異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!

理太郎

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【951 忘れられない言葉】

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「ぐッツ!こ、これは!?」

この爆発ッ!ま、間違いない、光源爆裂弾だ!

ペトラの遺体を埋め終わったその時、突然空気が震えて大地が大きく揺れ動いた。
顔を上げるとエンスウィル城の方に、巨大なキノコ雲が立ち昇っているのが見えた。

町の入り口付近のここまではそれなりに距離があるが、爆発による突風は、気を抜くと俺の体さえ吹き飛ばしそうな程強かった。

「くそッ!皇帝だな!」

吹き飛ばされないように腰を落とし、身を低くした。
この威力は皇帝以外ではありえない。これで二発目だ、あの野郎カエストゥスをメチャクチャにしやがって!



「・・・孤児院は無事なのか?」

城も気になるが、俺は孤児院のある方へ顔を向けた。
まだ火の手は上がっていないが、この分ではいつどうなってもおかしくない。

皇帝はエンスウィル城に向かっているようだが、全ての兵が皇帝に付いて行っているわけではない。
あちこちから火の手が上がっているところを見ると、この辺りに散らばって破壊行為をしているヤツらも多そうだ。


今、孤児院で戦える人間と言えば、トロワとキャロルしかいない。
リン姉は俺に剣と体術を教えてくれて、元々は剣士隊の副隊長だった程の腕だが、今は妊娠中で激しい運動はできない。
元帝国軍の師団長だったクラレッサは、以前は悪霊の力で恐ろしい強さを見せたが、今は悪霊が消えて無くなったからもう戦う力は持っていない。
スージーとチコリも、魔法使いとしての才能はあるがまだ幼い。

小さい子供も沢山いるんだ。帝国兵に襲撃されたら護りきれるだろうか?




この時、俺には二つの選択があった。


このまま城へ向かい皇帝を討つ。
孤児院に向かってメアリー達を助ける。


そして俺は、この時の選択を200年経った今でも後悔している。

孤児院までの距離を考えると、間に合わなかったかもしれない。
それに帝国軍が進軍してくる事は、もっと早くに分かっていたはずだから、すでに逃げている可能性もある。

しかしそれでも孤児院に向かうべきだった。

城へ向かう決断をしたのは、帝国で散っていった仲間達の故郷を想う気持ちを、平和への願いを受け取ったからだ。みんな俺にカエストゥスの未来を託して逝ってしまった。


そして城に向かって撃たれた光源爆裂弾。
もしも・・・もしも国王とタジーム王子まで殺られていたら・・・・・


俺しかいない・・・俺がやるしかない・・・俺が皇帝を討つ!


俺はもう一度孤児院の方角へ顔を向けた。
火の手が見えなかった事も、胸の中の不安から目を逸らす要因となってしまった。

大丈夫だろう、もう逃げているはずだ。
この何の根拠もない判断で、俺は大切な人を全て失う事になる。



忘れられない言葉がある。


それは俺達が帝国へ進軍する日の朝、ロンズデールに帰るレオネラさんから、最後に言われた言葉だ。

【ウィッカー君、キミも立場があるんだろうけど、家族を一番に考えるんだよ?逃げてもいいんだからね?ウィッカー君が一番護らなきゃならないのは家族だよ】

俺の目を真っすぐに見て、レオネラさんはそう話してくれた。


自分にとって何が一番大切なのか?
俺が本当に護らなければならないのはなんなのか?
そのためにはどうするべきだったのか?


俺は全て失って初めて分かった。


仲間達のために、国のために皇帝を討たなければならないと、俺は使命感に捕らわれていたんだ。
だけどメアリーとティナは、国を捨ててでも助けなければならなかった。

何を捨ててでも、家族を最優先に考えなければならなかったんだ。


俺は夫としても、父親としても失格だった。



エンスウィル城が見えて来た時、城からとてつもなく巨大な魔力が発せられた。

そして一瞬の強烈な光の後に、町へ向かって放たれた巨大な破壊の光弾。
それは孤児院のある方角だった。


光弾を追って振り返った直後、耳をもつんざく轟音、そして吹き飛ばされそうな強烈な爆風と共に、巨大なキノコ雲が空さえも焦がすように立ち登った。
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