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1382 動いた男
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それは凄まじい爆発だった。
抉られた地面から噴き跳んだ大小さまざまな石、全身を打ち付ける爆風は敵味方関係なく、兵士達を襲い吹き飛ばした。無差別に近い攻撃だったが、ここで敵の司令官を消しておく事が最優先と判断しての、シーサケットの一発だった。
黒煙は空まで立ち昇り、この一発で決着となったと思われた。
しかし・・・
「フン、あっけないものだな?所詮ロンズデールの指揮官なんてこんなものだ。大人しく帝国に従って・・・!?」
「・・・フッ、こんなものか?この程度の魔法じゃ俺には傷の一つもつけられねぇぞ」
黒煙をかき分けその姿を現したアブエル・マレスは、あれ程の魔法を受けてもなお無傷だった。
結界も風魔法も使う事ができないのに、いったい何をした?体力型であるマレスが魔法を完璧に防げるとしたらそれは・・・・・
「き、貴様!いったい、なにを・・・!」
「魔道具、晴天の風・・・俺に爆発魔法は通用しない」
シーサケットは驚きを隠せなかった。
姓こそ違うが、師団長ジェリメール・カシレロの異母兄弟として、生まれつき高い魔力をもっており、更にそこに研鑽を積んできた。
深紅のローブを身にまとっていなかったとしても、己の実力は幹部クラスと引けを取らないと自負していた。
それなのに・・・特に自信のある爆発の中級魔法を使用して、傷の一つもつけられなかったのだ。
動揺したシーサケットが一歩後ずさってしまった時、アブエル・マレスは一歩前に足を踏み出していた。
この一歩、並みの兵士の戦いであれば、そこまで大きなものではない。
しかしアブエル・マレスにとっては、十分過ぎる大きな一歩だった。
「しまっ・・・!」
シーサケットが己の失態に気付いた時、マレスはその懐にまで踏み込んでいた。
そこからマレスがシーサケットを制圧するまでに、かかった時間はほんの数秒だった。
その刃に高熱を宿すマレスの煉極刃(れんごくじん)、突き出されたその一太刀をシーサケットは風の楯で受ける。身体能力は一般人と変わらない魔法使いが、この突きに反応できただけでも見事であった。
しかし次の瞬間にはマレスの左脚が、シーサケットの右足を払い飛ばしていた。
「ッ!?」
何をされたのかすら分からなかった。シーサケットは突然自分の視界が回った事に何の対応もできず、そのまま背中から地面に落とされてしまう。
もらった!
マレスは一切の躊躇なく、煉極刃をその腹目掛けて振り下ろす!
これで決着のはずだった。
しかしこれは一対一の戦いではない。
マレスが刃を通して感じた感触、それは柔らかい肉を切り裂く感触ではなく、まるで堅い鉄板にでも刃を打ち付けたようなものだった。
「・・・結界、か」
あと数センチ・・・あとほんの数センチで、煉極刃はシーサケットを切り裂いていた。
「はっ・・・はぁっ・・・」
シーサケットも死を覚悟していた。自分の体に触れるか否か、その寸前で止まった刃を目にして、全身から汗を噴き出していた。
そしてシーサケットを護ったとの結界を飛ばした者、それは・・・・・
「シーサケットを一蹴かよ?お前、思ってたよりもずっと強ぇんだな?」
ニヤニヤと軽薄な笑いを浮かべ、マレスを品定めするように上から下まで視線を這わせる。
「出て来たか・・・」
第五師団長ジェリメール・カシレロが動いた。
抉られた地面から噴き跳んだ大小さまざまな石、全身を打ち付ける爆風は敵味方関係なく、兵士達を襲い吹き飛ばした。無差別に近い攻撃だったが、ここで敵の司令官を消しておく事が最優先と判断しての、シーサケットの一発だった。
黒煙は空まで立ち昇り、この一発で決着となったと思われた。
しかし・・・
「フン、あっけないものだな?所詮ロンズデールの指揮官なんてこんなものだ。大人しく帝国に従って・・・!?」
「・・・フッ、こんなものか?この程度の魔法じゃ俺には傷の一つもつけられねぇぞ」
黒煙をかき分けその姿を現したアブエル・マレスは、あれ程の魔法を受けてもなお無傷だった。
結界も風魔法も使う事ができないのに、いったい何をした?体力型であるマレスが魔法を完璧に防げるとしたらそれは・・・・・
「き、貴様!いったい、なにを・・・!」
「魔道具、晴天の風・・・俺に爆発魔法は通用しない」
シーサケットは驚きを隠せなかった。
姓こそ違うが、師団長ジェリメール・カシレロの異母兄弟として、生まれつき高い魔力をもっており、更にそこに研鑽を積んできた。
深紅のローブを身にまとっていなかったとしても、己の実力は幹部クラスと引けを取らないと自負していた。
それなのに・・・特に自信のある爆発の中級魔法を使用して、傷の一つもつけられなかったのだ。
動揺したシーサケットが一歩後ずさってしまった時、アブエル・マレスは一歩前に足を踏み出していた。
この一歩、並みの兵士の戦いであれば、そこまで大きなものではない。
しかしアブエル・マレスにとっては、十分過ぎる大きな一歩だった。
「しまっ・・・!」
シーサケットが己の失態に気付いた時、マレスはその懐にまで踏み込んでいた。
そこからマレスがシーサケットを制圧するまでに、かかった時間はほんの数秒だった。
その刃に高熱を宿すマレスの煉極刃(れんごくじん)、突き出されたその一太刀をシーサケットは風の楯で受ける。身体能力は一般人と変わらない魔法使いが、この突きに反応できただけでも見事であった。
しかし次の瞬間にはマレスの左脚が、シーサケットの右足を払い飛ばしていた。
「ッ!?」
何をされたのかすら分からなかった。シーサケットは突然自分の視界が回った事に何の対応もできず、そのまま背中から地面に落とされてしまう。
もらった!
マレスは一切の躊躇なく、煉極刃をその腹目掛けて振り下ろす!
これで決着のはずだった。
しかしこれは一対一の戦いではない。
マレスが刃を通して感じた感触、それは柔らかい肉を切り裂く感触ではなく、まるで堅い鉄板にでも刃を打ち付けたようなものだった。
「・・・結界、か」
あと数センチ・・・あとほんの数センチで、煉極刃はシーサケットを切り裂いていた。
「はっ・・・はぁっ・・・」
シーサケットも死を覚悟していた。自分の体に触れるか否か、その寸前で止まった刃を目にして、全身から汗を噴き出していた。
そしてシーサケットを護ったとの結界を飛ばした者、それは・・・・・
「シーサケットを一蹴かよ?お前、思ってたよりもずっと強ぇんだな?」
ニヤニヤと軽薄な笑いを浮かべ、マレスを品定めするように上から下まで視線を這わせる。
「出て来たか・・・」
第五師団長ジェリメール・カシレロが動いた。
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