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先生の淹れてくれた紅茶が美味しすぎるんだが?
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柔らかく微笑みながら先生が、手前のイスを引いてから俺に勧めてくれる。
「ありがとうございます」
促されるままに腰を落ち着けると頭をよしよし撫でてもらえた。
……嬉しいけれど止めて欲しい。心臓に悪いんですよ! 推しからの唐突な供給は!!
心を鷲掴みにされまくっている俺の現状なんて、グレイ先生は知る由もない。後ろに緩く纏めた群青の髪を揺らしながら、近くの棚からお洒落なデザインの箱と二客のティーカップを取り出している。
先生は紅茶が好きだ。だからだろうな、淹れ方も何だか凝っている。
電気ケトルで沸かしたお湯をカップに注ぎ、少し待ってから捨て、再びカップにお湯を注ぐ。箱から取り出したティーバッグを入れたかと思えば、受け皿でカップに蓋をしてしまった。しばらくしてから、ティーバッグを静かにカップから引き上げた。
ようやく完成らしい。湯気立つティーカップを俺の前と向かいに置いてから、先生も腰掛けた。
「はいどうぞ、召し上がれ。本当は茶葉から入れた方がいいんだろうけど、こっちに慣れちゃうと楽なんだよね」
照れくさそうに微笑みながら、俺に紅茶の入ったカップを勧めた。あれで楽なのか……ものスゴく丁寧に淹れてくれたようにしか見えなかったんだけれど。
「いただきます」
琥珀色っていうのかな? とにかくキレイだ。湯気立つ紅茶を、舌を火傷しないように慎重に口に含む。瞬間、花のような香りがふわりと広がった。さっぱりとした爽やかな味わいがして、スゴく飲みやすい。
「美味しいです! こんなに美味しい紅茶飲んだの初めてです。何の紅茶ですか?」
「君に喜んでもらえて嬉しいな、頑張っていれた甲斐があったよ。これはダージリンって種類の紅茶だよ。お茶請けにチョコレートはどうかな?」
これが最近私のお気に入りなんだ、と青い紙で包まれたチョコレートが六粒ほど入った箱を俺の前に差し出す。
せっかくの推しからのご厚意だ。無下にする訳にはいかない。さらにはお気に入りとくれば、是非ともいただきたいに決まっている。
「ありがとうございます! いただきます」
一粒つまみ、小さな包装紙を開けてから口に含む。テストで疲れていたからだろう。チョコレートの優しい甘さが、脳の隅々にまで染み渡っていく気がするな。
「ふふっ……シュン君は本当に美味しそうに食べてくれるから嬉しいよ。これもどうかな?」
いつの間に用意してくれていたんだろうか。今度は丸い箱に詰まったチョコを差し出された。
何だかデジャブだ。前も思ったけど、俺、餌付けされてないか? いや、推しが喜んでくれるならいくらでも食べますけども。
「えっと……先生、俺に何か話が有るんじゃ……」
「あぁ、ごめんね。つい楽しくなっちゃって」
ほんのり染まった頬を照れくさそうに掻く。小さく咳払いをしてから、見つめてきた眼差しは真剣な色を帯びていた。
「先日、君に絵のモデルを頼んだよね? それで絵を描く前に、もっとシュン君のことを知っておきたくてね。君と少し話しがしたかったんだ」
「ありがとうございます」
促されるままに腰を落ち着けると頭をよしよし撫でてもらえた。
……嬉しいけれど止めて欲しい。心臓に悪いんですよ! 推しからの唐突な供給は!!
心を鷲掴みにされまくっている俺の現状なんて、グレイ先生は知る由もない。後ろに緩く纏めた群青の髪を揺らしながら、近くの棚からお洒落なデザインの箱と二客のティーカップを取り出している。
先生は紅茶が好きだ。だからだろうな、淹れ方も何だか凝っている。
電気ケトルで沸かしたお湯をカップに注ぎ、少し待ってから捨て、再びカップにお湯を注ぐ。箱から取り出したティーバッグを入れたかと思えば、受け皿でカップに蓋をしてしまった。しばらくしてから、ティーバッグを静かにカップから引き上げた。
ようやく完成らしい。湯気立つティーカップを俺の前と向かいに置いてから、先生も腰掛けた。
「はいどうぞ、召し上がれ。本当は茶葉から入れた方がいいんだろうけど、こっちに慣れちゃうと楽なんだよね」
照れくさそうに微笑みながら、俺に紅茶の入ったカップを勧めた。あれで楽なのか……ものスゴく丁寧に淹れてくれたようにしか見えなかったんだけれど。
「いただきます」
琥珀色っていうのかな? とにかくキレイだ。湯気立つ紅茶を、舌を火傷しないように慎重に口に含む。瞬間、花のような香りがふわりと広がった。さっぱりとした爽やかな味わいがして、スゴく飲みやすい。
「美味しいです! こんなに美味しい紅茶飲んだの初めてです。何の紅茶ですか?」
「君に喜んでもらえて嬉しいな、頑張っていれた甲斐があったよ。これはダージリンって種類の紅茶だよ。お茶請けにチョコレートはどうかな?」
これが最近私のお気に入りなんだ、と青い紙で包まれたチョコレートが六粒ほど入った箱を俺の前に差し出す。
せっかくの推しからのご厚意だ。無下にする訳にはいかない。さらにはお気に入りとくれば、是非ともいただきたいに決まっている。
「ありがとうございます! いただきます」
一粒つまみ、小さな包装紙を開けてから口に含む。テストで疲れていたからだろう。チョコレートの優しい甘さが、脳の隅々にまで染み渡っていく気がするな。
「ふふっ……シュン君は本当に美味しそうに食べてくれるから嬉しいよ。これもどうかな?」
いつの間に用意してくれていたんだろうか。今度は丸い箱に詰まったチョコを差し出された。
何だかデジャブだ。前も思ったけど、俺、餌付けされてないか? いや、推しが喜んでくれるならいくらでも食べますけども。
「えっと……先生、俺に何か話が有るんじゃ……」
「あぁ、ごめんね。つい楽しくなっちゃって」
ほんのり染まった頬を照れくさそうに掻く。小さく咳払いをしてから、見つめてきた眼差しは真剣な色を帯びていた。
「先日、君に絵のモデルを頼んだよね? それで絵を描く前に、もっとシュン君のことを知っておきたくてね。君と少し話しがしたかったんだ」
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