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1381 シーサケットの激昂
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カラコスの体から噴き出した闇の瘴気が空を覆うと、帝国兵達の間からも動揺の声が聞こえ出した。
「これは・・・カラコス!まさかあいつここまでっ・・・!」
こんなマネができるのは、闇の力を宿したカラコスだけである。
シーサケットは、カラコスが自軍への影響も考えずに闇の力を使った事に腹を立て、怒りを表した。
「シーサケット、いいんだよ、気にすんな。ヤツの好きにさせてやれ。それよりさすがに暗ぇな、おいお前ら発光石を使え!」
カシレロもこの闇では目が利かないが、そぐ傍で兵士達が立っている事は分かっている。その場から動かずに大きく声を上げると、すぐに反応があった。
「はっ!ただちに発光石を使用します!」
複数の兵士から声が上がると、カシレロの周囲が一瞬にして明るくなった。
そしてその明るさにつられるかのように、発光石による灯りはどんどん広がっていき、帝国軍を照らし出した。
「なっ、カシレロ様、これは?」
カラコスを連れて来るにあたり、カシレロはこの状況も想定し、十分な数の発光石を部下に用意させていた。
腹心のシーサケットにも、カラコスを同行させる事は伝えていなかったので、当然一般兵もその存在を知る由はなかった。カシレロが各々に発光石を多めに持つよう指示した時も、夜間の戦闘を考えての事だと受け取る兵が多かったが、実際にはこうなった時への備えだったのかと理解した。
「発光石だよ、お前にも多めに用意しとけって言っといただろ?」
「確かにそう言われましたが・・・カシレロ様、次からは私にも作戦を教えてください」
この戦場の参謀としているはずの自分が、肝心な事を何も聞かされていなかった事に、さすがのシーサケットも大きく息をついた。
カラコスを牢から出して連れて行くなど、自分が知っていたら皇帝への報告を強く求めただろう。
そのあたりを考えれば、カシレロが何も知らせずに行動をした理由は想像ができる。しかしそれでもこれは戦争なのだ。絶対に前持って話し合っておくべき事だったとの考えから、シーサケットは珍しくカシレロに苦言を呈した。
シーサケットの眉間に眉がより、声がやや硬くなっている事に気付いたカシレロだったが、ここでもまだ分かった分かったと軽い調子で言葉を返すだけだった。
「カシレロ様、本当にお願いしますよ?私はただカシレロ様をお護りしたいだけなのです。ですから私に内密で行動しないように、くれぐれもお願い致します」
「分かった分かった、分かったって。しかしお前はかたっくるしいな?もうちょっと肩の力抜いたらどうだ?」
「気を緩めるつもりはありません。失態に繋がりかねませんから」
「そうかい、まぁいい分かった。結果的にうまくやってくれりゃ俺はなんでもいいんだ。それでよ、さっそくだけど俺を護るってんなら、あいつの始末はまかせていいか?」
そう言ってカシレロは深紅のローブから右腕を出すと、前方数メートル先に立ち、赤く熱を発する剣を右手に持った、少し長い金髪の男を指差した。
淡いクリーム色のシャツに黒いロングパンツ、そして黒いブーツを履いており、胸の前で結んだ青いマントを羽織っているこの男は、ロンズデール軍総司令官のアブエル・マレスだった。
そしてマレスの後ろに倒れている大勢の兵を見れば、ここにたどり着くまで、相当な数の帝国兵を斬り捨ててきたと想像できる。
しかし返り血を浴びていないらしいその恰好を見ると、その手に持つ熱を発する剣が、斬ると同時に傷口を焼いたため、出血がほとんどなかったのではと察せられた。
「貴様・・・ロンズデールの指揮官だな、アルツール様と戦っていたはずではないのか?」
シーサケットは視線の先にマレスを捉えると、眉根を寄せてその姿をじっと見つめた。
この男はまだ自軍の兵が泡で身動きをとれなくなっていた時、単身で突撃をかけてきた。
その狙いは師団長カシレロの首だと言う事も想像がついた。早いうちに止めなければと、第五師団副団長のアルツール・バレンズエラがぶつかっていったはずだった。
「アルツール?ああ、あの深紅の鎧の男か。俺の代わりに相手してくれる男がいてな、今頃そいつに倒されているんじゃないのか」
「なんだと?貴様、一人で敵地の奥深くまで踏み込んで、ずいぶんといい気になっているようだな?アルツール様はこの第五師団で最も腕の立つ体力型だ、ロンズデールの雑兵如きに倒されるなどない。そして愚かな貴様はここで私が殺してやる!」
激昂するシーサケット!
足元から天を貫くように激しい魔力が放出され、大気を震わせる。
鋭くも勢い強い魔力の波動はマレスを強烈に打ち付けた。
「なっ、これほどの魔力・・・!」
「死ねッ!爆裂空破弾!」
シーサケットは両手を重ね合わせると、巨大な破壊の光弾を打ち放った!
「これは・・・カラコス!まさかあいつここまでっ・・・!」
こんなマネができるのは、闇の力を宿したカラコスだけである。
シーサケットは、カラコスが自軍への影響も考えずに闇の力を使った事に腹を立て、怒りを表した。
「シーサケット、いいんだよ、気にすんな。ヤツの好きにさせてやれ。それよりさすがに暗ぇな、おいお前ら発光石を使え!」
カシレロもこの闇では目が利かないが、そぐ傍で兵士達が立っている事は分かっている。その場から動かずに大きく声を上げると、すぐに反応があった。
「はっ!ただちに発光石を使用します!」
複数の兵士から声が上がると、カシレロの周囲が一瞬にして明るくなった。
そしてその明るさにつられるかのように、発光石による灯りはどんどん広がっていき、帝国軍を照らし出した。
「なっ、カシレロ様、これは?」
カラコスを連れて来るにあたり、カシレロはこの状況も想定し、十分な数の発光石を部下に用意させていた。
腹心のシーサケットにも、カラコスを同行させる事は伝えていなかったので、当然一般兵もその存在を知る由はなかった。カシレロが各々に発光石を多めに持つよう指示した時も、夜間の戦闘を考えての事だと受け取る兵が多かったが、実際にはこうなった時への備えだったのかと理解した。
「発光石だよ、お前にも多めに用意しとけって言っといただろ?」
「確かにそう言われましたが・・・カシレロ様、次からは私にも作戦を教えてください」
この戦場の参謀としているはずの自分が、肝心な事を何も聞かされていなかった事に、さすがのシーサケットも大きく息をついた。
カラコスを牢から出して連れて行くなど、自分が知っていたら皇帝への報告を強く求めただろう。
そのあたりを考えれば、カシレロが何も知らせずに行動をした理由は想像ができる。しかしそれでもこれは戦争なのだ。絶対に前持って話し合っておくべき事だったとの考えから、シーサケットは珍しくカシレロに苦言を呈した。
シーサケットの眉間に眉がより、声がやや硬くなっている事に気付いたカシレロだったが、ここでもまだ分かった分かったと軽い調子で言葉を返すだけだった。
「カシレロ様、本当にお願いしますよ?私はただカシレロ様をお護りしたいだけなのです。ですから私に内密で行動しないように、くれぐれもお願い致します」
「分かった分かった、分かったって。しかしお前はかたっくるしいな?もうちょっと肩の力抜いたらどうだ?」
「気を緩めるつもりはありません。失態に繋がりかねませんから」
「そうかい、まぁいい分かった。結果的にうまくやってくれりゃ俺はなんでもいいんだ。それでよ、さっそくだけど俺を護るってんなら、あいつの始末はまかせていいか?」
そう言ってカシレロは深紅のローブから右腕を出すと、前方数メートル先に立ち、赤く熱を発する剣を右手に持った、少し長い金髪の男を指差した。
淡いクリーム色のシャツに黒いロングパンツ、そして黒いブーツを履いており、胸の前で結んだ青いマントを羽織っているこの男は、ロンズデール軍総司令官のアブエル・マレスだった。
そしてマレスの後ろに倒れている大勢の兵を見れば、ここにたどり着くまで、相当な数の帝国兵を斬り捨ててきたと想像できる。
しかし返り血を浴びていないらしいその恰好を見ると、その手に持つ熱を発する剣が、斬ると同時に傷口を焼いたため、出血がほとんどなかったのではと察せられた。
「貴様・・・ロンズデールの指揮官だな、アルツール様と戦っていたはずではないのか?」
シーサケットは視線の先にマレスを捉えると、眉根を寄せてその姿をじっと見つめた。
この男はまだ自軍の兵が泡で身動きをとれなくなっていた時、単身で突撃をかけてきた。
その狙いは師団長カシレロの首だと言う事も想像がついた。早いうちに止めなければと、第五師団副団長のアルツール・バレンズエラがぶつかっていったはずだった。
「アルツール?ああ、あの深紅の鎧の男か。俺の代わりに相手してくれる男がいてな、今頃そいつに倒されているんじゃないのか」
「なんだと?貴様、一人で敵地の奥深くまで踏み込んで、ずいぶんといい気になっているようだな?アルツール様はこの第五師団で最も腕の立つ体力型だ、ロンズデールの雑兵如きに倒されるなどない。そして愚かな貴様はここで私が殺してやる!」
激昂するシーサケット!
足元から天を貫くように激しい魔力が放出され、大気を震わせる。
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