる。好きなヤツに告白するのはすごく勇気がいることで、一番バカにされたくない部分だ。
お前がされたらどう思うのかって言ってやりたい。
「……どうして、そんなに健司さん推しなんですか、先輩?」
伊藤が呆れかえっているが、無視することにした。伊藤に話すようなことではない。
「それで寺前さんはどうしたいの?」
左近の質問に、寺前はうつむき苦しげな表情を浮かべていた。
「私、どうしたらいいのでしょうか? 一人を選んだら、もう一人が傷ついちゃう……私、告白しようとしたことはあるけど、告白を受けた事なんて一度もなくて……どうしたらいいのか……」
「誰も傷つけたくないと思うのであれば、誰とも付き合うな。ハッキリと断ればいい」
「先輩!」
伊藤は非難の声をあげるが、俺は本心を告げる。
もう二度と同じ過ちを繰り返さないために。
「付き合う気がないのであれば、付き合うな。いい加減な態度は二人を傷つけるだけだ。あえて誰も選ばない選択肢だってある」
「それはそうかもしれませんが……だからって、納得いきません! 自分の気持ちが分からないから、即フルのはおかしいと思います!」
なぜ、伊藤が俺の意見を否定する。お前は俺の相棒だろうが。
伊藤だって、押水の一件で自分の恋が報われなくて辛い思いをしてきた女子を何人も見てきただろうが。俺の言いたいことを察してくれ。
「なら、伊藤。お前はあの二人の勝負を認めろと言うのか? 本人の承諾も得ずに、勝手に決めた勝負の景品に寺前はされたんだぞ? それを認める方が納得いかないだろうが!」
「で、でも……誰もがみんな、器用に恋愛なんてできませんよ。あの二人は真剣でした。周りが見えなくなっちゃうのはマイナスかもしれませんが、だからってその真剣な想いは否定されるべきではないと思います!」
俺と伊藤は本気で睨みあっていた。
内心、驚いていた。普段の伊藤なら、俺に睨まれるとすぐに目をそらすのに、今は睨み返してきたからだ。足が震えているくせに、それでも、俺から視線をそらさず、口を逆Vの字にしてに睨んでくる。
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寺前の家庭の事情は複雑だ。それに寺前は自分の意志とは関係なく色んなことを押し付けられている。そこをもっと考えなければならなかった。
左近のおかげで気づけた。感謝しなきゃな。
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「すまない、寺前さん。言い過ぎた」
「いいえ……その、ありがとうございます。私の事、真剣に考えてくれたのは不良殺しさん……じゃなくて……不良……不良? ええっと、お名前は……」
困った顔をして上目遣いで見つめてくる寺前に俺はため息をつきつつ、再度名乗った。
「……藤堂だ。何かあったら連絡をくれ。微力ながら力になる。あの二人の気持ちは本気だからといって、キミがそれに応える必要はないことだけは覚えていてほしい」
「……はい。私、考えてみます。自分がどうしたいのかを……」
寺前は頭を下げ、風紀委員室を出ていった。
部屋が一気に静かになる。伊藤は拗ねたままだ。さて、どうするべきか……。
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