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1347 この戦いを託す
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「ぐっ・・・クソッ!なんだってんだ!」
ノーマン・ブルーナーは、砂の上に右肘を突くと、顔をしかめながら立ち上がった。
「ノーマン様!大丈夫ですか!?」
周囲で控えていた兵士達が駆け寄るが、ノーマンは煩わしそうに手を振り払いのける。
「チッ、あの女の仕業か?いきなりやってくれるじゃないか、お前達、あの女を取り押さえろ」
「し、しかし、シャンテル様からは、自分が指示を出すまで何もするなと・・・」
躊躇いがちに意見を口にした兵士に、ノーマンは静かに、だがハッキリと怒りを露わにして兵士の胸倉を掴んだ。
「あぁ!?お前誰に言ってるか分かってんのか?僕は誰だ?皇帝の甥、ノーマン・ブルーナーだぞ?」
第六師団はシャンテル・ガードナーとアーロン・カカーチェを中心にまとまっていた。
ガルバンとヴァネッサの忠誠心も高く、各部隊長も責任感があり、連携は上手くとれていた。
しかしその和を乱す存在が、このノーマン・ブルーナーである。
先のラクエルを撃った黒魔法兵達の一斉射撃も、ノーマンの独断の指示だった。
本来各師団において、師団長の指示は絶対である。だが皇帝ダスドリアン・ブルーナーの恐ろしさは誰もが知るところであり、その名を出されてしまえば一兵士に否と言う選択肢はなかった。
胸倉を掴まれた兵士が怯むと、ノーマンは控えている兵士達を見渡して大声を上げた。
「お前達もだ!さっさとあの女を取り押さえろ!この僕に手を出した事を後悔させてやる!」
「っ!は、はい!」
皇帝の血筋には逆らう事はできない。兵士達は武器を手に取ると、ノーマンを吹き飛ばしたであろう、白い羽を持ったオレンジ色の髪の女に視線を向けた。
しかし・・・・・
「お前達の相手は私がしてやるよ」
白いマントを羽ばたかせた四勇士、ルーシー・アフマダリエフが立ちはだかった。
そして右手に握る水の鞭を振るうと、そのたった一打で何人もの帝国兵を叩き伏せたのだ。
「雑魚共め、まとめてかかって来い!この四勇士ルーシー・アフマダリエフが相手だ!」
今、カチュアは師団長シャンテル・ガードナーと向き合っている。邪魔をさせるわけにはいかない、ここは私が食い止める!
そう、ルーシーはこの戦いの決着をカチュアに託した。
いくら風の力をあると言っても、白魔法使いのカチュア一人に、師団長の相手を任せるなんて、普通に考えればありえない事だ。
なにせシャンテル・ガードナーは、ゴールド騎士のフェリックスを始め、ジャレット、アラタ、ラクエルの四人を倒しているのだから。
しかし砂の上に倒れ伏す四人を目にした時、ルーシーは直感で悟った。
何をしたのかは分からない。しかし四勇士と対を成すクインズベリー国最強の一角である、ゴールド騎士のフェリックス・ダラキアンが倒れている。そしてあのマルコス・ゴンサレスを倒したサカキ・アラタに、ジャレットとラクエルまで倒れている。しかもシャンテル・ガードナーは無傷なのだ。
シャンテル・ガードナーは白魔法使いと聞いている。ならばおそらく力や技とは関係のない、特殊ななにかをされたのだろう。それが何か解き明かさなくては、自分も二の舞になりかねない。
瞬間的にそこまで理解した時、ルーシーは足を止めてしまった。このまま突っ込んでも、やられるだけだ。しかしじっとしているわけにはいかない。どうすればいい?
頭の中を様々な考えが駆け巡るが、即座に判断がつかなかった。しかしそんなルーシを他所に、カチュアは迷わず飛び出していた。
「アラタ君!」
カチュアに何か考えがあって飛び出したわけではない。
ただ、自分の夫が倒れている姿を目にし、感情のままに地面を蹴っていた。
「ッ!?ま、待てカチュア!」
だめだ、危険過ぎる!ゴールド騎士が倒されているんだぞ!
対策もせずに突っ込んではやられるだけだ、止めなくては!
思わず手を伸ばしてカチュアを引き留めようとしたが、ルーシーはカチュアの肩を掴みかけて止めた。
カチュアのこの行動自体は軽率と言うしかないだろう。しかし敵陣を強引に突っ切って来たのだ。
ここで足を止められない事も事実である。
見方を変えれば、勢いのままに突撃をかけた事で、突破口を作ったと言えるかもしれない。
そしてシャンテル・ガードナーの横に立ち、ラクエルの頭を踏みつけている男を風で吹き飛ばし、堂々とシャンテルの前に立ったカチュアを見て、ルーシーは決断した。
カチュアに懸けよう。
シャンテル・ガードナーを見て、自分はすぐに行動を起こせなかった。
しかしカチュアは迷わず駆け出し、臆する事なくシャンテルの前に立った。
おそらくシャンテルに勝つために必要なものは、単純な腕力や魔力ではない。
もっと別の何か、それは戦いに生きて来た自分やフェリックスでは、考えもつかないものなのかもしれない。
そうだとすれば、カチュアのような争いを嫌い、自分よりも他の誰かのために力を使う事のできる人間こそが、シャンテル・ガードナーに立ち向かえるのではないだろうか。
カチュア、雑魚は全員私が引き受ける。この戦場の命運はあなたに託した。
「こ、この!どいつもこいつも僕をコケにしやがって!やれ!全員でかかれ!」
ノーマン・ブルーナーが額に青筋を浮かべて、ルーシーにビシッと指先を突き付けた。
「フン、かっこ悪い男だね。自分でかかってこいよ?まぁ、どのみち全員潰すけどね」
武器を持ち構えて襲い掛かってくる帝国兵達に、ルーシーは水の鞭を握り締め、正面からぶつかっていった。
ノーマン・ブルーナーは、砂の上に右肘を突くと、顔をしかめながら立ち上がった。
「ノーマン様!大丈夫ですか!?」
周囲で控えていた兵士達が駆け寄るが、ノーマンは煩わしそうに手を振り払いのける。
「チッ、あの女の仕業か?いきなりやってくれるじゃないか、お前達、あの女を取り押さえろ」
「し、しかし、シャンテル様からは、自分が指示を出すまで何もするなと・・・」
躊躇いがちに意見を口にした兵士に、ノーマンは静かに、だがハッキリと怒りを露わにして兵士の胸倉を掴んだ。
「あぁ!?お前誰に言ってるか分かってんのか?僕は誰だ?皇帝の甥、ノーマン・ブルーナーだぞ?」
第六師団はシャンテル・ガードナーとアーロン・カカーチェを中心にまとまっていた。
ガルバンとヴァネッサの忠誠心も高く、各部隊長も責任感があり、連携は上手くとれていた。
しかしその和を乱す存在が、このノーマン・ブルーナーである。
先のラクエルを撃った黒魔法兵達の一斉射撃も、ノーマンの独断の指示だった。
本来各師団において、師団長の指示は絶対である。だが皇帝ダスドリアン・ブルーナーの恐ろしさは誰もが知るところであり、その名を出されてしまえば一兵士に否と言う選択肢はなかった。
胸倉を掴まれた兵士が怯むと、ノーマンは控えている兵士達を見渡して大声を上げた。
「お前達もだ!さっさとあの女を取り押さえろ!この僕に手を出した事を後悔させてやる!」
「っ!は、はい!」
皇帝の血筋には逆らう事はできない。兵士達は武器を手に取ると、ノーマンを吹き飛ばしたであろう、白い羽を持ったオレンジ色の髪の女に視線を向けた。
しかし・・・・・
「お前達の相手は私がしてやるよ」
白いマントを羽ばたかせた四勇士、ルーシー・アフマダリエフが立ちはだかった。
そして右手に握る水の鞭を振るうと、そのたった一打で何人もの帝国兵を叩き伏せたのだ。
「雑魚共め、まとめてかかって来い!この四勇士ルーシー・アフマダリエフが相手だ!」
今、カチュアは師団長シャンテル・ガードナーと向き合っている。邪魔をさせるわけにはいかない、ここは私が食い止める!
そう、ルーシーはこの戦いの決着をカチュアに託した。
いくら風の力をあると言っても、白魔法使いのカチュア一人に、師団長の相手を任せるなんて、普通に考えればありえない事だ。
なにせシャンテル・ガードナーは、ゴールド騎士のフェリックスを始め、ジャレット、アラタ、ラクエルの四人を倒しているのだから。
しかし砂の上に倒れ伏す四人を目にした時、ルーシーは直感で悟った。
何をしたのかは分からない。しかし四勇士と対を成すクインズベリー国最強の一角である、ゴールド騎士のフェリックス・ダラキアンが倒れている。そしてあのマルコス・ゴンサレスを倒したサカキ・アラタに、ジャレットとラクエルまで倒れている。しかもシャンテル・ガードナーは無傷なのだ。
シャンテル・ガードナーは白魔法使いと聞いている。ならばおそらく力や技とは関係のない、特殊ななにかをされたのだろう。それが何か解き明かさなくては、自分も二の舞になりかねない。
瞬間的にそこまで理解した時、ルーシーは足を止めてしまった。このまま突っ込んでも、やられるだけだ。しかしじっとしているわけにはいかない。どうすればいい?
頭の中を様々な考えが駆け巡るが、即座に判断がつかなかった。しかしそんなルーシを他所に、カチュアは迷わず飛び出していた。
「アラタ君!」
カチュアに何か考えがあって飛び出したわけではない。
ただ、自分の夫が倒れている姿を目にし、感情のままに地面を蹴っていた。
「ッ!?ま、待てカチュア!」
だめだ、危険過ぎる!ゴールド騎士が倒されているんだぞ!
対策もせずに突っ込んではやられるだけだ、止めなくては!
思わず手を伸ばしてカチュアを引き留めようとしたが、ルーシーはカチュアの肩を掴みかけて止めた。
カチュアのこの行動自体は軽率と言うしかないだろう。しかし敵陣を強引に突っ切って来たのだ。
ここで足を止められない事も事実である。
見方を変えれば、勢いのままに突撃をかけた事で、突破口を作ったと言えるかもしれない。
そしてシャンテル・ガードナーの横に立ち、ラクエルの頭を踏みつけている男を風で吹き飛ばし、堂々とシャンテルの前に立ったカチュアを見て、ルーシーは決断した。
カチュアに懸けよう。
シャンテル・ガードナーを見て、自分はすぐに行動を起こせなかった。
しかしカチュアは迷わず駆け出し、臆する事なくシャンテルの前に立った。
おそらくシャンテルに勝つために必要なものは、単純な腕力や魔力ではない。
もっと別の何か、それは戦いに生きて来た自分やフェリックスでは、考えもつかないものなのかもしれない。
そうだとすれば、カチュアのような争いを嫌い、自分よりも他の誰かのために力を使う事のできる人間こそが、シャンテル・ガードナーに立ち向かえるのではないだろうか。
カチュア、雑魚は全員私が引き受ける。この戦場の命運はあなたに託した。
「こ、この!どいつもこいつも僕をコケにしやがって!やれ!全員でかかれ!」
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