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第九章
4.魔力とは【4】
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そうして私達は、ユースピア港町の探索をつつがなく終えたのでした。護衛についてきていたらしい騎士の方々は、ヴォルいわく今は宿の警備についているそうです。
宿に戻ってきた私はベッドに腰掛け、ヴォルは椅子に腰を下ろしました。ベンダーツさんは入り口の壁際に立ったままです。
「やはり魔力を感知出来る物が必要ですね。私の持っているこのような小さな魔法石では、感知出来る範囲に限度があります。ですが一番重要なのは、魔力が増加している場所を探した上でそれをどのように消費させるかと言った事ですが」
「魔法を使えば良い」
「簡単に仰らないでください。どの様にして大地に魔法を使わせると言うのですか」
ベンダーツさんが呆れたような顔をしました。
普通に考えて、地面は魔法を使わないです。
「大地は魔法を使わない。精霊がいる」
「ですから、魔力所持者ではない者にも分かる説明をお願い致します。……メルシャ様も会話に立ち入れないではありませんか」
面倒だと言いそうなヴォルを見て、ベンダーツさんは対象を私に変えました。
すると僅かな逡巡の後、ヴォルが説明を開始してくれたのです。
あまりにも難しい話をしていたので、私はぼんやりしていました。
「……魔力の坩堝たる場所に精霊を呼び出し、地でも水でも良いが魔法を使う。本来ならば大地の魔力対流を止める事が望ましいが、それを行うと世界自体が崩壊しかねないからそれは出来ない」
「世界の崩壊まで話が辿り着きますか。話が極端な展開を見せますね。ですが大地の奥深くで魔力が流れているとすると、その流れ自体を止める事は確かに不可能であると推測されます」
ヴォルの言葉に頷くベンダーツさんです。
魔力をなくしたら世界が壊れてしまうのですか──、それでは本末転倒だと思いました。魔力って本当に世界にとって大切なもののようです。
「精霊はそうも簡単に呼び掛けへ応じてくれるのでしょうか」
「問題ない」
「そうですか。様々な研究者が魔力や精霊を深く知ろうと追い求めているのに、ヴォルティ様はその感性で大半を知る事が出来るのですね」
「精霊は物心ついた頃から常に傍らにいた。頭ではなく感覚で対話してきたのだ。魔力と共に精霊も俺とは切っても切れない」
「その様ですね。ですがメルシャ様が魔力や精霊に嫉妬する事はないでしょうけど、精霊の方はどうだか分かりませんよ?」
ヴォルとベンダーツさんが口論を始めました。
──精霊さんは嫉妬をするのでしょうか。
そもそも、私は精霊さんとヴォルを取り合っている間柄とは知りませんでした。
「精霊は精霊だ」
「はい、それは分かっております。ですが、精霊もヴォルティ様を好ましく思ってお傍にいるのですよね。それでしたら、お傍にいらっしゃるメルシャ様に対して、特別な感情を持たれても仕方ないのではありませんか?」
「メルにも精霊をつけている。精霊は人間と違って感情では動かない」
ベンダーツさんの楽し気な言葉に、ヴォルは淡々といつもと変わらない受け答えをしています。
そうですよね、精霊さんが私に嫉妬なんかする筈がないのでした。
残念ながら、私は精霊さんを常に見る事が出来ません。その上でどう思われているかと聞かれると、自分では分からない事なので不安になりました。
誰だって周りから嫌われる事は嫌な筈です。
宿に戻ってきた私はベッドに腰掛け、ヴォルは椅子に腰を下ろしました。ベンダーツさんは入り口の壁際に立ったままです。
「やはり魔力を感知出来る物が必要ですね。私の持っているこのような小さな魔法石では、感知出来る範囲に限度があります。ですが一番重要なのは、魔力が増加している場所を探した上でそれをどのように消費させるかと言った事ですが」
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「簡単に仰らないでください。どの様にして大地に魔法を使わせると言うのですか」
ベンダーツさんが呆れたような顔をしました。
普通に考えて、地面は魔法を使わないです。
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「ですから、魔力所持者ではない者にも分かる説明をお願い致します。……メルシャ様も会話に立ち入れないではありませんか」
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すると僅かな逡巡の後、ヴォルが説明を開始してくれたのです。
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「精霊はそうも簡単に呼び掛けへ応じてくれるのでしょうか」
「問題ない」
「そうですか。様々な研究者が魔力や精霊を深く知ろうと追い求めているのに、ヴォルティ様はその感性で大半を知る事が出来るのですね」
「精霊は物心ついた頃から常に傍らにいた。頭ではなく感覚で対話してきたのだ。魔力と共に精霊も俺とは切っても切れない」
「その様ですね。ですがメルシャ様が魔力や精霊に嫉妬する事はないでしょうけど、精霊の方はどうだか分かりませんよ?」
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──精霊さんは嫉妬をするのでしょうか。
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「精霊は精霊だ」
「はい、それは分かっております。ですが、精霊もヴォルティ様を好ましく思ってお傍にいるのですよね。それでしたら、お傍にいらっしゃるメルシャ様に対して、特別な感情を持たれても仕方ないのではありませんか?」
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