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第八章
3.魔物達の飢えの原因【2】
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「さぁて、出発しようかっ」
食事と休憩を終え、漸く立ち直ったらしきベンダーツさんです。
妙に元気さをアピールしているようにもみえますが、この話し方に随分慣れたので敬語だと逆に私の方が緊張してしまうのでした。
「あの、ケストニアまではその話し方でいかれますよね?」
「何、メル。こっちの俺の方が好き?」
「あ、はい」
ベンダーツさんからニヤリと問われたのですが、私は普通に首肯します。
すると何故かヴォルとベンダーツさんが固まってしまいました。
「……あのさ、天然系無自覚なのは悪くないんだけど。時としてっていうか、こういう場合は普通に俺がヴォルに殺されるから」
疲れたように溜め息を吐きながらベンダーツさんが告げます。
その言葉に私は首を傾げますが、すぐにヴォルに抱き寄せられてベンダーツさんが見えなくなりました。
ぎゅうぎゅうと抱き締められて苦しくもあるのですが、ヴォルからは怒りより不安をかんじます。何かは分かりませんが、経験から察すると私がおかしな事を言ったようでした。
「だ、だからヴォル?分かってるよね?」
焦ったようなベンダーツさんの声だけが聞こえます。
──どうしたのでしょうか。ヴォルはまた、私で魔力回復ですかね?
ベンダーツさんの言葉に物騒なものがありましたが、私は抱き締めてくるヴォルの背中を宥めるように撫でました。
「……魔力の流出以上にやられる」
ヴォルにポツリと呟かれます。
意味の分からないその言葉に、私の頭に疑問符ばかりが浮かびました。とりあえず、ヴォルが何かしらのダメージを受けたらしいです。
「まぁ、そうは言っても本人は分かってないだろうからね。でも精神力の強さも魔力所持者の必須事項だからな。筋肉量に左右される体力や持続力と違って、魔力は精神に強く関わるんだろう?実力からもヴォルはその辺り大丈夫だと思うけど、メルに左右され過ぎるのが俺は心配だな」
「煩い、マーク。……それは俺の意思ではどうにもならん」
「だよねぇ、分かってたけど。ま、気を確かにってくらいしか俺には言えないや」
ヴォルに抱き締められたまま首を傾げる私には、二人が何やら慰めあっているように聞こえます。
体力とか持久力とか難しい事を話しているので何の話だか分かりませんが、心を強くしなくてはならないって事だと推測しました。
私は魔力所持者ではありませんが、色々な事に負けないように内面だけでも強くあろうと思います。
「……ってな感じで、とりあえず出発な。ヴォルは必要時以外に魔法禁止な方向で宜しく。ただでさえ義手と精霊関係で魔力使うんだから、純粋に剣士としていてくれれば良いから」
「……善処する」
再び御者台に乗ったベンダーツさんが、馬車の内部へ視線を向けて告げました。ヴォルは首肯しつつも少し言い渋っています。
二頭引きのウマウマさん馬車に乗り込んだヴォルと私ですが、さすがに抱き締められる事はありませんでした。何故か手を繋いでいましたが。
そうして流れ出てしまう魔力を可能な限り抑える為、魔物と出会っても馬車のみの結界魔法だけが使用可の状態になりました。
勿論ヴォルは魔法なしでも魔物討伐が出来るので問題はないのですが、やはり大型の魔物が相手だと剣技だけでは時間が掛かります。
魔物は相変わらずヴォルを集中的に襲ってきました。もはや魔物を引き寄せる左手の黒い剣──闇の剣は必要ないくらいです。
「でもさ、魔物の力も落ちてきてるよな」
「飢えが極限に達してきているのだろ。感じられる魔力も体格の割りに随分小さい」
戦闘中でもお喋りする余裕があるようで、ヴォルとベンダーツさんは涼しげな表情でした。
でも魔物の飢えと言うのがどういった症状なのか、私には分かりません。ですがそもそも魔物は人と同じように食事をする訳ではないので、魔力を食べ物と置き換えて良いのかもです。
食事と休憩を終え、漸く立ち直ったらしきベンダーツさんです。
妙に元気さをアピールしているようにもみえますが、この話し方に随分慣れたので敬語だと逆に私の方が緊張してしまうのでした。
「あの、ケストニアまではその話し方でいかれますよね?」
「何、メル。こっちの俺の方が好き?」
「あ、はい」
ベンダーツさんからニヤリと問われたのですが、私は普通に首肯します。
すると何故かヴォルとベンダーツさんが固まってしまいました。
「……あのさ、天然系無自覚なのは悪くないんだけど。時としてっていうか、こういう場合は普通に俺がヴォルに殺されるから」
疲れたように溜め息を吐きながらベンダーツさんが告げます。
その言葉に私は首を傾げますが、すぐにヴォルに抱き寄せられてベンダーツさんが見えなくなりました。
ぎゅうぎゅうと抱き締められて苦しくもあるのですが、ヴォルからは怒りより不安をかんじます。何かは分かりませんが、経験から察すると私がおかしな事を言ったようでした。
「だ、だからヴォル?分かってるよね?」
焦ったようなベンダーツさんの声だけが聞こえます。
──どうしたのでしょうか。ヴォルはまた、私で魔力回復ですかね?
ベンダーツさんの言葉に物騒なものがありましたが、私は抱き締めてくるヴォルの背中を宥めるように撫でました。
「……魔力の流出以上にやられる」
ヴォルにポツリと呟かれます。
意味の分からないその言葉に、私の頭に疑問符ばかりが浮かびました。とりあえず、ヴォルが何かしらのダメージを受けたらしいです。
「まぁ、そうは言っても本人は分かってないだろうからね。でも精神力の強さも魔力所持者の必須事項だからな。筋肉量に左右される体力や持続力と違って、魔力は精神に強く関わるんだろう?実力からもヴォルはその辺り大丈夫だと思うけど、メルに左右され過ぎるのが俺は心配だな」
「煩い、マーク。……それは俺の意思ではどうにもならん」
「だよねぇ、分かってたけど。ま、気を確かにってくらいしか俺には言えないや」
ヴォルに抱き締められたまま首を傾げる私には、二人が何やら慰めあっているように聞こえます。
体力とか持久力とか難しい事を話しているので何の話だか分かりませんが、心を強くしなくてはならないって事だと推測しました。
私は魔力所持者ではありませんが、色々な事に負けないように内面だけでも強くあろうと思います。
「……ってな感じで、とりあえず出発な。ヴォルは必要時以外に魔法禁止な方向で宜しく。ただでさえ義手と精霊関係で魔力使うんだから、純粋に剣士としていてくれれば良いから」
「……善処する」
再び御者台に乗ったベンダーツさんが、馬車の内部へ視線を向けて告げました。ヴォルは首肯しつつも少し言い渋っています。
二頭引きのウマウマさん馬車に乗り込んだヴォルと私ですが、さすがに抱き締められる事はありませんでした。何故か手を繋いでいましたが。
そうして流れ出てしまう魔力を可能な限り抑える為、魔物と出会っても馬車のみの結界魔法だけが使用可の状態になりました。
勿論ヴォルは魔法なしでも魔物討伐が出来るので問題はないのですが、やはり大型の魔物が相手だと剣技だけでは時間が掛かります。
魔物は相変わらずヴォルを集中的に襲ってきました。もはや魔物を引き寄せる左手の黒い剣──闇の剣は必要ないくらいです。
「でもさ、魔物の力も落ちてきてるよな」
「飢えが極限に達してきているのだろ。感じられる魔力も体格の割りに随分小さい」
戦闘中でもお喋りする余裕があるようで、ヴォルとベンダーツさんは涼しげな表情でした。
でも魔物の飢えと言うのがどういった症状なのか、私には分かりません。ですがそもそも魔物は人と同じように食事をする訳ではないので、魔力を食べ物と置き換えて良いのかもです。
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