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第六章
8.……嫌だったのか?【2】
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「凄いな、あの冒険者達……。突然何もない空間から出てきたのには驚いたけど」
「あぁ。現れて早々ちちくり合っているのにも驚いたが、あんなデカイ魔物を易々と討伐かよ」
「本当に同じ人間なのかよって思うよな、冒険者って」
商団の方々が口々に告げています。
はい、私もヴォルと出会う前はそう思っていましたよ。──関わりたくないと普通に思っていましたし。
ちちくり合ってって部分は本当に申し訳ございません。そんなつもりはなかったのですが、不可抗力なので許して下さいとしか言えませんでした。
そもそも冒険者は力の質が違うと言うか、町の中で生活をする人にとっては必要のない強大な力を持っているのです。勿論魔力を持っていないベンダーツさんですらそう思うので、本質からして異なるのだと思いました。
普通の人は鍛えただけであぁも強くなるものでしょうか。
「でも、必要なんだよな?」
「あぁ。町の外は魔物の世界だし」
「俺等じゃ戦えないし……。っうか、死んじまう」
畏怖の念を抱きながらも、商団の方々は冒険者を認める発言をします。そしてこれはこの世界の理なのでした。
はい、だから冒険者達が存在するのです。魔物がいるから。戦う力が必要だから。理由はいくらでもつけられました。
恐怖する感情を悪だとは思いません。実際に私も、この外の世界を知って気付いたのでした。
どうか冒険者を──、嫌わないでほしいです。
「ユーニキュアさんっ!」
「大丈夫ですかっ?!」
「えぇ……、遅く、なりました……」
ユーニキュアさん達がやっとの事でこちら側の結界に到達しました。
走ってきた為に息が乱れているユーニキュアさんですが、彼女は気丈にもその背を丸める事はしません。逆に一緒に駆けてきた人々の方が息を乱しているくらいでした。
「お疲れ様でした」
私はそんな彼女に言葉がありません。ただ、深く頭を下げました。
魔物がいる町に調査をしに行き、無事怪我もなく戻って来たのです。
「ありがとう、メル」
彼女も私に微笑むだけでした。
お互い、役割をこなしたと言う自負からでしょうか。
──私、ちゃんと役に立ちましたか?
「貴女のお陰で、これ以上私の大切な仲間が傷付く事はなかったわ。本当に感謝しているの」
「あ、いえ……私は全然何もしてないですから……。それより、町の方は大丈夫なのですか?」
謝意を告げるユーニキュアさんの瞳が潤んでいます。特別何かをなし得た感覚のない私は恐縮してしまいましたが、町の様子も気になりました。
いえ、見た目で既に大変なのは分かります。ただ、ユーニキュアさんと一緒に戻ってきた人は商団の人ではないようでした。
そうなのです。町にはまだ他にも人が残っていると思われました。
「えぇ、町からはかなりの人が避難していたわ。詳しくは分からないけど、亡くなったのは防御壁が破壊された辺りのごく一部の人達らしいの」
「何故壁が……」
「それが……、分からないのよ。調べに出た所であの大きな魔物が現れて、私達も逃げるので精一杯だったから……」
瞳を悲しげに伏せるユーニキュアさんです。
やはり亡くなった方はいるようですが、避難の動きも早かったようでした。
壁の外に原因があったのか、町の内側からは分からなかったとか。でも今はそれ以上に魔物が町を大きく破壊してしまっていました。
原因を調べるのも大変そうですが、ここの復興には時間が掛かりそうです。
「この世界では魔物の被害も天災の一つだからな。これでも魔法壁が強くなって、昔程頻繁に町を壊される事がなくなったくらいだ」
「あぁ、昔は酷かったらしいからな。お疲れ様です、ユーニキュアお嬢さん。それで連れていった奴等は……」
ユーニキュアさんと私の会話が一区切りついたのを見計らってか、皆さんが彼女から町の情報を聞く為に話し掛け始めました。
私はその輪から外れ、視線を町に向けます。
もう既に町の延焼は食い止められていました。ヴォルが水の魔法を使ったようです。本当にこの世界の人々は皆さん、精神的にとても強いのだと感心してしまいました。
家族を失った事を理由に農村で閉じ籠っていた私は、彼等の強さを眩しく思います。
「あぁ。現れて早々ちちくり合っているのにも驚いたが、あんなデカイ魔物を易々と討伐かよ」
「本当に同じ人間なのかよって思うよな、冒険者って」
商団の方々が口々に告げています。
はい、私もヴォルと出会う前はそう思っていましたよ。──関わりたくないと普通に思っていましたし。
ちちくり合ってって部分は本当に申し訳ございません。そんなつもりはなかったのですが、不可抗力なので許して下さいとしか言えませんでした。
そもそも冒険者は力の質が違うと言うか、町の中で生活をする人にとっては必要のない強大な力を持っているのです。勿論魔力を持っていないベンダーツさんですらそう思うので、本質からして異なるのだと思いました。
普通の人は鍛えただけであぁも強くなるものでしょうか。
「でも、必要なんだよな?」
「あぁ。町の外は魔物の世界だし」
「俺等じゃ戦えないし……。っうか、死んじまう」
畏怖の念を抱きながらも、商団の方々は冒険者を認める発言をします。そしてこれはこの世界の理なのでした。
はい、だから冒険者達が存在するのです。魔物がいるから。戦う力が必要だから。理由はいくらでもつけられました。
恐怖する感情を悪だとは思いません。実際に私も、この外の世界を知って気付いたのでした。
どうか冒険者を──、嫌わないでほしいです。
「ユーニキュアさんっ!」
「大丈夫ですかっ?!」
「えぇ……、遅く、なりました……」
ユーニキュアさん達がやっとの事でこちら側の結界に到達しました。
走ってきた為に息が乱れているユーニキュアさんですが、彼女は気丈にもその背を丸める事はしません。逆に一緒に駆けてきた人々の方が息を乱しているくらいでした。
「お疲れ様でした」
私はそんな彼女に言葉がありません。ただ、深く頭を下げました。
魔物がいる町に調査をしに行き、無事怪我もなく戻って来たのです。
「ありがとう、メル」
彼女も私に微笑むだけでした。
お互い、役割をこなしたと言う自負からでしょうか。
──私、ちゃんと役に立ちましたか?
「貴女のお陰で、これ以上私の大切な仲間が傷付く事はなかったわ。本当に感謝しているの」
「あ、いえ……私は全然何もしてないですから……。それより、町の方は大丈夫なのですか?」
謝意を告げるユーニキュアさんの瞳が潤んでいます。特別何かをなし得た感覚のない私は恐縮してしまいましたが、町の様子も気になりました。
いえ、見た目で既に大変なのは分かります。ただ、ユーニキュアさんと一緒に戻ってきた人は商団の人ではないようでした。
そうなのです。町にはまだ他にも人が残っていると思われました。
「えぇ、町からはかなりの人が避難していたわ。詳しくは分からないけど、亡くなったのは防御壁が破壊された辺りのごく一部の人達らしいの」
「何故壁が……」
「それが……、分からないのよ。調べに出た所であの大きな魔物が現れて、私達も逃げるので精一杯だったから……」
瞳を悲しげに伏せるユーニキュアさんです。
やはり亡くなった方はいるようですが、避難の動きも早かったようでした。
壁の外に原因があったのか、町の内側からは分からなかったとか。でも今はそれ以上に魔物が町を大きく破壊してしまっていました。
原因を調べるのも大変そうですが、ここの復興には時間が掛かりそうです。
「この世界では魔物の被害も天災の一つだからな。これでも魔法壁が強くなって、昔程頻繁に町を壊される事がなくなったくらいだ」
「あぁ、昔は酷かったらしいからな。お疲れ様です、ユーニキュアお嬢さん。それで連れていった奴等は……」
ユーニキュアさんと私の会話が一区切りついたのを見計らってか、皆さんが彼女から町の情報を聞く為に話し掛け始めました。
私はその輪から外れ、視線を町に向けます。
もう既に町の延焼は食い止められていました。ヴォルが水の魔法を使ったようです。本当にこの世界の人々は皆さん、精神的にとても強いのだと感心してしまいました。
家族を失った事を理由に農村で閉じ籠っていた私は、彼等の強さを眩しく思います。
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