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1161 ディリアン 対 ラニ
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魔食い鳥が落下する少し前・・・・・
「さぁ~てと、どうすっかなぁ・・・俺の魔道具、流動の石はよ、魔力をロープみてぇにして伸ばせんだけど、ハッキリ言ってそれだけなんだよな。ここに来た時みてぇによ、樹に巻き付けて飛び移ったりはできるぜ、でも攻撃力はねぇんだよな」
魔食い鳥の背の上でラニと対峙するディリアンは、右手で左肩を揉みながら、緊張感の欠片も無い声で自分の能力について話し出した。
「へぇ、その割にはずいぶん余裕あるじゃない?状況分かってる?自分に攻撃力がないって言ってるのに、どうやって私と戦うつもりよ?」
魔食い鳥の主ラニは、ディリアンと一定の距離を保ちながら、油断なくディリアンを見据えた。
ディリアンの能力は実際に自分の目で見た。確かに物理的な攻撃力は無いように思える。だがアレリーの体を巻き付けて動きを封じ、魔食い鳥から投げ落としたのだ。軽く見ていい能力ではない。
それにもしナイフの一つでも持っていれば、動きを封じてしまった後にそれで殺す事もできる。
ディリアンは己の力を過小評価して話しているが、それをそのまま受け取るはずもなかった。
「あ~、やっぱり警戒するよな?まぁそりゃそうか、ちょっとでも俺を軽く見てくれたら楽だったんだけどな」
両手の平を上に向け、肩をすくめて笑う。
その態度にラニは眉を潜めると、手の平を魔食い鳥の背に向けた。
「ふざけた男だ・・・もういい、死ね!」
苛立ちをぶつけるように鋭く言葉を発すると、ラニの手が青く輝き出し、魔力が魔食い鳥へと流し込まれる。そしてディリアンとラニが足場として立っている魔食い鳥の背が、魔力を吸収し強い光を放った。
「ッ!?」
直感だった。
魔食い鳥の背が光ったその瞬間、ディリアンは反射的に足元に手の平を向けて結界を張った。
具体的な何かを感じたわけではない。だが身の危険を知らせる何かに従い、ディリアンは結界を張ったのだ。
そしてその判断は正しかった。
青く輝く結界を張った次の瞬間、下から突き上げてきた何かが、ディリアンの結界を強烈に叩きつけたのだ。
「ぐぅッ!」
ソレは結界を支えるディリアンの腕にまで、ビリビリとした衝撃を伝えた。
辛うじて結界を維持し破壊はされなかった。だが結界を支えていた両手ごと弾かれ、鳥の背の上に転ばされそうになった。
「・・・ふぅん、勘が良いみたいだね?初見でよく防いだよ」
一撃で決めるつもりだったラニは、攻撃を防がれた事に対する驚きを隠す事なく顔に出した。
そしてソレを防いだディリアンに対しても、感嘆の言葉を口にした。
「痛ってぇ・・・お前、何だ今の?」
防ぐ事はできたが、攻撃の正体までは見極められなかった。
ただ、やたらと硬い何かがものすごい勢いでぶつかってきた。それしか分からなかった。
最初に乗った時よりも、青い輝きを強く発する魔食い鳥の背に踏みとどまりながら、ディリアンはラニを睨みつけた。
「フフ、敵にわざわざ自分の能力を教えると思う?と言いたいところだけど、あんたはさっきわざわざ自分の能力を話してくれたからね。特別に教えてあげる。この魔食い鳥を通して、私の魔力をぶつけたのさ」
ディリアンの視線を正面から受け止めながら、ラニは目を細めて小さく笑った。
「この鳥を通して・・・へっ、なるほど、そういう事か。自分の魔力で作った鳥だから、鳥の魔力をどうしようと好きにできるって事だな?今みたいに固めて飛ばす事も可能ってか?」
ラニの一言でディリアンは仕組みを理解した。
自分達の足場となっているこの大きな鳥は、ラニの寄生型魔道具魔食い鳥である。ラニの魔力で形作られているこの魔食い鳥に更に魔力を送り込み、それを魔食い鳥の内部で固めて放出する。
これがディリアンを撃ちつけた攻撃の正体だった。
「攻撃の種を教えてくれるなんて、気前がいいんだな?」
両手から痺れが無くなった事を確認するように、ディリアンは拳を何度か握り、その感触を確かめた。
「分かっていてもどうしようもないからね。ここはご覧の通りの大空だ、逃げ場なんてない」
ラニの自信には根拠があり、そしてただ余裕を見せるために攻撃手段を明かしたわけではなかった。
いかに魔食い鳥が大きいと言っても、走り回って逃げられるような大きさではない。
ディリアンの戦闘手段が魔力のロープだけだと言うのであれば、ここでできる事は結界を張って耐える事だけである。
「へっ、どうかな?これだけあれば、結構できる事ってあるもんだぜ」
「・・・フン、強がっちゃって・・・まぁいいよ、これ以上時間はかけていられない。さっさとあんたを始末して、アレリーのところ行かせてもらうよ」
今この場に置いて、ラニは絶対の強者である。その現実を突き付けても動揺を見せないディリアンに対し、ラニは少しだけ眉を寄せる。
なにか策でもあるのか?
だがこの男の能力は魔力をロープのように伸ばすだけ。
私を縛ろうと仕掛けて来ても、魔食い鳥から魔力をぶつけて迎撃はできる。
打つ手はないはずだ・・・だが、無策でここまで来る程、愚か者だというのも考えにくい・・・・・
ラニがディリアンの思考に意識を向けていると、動こうとしないラニを見て、ディリアンが挑発めいた笑みを浮かべた。
「おいおい、何ぼけっとしてんだよ?偉そうな事言って今更びびってんのか?俺がぶん投げた仲間のとこに行きてぇんだろ?のんびりしてていいのかよ?」
見え見えの煽り文句だったが、投げ落とされたアレリーの身を案じていたラニにとって、その効果は大きかった。
「・・・フン、何を言うかと思えば・・・そんなに死にたいのなら・・・・・」
普段のラニであれば、ディリアンの言葉の裏を探っただろう。
自分の思考を途中で止めず、納得がいくまで考え、警戒を緩めはしなかった。
だが友の身を案ずる気持ちが、ラニの心を逸らせた。
「望み通りに殺してやるよ!」
ラニの両手から溢れる魔力が、魔食い鳥へと流れ込む。
主の魔力を吸収した魔食い鳥は、その魔力を内部で固める。そして己の背に立つ標的に向けて一斉に撃ち放った!
「さぁ~てと、どうすっかなぁ・・・俺の魔道具、流動の石はよ、魔力をロープみてぇにして伸ばせんだけど、ハッキリ言ってそれだけなんだよな。ここに来た時みてぇによ、樹に巻き付けて飛び移ったりはできるぜ、でも攻撃力はねぇんだよな」
魔食い鳥の背の上でラニと対峙するディリアンは、右手で左肩を揉みながら、緊張感の欠片も無い声で自分の能力について話し出した。
「へぇ、その割にはずいぶん余裕あるじゃない?状況分かってる?自分に攻撃力がないって言ってるのに、どうやって私と戦うつもりよ?」
魔食い鳥の主ラニは、ディリアンと一定の距離を保ちながら、油断なくディリアンを見据えた。
ディリアンの能力は実際に自分の目で見た。確かに物理的な攻撃力は無いように思える。だがアレリーの体を巻き付けて動きを封じ、魔食い鳥から投げ落としたのだ。軽く見ていい能力ではない。
それにもしナイフの一つでも持っていれば、動きを封じてしまった後にそれで殺す事もできる。
ディリアンは己の力を過小評価して話しているが、それをそのまま受け取るはずもなかった。
「あ~、やっぱり警戒するよな?まぁそりゃそうか、ちょっとでも俺を軽く見てくれたら楽だったんだけどな」
両手の平を上に向け、肩をすくめて笑う。
その態度にラニは眉を潜めると、手の平を魔食い鳥の背に向けた。
「ふざけた男だ・・・もういい、死ね!」
苛立ちをぶつけるように鋭く言葉を発すると、ラニの手が青く輝き出し、魔力が魔食い鳥へと流し込まれる。そしてディリアンとラニが足場として立っている魔食い鳥の背が、魔力を吸収し強い光を放った。
「ッ!?」
直感だった。
魔食い鳥の背が光ったその瞬間、ディリアンは反射的に足元に手の平を向けて結界を張った。
具体的な何かを感じたわけではない。だが身の危険を知らせる何かに従い、ディリアンは結界を張ったのだ。
そしてその判断は正しかった。
青く輝く結界を張った次の瞬間、下から突き上げてきた何かが、ディリアンの結界を強烈に叩きつけたのだ。
「ぐぅッ!」
ソレは結界を支えるディリアンの腕にまで、ビリビリとした衝撃を伝えた。
辛うじて結界を維持し破壊はされなかった。だが結界を支えていた両手ごと弾かれ、鳥の背の上に転ばされそうになった。
「・・・ふぅん、勘が良いみたいだね?初見でよく防いだよ」
一撃で決めるつもりだったラニは、攻撃を防がれた事に対する驚きを隠す事なく顔に出した。
そしてソレを防いだディリアンに対しても、感嘆の言葉を口にした。
「痛ってぇ・・・お前、何だ今の?」
防ぐ事はできたが、攻撃の正体までは見極められなかった。
ただ、やたらと硬い何かがものすごい勢いでぶつかってきた。それしか分からなかった。
最初に乗った時よりも、青い輝きを強く発する魔食い鳥の背に踏みとどまりながら、ディリアンはラニを睨みつけた。
「フフ、敵にわざわざ自分の能力を教えると思う?と言いたいところだけど、あんたはさっきわざわざ自分の能力を話してくれたからね。特別に教えてあげる。この魔食い鳥を通して、私の魔力をぶつけたのさ」
ディリアンの視線を正面から受け止めながら、ラニは目を細めて小さく笑った。
「この鳥を通して・・・へっ、なるほど、そういう事か。自分の魔力で作った鳥だから、鳥の魔力をどうしようと好きにできるって事だな?今みたいに固めて飛ばす事も可能ってか?」
ラニの一言でディリアンは仕組みを理解した。
自分達の足場となっているこの大きな鳥は、ラニの寄生型魔道具魔食い鳥である。ラニの魔力で形作られているこの魔食い鳥に更に魔力を送り込み、それを魔食い鳥の内部で固めて放出する。
これがディリアンを撃ちつけた攻撃の正体だった。
「攻撃の種を教えてくれるなんて、気前がいいんだな?」
両手から痺れが無くなった事を確認するように、ディリアンは拳を何度か握り、その感触を確かめた。
「分かっていてもどうしようもないからね。ここはご覧の通りの大空だ、逃げ場なんてない」
ラニの自信には根拠があり、そしてただ余裕を見せるために攻撃手段を明かしたわけではなかった。
いかに魔食い鳥が大きいと言っても、走り回って逃げられるような大きさではない。
ディリアンの戦闘手段が魔力のロープだけだと言うのであれば、ここでできる事は結界を張って耐える事だけである。
「へっ、どうかな?これだけあれば、結構できる事ってあるもんだぜ」
「・・・フン、強がっちゃって・・・まぁいいよ、これ以上時間はかけていられない。さっさとあんたを始末して、アレリーのところ行かせてもらうよ」
今この場に置いて、ラニは絶対の強者である。その現実を突き付けても動揺を見せないディリアンに対し、ラニは少しだけ眉を寄せる。
なにか策でもあるのか?
だがこの男の能力は魔力をロープのように伸ばすだけ。
私を縛ろうと仕掛けて来ても、魔食い鳥から魔力をぶつけて迎撃はできる。
打つ手はないはずだ・・・だが、無策でここまで来る程、愚か者だというのも考えにくい・・・・・
ラニがディリアンの思考に意識を向けていると、動こうとしないラニを見て、ディリアンが挑発めいた笑みを浮かべた。
「おいおい、何ぼけっとしてんだよ?偉そうな事言って今更びびってんのか?俺がぶん投げた仲間のとこに行きてぇんだろ?のんびりしてていいのかよ?」
見え見えの煽り文句だったが、投げ落とされたアレリーの身を案じていたラニにとって、その効果は大きかった。
「・・・フン、何を言うかと思えば・・・そんなに死にたいのなら・・・・・」
普段のラニであれば、ディリアンの言葉の裏を探っただろう。
自分の思考を途中で止めず、納得がいくまで考え、警戒を緩めはしなかった。
だが友の身を案ずる気持ちが、ラニの心を逸らせた。
「望み通りに殺してやるよ!」
ラニの両手から溢れる魔力が、魔食い鳥へと流れ込む。
主の魔力を吸収した魔食い鳥は、その魔力を内部で固める。そして己の背に立つ標的に向けて一斉に撃ち放った!
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