22 / 24
第22話『ついに解放!本物の力「神域の賢者」』
しおりを挟む東の砂漠へ向かう旅の準備が整った。レオン、フィオナ王女、そして選ばれた数名の騎士と冒険者からなる一行は、明日の夜明けとともに出発する予定だった。
最後の打ち合わせを終え、レオンは王宮の自室に戻っていた。夕闇が迫る窓の外を眺めながら、彼は「星のルーン」と「月の欠片」を手に取った。二つの遺物は彼の手の中で微かに共鳴し、青白い光を放っている。
「残りの五つの鍵、見つけられるだろうか…」
レオンは呟きながら、首から下がる「智慧の輝き」に触れた。女神アステリアとフィオナの対立から一日が経ったが、その余波はまだ彼の心に残っていた。二人の女性が彼を巡って争う光景は、思い出すだけで赤面してしまうほど恥ずかしいものだった。
「休んでおくべきか」
彼が疲れた体を横たえようとした瞬間、「智慧の輝き」が突然強く脈動した。同時に「神託解析」が警告を発した。
【危険:接近中の敵】
【種別:暗殺者、複数】
【武器:毒を塗った刃】
【目的:神域の賢者の排除】
【警告:即刻回避せよ】
その警告が脳裏に浮かんだ直後、窓ガラスが粉々に砕け、三人の黒装束の暗殺者が室内に飛び込んできた。
「っ!」
レオンは「天の裁定」に手を伸ばしたが、それは彼の予想を上回る速さだった。一人の暗殺者が毒の塗られた短剣を振りかざし、彼に襲いかかる。
「智慧の輝き」が青白く輝き、危険を察知してレオンの動きを高める。彼は間一髪で身をかわし、剣を手に取った。
「『闇の眷属』の刺客か?」
レオンは「神託解析」を最大限に働かせ、彼らの動きを先読みしようとした。しかし、暗殺者たちの動きは通常の人間を超えていた。
「神域の賢者…死ね!」
三人が同時に襲いかかる。レオンは「天の裁定」を振るい、一人の攻撃を防いだが、残りの二人の刃が彼の両脇を狙う。彼は咄嗟に「万物創造」を使い、床の石材から盾を作り出して身を守った。
「なぜ私を狙う?」レオンは冷静さを保とうとしながら尋ねた。
「『月の門』を開くためだ」暗殺者の一人が答えた。「『神域の賢者』の力が必要なのだ」
三人の暗殺者は再び攻撃の体勢を整えた。彼らの体から黒い霧のようなものが漂い始め、その目が赤く光り始める。
【警告:人間の姿を借りた闇の眷属】
【危険度:極めて高い】
【能力:超人的な速さと力、闇の魔法】
【弱点:光の力のみ有効】
「単なる操られた人間ではないな」レオンは状況を把握した。「闇の眷属そのものか」
「賢いな」暗殺者のリーダーと思われる男が冷笑した。「我々は主の命により、『神域の賢者』の力を奪いに来た。お前の体から『智慧の輝き』を引き剥がし、『全知識吸収』と『万物創造』の力を我らのものとする」
「そうはさせない!」
レオンは「天の裁定」に「智慧の輝き」の力を注ぎ込み、青白い光で剣を包んだ。しかし、三人の暗殺者は恐れる様子もなく、黒い霧を濃くしていく。
「その程度の力では我らを倒せん」
一人が手から黒い炎を放ち、レオンに向かって投げつけた。彼は咄嗟に剣で弾き返したが、炎は部屋中に散り、家具や壁を焼き始める。
「くっ…」
煙と炎で視界が悪くなる中、レオンは窮地に立たされていた。暗殺者たちは黒い霧の中を自由に動き回り、彼を取り囲んでいる。
「降参しろ。お前の命は取らん。ただ、力だけを頂く」
「断る」レオンは毅然と答えた。「この力は女神アステリアから授かったもの。闇には渡さない」
「ならば力ずくだ!」
三人が同時に襲いかかり、レオンは必死で応戦した。「天の裁定」が青く輝き、闇の力と衝突する。しかし、三人同時の攻撃は防ぎきれない。彼の肩に一撃が入り、鋭い痛みが走った。
「ぐっ…」
刃に塗られた毒が体内に広がり始める。レオンの視界がぼやけ、力が抜けていくのを感じた。「智慧の輝き」が懸命に毒を抑えようとするが、完全には防げない。
「もはや抵抗は無駄だ」暗殺者のリーダーが近づいてきた。「お前の力は我らのものとなる」
彼が黒い手袋をした手をレオンの「智慧の輝き」に伸ばした瞬間、部屋全体が突然眩い光に包まれた。
「我が選びし者に触れるな!」
威厳ある女性の声が響き渡り、光の中から一人の美しい女性が現れた。青い長い髪、星のように輝く瞳、そして神々しい威厳を纏った姿——女神アステリアだった。
「な…何だ!?」暗殺者たちが驚愕の声を上げる。
「アステリア様…」レオンは苦しみながらも、女神の姿を認識した。
女神は怒りに満ちた表情で暗殺者たちを見つめ、片手を掲げた。眩い光の束が彼女の手から放たれ、一人の暗殺者を直撃する。
「ぎゃあああ!」
黒い霧を纏った暗殺者は、光に触れた瞬間に悲鳴を上げ、黒い煙となって消え去った。
「主の眷属め!」女神の声は冷酷だった。「我が選びし者に手を出すとは」
残りの二人の暗殺者は恐怖に震え、逃げようとした。しかし、女神の光は彼らをも容赦なく追いかけ、二人目の暗殺者を捉えた。彼もまた、黒い煙となって消滅した。
最後のリーダーだけが残り、彼は壁際に追い詰められていた。
「神よ、汝の干渉は我らの主も知っている」彼は震える声で言った。「『月の門』は必ず開かれる。そして、主は汝を倒すだろう」
「黙れ」女神は冷たく言い放った。「汝らの主ファルゼウスは永遠に封印されたまま。その運命は変わらない」
彼女が光の一撃を放とうとした時、レオンが苦しそうに声を上げた。
「待って…ください、アステリア様」
女神は驚いて彼を見た。レオンは毒に苦しみながらも、立ち上がろうとしていた。
「彼から…情報を」
アステリアは少し考えた後、頷いた。彼女はリーダーの暗殺者に向き直り、光の束で彼を拘束した。
「問いに答えよ、さもなくば消滅する」
拘束された暗殺者は恐怖に震えながらも、憎悪の目でレオンを見つめていた。
「なぜ私の力が必要なのだ?」レオンは問いかけた。
「『神域の賢者』の力があれば、『月の門』は完全に開く」暗殺者は言った。「汝の『全知識吸収』と『万物創造』の力こそが、最後の鍵なのだ」
「私の力が…鍵?」
「そうだ。だからこそ我らの主は汝を求める。汝の力は強大だが、まだ完全には目覚めていない。目覚めた時こそ、我らが汝を奪い取る時」
アステリアの表情が暗くなった。「その時は来ない。彼は私が守る」
暗殺者は不敵な笑みを浮かべた。「本当にそう思うか、女神よ?『神域の賢者』の真の力が目覚めた時、汝にも制御できぬほどの力となることを知らぬのか?」
その言葉に、アステリアの表情が一瞬揺らいだ。
「もういい」女神は冷たく言った。「お前の嘘は聞き飽きた」
彼女が手を上げると、暗殺者は恐怖の表情を浮かべた。
「待て!もう一つ教えよう。『太陽の印章』は既に我らが主の手中にある!砂漠に向かっても無駄だ!」
その言葉を言い終えるや否や、暗殺者は自ら黒い炎に包まれ、「我らが主に栄光あれ!」という言葉と共に消滅した。
部屋に静寂が戻り、炎と煙だけが残った。アステリアはすぐにレオンの元に駆け寄った。
「レオン!大丈夫?」
「毒が…」彼は苦しみながら言った。
女神は彼の肩の傷に手を当て、青白い光が傷口を包み込んだ。毒が少しずつ引いていくのを感じる。
「ありがとう…アステリア様」
「無茶をするのよ」彼女は心配そうに彼を見つめた。「一人で三人の闇の眷属と戦うなんて」
「警戒が足りませんでした」レオンは申し訳なさそうに言った。
アステリアは深く考え込んだ様子で、彼を見つめていた。
「レオン…あなたの力、今こそ全てを解き放つ時かもしれない」
「全てを解き放つ?」
「ええ」女神は真剣な表情で言った。「あなたの『神域の賢者』としての力はまだ完全に目覚めていない。『神託解析』も『全知識吸収』も『万物創造』も、まだその一部しか使えていないわ」
彼女はレオンの額に手を当て、彼の目をじっと見つめた。
「恐れることはないわ。私があなたを導く」
「どうすれば…」
「心を開くの」女神は優しく言った。「あなたの中に眠る本当の力に」
レオンは女神の言葉に従い、目を閉じた。心の奥深くに意識を向ける。そこには「智慧の輝き」から流れ込む青白い光の流れがあった。彼はその流れに身を委ねた。
すると突然、彼の脳裏に無数の映像が流れ込み始めた。過去の記憶、古代の知識、世界の真理、そして彼自身の存在の本質。あまりの情報量に彼は叫び声を上げそうになったが、アステリアの存在が彼を支えていた。
「恐れないで」彼女の声が心の中で響く。「これがあなたの力よ」
レオンの体が青白い光に包まれ始めた。「智慧の輝き」が眩く輝き、「星のルーン」と「月の欠片」も共鳴して光を放つ。部屋全体が光で満たされ、彼の周りに強力なエネルギーの渦が形成された。
「今だわ、レオン。受け入れなさい。あなたの本当の力を!」
アステリアの声に導かれ、レオンは心の壁を解き放った。すると、それまで意識していなかった力が一気に解放された。「神託解析」の能力が格段に向上し、世界のあらゆるものの本質が見えるようになる。「全知識吸収」も完全に覚醒し、触れるものだけでなく、見るものからも知識を得られるようになった。そして「万物創造」の力も増大し、より大きく複雑なものを創り出せるようになった。
「これが…本当の「神域の賢者」の力…!」
レオンの体から光が溢れ出し、部屋中を照らし続けた。その姿はもはや人間の域を超え、神々しさを帯びていた。
光が収まると、レオンは変わり果てた姿で立っていた。「智慧の輝き」は彼の額に直接融合し、青白い印として輝いている。彼の髪は淡い銀色に変わり、瞳は星空のように深く青く輝いていた。
「レオン…」アステリアは感動に満ちた表情で彼を見つめた。「ついに本当の姿に目覚めたわ」
彼は自分の手を見つめ、体内に流れる力を感じた。それは以前とは比べものにならないほど強大で、しかも制御可能だった。
「アステリア様…これが『神域の賢者』の真の姿なのですね」
「ええ」女神は微笑んだ。「あなたは今、私に次ぐ力を持つ存在となった」
その時、部屋のドアが勢いよく開き、フィオナ王女と数名の騎士が駆け込んできた。
「レオン!何があったの?爆発音が…」
フィオナの言葉は途中で途切れた。彼女はレオンの変わり果てた姿を目の当たりにし、言葉を失った。
「レオン…様?」
レオンは彼女に向き直った。その姿は威厳に満ち、部屋の中で最も輝いて見えた。
「フィオナ」彼の声には不思議な響きがあった。「心配をかけてすまない。暗殺者に襲われたが、アステリア様のおかげで無事だ」
「あなた…変わったわ」フィオナは驚きの表情で言った。
「ええ」レオンは頷いた。「『神域の賢者』の力が完全に目覚めたようだ」
フィオナの目に敬意と畏怖の色が浮かんだ。彼女は震える手で彼に触れようとした。
「これが…本当のあなた…」
彼女の指先がレオンの腕に触れた瞬間、彼女の手のひらの星型の印が強く反応し、金色の光を放った。
「王家の血が反応している…」アステリアが言った。「彼女の中にも私の力の一部が宿っているからね」
フィオナは驚いて自分の手を見つめた。「こんな反応は初めて…」
「二千年前の約束」アステリアは静かに言った。「私の力の一部を王家に与え、『月の門』を守るという約束。その力が、レオンの覚醒に呼応しているのよ」
騎士たちは畏怖の念から膝をついた。彼らの目には恐れと尊敬の色が浮かんでいた。
「これが…神域の賢者…」一人の騎士が震える声で呟いた。
レオンは彼らに向き直り、穏やかな声で言った。「恐れる必要はない。私はまだレオンだ」
彼の言葉には不思議な安心感があり、騎士たちの緊張が解けていった。
アステリアは満足げに見守っていたが、その表情にはわずかな不安の色も混じっていた。
「レオン」彼女は真剣な表情で言った。「あなたの力は今、完全に目覚めた。だからこそ、『闇の眷属』はあなたを更に強く求めるでしょう」
「覚悟はできています」レオンは毅然と答えた。「この力で世界を、そしてあなたを守ります」
女神は少し戸惑ったように見えたが、すぐに微笑んだ。
「私を守るの?女神である私を?」
「はい」レオンは真摯に言った。「あなたは私に力を与えてくれた。今度は私があなたを守る番です」
アステリアの頬がわずかに赤く染まった。「そう…ありがとう」
フィオナは二人の会話を見守りながら、複雑な表情を浮かべていた。レオンの変化は彼女にとっても衝撃的だったが、同時に彼女の使命感も強くなっていた。
「明日の出発は予定通り?」彼女は尋ねた。
「ええ」レオンは頷いた。「暗殺者は『太陽の印章』は既に奪われたと言ったが、確認する必要がある」
「賢明ね」アステリアは同意した。「彼らは嘘をつくこともある。実際に確かめるべきよ」
女神は再び青白い光に包まれ始めた。
「私はいったん天界に戻るわ。でも、あなたを見守り続けるわ、レオン」
彼女はレオンの頬に軽く触れ、微笑んだ。
「自分の力を信じて。そして…私を信じて」
光が強まり、女神の姿は消えていった。部屋には燃え尽きた家具と、驚愕の表情を浮かべる人々、そして変貌を遂げたレオンだけが残された。
レオンは窓辺に歩み寄り、夜空を見上げた。青く輝く星々が、かつてないほど鮮明に見える。彼の感覚は研ぎ澄まされ、世界の全てを新たな視点で見ることができるようになっていた。
「これからどうするの?」フィオナが近づいてきた。
「明日、予定通り砂漠へ向かいます」レオンは静かに答えた。「そして『太陽の印章』を探し、『月の門』の封印を守るんです」
彼の声には揺るぎない決意があった。「神域の賢者」としての真の力を得た今、彼の使命はより明確になっていた。
フィオナは彼の腕に手を置いた。「私も共に行くわ」
レオンは微笑んで頷いた。彼の周りには今も微かな青白い光のオーラが漂っていた。それは「神域の賢者」の証であり、彼が背負う運命の重みを象徴していた。
「明日から、真の戦いが始まる」
彼はそう呟きながら、東の空を見つめた。砂漠の彼方には「太陽の印章」と、そして「闇の眷属」の新たな策略が待ち受けているはずだった。しかし今、レオンは恐れてはいなかった。彼は自分の力を信じ、そして使命を全うする覚悟ができていた。
12
あなたにおすすめの小説
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
元公務員、辺境ギルドの受付になる 〜『受理』と『却下』スキルで無自覚に無双していたら、伝説の職員と勘違いされて俺の定時退勤が危うい件〜
☆ほしい
ファンタジー
市役所で働く安定志向の公務員、志摩恭平(しまきょうへい)は、ある日突然、勇者召喚に巻き込まれて異世界へ。
しかし、与えられたスキルは『受理』と『却下』という、戦闘には全く役立ちそうにない地味なものだった。
「使えない」と判断された恭平は、国から追放され、流れ着いた辺境の街で冒険者ギルドの受付職員という天職を見つける。
書類仕事と定時退勤。前世と変わらぬ平穏な日々が続くはずだった。
だが、彼のスキルはとんでもない隠れた効果を持っていた。
高難易度依頼の書類に『却下』の判を押せば依頼自体が消滅し、新米冒険者のパーティ登録を『受理』すれば一時的に能力が向上する。
本人は事務処理をしているだけのつもりが、いつしか「彼の受付を通った者は必ず成功する」「彼に睨まれたモンスターは消滅する」という噂が広まっていく。
その結果、静かだった辺境ギルドには腕利きの冒険者が集い始め、恭平の定時退勤は日々脅かされていくのだった。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる