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1252 勝敗を分けた一瞬
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こいつは危険だ。
あの左腕が何かは分からないが、異常なパワーを持っている事は分かる。
防御は不可能だ、もしくらえばこの命を一発で刈り取るだろう。かろうじて躱せているが、一発一発が頬をかすめる度に背筋が凍る思いだ。
左腕以外は生身のようだが、それでもどんどんおかしくなっているように見える。最初はまだ理性があったと思うが、今は剥き出しの憎しみに支配されて、顔つきまで変わってやがる。
おそらくこいつの左腕は自前じゃないな。こいつは俺と戦う前にレイマートと一戦交えたと聞いている。その時に斬られたんだろう。そう考えると、この左腕は魔道具か何かで作った借り物という事だ。そしてこの異常なパワーや不気味な形から察するに、まともな物じゃないな。
・・・精神を食われたか?
だとすれば、こいつの鈍感さにも一応の説明がつく。
俺は最初、こいつの右腕にグラビティソードを突き刺した。その時にすでに超重力は発動していたんだ。だがこいつは平然と動き攻撃を仕掛けて来た。
二度斬りつけて、やっと動きを封じる事ができたが、なるほど、こいつはこの左腕に精神を蝕まれ、肉体にも異常をきたし始めているんだ。
おそらく放っておいてもこいつは自滅するだろう。
だがグラビティソードも一撃では十分な効果を発揮できないという事は、それだけ肉体が強化されているという事だ。こいつが自滅するまでにどのくらいの時間がかかる?三十分か?一時間か?それまでに何人の兵士が殺される?
・・・駄目だ。被害が大きすぎる。やはりこいつは今ここで、俺が仕留めなければならない!
右腕の重さに体勢を崩し、片膝を着いているバージルの額を目掛けて、アルベルトはグラビティソードを突き出した!
こ、このクソ野郎ッツ!
斬ったところを重くできるだと!?ふざけたマネしやがって!
だがマジで右腕が重い!なんだこの重さは!?俺がまともに動けねぇ程の重さなんてありえねぇぞ!
クソがッ!このままじゃやべぇ!この野郎、剣を構えて狙いをつけてやがる!どうする!?
このままじゃ躱せねぇぞ、いや待て、何も躱す事はねぇんだ、こいつが自分で言ってたじゃねぇか。
剣が通らねぇ程硬いのは左腕だけで他は生身と変わらねぇって、つまりそういう事だ!
この左手でてめぇの剣を受けたら、そのままその首引き千切ってやるよ!
さぁ!自慢のその剣で向かってこいッツ!
アルベルトの狙いが自分の額だと見切ったバージルは、異形の左手を額の前に出してアルベルトの突きを迎え打つ!
右足で強く地面を蹴り、バージルの額に真っすぐ剣を繰り出すアルベルトは、バージルが自分の額を護るように左腕を前に出した事を見て、わずかに口の端を持ち上げた。
へっ、そうだよな?そうするしかねぇよな?
右腕の負荷で膝を着いたところを見て確信したぜ。俺のグラビティソードの超重量に、お前は対抗できないってな!
当然この突きを躱す事もできない。ならばどうするか?お前にできる対抗手段は一つしかないよな?
それは唯一剣を防ぐ事ができる、その左腕で防御する事だけだッ!
「オォォォォォォーーーーーーーッツ!」
真っ直ぐに突き出したアルベルトの片手剣がバージルの左腕に衝突すると、まるで鋼鉄を打ち合わせたかのような甲高い金属音が鳴り響いた。
それは到底人の体から発せられる音ではない。そして音の発生源では、バージルの思惑通りの結果が映った。
アルベルトの片手剣グラビティソードの剣先は、バージルの左手の平を貫く事はできずに受け止められていた。
手の平で刃を受け止める。本来ありえない事だが、バージルの異形の左腕は、それを現実にする程の硬さだった。
「ふははははは!残念だったなぁぁぁ!」
素手で刃を握れば、当然肉が裂け指が落ちだろう。だがバージルの左手に限ってはそれはあてはまらない。自分の左手の平に接触している剥き出しの刀身を握り締めると、そのまま力任せに引き寄せた!
剣は止めた!このままこの左手でてめぇの頭を刈り取ってやるぜぇぇぇぇぇーーーーーーーッツ!
刀身を引けば、当然剣を握っているアルベルトもバージルに引き寄せられる。
体勢を崩し前のめりになったところ、異形の左手で仕留める。これがバージルの策戦だった。
だが刀身をぐいっと引き寄せたバージルは、そのあまりの軽さに一瞬だが動きを止め、そして目を見張った。
「ッ!なにッツ!?」
そこには剣を握っているはずのアルベルトの姿は無かった。バージルが引き寄せたのは、アルベルトの片手剣、グラビティソードだけだった。
い、いない!?なぜ剣だけ?たった一つの武器を捨てたのか?野郎どこだッツ!?
バージルの思考が散らされたこの一瞬が勝敗を分けた。
ふと目にかかった影に顔を上げたその時、光り輝く闘気を纏ったその男は、バージルの頭上を取っていた。
「し、しまっ・・・!」
「終わりだ」
右手に集中させた闘気の拳がバージルの頭を叩き潰した!
あの左腕が何かは分からないが、異常なパワーを持っている事は分かる。
防御は不可能だ、もしくらえばこの命を一発で刈り取るだろう。かろうじて躱せているが、一発一発が頬をかすめる度に背筋が凍る思いだ。
左腕以外は生身のようだが、それでもどんどんおかしくなっているように見える。最初はまだ理性があったと思うが、今は剥き出しの憎しみに支配されて、顔つきまで変わってやがる。
おそらくこいつの左腕は自前じゃないな。こいつは俺と戦う前にレイマートと一戦交えたと聞いている。その時に斬られたんだろう。そう考えると、この左腕は魔道具か何かで作った借り物という事だ。そしてこの異常なパワーや不気味な形から察するに、まともな物じゃないな。
・・・精神を食われたか?
だとすれば、こいつの鈍感さにも一応の説明がつく。
俺は最初、こいつの右腕にグラビティソードを突き刺した。その時にすでに超重力は発動していたんだ。だがこいつは平然と動き攻撃を仕掛けて来た。
二度斬りつけて、やっと動きを封じる事ができたが、なるほど、こいつはこの左腕に精神を蝕まれ、肉体にも異常をきたし始めているんだ。
おそらく放っておいてもこいつは自滅するだろう。
だがグラビティソードも一撃では十分な効果を発揮できないという事は、それだけ肉体が強化されているという事だ。こいつが自滅するまでにどのくらいの時間がかかる?三十分か?一時間か?それまでに何人の兵士が殺される?
・・・駄目だ。被害が大きすぎる。やはりこいつは今ここで、俺が仕留めなければならない!
右腕の重さに体勢を崩し、片膝を着いているバージルの額を目掛けて、アルベルトはグラビティソードを突き出した!
こ、このクソ野郎ッツ!
斬ったところを重くできるだと!?ふざけたマネしやがって!
だがマジで右腕が重い!なんだこの重さは!?俺がまともに動けねぇ程の重さなんてありえねぇぞ!
クソがッ!このままじゃやべぇ!この野郎、剣を構えて狙いをつけてやがる!どうする!?
このままじゃ躱せねぇぞ、いや待て、何も躱す事はねぇんだ、こいつが自分で言ってたじゃねぇか。
剣が通らねぇ程硬いのは左腕だけで他は生身と変わらねぇって、つまりそういう事だ!
この左手でてめぇの剣を受けたら、そのままその首引き千切ってやるよ!
さぁ!自慢のその剣で向かってこいッツ!
アルベルトの狙いが自分の額だと見切ったバージルは、異形の左手を額の前に出してアルベルトの突きを迎え打つ!
右足で強く地面を蹴り、バージルの額に真っすぐ剣を繰り出すアルベルトは、バージルが自分の額を護るように左腕を前に出した事を見て、わずかに口の端を持ち上げた。
へっ、そうだよな?そうするしかねぇよな?
右腕の負荷で膝を着いたところを見て確信したぜ。俺のグラビティソードの超重量に、お前は対抗できないってな!
当然この突きを躱す事もできない。ならばどうするか?お前にできる対抗手段は一つしかないよな?
それは唯一剣を防ぐ事ができる、その左腕で防御する事だけだッ!
「オォォォォォォーーーーーーーッツ!」
真っ直ぐに突き出したアルベルトの片手剣がバージルの左腕に衝突すると、まるで鋼鉄を打ち合わせたかのような甲高い金属音が鳴り響いた。
それは到底人の体から発せられる音ではない。そして音の発生源では、バージルの思惑通りの結果が映った。
アルベルトの片手剣グラビティソードの剣先は、バージルの左手の平を貫く事はできずに受け止められていた。
手の平で刃を受け止める。本来ありえない事だが、バージルの異形の左腕は、それを現実にする程の硬さだった。
「ふははははは!残念だったなぁぁぁ!」
素手で刃を握れば、当然肉が裂け指が落ちだろう。だがバージルの左手に限ってはそれはあてはまらない。自分の左手の平に接触している剥き出しの刀身を握り締めると、そのまま力任せに引き寄せた!
剣は止めた!このままこの左手でてめぇの頭を刈り取ってやるぜぇぇぇぇぇーーーーーーーッツ!
刀身を引けば、当然剣を握っているアルベルトもバージルに引き寄せられる。
体勢を崩し前のめりになったところ、異形の左手で仕留める。これがバージルの策戦だった。
だが刀身をぐいっと引き寄せたバージルは、そのあまりの軽さに一瞬だが動きを止め、そして目を見張った。
「ッ!なにッツ!?」
そこには剣を握っているはずのアルベルトの姿は無かった。バージルが引き寄せたのは、アルベルトの片手剣、グラビティソードだけだった。
い、いない!?なぜ剣だけ?たった一つの武器を捨てたのか?野郎どこだッツ!?
バージルの思考が散らされたこの一瞬が勝敗を分けた。
ふと目にかかった影に顔を上げたその時、光り輝く闘気を纏ったその男は、バージルの頭上を取っていた。
「し、しまっ・・・!」
「終わりだ」
右手に集中させた闘気の拳がバージルの頭を叩き潰した!
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