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第六章
10.何故だか落ち着かない【5】
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今は夜ですが、あの朝食後からずっと部屋でゴロゴロしていました。
そしてお昼も夜も、ベンダーツさんがご飯を作ってくれます。今思うと、この前買い出しをしておいて正解でしたね。
ヴォルはというと──ずっと眠っていました。勿論、椅子からベッドに移動はしましたけど。
そして私は抱き枕。
何でも、魔力を回復させる為に睡眠が必要なのだそうです。初めは何処か具合が悪いのではないかと心配になったのですが、ベンダーツさんに教えてもらいました。
──しかしながら、正直いって退屈です。
ヴォルの寝顔を見ているのも、一日中見ていればさすがに変化が乏しいので飽きてきました。
結界のおかげか、外の音は全く聞こえてきません。辛うじて食事による時間の区別がつくくらいでした。
というか、ベンダーツさんはその辺りしっかりしています。そして食事の準備をする前にヴォルを起こし、当初のお願い通りに水と火の魔法を用意させていました。
「さすがに一日横になっているのも苦痛ですね」
隣でベンダーツさんが呟きます。
話そうが料理を作っていようが、ヴォルは深く眠っている為に起きません。──起こそうとしないかぎり起きないのです。
それほどに深く寝入っていても寝起きが良くて、起こせばすぐに意思疎通が出来ました。食事準備で魔法を提供した後にすぐ寝てしまいますが、食べる時に再度起こすとちゃんと自分で食べます。
私はこんなに切り替え良く出来ない自信がありますね。
「はい……。このままでは丸々太ってしまいそうですよ」
「ブータンは太っている方が美味しいですからね」
「わ、私はブータンではありませんよ。……でもそれくらい丸くなったらどうしましょう」
唇を尖らせてみますが、実際そう思う程に身体を動かさないので不安を感じてしまいました。
「大丈夫ですよ。ヴォルティ様に頼めば、一日中でも運動させてくれるでしょうから」
「……それ、ヴォルに言ったら怒られそうな言葉ではありません?」
「おや、貴女も少しはしっかりしてきましたね。まぁさすがに私と致しましても、ところ構わずでは困りますがね」
ベンダーツさんと軽口を言い合えるなんて、本当に私も強くなったものです。それだけ彼に慣れたのもあるのでしょうけど。
私はヴォルが寝ているので必然的に抱き枕なのですが、ベンダーツさんも食事の準備以外はもう一つのベッドで横になっていました。彼の身体も体力回復の為に休養を求めているようです。
「これからどうするのですか?」
「そうですね。あちら側の出方にもよりますが、我々はまだセントラルに戻る訳にはまいりません。せめてこのグレセシオ大陸南部の調査を終えてからでないと、再度北上する意味はないですからね」
さすがに一日中寝ていたので、食後もなかなか睡魔が訪れません。
ベンダーツさんも同じなのか、私の会話に付き合ってくれました。
魔力の坩堝を探すというのが、今回の旅の趣旨です。
最南端はまだ少し先ですから、そこの調査もせずに戻ってしまえば、何の為にここまで来たのか分からない結果になってしまうのでした。
「その為にも、まずはヴォルティ様の回復を待たなければなりません。あちら側がこのまま大人しくしていてくれれば良いのですが」
片眼鏡がなくても、丁寧語のベンダーツさんに違和感を感じなくなっています。毎回、彼の切り替えの良さには驚きますが。
そして都度出てくる『あちら側』とは、サガルットの人達でした。ベンダーツさんは直接見ていないと言っていましたが、彼を拉致したのもサガルットの町長さんとユーニキュアさんのお父様かもです。
分からないのは理由ですね。
町長さんはユーニキュアさんのお父様に強く言われての事かも知れませんが、彼等の本来の目的は町の復興だった筈でした。
しかし冒険者と言えども人です。集団で襲えば何とかなるかもと思ったのでしょうか。
ベンダーツさんを説得しようとしたのか亡き者にしようとしたのかは不明ですが、そんな事をしたってヴォルがあの人達に従う訳がありませんでした。
そしてお昼も夜も、ベンダーツさんがご飯を作ってくれます。今思うと、この前買い出しをしておいて正解でしたね。
ヴォルはというと──ずっと眠っていました。勿論、椅子からベッドに移動はしましたけど。
そして私は抱き枕。
何でも、魔力を回復させる為に睡眠が必要なのだそうです。初めは何処か具合が悪いのではないかと心配になったのですが、ベンダーツさんに教えてもらいました。
──しかしながら、正直いって退屈です。
ヴォルの寝顔を見ているのも、一日中見ていればさすがに変化が乏しいので飽きてきました。
結界のおかげか、外の音は全く聞こえてきません。辛うじて食事による時間の区別がつくくらいでした。
というか、ベンダーツさんはその辺りしっかりしています。そして食事の準備をする前にヴォルを起こし、当初のお願い通りに水と火の魔法を用意させていました。
「さすがに一日横になっているのも苦痛ですね」
隣でベンダーツさんが呟きます。
話そうが料理を作っていようが、ヴォルは深く眠っている為に起きません。──起こそうとしないかぎり起きないのです。
それほどに深く寝入っていても寝起きが良くて、起こせばすぐに意思疎通が出来ました。食事準備で魔法を提供した後にすぐ寝てしまいますが、食べる時に再度起こすとちゃんと自分で食べます。
私はこんなに切り替え良く出来ない自信がありますね。
「はい……。このままでは丸々太ってしまいそうですよ」
「ブータンは太っている方が美味しいですからね」
「わ、私はブータンではありませんよ。……でもそれくらい丸くなったらどうしましょう」
唇を尖らせてみますが、実際そう思う程に身体を動かさないので不安を感じてしまいました。
「大丈夫ですよ。ヴォルティ様に頼めば、一日中でも運動させてくれるでしょうから」
「……それ、ヴォルに言ったら怒られそうな言葉ではありません?」
「おや、貴女も少しはしっかりしてきましたね。まぁさすがに私と致しましても、ところ構わずでは困りますがね」
ベンダーツさんと軽口を言い合えるなんて、本当に私も強くなったものです。それだけ彼に慣れたのもあるのでしょうけど。
私はヴォルが寝ているので必然的に抱き枕なのですが、ベンダーツさんも食事の準備以外はもう一つのベッドで横になっていました。彼の身体も体力回復の為に休養を求めているようです。
「これからどうするのですか?」
「そうですね。あちら側の出方にもよりますが、我々はまだセントラルに戻る訳にはまいりません。せめてこのグレセシオ大陸南部の調査を終えてからでないと、再度北上する意味はないですからね」
さすがに一日中寝ていたので、食後もなかなか睡魔が訪れません。
ベンダーツさんも同じなのか、私の会話に付き合ってくれました。
魔力の坩堝を探すというのが、今回の旅の趣旨です。
最南端はまだ少し先ですから、そこの調査もせずに戻ってしまえば、何の為にここまで来たのか分からない結果になってしまうのでした。
「その為にも、まずはヴォルティ様の回復を待たなければなりません。あちら側がこのまま大人しくしていてくれれば良いのですが」
片眼鏡がなくても、丁寧語のベンダーツさんに違和感を感じなくなっています。毎回、彼の切り替えの良さには驚きますが。
そして都度出てくる『あちら側』とは、サガルットの人達でした。ベンダーツさんは直接見ていないと言っていましたが、彼を拉致したのもサガルットの町長さんとユーニキュアさんのお父様かもです。
分からないのは理由ですね。
町長さんはユーニキュアさんのお父様に強く言われての事かも知れませんが、彼等の本来の目的は町の復興だった筈でした。
しかし冒険者と言えども人です。集団で襲えば何とかなるかもと思ったのでしょうか。
ベンダーツさんを説得しようとしたのか亡き者にしようとしたのかは不明ですが、そんな事をしたってヴォルがあの人達に従う訳がありませんでした。
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