194 / 1,560
【194 一夜明けて】
しおりを挟む
目を覚ますと、板張りの天井が目に入った。
頭を包むような柔らかい枕と、胸元までかけてある暖かい毛布に気が付き、自分は今ベッドに寝ているのだと気が付いた。
顔を動かし、部屋の中を見渡すと、見慣れたシャツやスカートが掛けてあるハンガーラック。
カップとお皿を置いたらいっぱいになるくらいの、一人用の小さな丸テーブル。
メアリーちゃんからもらったお花のプランターや、少ないけれど本が並べられた棚が目に入り、ここは孤児院の自分の部屋だと認識できた。
私は一体どうしたのだろう?
あれからどうなったのか? みんな無事なのか? 頭もハッキリして来ると、様々な疑問が頭に浮かんでいく。
でも、やはり自分自身の体におきた事が大きく頭を占めた。
あの時、私の中に響いた声、あれは私の声だったけれど、私じゃない。
私の中にもう一人の私がいる・・・・・・
そう気が付いた時、また私の心に風が吹いた。
そして私は全て思い出した。
いいえ・・・正確には共有して理解できた。
もう一人の新庄弥生、彼女の記憶を共有し、自分が何者であるかを理解できた。
扉が軋む音に顔を向けると、木製のトレーにコップと水差しを乗せたメアリーちゃんが、部屋に入ってきた。
私と目が合うと、ちょっとだけ驚いたように口を開いたけど、すぐに笑顔を見せてくれた。
「良かった・・・気が付いたんですね。ヤヨイさん、おはようございます」
「メアリーちゃん、おはようございます。私、どのくらい寝てたのかしら?」
メアリーちゃんは丸テーブルにトレーを置いて、コップに水をそそぐと、私に手渡してくれた。
「それほど長くはありませんよ。半日くらいかと思います。ヤヨイさんは、昨日のあの戦いが終わってから、ずっと眠ってました。ブレンダン様が、孤児院の外で壁にもたれているところを見つけられたそうです」
「そう・・・みんな無事かしら?誰も・・・」
コップを受け取り、水を一口飲むと、とても喉が渇いていた事に気が付き、一息にコップの中を空けてしまった。
「はい。大丈夫です。みんな無事ですよ。パトリックさんは、魔力切れで消耗が大きいのでまだ寝ておりますが、怪我はエロール君がヒールで治してくれました。時間が経てば自然に目を覚まされると思います」
良かった。みんな無事だった。
そして、パトリックさん・・・・・本当に良かった。
「・・・ヤヨイさん、良かったですね」
私の顔をじっと見つめて、メアリーちゃんはニコリと微笑んだ。
メアリーちゃんは、私の気持ちが分かるみたい。
「・・・うん。良かった」
私もメアリーちゃんに笑顔を返した。
それから、メアリーちゃんがパンを持ってきてくれたので、かんたんな食事をすませると、パトリックさんの寝ている部屋に、メアリーちゃんが案内してくれた。
「あ、ヤヨイ姉ちゃん!もう起きて大丈夫なの?」
一階に降りると、トロワ君とキャロルちゃんが、箒や雑巾を持ってお掃除をしていた。
二人とも、長袖Tシャツとパンツ姿で、動きやすそうな格好だ。
「うん、もう大丈夫だよ。遅くなってごめんね」
一階に降りて辺りを見回すと、私は心が暗く沈んでしまった。
玄関口はボロボロに崩れて木片と石くずが積もっていた。
いつもみんなで食事をとっているテーブルとイスは綺麗になっていたけれど、後ろの壁は崩壊して、大きく穴を空けている。大人一人くらい楽に出入りできそうだ。
床にはまだガラス欠片や、砂、石、木片が散らばっているから、キャロルちゃんに気を付けてと言われた。
二人とも、まだ10歳なのに、私よりずっと強くて大人だと思った。
私はこの光景を見て、気持ちが暗くなってしまったのに、二人は気持ちを強く持って片づけをしているのだ。そうだよね。辛いけど、できる事をやらないと。綺麗にお掃除して、また元に戻すんだ。
メアリーちゃんは、私の部屋に持ってきたトレーやコップを持ってキッチンへ入ると、そのままキッチンの片づけを始めた。
キッチンは料理をするために、朝のうちにある程度掃除をしていた事が分かる。
でも、歩くスペースの邪魔にならないよう、砂や石などは端に寄せて、とりあえずの足場を確保している状態でもあった。
メアリーちゃんは、キッチンの掃除をします。と言ってキッチンの掃除を始めた。
料理はほとんど毎日メアリーちゃんが作っているので、もはやメアリーちゃんのやりやすいように、物が置かれているから、メアリーちゃんから呼ばれないうちは、中途半端に手伝わない方がいいかもしれない。
「・・・トロワ君、キャロルちゃん、私はどこをやればいいかな?」
私が声をかけると、トロワ君が手に持っていた箒を私に手渡してくれた。
「じゃあ、ヤヨイ姉ちゃんはキャロルと一緒に掃き掃除ね。俺はでっかい石を外に出してくるから。あ、本当にガラスは気を付けてな。靴履いてても危ないからね」
トロワ君はそう言うと、崩れた壁の下にある、大きめの石を手に取り庭に出て行った。
「・・・トロワ君は強いね」
「アイツ、立派な男になるって目標があるんです。だから、頑張り過ぎちゃうんです」
キャロルちゃんは、床を掃く手を止めて、石を外に運び出すトロワ君に顔を向けた。
口元は少し笑みを作っているけれど、眉尻は下がっていて、その目はどこか悲しそうに見えた。
「おお、ヤヨイさん、起きたのか」
キャロルちゃんと二人で掃き掃除を始めると、後ろからブレンダン様の声がかかった。
「あ、おはようございます。すみません、ご挨拶にもうかがわないで。うっかりしてました」
ブレンダン様は、スージーちゃんを抱っこしていた。
笑っているところを見て、機嫌が良さそうだなと安心する。
そう言えば、ブレンダン様がスージーちゃんを抱っこしているところは初めて見た。
それをそのまま伝えると、ブレンダン様は顎を撫でて、最近抱っこしとらんな、と思い起こすように話した。
「ジャニスとキャロルのあやし方がうまくてのう、つい甘えておった。それに、最近はヤヨイさんやメアリーも見てくれるじゃろ?考えてみれば、抱っこするのは2~3ヶ月ぶりじゃな。しかし、こうして笑ってくれとるのじゃから、ワシもまだまだ子育てに自信が持てるわい」
「はい、さすがですね。ブレンダン様」
そう言うと、ブレンダン様はいつものように、ほっほっほ、と笑われてから、何かを思い出したように、あ!と短く声を上げた。
「そうじゃそうじゃ、起きたばかりで悪いが、ジョルジュに連絡をしてくれんかの?孤児院がこのありさまじゃろ?ヤヨイさんの顔を見るまで、あっちに朝の連絡を忘れとった!もう午後1時じゃ、心配しとるはずじゃ」
ブレンダン様に言われて、私も思い出した。
朝と夕方、必ず連絡を入れるように決めていたけど、昨晩のあの戦いで、すっかり忘れていた。
私は急いで風の精霊さんに祈った。
すると、周囲の風が私の体の中に吸い込まれるように集まり、私の体は風にあおられながら緑色の光を放った。
でも、私がジョルジュさんに言葉を届けようとした時、孤児院の玄関口から聞き覚えのある声が聞こえた。
振り返り、声の主を確認する。
私は嬉しさに顔がほころんだ。
キャロルちゃんも、ブレンダン様も笑顔になった。
メアリーちゃんは大好きな人の名前を口にしながら飛び出した。
ウィッカーさん、ジャニスさん、ジョルジュさん、みんなが手を振っている。
「ウィッカーさまぁーーー!」
「メアリー!」
メアリーちゃんが、それこそタックルするように抱き着いたけど、ウィッカーさんも受け方が慣れてきたのかもしれない。尻もちはついてしまったけれど、以前のように地面に背中を強く打つ事はなくなった。
メアリーちゃんは、一目で分かるくらい、力いっぱいウィッカーさんの背中に手を回し抱き着いている。
以前のウィッカーさんなら、周りの目が気になるのか、困ったような顔をして、なんとかメアリーちゃんを離そうとしていたけど、今は笑顔でメアリーちゃんの頭を撫でている。
ウィッカーさんも変わったなと思う。
そして、二人の気持ちが通じ合っている事に、私は嬉しくなった。
ジャニスさんも、ジョルジュさんも、ウィッカーさんとメアリーちゃんの仲睦まじい姿に、笑顔になっていた。
お帰りなさい。みんな。
頭を包むような柔らかい枕と、胸元までかけてある暖かい毛布に気が付き、自分は今ベッドに寝ているのだと気が付いた。
顔を動かし、部屋の中を見渡すと、見慣れたシャツやスカートが掛けてあるハンガーラック。
カップとお皿を置いたらいっぱいになるくらいの、一人用の小さな丸テーブル。
メアリーちゃんからもらったお花のプランターや、少ないけれど本が並べられた棚が目に入り、ここは孤児院の自分の部屋だと認識できた。
私は一体どうしたのだろう?
あれからどうなったのか? みんな無事なのか? 頭もハッキリして来ると、様々な疑問が頭に浮かんでいく。
でも、やはり自分自身の体におきた事が大きく頭を占めた。
あの時、私の中に響いた声、あれは私の声だったけれど、私じゃない。
私の中にもう一人の私がいる・・・・・・
そう気が付いた時、また私の心に風が吹いた。
そして私は全て思い出した。
いいえ・・・正確には共有して理解できた。
もう一人の新庄弥生、彼女の記憶を共有し、自分が何者であるかを理解できた。
扉が軋む音に顔を向けると、木製のトレーにコップと水差しを乗せたメアリーちゃんが、部屋に入ってきた。
私と目が合うと、ちょっとだけ驚いたように口を開いたけど、すぐに笑顔を見せてくれた。
「良かった・・・気が付いたんですね。ヤヨイさん、おはようございます」
「メアリーちゃん、おはようございます。私、どのくらい寝てたのかしら?」
メアリーちゃんは丸テーブルにトレーを置いて、コップに水をそそぐと、私に手渡してくれた。
「それほど長くはありませんよ。半日くらいかと思います。ヤヨイさんは、昨日のあの戦いが終わってから、ずっと眠ってました。ブレンダン様が、孤児院の外で壁にもたれているところを見つけられたそうです」
「そう・・・みんな無事かしら?誰も・・・」
コップを受け取り、水を一口飲むと、とても喉が渇いていた事に気が付き、一息にコップの中を空けてしまった。
「はい。大丈夫です。みんな無事ですよ。パトリックさんは、魔力切れで消耗が大きいのでまだ寝ておりますが、怪我はエロール君がヒールで治してくれました。時間が経てば自然に目を覚まされると思います」
良かった。みんな無事だった。
そして、パトリックさん・・・・・本当に良かった。
「・・・ヤヨイさん、良かったですね」
私の顔をじっと見つめて、メアリーちゃんはニコリと微笑んだ。
メアリーちゃんは、私の気持ちが分かるみたい。
「・・・うん。良かった」
私もメアリーちゃんに笑顔を返した。
それから、メアリーちゃんがパンを持ってきてくれたので、かんたんな食事をすませると、パトリックさんの寝ている部屋に、メアリーちゃんが案内してくれた。
「あ、ヤヨイ姉ちゃん!もう起きて大丈夫なの?」
一階に降りると、トロワ君とキャロルちゃんが、箒や雑巾を持ってお掃除をしていた。
二人とも、長袖Tシャツとパンツ姿で、動きやすそうな格好だ。
「うん、もう大丈夫だよ。遅くなってごめんね」
一階に降りて辺りを見回すと、私は心が暗く沈んでしまった。
玄関口はボロボロに崩れて木片と石くずが積もっていた。
いつもみんなで食事をとっているテーブルとイスは綺麗になっていたけれど、後ろの壁は崩壊して、大きく穴を空けている。大人一人くらい楽に出入りできそうだ。
床にはまだガラス欠片や、砂、石、木片が散らばっているから、キャロルちゃんに気を付けてと言われた。
二人とも、まだ10歳なのに、私よりずっと強くて大人だと思った。
私はこの光景を見て、気持ちが暗くなってしまったのに、二人は気持ちを強く持って片づけをしているのだ。そうだよね。辛いけど、できる事をやらないと。綺麗にお掃除して、また元に戻すんだ。
メアリーちゃんは、私の部屋に持ってきたトレーやコップを持ってキッチンへ入ると、そのままキッチンの片づけを始めた。
キッチンは料理をするために、朝のうちにある程度掃除をしていた事が分かる。
でも、歩くスペースの邪魔にならないよう、砂や石などは端に寄せて、とりあえずの足場を確保している状態でもあった。
メアリーちゃんは、キッチンの掃除をします。と言ってキッチンの掃除を始めた。
料理はほとんど毎日メアリーちゃんが作っているので、もはやメアリーちゃんのやりやすいように、物が置かれているから、メアリーちゃんから呼ばれないうちは、中途半端に手伝わない方がいいかもしれない。
「・・・トロワ君、キャロルちゃん、私はどこをやればいいかな?」
私が声をかけると、トロワ君が手に持っていた箒を私に手渡してくれた。
「じゃあ、ヤヨイ姉ちゃんはキャロルと一緒に掃き掃除ね。俺はでっかい石を外に出してくるから。あ、本当にガラスは気を付けてな。靴履いてても危ないからね」
トロワ君はそう言うと、崩れた壁の下にある、大きめの石を手に取り庭に出て行った。
「・・・トロワ君は強いね」
「アイツ、立派な男になるって目標があるんです。だから、頑張り過ぎちゃうんです」
キャロルちゃんは、床を掃く手を止めて、石を外に運び出すトロワ君に顔を向けた。
口元は少し笑みを作っているけれど、眉尻は下がっていて、その目はどこか悲しそうに見えた。
「おお、ヤヨイさん、起きたのか」
キャロルちゃんと二人で掃き掃除を始めると、後ろからブレンダン様の声がかかった。
「あ、おはようございます。すみません、ご挨拶にもうかがわないで。うっかりしてました」
ブレンダン様は、スージーちゃんを抱っこしていた。
笑っているところを見て、機嫌が良さそうだなと安心する。
そう言えば、ブレンダン様がスージーちゃんを抱っこしているところは初めて見た。
それをそのまま伝えると、ブレンダン様は顎を撫でて、最近抱っこしとらんな、と思い起こすように話した。
「ジャニスとキャロルのあやし方がうまくてのう、つい甘えておった。それに、最近はヤヨイさんやメアリーも見てくれるじゃろ?考えてみれば、抱っこするのは2~3ヶ月ぶりじゃな。しかし、こうして笑ってくれとるのじゃから、ワシもまだまだ子育てに自信が持てるわい」
「はい、さすがですね。ブレンダン様」
そう言うと、ブレンダン様はいつものように、ほっほっほ、と笑われてから、何かを思い出したように、あ!と短く声を上げた。
「そうじゃそうじゃ、起きたばかりで悪いが、ジョルジュに連絡をしてくれんかの?孤児院がこのありさまじゃろ?ヤヨイさんの顔を見るまで、あっちに朝の連絡を忘れとった!もう午後1時じゃ、心配しとるはずじゃ」
ブレンダン様に言われて、私も思い出した。
朝と夕方、必ず連絡を入れるように決めていたけど、昨晩のあの戦いで、すっかり忘れていた。
私は急いで風の精霊さんに祈った。
すると、周囲の風が私の体の中に吸い込まれるように集まり、私の体は風にあおられながら緑色の光を放った。
でも、私がジョルジュさんに言葉を届けようとした時、孤児院の玄関口から聞き覚えのある声が聞こえた。
振り返り、声の主を確認する。
私は嬉しさに顔がほころんだ。
キャロルちゃんも、ブレンダン様も笑顔になった。
メアリーちゃんは大好きな人の名前を口にしながら飛び出した。
ウィッカーさん、ジャニスさん、ジョルジュさん、みんなが手を振っている。
「ウィッカーさまぁーーー!」
「メアリー!」
メアリーちゃんが、それこそタックルするように抱き着いたけど、ウィッカーさんも受け方が慣れてきたのかもしれない。尻もちはついてしまったけれど、以前のように地面に背中を強く打つ事はなくなった。
メアリーちゃんは、一目で分かるくらい、力いっぱいウィッカーさんの背中に手を回し抱き着いている。
以前のウィッカーさんなら、周りの目が気になるのか、困ったような顔をして、なんとかメアリーちゃんを離そうとしていたけど、今は笑顔でメアリーちゃんの頭を撫でている。
ウィッカーさんも変わったなと思う。
そして、二人の気持ちが通じ合っている事に、私は嬉しくなった。
ジャニスさんも、ジョルジュさんも、ウィッカーさんとメアリーちゃんの仲睦まじい姿に、笑顔になっていた。
お帰りなさい。みんな。
0
あなたにおすすめの小説
俺! 神獣達のママ(♂)なんです!
青山喜太
ファンタジー
時は、勇者歴2102年。
世界を巻き込む世界大戦から生き延びた、国々の一つアトランタでとある事件が起きた。
王都アトスがたったの一夜、いや正確に言えば10分で崩壊したのである。
その犯人は5体の神獣。
そして破壊の限りを尽くした神獣達はついにはアトス屈指の魔法使いレメンスラーの転移魔法によって散り散りに飛ばされたのである。
一件落着かと思えたこの事件。
だが、そんな中、叫ぶ男が1人。
「ふざけんなぁぁぁあ!!」
王都を見渡せる丘の上でそう叫んでいた彼は、そう何を隠そう──。
神獣達のママ(男)であった……。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
武装法人二階堂商会 ―― 企業買収(M&A)で異世界を支配する!
Innocentblue
ファンタジー
日本で企業買収の最前線を駆け抜けてきた敏腕社長・二階堂漣司。
裏切りにより命を落としたはずの彼が目を覚ましたのは、
剣と魔法が支配する異世界の戦場だった。
与えられたスキルは《企業買収(M&A)》。
兵士も村も土地も国家さえも、株式として評価・買収・支配できる異能の力。
「ならば、この世界そのものを買い叩く」
漣司は《武装法人二階堂商会》を設立。
冷徹な参謀にして最強の魔導士リュシア、獣人傭兵団、裏社会の戦力――
すべてを子会社として編成し、経済と武力を融合した前代未聞の経営戦争へと踏み出す。
弱小の村を救済し、都市と契約を結び、裏切り者を切り捨て、敵対勢力を力で買収する。
交渉は戦争、戦争は経営。
数字が命運を決め、契約が国境を塗り替える。
やがて商会は、都市国家・ギルド・貴族・宗教勢力すら巻き込み、
世界の価値そのものを再定義する巨大企業へと変貌していく。
これは、剣ではなく契約で世界を制圧する男の物語。
奪うのではない。支配するのでもない。
価値を見抜き、価値を操り、世界に値札を付ける――
救済か、支配か。正義か、合理か。
その境界線を踏み越えながら、蓮司は異世界そのものを経営していく。
異世界×経済×武力が激突する、知略と覇道の武装経営ファンタジー。
「この世界には、村があり、町があり、国家がある。
――全部まとめて、俺が買い叩く」
巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった
ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。
学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。
だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。
暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。
よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!?
……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい!
そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。
赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。
「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」
そう、他人事のように見送った俺だったが……。
直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。
「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」
――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。
正しい聖女さまのつくりかた
みるくてぃー
ファンタジー
王家で育てられた(自称)平民少女が、学園で起こすハチャメチャ学園(ラブ?)コメディ。
同じ年の第二王女をはじめ、優しい兄姉(第一王女と王子)に見守られながら成長していく。
一般常識が一切通用しない少女に友人達は振り回されてばかり、「アリスちゃんメイドを目指すのになぜダンスや淑女教育が必要なの!?」
そこには人知れず王妃と王女達によるとある計画が進められていた!
果たしてアリスは無事に立派なメイドになれるのか!? たぶん無理かなぁ……。
聖女シリーズ第一弾「正しい聖女さまのつくりかた」
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
異世界でカイゼン
soue kitakaze
ファンタジー
作者:北風 荘右衛(きたかぜ そうえ)
この物語は、よくある「異世界転生」ものです。
ただ
・転生時にチート能力はもらえません
・魔物退治用アイテムももらえません
・そもそも魔物退治はしません
・農業もしません
・でも魔法が当たり前にある世界で、魔物も魔王もいます
そこで主人公はなにをするのか。
改善手法を使った問題解決です。
主人公は現世にて「問題解決のエキスパート」であり、QC手法、IE手法、品質工学、ワークデザイン法、発想法など、問題解決技術に習熟しており、また優れた発想力を持つ人間です。ただそれを正統に評価されていないという鬱屈が溜まっていました。
そんな彼が飛ばされた異世界で、己の才覚ひとつで異世界を渡って行く。そういうお話をギャグを中心に描きます。簡単に言えば。
「人の死なない邪道ファンタジーな、異世界でカイゼンをするギャグ物語」
ということになります。
私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~
Ss侍
ファンタジー
"私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。
動けない、何もできない、そもそも身体がない。
自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。
ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。
それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる