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1456 安堵と反省
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「リンジーさん、だいじょう・・・っ!こ、これは・・・ひどい」
ヴァージニアは倒れているリンジーに駆け寄ったが、体を起こそうとしてその手を止めた。
・・・動かさない方がいい。
リンジーに意識は無かった。口から吐き出した血の量はかなり多い、顔の下に広がった血が地面に滲みこみ黒く染まっている。内臓に相当なダメージを受けたようだ。おそらく肋骨も折れているだろうし、かなり危険な状態である事は一目で分かった。
「くっ、まずいわ!白魔法使いはどこに・・・!」
すぐにヒールが必要だ。
ヴァージニアは辺りを見回した。しかしリンジー達と一緒に来たロンズデール兵は、帝国兵と激しく交戦しており、とてもこちらに来れそうにはなかった。彼らの役目は、リンジー達がアルバレスとの戦いに集中できるよう、帝国兵を止める事なのだ。
彼らの奮闘でアルバレスを孤立させる事ができたが、逆に言えば自分達も援護を望めない状況になってしまった。
ヴァージニア達魔道剣士隊は、九割が体力型で構成されており、数少ない魔法使いは、帝国兵と戦っている魔道剣士達の支援に回っていた。
数で劣るロンズデール軍だが、現在は魔道剣士の予測できない戦い方もあって、互角の戦況を作り出している。しかしそれは、少しのきっかけで崩れてしまう危ういものだ。
うかつな横やりはできない。
だがこのままでは、リンジーの命が危険である事も事実。
「・・・やっぱり駄目だわ、このままじゃリンジーさんが危ない。白魔法使いを連れて来るしかないわ」
「待てヴァージニア、大丈夫だ」
剣を握り立ち上がったヴァージニアの肩に、後ろから手が置かれる。
振り返るとそこに立っていたのは、白髪の大柄な男デヴィン・ガラハドだった。
「・・・ガラハドさん、離してください。リンジーさんが危険です。白魔法使いをすぐに連れて来ないと」
「だから大丈夫だ。白魔法使いならいるぞ。ほら」
眉根を寄せるヴァージニアに、ガラハドは落ち着いた声で言葉を返し、すっと前を指差した。
怪訝な顔でガラハドの指先を追うと、赤茶色の髪の少年と、青い髪の青年、そして白いローブを纏った二人の女性が樹木の間から歩き出て来た。
「あれは・・・アラン!」
姿を表したのはヴァージニアの弟のアラン。そして黒魔法使いのアドニスだった。
二人ともアルバレスに挑み倒されたが、白魔法使いのヒールによって回復する事ができたのだ。
「そうだ、俺達も回復の事は当然考えてる。白魔法使いを二人、こっちに残しておいたんだ。アドニスとアランが重傷だったから、まずはそっちを回復するように指示してたんだよ」
「ガラハドさん・・・あなたすごいわ」
「大した事じゃねぇよ。それよりリンジーの事はこっちに任せて、お前は弟のところへ行ってやれ」
ガラハドに促されると、ヴァージニアは感謝の言葉を口にしてアランの元に走った。
「アラン、よかった。無事だったのね」
「あ、姉さん・・・・・ごめん」
姉の姿を見て、アランは気まずそうに目を逸らした。
俯いたまま顔を上げようとはしない弟の心中を察して、ヴァージニアは静かに言葉を紡いだ。
「アラン、作戦と違う行動をとった事は反省が必要よ。次からは気を付けなさい。あなたも魔導剣士を率いる立場なのだから、仲間達のためにも勝手な行動をしてはならない。分かったわね?」
「はい・・・」
気落ちするアランは、まだヴァージニアと目を合わせようとはしなかった。
姉であるヴァージニアには、アランの気持ちはよく分かっていた。昔からこうだった。自分が原因で姉に迷惑をかけると、極端なくらいに落ち込むのだ。それは何歳になっても変わらない。
アランは先走ってしまった事の後悔、そして自分が足を引っ張ってしまった事を恥じているのだ。
ヴァージニアは小さく息をつくと、アランに微笑みかけた。
「お説教はここまでよ。アラン、私は立場上あそこであなたを介抱するわけにはいかなかった。でもね、本当に心配していたのよ。今、無事に戻って来たあなたを見て、心から安堵しているの。アラン、本当に無事で良かったわ」
優しい言葉をかけられて、アランはやっと顔を上げて姉を見た。
「・・・姉さん・・・本当にごめん」
「いいのよ。それよりも戦いはまだ終わってないわ」
そう言ってヴァージニアが顔を向けた先では、闇の力を開放したアルバレスとビンセントが、激しい戦いを繰り広げていた。
ヴァージニアは倒れているリンジーに駆け寄ったが、体を起こそうとしてその手を止めた。
・・・動かさない方がいい。
リンジーに意識は無かった。口から吐き出した血の量はかなり多い、顔の下に広がった血が地面に滲みこみ黒く染まっている。内臓に相当なダメージを受けたようだ。おそらく肋骨も折れているだろうし、かなり危険な状態である事は一目で分かった。
「くっ、まずいわ!白魔法使いはどこに・・・!」
すぐにヒールが必要だ。
ヴァージニアは辺りを見回した。しかしリンジー達と一緒に来たロンズデール兵は、帝国兵と激しく交戦しており、とてもこちらに来れそうにはなかった。彼らの役目は、リンジー達がアルバレスとの戦いに集中できるよう、帝国兵を止める事なのだ。
彼らの奮闘でアルバレスを孤立させる事ができたが、逆に言えば自分達も援護を望めない状況になってしまった。
ヴァージニア達魔道剣士隊は、九割が体力型で構成されており、数少ない魔法使いは、帝国兵と戦っている魔道剣士達の支援に回っていた。
数で劣るロンズデール軍だが、現在は魔道剣士の予測できない戦い方もあって、互角の戦況を作り出している。しかしそれは、少しのきっかけで崩れてしまう危ういものだ。
うかつな横やりはできない。
だがこのままでは、リンジーの命が危険である事も事実。
「・・・やっぱり駄目だわ、このままじゃリンジーさんが危ない。白魔法使いを連れて来るしかないわ」
「待てヴァージニア、大丈夫だ」
剣を握り立ち上がったヴァージニアの肩に、後ろから手が置かれる。
振り返るとそこに立っていたのは、白髪の大柄な男デヴィン・ガラハドだった。
「・・・ガラハドさん、離してください。リンジーさんが危険です。白魔法使いをすぐに連れて来ないと」
「だから大丈夫だ。白魔法使いならいるぞ。ほら」
眉根を寄せるヴァージニアに、ガラハドは落ち着いた声で言葉を返し、すっと前を指差した。
怪訝な顔でガラハドの指先を追うと、赤茶色の髪の少年と、青い髪の青年、そして白いローブを纏った二人の女性が樹木の間から歩き出て来た。
「あれは・・・アラン!」
姿を表したのはヴァージニアの弟のアラン。そして黒魔法使いのアドニスだった。
二人ともアルバレスに挑み倒されたが、白魔法使いのヒールによって回復する事ができたのだ。
「そうだ、俺達も回復の事は当然考えてる。白魔法使いを二人、こっちに残しておいたんだ。アドニスとアランが重傷だったから、まずはそっちを回復するように指示してたんだよ」
「ガラハドさん・・・あなたすごいわ」
「大した事じゃねぇよ。それよりリンジーの事はこっちに任せて、お前は弟のところへ行ってやれ」
ガラハドに促されると、ヴァージニアは感謝の言葉を口にしてアランの元に走った。
「アラン、よかった。無事だったのね」
「あ、姉さん・・・・・ごめん」
姉の姿を見て、アランは気まずそうに目を逸らした。
俯いたまま顔を上げようとはしない弟の心中を察して、ヴァージニアは静かに言葉を紡いだ。
「アラン、作戦と違う行動をとった事は反省が必要よ。次からは気を付けなさい。あなたも魔導剣士を率いる立場なのだから、仲間達のためにも勝手な行動をしてはならない。分かったわね?」
「はい・・・」
気落ちするアランは、まだヴァージニアと目を合わせようとはしなかった。
姉であるヴァージニアには、アランの気持ちはよく分かっていた。昔からこうだった。自分が原因で姉に迷惑をかけると、極端なくらいに落ち込むのだ。それは何歳になっても変わらない。
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ヴァージニアは小さく息をつくと、アランに微笑みかけた。
「お説教はここまでよ。アラン、私は立場上あそこであなたを介抱するわけにはいかなかった。でもね、本当に心配していたのよ。今、無事に戻って来たあなたを見て、心から安堵しているの。アラン、本当に無事で良かったわ」
優しい言葉をかけられて、アランはやっと顔を上げて姉を見た。
「・・・姉さん・・・本当にごめん」
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そう言ってヴァージニアが顔を向けた先では、闇の力を開放したアルバレスとビンセントが、激しい戦いを繰り広げていた。
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