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【954 孤児院襲撃】
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斬られたカーテン布、倒された戸棚、割れた窓ガラスの破片が床に散らばり、孤児院の中はめちゃくちゃに荒らされていた。
「くそったれがぁぁぁーーーーーッツ!」
怒りの声を張り上げて、トロワは右手に握る棒を帝国兵の頭に叩きつけた!
鉄の兜がひしゃげた事で、どれだけの力をぶつけられたかが分かる。凄まじいパワー、そしてそれに耐えられるだけの強度を持つこの棒にも、目を見張るものがある。
しかしトロワの持つ、この赤い布を巻き付けた棒の本領はここからだった。
「うッ・・・ぎゃぁぁぁぁぁぁぁー-------ッツ!」
鉄の兜に突然火が付き、激しく燃えだしたのだ。
頭を打たれた痛みよりも、兜が燃えて火にくるまれる苦しさが勝り、帝国兵は兜に手をかけて暴れ狂う。
しかし外そうとしても、トロワの一撃で兜は大きく歪んでしまい、うまく取る事ができない。
しばらく転げまわっていたが、やがて帝国兵は動かなくなった。
殴った物に火を付ける能力。これがトロワの持つ赤布の棒である。
「さぁッ!次はどいつだ!焼かれてぇヤツは出て来い!」
自分の前に立つ帝国兵達に向かって、トロワは赤布の棒を突きつけた。
剣を構えてトロワの前に立つ帝国兵達は、今の攻防を見て警戒を強めた。
体は大きいがまだ成人前の子供、そう甘く見てしまったが、トロワは予想外の戦闘力だった。
ジョルジュとリンダを師事し、ウィッカーと共に鍛えてきたトロワの戦闘力は、並みの体力型ではとうてい及びつかない程に高められていた。
一人一人が精鋭揃いの帝国軍といえども、今のトロワには遠く及ばない。
「ガキがッ!調子に乗るなぁぁぁー----ッツ!」
トロワが右手に持つ赤布の棒を警戒し、帝国兵の一人がトロワの左に回り込んで、剣を突き出した。
「ヘッ、馬鹿じゃねぇのか?」
呆れたような目を向けると、トロワは左手に持つ青い布を巻きつけた棒を振るい、帝国兵の突きを受け止めた。
「なっ!?こ、これはッ!?」
剣が棒に突き刺さった瞬間、刃先から氷で覆われ始めた。それはあっという間に上っていき、帝国兵の手首まで氷で固めてしまった。
「う、うぉぉぉぉぉぉぉぉぉー-------ッツ!」
自分の手首から肘へ、肘から肩へ、どんどん自分の体が氷で固められていく様に、帝国兵の顔が恐怖で引きつり絶叫を上げた。
「うるせーよ、ボケ」
トロワは右腕を振りかぶると、叫び続ける帝国兵の頭に、勢いよく振り下ろした。
鉄兜にヒビが入る程の威力に、帝国兵は崩れ落ちる。兜に火が付き燃え始めるが、帝国兵は体を痙攣させるだけで、やがて動かなくなった。
「こっちは殴ったものを氷で固める青布の棒だ。両手に棒を持ってんだからよ、こっちにも何かあるって考えねぇのか?・・・って言っても、もう聞こえねぇか・・・さて」
息絶えた帝国兵から、まだ自分の前に立っている兵達に向き直る。
「次はどいつだ?ぶっ殺してやるからかかってこいよ」
両手に持つ二本の棒を手の平で回して握り直すと、強い殺気を込めて帝国兵達を睨みつけた。
「キャロル姉ちゃん!」
スージーは妹のチコリを庇うように、頭から抱きしめながら、自分達の前で帝国兵と戦う、栗色の髪の少女の名を叫んだ。
それは今まさにキャロルに向かって、何発もの魔法が撃ち出されたからだ。
青魔法使いのチコリは結界を張っているが、それは自分とスージだけを囲んでおり、前に出ているキャロルにまでは及んでいない。したがってキャロルは自分に向かってくる攻撃魔法の数々を、自力でなんとかするしかない。
帝国軍の黒魔法使い達が選んだ魔法は、風魔法ウインドカッター、氷魔法の刺氷弾。
火魔法と爆発魔法を避けたのは、建物の中では自分達まで巻きこまれる可能性を考えての事だった。
背中に届くスージーの声は、しっかりと聞こえていた。
スージーとチコリはまだ8歳。戦いを知らない二人には、絶望的な光景だろう。
だがキャロルの表情には、迫る攻撃魔法に対する焦りはない。
その理由はキャロルの魔道具にある。
「ふん、そんな魔法じゃ私にはあたらないよ」
帝国の黒魔法兵を見下すように笑うキャロル。
「な、なにぃッツ!?」
目の前で起きた事に、帝国兵達は目を見張った。
着弾寸前だった数々の攻撃魔法は、まるでキャロルを避けるように、左右に分かれて壁や床にぶつかり散ったのだ。
「どうやらあんたら全員、私より魔力が低いみたいだね?じゃあ、今度は私の番だよ」
視線鋭く、キャロルは目の前の帝国兵達を見据えた。
「くそったれがぁぁぁーーーーーッツ!」
怒りの声を張り上げて、トロワは右手に握る棒を帝国兵の頭に叩きつけた!
鉄の兜がひしゃげた事で、どれだけの力をぶつけられたかが分かる。凄まじいパワー、そしてそれに耐えられるだけの強度を持つこの棒にも、目を見張るものがある。
しかしトロワの持つ、この赤い布を巻き付けた棒の本領はここからだった。
「うッ・・・ぎゃぁぁぁぁぁぁぁー-------ッツ!」
鉄の兜に突然火が付き、激しく燃えだしたのだ。
頭を打たれた痛みよりも、兜が燃えて火にくるまれる苦しさが勝り、帝国兵は兜に手をかけて暴れ狂う。
しかし外そうとしても、トロワの一撃で兜は大きく歪んでしまい、うまく取る事ができない。
しばらく転げまわっていたが、やがて帝国兵は動かなくなった。
殴った物に火を付ける能力。これがトロワの持つ赤布の棒である。
「さぁッ!次はどいつだ!焼かれてぇヤツは出て来い!」
自分の前に立つ帝国兵達に向かって、トロワは赤布の棒を突きつけた。
剣を構えてトロワの前に立つ帝国兵達は、今の攻防を見て警戒を強めた。
体は大きいがまだ成人前の子供、そう甘く見てしまったが、トロワは予想外の戦闘力だった。
ジョルジュとリンダを師事し、ウィッカーと共に鍛えてきたトロワの戦闘力は、並みの体力型ではとうてい及びつかない程に高められていた。
一人一人が精鋭揃いの帝国軍といえども、今のトロワには遠く及ばない。
「ガキがッ!調子に乗るなぁぁぁー----ッツ!」
トロワが右手に持つ赤布の棒を警戒し、帝国兵の一人がトロワの左に回り込んで、剣を突き出した。
「ヘッ、馬鹿じゃねぇのか?」
呆れたような目を向けると、トロワは左手に持つ青い布を巻きつけた棒を振るい、帝国兵の突きを受け止めた。
「なっ!?こ、これはッ!?」
剣が棒に突き刺さった瞬間、刃先から氷で覆われ始めた。それはあっという間に上っていき、帝国兵の手首まで氷で固めてしまった。
「う、うぉぉぉぉぉぉぉぉぉー-------ッツ!」
自分の手首から肘へ、肘から肩へ、どんどん自分の体が氷で固められていく様に、帝国兵の顔が恐怖で引きつり絶叫を上げた。
「うるせーよ、ボケ」
トロワは右腕を振りかぶると、叫び続ける帝国兵の頭に、勢いよく振り下ろした。
鉄兜にヒビが入る程の威力に、帝国兵は崩れ落ちる。兜に火が付き燃え始めるが、帝国兵は体を痙攣させるだけで、やがて動かなくなった。
「こっちは殴ったものを氷で固める青布の棒だ。両手に棒を持ってんだからよ、こっちにも何かあるって考えねぇのか?・・・って言っても、もう聞こえねぇか・・・さて」
息絶えた帝国兵から、まだ自分の前に立っている兵達に向き直る。
「次はどいつだ?ぶっ殺してやるからかかってこいよ」
両手に持つ二本の棒を手の平で回して握り直すと、強い殺気を込めて帝国兵達を睨みつけた。
「キャロル姉ちゃん!」
スージーは妹のチコリを庇うように、頭から抱きしめながら、自分達の前で帝国兵と戦う、栗色の髪の少女の名を叫んだ。
それは今まさにキャロルに向かって、何発もの魔法が撃ち出されたからだ。
青魔法使いのチコリは結界を張っているが、それは自分とスージだけを囲んでおり、前に出ているキャロルにまでは及んでいない。したがってキャロルは自分に向かってくる攻撃魔法の数々を、自力でなんとかするしかない。
帝国軍の黒魔法使い達が選んだ魔法は、風魔法ウインドカッター、氷魔法の刺氷弾。
火魔法と爆発魔法を避けたのは、建物の中では自分達まで巻きこまれる可能性を考えての事だった。
背中に届くスージーの声は、しっかりと聞こえていた。
スージーとチコリはまだ8歳。戦いを知らない二人には、絶望的な光景だろう。
だがキャロルの表情には、迫る攻撃魔法に対する焦りはない。
その理由はキャロルの魔道具にある。
「ふん、そんな魔法じゃ私にはあたらないよ」
帝国の黒魔法兵を見下すように笑うキャロル。
「な、なにぃッツ!?」
目の前で起きた事に、帝国兵達は目を見張った。
着弾寸前だった数々の攻撃魔法は、まるでキャロルを避けるように、左右に分かれて壁や床にぶつかり散ったのだ。
「どうやらあんたら全員、私より魔力が低いみたいだね?じゃあ、今度は私の番だよ」
視線鋭く、キャロルは目の前の帝国兵達を見据えた。
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