『俺だけが知っている「隠しクラス」で無双した結果、女神に愛され続けた!』

ソコニ

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第24話『王と勇者、最強の称号を与える!「次なる戦いへ」』

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魔王軍の襲撃から三日後、王都ソレイユは復興と祝賀の準備で忙しく動いていた。城壁は「万物創造」の力によって完全に修復され、破壊された建物も次々と再建されていく。しかし、失われた命は戻らず、犠牲者への追悼式が厳かに執り行われた。

「英雄レオン・グレイ殿に感謝を」と市民たちは口々に言い、彼の姿を見かけると深々と頭を下げた。「神域の賢者」としての力が完全に覚醒したレオンは、もはや王都の中で神話上の英雄のような存在となっていた。

「これほどの騒ぎになるとは…」

レオンは王宮の自室の窓から、忙しく動き回る市民たちを見下ろしながら呟いた。彼の姿も変化していた。銀色に輝く髪、星空のように深い青色の瞳、そして額に浮かぶ「智慧の輝き」の印。もはや普通の人間とは思えない神々しさを纏っていた。

部屋のドアがノックされ、フィオナが入ってきた。彼女は華やかな公式の衣装を身に纏い、王冠を頭に乗せていた。

「準備はいい?」彼女は微笑んだ。「もうすぐ始まるわ」

「ああ」レオンは頷いた。「だが、こんな大規模な式典は必要なかったのではないか?砂漠への出発が遅れてしまう」

「父上の命令よ」フィオナは肩をすくめた。「王国の英雄に相応しい称号と栄誉を与えたいそうよ」

「称号?」

「詳細は言えないの。でも…」彼女は少し赤面し、言葉を濁した。「とても特別なものよ」

レオンは「神託解析」の力で彼女の心を探ろうとしたが、あえて控えた。彼女の表情から、何か重要なことが起きようとしているのは明らかだった。

「わかった」彼は静かに頷いた。「式典に参加しよう」

***

王宮の大広間は、王国の高官、貴族、各地の代表者たちで埋め尽くされていた。大理石の柱には青と白の飾り布が巻かれ、天井からは王国の紋章が描かれた旗が下がっていた。壮麗な装飾の中、全ての参列者が正装に身を包み、厳かな雰囲気を醸し出していた。

レオンが入場すると、全員が立ち上がり、深々と頭を下げた。彼は王国の正装とも言える紺色の礼服に「天の裁定」を帯び、「星のルーン」と「月の欠片」を胸元に輝かせていた。彼の周りには常に青白いオーラが漂い、歩くだけでも神々しい存在感を放っていた。

広間の中央に進み、レオンは玉座に座す国王バイロンと、その隣に立つフィオナに敬意を示した。勇者パーティもまた、最前列に位置していた。アレンはいつもと違い、厳かな表情で聖剣を抱えていた。

「英雄レオン・グレイ」国王の声が広間に響き渡った。「汝は王国の危機において、偉大なる力を示した。『神域の賢者』として、魔王軍を撃退し、我が国を救った。その功績に対し、特別なる称号と栄誉を与えたい」

国王は立ち上がり、フィオナから受け取った純金の冠を手にした。

「レオン・グレイ」国王の声は一層厳かになった。「汝に『神域の勇者』の称号を授ける。この称号は汝が『神域の賢者』としての力と、真の勇者としての心を持つことを象徴する」

レオンの目が驚きで見開かれた。「神域の勇者」—それは「神域の賢者」を超える、新たな称号だった。

会場から大きな拍手が沸き起こる中、レオンは一歩前に進み、膝をついた。国王が金の冠を彼の頭に乗せると、不思議と「智慧の輝き」の印と共鳴し、青白い光が冠を包んだ。

「汝はもはや王国の守護者としてのみならず、『神域の勇者』として世界の救世主となった」国王は続けた。「この栄誉に相応しい者は他にいない」

レオンは厳かな表情で立ち上がり、深々と頭を下げた。「この称号、謹んでお受けします。王国と世界のために、私の力を尽くすことをここに誓います」

新たな拍手が沸き起こる中、国王は席に戻った。しかし、予想外の出来事が起きた。アレンが前に進み出たのだ。

「陛下、お許しを」彼は厳かな声で言った。「私からも申し上げたいことがあります」

国王は少し驚いたが、頷いて許可した。アレンはレオンの前に立ち、彼の目をまっすぐに見つめた。

「レオン」アレンの声は感情に満ちていた。「かつて私は汝を『役立たず』と呼び、パーティから追放した。それは私の人生における最大の過ちだった」

会場が静まり返る中、アレンは聖剣を両手で持ち上げた。

「この聖剣は代々の勇者が受け継いできた証。しかし今、私はこれを汝に譲りたい」

「アレン…」レオンは驚きを隠せなかった。

「真の勇者はお前だ」アレンは真摯に言った。「力だけでなく、心も。お前こそが聖剣を持つにふさわしい」

彼は聖剣をレオンに差し出した。会場からはどよめきが起こった。勇者が自らの称号と聖剣を手放すなど、前代未聞のことだったからだ。

レオンは一瞬躊躇した後、静かに両手を上げた。

「アレン、あなたの誠意に感謝します」彼は穏やかに言った。「しかし、聖剣はあなたのものです。私には既に『天の裁定』がある」

彼は腰に下げた青白い剣を指し示した。

「私たちはそれぞれの道を行く。あなたは勇者として、私は『神域の勇者』として。共に世界を守りましょう」

アレンの目に涙が浮かんだ。彼はレオンの前に膝をついた。

「お前の寛大さに感謝する。これからは私の剣と命、すべてをお前のために捧げよう」

レオンは彼を優しく立ち上がらせた。「友として共に戦おう、アレン」

二人が手を握り合うと、会場から万雷の拍手が起こった。感動の涙を流す者も多く、この瞬間が歴史的な和解の象徴となることは誰の目にも明らかだった。

儀式はさらに続き、レオンには様々な栄誉や贈り物が授けられた。領地、財宝、そして王国の最高位の勲章。彼はそれらを謙虚に受け取りながらも、内心では早く砂漠への旅を再開したいと思っていた。

そして遂に、儀式の最後を飾るように、フィオナ王女が前に進み出た。彼女の表情には決意と、わずかな緊張が浮かんでいた。

「レオン・グレイ」彼女は公式な口調で呼びかけた。「『神域の勇者』にして王国の英雄。私からも贈り物がある」

彼女は美しく装飾された小箱を開いた。その中には王家の紋章と星のシンボルが刻まれた指輪があった。

「これは代々の王家の騎士に与えられてきた指輪」彼女の声が少し震えた。「そして…王家に連なる者だけが受け取ることができるもの」

会場が再び静まり返った。全員が彼女の次の言葉を予想し、息を呑んでいた。

「レオン・グレイ」フィオナの声はより強く、より感情的になった。「あなたに問いたい。私の騎士に…そして、将来の伴侶になってくれますか?」

会場から大きなどよめきが起こった。これは実質的な求婚だった。王女が公の場で、一人の男性に求婚するなど、王国の歴史上初めてのことだ。

レオンは一瞬言葉を失った。しかし、「神域の賢者」としての冷静さを取り戻し、一歩前に進んだ。

「フィオナ王女」彼は厳かに言った。「あなたの申し出は私にとって最大の栄誉です」

しかし、彼が答えを口にする前に、突然大広間の空気が変わった。天井から眩い青白い光が降り注ぎ、全ての人々が驚きの表情を浮かべた。

光の中から一人の美しい女性が現れた。青い長い髪、星のような青い瞳、そして純白の衣装を身にまとった女神アステリア。

「アステリア様!」レオンが驚きの声を上げた。

会場の全員が畏怖の念から膝をついた。国王でさえも、女神の前では頭を垂れた。

「レオン」女神の声は広間全体に響き渡った。「そして王国の皆」

彼女の表情は厳かで、少し悲しげでもあった。

「お祝いの場に水を差すつもりはない。だが、緊急の知らせがある」

レオンは立ち上がり、女神に向き合った。「何が起きたのですか?」

「『月の門』の封印が薄れている」彼女の声は警告に満ちていた。「『闇の眷属』は既に三つの鍵を手に入れた。彼らは『太陽の印章』、『風の笛』、そして『炎の宝玉』を所持している」

レオンの表情が引き締まった。「三つも?」

「そう」女神が頷いた。「ファルゼウスの力が少しずつ漏れ出し始めている。世界の均衡が乱れつつある」

国王バイロンが立ち上がり、女神に向かって頭を下げた。「女神アステリア様、我らはどうすべきでしょうか?」

「残りの鍵を守らねばならない」彼女は答えた。「『水の鏡』は大海の孤島に、『土の鍵』は北の大地に眠っている」

女神はレオンに向き直った。「あなたは『神域の勇者』となった。その力を今こそ、世界のために使う時」

レオンは決意を固めた表情で頷いた。「わかりました、アステリア様。私はすぐに出発します」

アステリアの表情が柔らかくなった。「そして、もう一つ」

彼女はフィオナを見て、優しく微笑んだ。

「王女の申し出に答えてあげて。彼女の力もまた、この戦いに必要だから」

フィオナは驚いた表情で女神を見上げた。かつては嫉妬深く見えた女神が、今は彼女の気持ちを認めている。

「アステリア様…」

「私の力、王家の力、そして『神域の勇者』の力。すべてが一つになれば、ファルゼウスを再び封印することができるでしょう」

女神の言葉に、レオンは「智慧の輝き」に触れ、深く考えた。彼の心に迷いはなかった。

「フィオナ」彼は王女に向き直り、柔らかい表情で言った。「あなたの申し出を受けます。あなたの騎士として、そして将来の伴侶として、私の力と命を捧げます」

フィオナの顔に喜びが広がり、彼女は指輪をレオンの指に滑らせた。指輪が「智慧の輝き」と共鳴し、青白い光を放った。

会場から歓声と拍手が湧き起こる中、アステリアは満足げに頷いた。

「我が子よ」彼女は優しく言った。「この戦いの後には、素晴らしい未来が待っている。だが今は、戦いの時」

女神の姿が徐々に光に包まれていく。

「私も力を貸そう。『神域の勇者』よ、準備はいいか?」

「はい」レオンは毅然と答えた。「どこへでも行きます。闇の眷属との戦い、そして『月の門』の封印のために」

アステリアは満足げに微笑んだ。「まずは大海へ。『水の鏡』を『闇の眷属』から守るのだ」

彼女の姿が完全に光に変わり、天井へと昇っていった。広間は再び通常の明るさに戻ったが、女神の言葉が全ての人の心に刻まれていた。

国王は立ち上がり、声を上げた。「聞いての通りだ。私たちは新たな危機に直面している。『神域の勇者』レオン殿と、我が娘フィオナを大海へと送り出そう。最大限の支援を惜しむな!」

レオンとフィオナは互いに視線を交わし、固く頷き合った。彼らの指には同じ紋章の指輪が輝いていた。今や二人は公式に結ばれ、共に戦う運命となったのだ。

アレンが前に進み出た。「レオン、私もついていこう。勇者の剣が力になるはずだ」

ガルムも頷いた。「俺も行く。最後まで共に戦おう」

セリアも微笑んで言った。「私の魔法も必要になるでしょう。共に行かせてください」

ノイルだけが少し距離を置いていたが、彼もまた不承不承ながら頷いた。「力になれるなら…」

レオンは彼らに感謝の意を示した。「ありがとう、皆。力を合わせれば、必ず勝てる」

フィオナが彼の手を取った。「『水の鏡』を手に入れ、『月の門』の封印を守りましょう」

儀式は予定外の展開となったが、新たな決意と絆が生まれた瞬間でもあった。レオン・グレイ、かつては「役立たず」と呼ばれた一般職の冒険者は、今や「神域の勇者」として王国と世界の命運を担う存在となった。

***

儀式の後、レオンは王宮の高台から夕暮れの王都を見下ろしていた。頭には「神域の勇者」の冠、指にはフィオナの指輪、そして「智慧の輝き」の印が額に輝いている。彼の姿は完全に変わったが、心は変わらなかった。

「レオン」

振り返ると、フィオナが彼に近づいてきた。彼女の表情には喜びと決意が混ざっていた。

「明日の出発の準備ができたわ」彼女は言った。「大海へ向かうための最高の船を用意したの」

「ありがとう」レオンは微笑んだ。「君と共に行けることを嬉しく思う」

フィオナは少し顔を赤らめた。「あのね、さっきの求婚…突然で驚かせてしまったかもしれないけど、本気だったのよ」

「わかっている」レオンは優しく彼女の手を取った。「私も本気で答えた」

二人は静かな夕暮れの中、互いを見つめ合った。

「これからの戦いは厳しいものになるだろう」レオンは空を見上げた。「『闇の眷属』は既に三つの鍵を手に入れた。残りの二つを守り抜かなければ」

「共に戦いましょう」フィオナは決意を込めて言った。「王家の血と、『神域の勇者』の力で」

彼らが話している間、空には青い星が一つ、特別に明るく輝き始めた。女神アステリアの目が、常に彼らを見守っているようだった。

夜が深まり、王都は静寂に包まれていった。しかし、明日からは新たな旅が始まる。大海を越え、「水の鏡」を求め、そして「闇の眷属」との決戦へ。

レオンは「天の裁定」に手を置き、決意を新たにした。

「神域の勇者」として、フィオナの伴侶として、そして世界の守護者として、彼は自分の使命を全うするつもりだった。

「次なる戦いへ」彼は静かに呟いた。「全ての力を懸けて」
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感想 3

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みんなの感想(3件)

マイン
2025.05.15 マイン

4話 誤字

雑貨鑑定Lv2→神託鑑定Lv2

2025.05.16 ソコニ

ありがとうございます。

解除
モリミアシタ

ゲームをプレイしている感覚ですね。
面白いです(^^)

2025.04.22 ソコニ

ありがとうございます。

解除
モリミアシタ

2話読了。
面白いのでお気に入り追加です!

2025.04.22 ソコニ

ありがとうございます。

解除

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