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第八章
9.有り得ない【5】
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「ふむ、あれが魔力の坩堝と呼ばれるものだったのだろう。あの異常な魔力の放出はそうとしか言えないな。我々は常に魔力の流れを魔法石で見ている。広範囲ではその流れも大まかな事しか分からないが、視野を狭めれば細かな魔力情報を知る事が出来るのだ。それ故、最近起こっている魔力所持者の力の衰退原因を探っていた」
協会長さんが監視魔法石の説明をしてくれます。
思った以上に高性能な品物でした。そしてヴォルが言っていた魔力の流出の事にも触れてます。
でも私には、協会長さんの言う魔法石は怖い力であるように思えました。道具は使う人次第ですが、それ故に善にも悪にもなり得ると思うのです。
魔力を調査する事は大切なのでしょうが、なくなってほしいとも思ってしまいました。
「ここ最近は世界中の魔力が急激に大地へと吸収されていたのだ。そして弾けた先でこの有り様。……恐らく本来は長い年月をもって大地に魔力を吸収し、ある一定量貯蓄すると一気に地表に放出するという流れなのだろう」
「それが魔力の坩堝の要因ってやつ?」
「そうかもしれぬ。伝説にしか現れぬ言葉だが、それが消え去らないという事は何らかの真実があるからだろうな」
協会長さんの言葉にベンダーツさんが問い掛けます。
もう隠し事のない事実のみが語られているようでした。そして魔力の坩堝の正体の判明です。
突然大地から吹き出すのであれば、誰もそれを見た事がないのは納得出来ました。だってそこにいたら、見ていた皆が魔法石になってしまうのです。
「破壊は不可能……かな?」
ベンダーツさんの視線がヴォルに向けられました。これからどうするのか、先の指示を待っているようです。
私も必死に思考を巡らせました。私は魔力なんてものを目で見る事は出来ませんが、ついている頭は飾りではない筈です。
「魔力が溢れて魔法石が出来るから、そこに魔物がたくさん集まる……と言う事ですよね」
「そうだよ、姫さん。放出された魔力を元に、別の魔物が発生する。この辺りはつい先日までまさに地獄だったからな。幸い魔法石化した人を食いはしないが、大気中に溢れ出た魔力から魔物は出るし光は弾けるしで混沌としていた」
私の質問に答えてくれた協会長さんが見回すと、魔力協会の人達は顔をひきつらせました。
その反応を見る限り、余程の現象だったようです。教会の結界があったので襲われる事がなかったようでした。
確かに結界一枚を隔てているだけの魔物は、恐怖以外の何のでもありませんから。
「光に寄せられたのは魔物だけではなく精霊もです。この教会の中にも精霊がいますね」
問い掛けではなく、淡々とした口調で断定して告げたヴォルでした。
私はスッカリ忘れていましたが、そう言えば精霊さんが助けを求めて来ていたのです。
「あぁ、精霊か。確かにこの教会に二体、精霊がいるが……何でツヴァイス殿が知っているのだ?」
「精霊が来ました。囚われている精霊を解き放って欲しいとの依頼付きです」
「おぉ、まさかあの時逃げた精霊が?そうか、無事あの魔物の群れから逃げ出す事が出来て本当に良かった」
驚きを含めた協会長さんでしたが、ヴォルの答えに納得したようでした。
しかしながら何だか話が違う気がします。確か──人が悪者でしたよね、あの話。
「何だか、話が違うねぇ」
ベンダーツさんも同じ事を思ったようです。
瞳をさ迷わせて精霊さんを探しているようですが、どうやら彼の視界に精霊さんは映らなくなっているようでした。
そして私の視界でも、あの銀髪の精霊さんは青い光にしか見えなくなっていたのです。
協会長さんが監視魔法石の説明をしてくれます。
思った以上に高性能な品物でした。そしてヴォルが言っていた魔力の流出の事にも触れてます。
でも私には、協会長さんの言う魔法石は怖い力であるように思えました。道具は使う人次第ですが、それ故に善にも悪にもなり得ると思うのです。
魔力を調査する事は大切なのでしょうが、なくなってほしいとも思ってしまいました。
「ここ最近は世界中の魔力が急激に大地へと吸収されていたのだ。そして弾けた先でこの有り様。……恐らく本来は長い年月をもって大地に魔力を吸収し、ある一定量貯蓄すると一気に地表に放出するという流れなのだろう」
「それが魔力の坩堝の要因ってやつ?」
「そうかもしれぬ。伝説にしか現れぬ言葉だが、それが消え去らないという事は何らかの真実があるからだろうな」
協会長さんの言葉にベンダーツさんが問い掛けます。
もう隠し事のない事実のみが語られているようでした。そして魔力の坩堝の正体の判明です。
突然大地から吹き出すのであれば、誰もそれを見た事がないのは納得出来ました。だってそこにいたら、見ていた皆が魔法石になってしまうのです。
「破壊は不可能……かな?」
ベンダーツさんの視線がヴォルに向けられました。これからどうするのか、先の指示を待っているようです。
私も必死に思考を巡らせました。私は魔力なんてものを目で見る事は出来ませんが、ついている頭は飾りではない筈です。
「魔力が溢れて魔法石が出来るから、そこに魔物がたくさん集まる……と言う事ですよね」
「そうだよ、姫さん。放出された魔力を元に、別の魔物が発生する。この辺りはつい先日までまさに地獄だったからな。幸い魔法石化した人を食いはしないが、大気中に溢れ出た魔力から魔物は出るし光は弾けるしで混沌としていた」
私の質問に答えてくれた協会長さんが見回すと、魔力協会の人達は顔をひきつらせました。
その反応を見る限り、余程の現象だったようです。教会の結界があったので襲われる事がなかったようでした。
確かに結界一枚を隔てているだけの魔物は、恐怖以外の何のでもありませんから。
「光に寄せられたのは魔物だけではなく精霊もです。この教会の中にも精霊がいますね」
問い掛けではなく、淡々とした口調で断定して告げたヴォルでした。
私はスッカリ忘れていましたが、そう言えば精霊さんが助けを求めて来ていたのです。
「あぁ、精霊か。確かにこの教会に二体、精霊がいるが……何でツヴァイス殿が知っているのだ?」
「精霊が来ました。囚われている精霊を解き放って欲しいとの依頼付きです」
「おぉ、まさかあの時逃げた精霊が?そうか、無事あの魔物の群れから逃げ出す事が出来て本当に良かった」
驚きを含めた協会長さんでしたが、ヴォルの答えに納得したようでした。
しかしながら何だか話が違う気がします。確か──人が悪者でしたよね、あの話。
「何だか、話が違うねぇ」
ベンダーツさんも同じ事を思ったようです。
瞳をさ迷わせて精霊さんを探しているようですが、どうやら彼の視界に精霊さんは映らなくなっているようでした。
そして私の視界でも、あの銀髪の精霊さんは青い光にしか見えなくなっていたのです。
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