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ソレイユ先輩のバイクに乗せてもらうことになったんだが?
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再び俺の肩に腕を回し、ニタニタしながら耳元で囁いてくる。
「な、何もしてないですからね!」
「分かってるって。っていうか、そもそもされるとしたらシュンちゃんの方でしょ」
「へ?」
「まぁまぁ、飲みなよ。ぬるくなっちゃうよ?」
そう促して、へらりと笑ったままだんまり。もう、この話は終わりって感じだ。
何か、聞き捨てならぬことを言われたような気がしたんだが……聞いたとしても華麗にスルーされるだけだろう。多分。
気を取り直して、俺も手元の缶を軽くシェイク。開ければ気持ちのいい音、口に含めば爽やかな香りとフルーティーな甘さが、乾いた喉を潤してくれた。
「……ふむふむ、幼なじみくんとのデートにおしゃれして行きたいけど、肝心の服がない、と」
結局、あれよあれよという間に、洗いざらい吐かされてしまった。そもそも、ソレイユ先輩に隠し事は出来そうにないのだけれども。
「よし! んじゃ、行こっか」
明るい掛け声と共に、空き缶をポイッとゴミ箱に放り投げる。今回もキレイにホールインワン。さり気なく俺の分もひょいっと奪って投げ入れる。
甲高い音が鳴り響く中、腕を取られ、軽々と立ち上がらせられた。
「え、行くって……何処に、ですか?」
「服。オニーサンが、コーディネートしたげるからさ」
「今からですか?」
「明日でしょデート。間に合わないじゃん」
怒涛の展開に思考がついていかない。こっちが戸惑っている間も、柔らかい笑みを浮かべながら勝手に話を進めていってしまう。
「大丈夫、そんな高いところいかないし。なんならオレが奢ったげるよ。バイト代入って、懐があったかいんだよね」
「そんな、悪いですって!」
俺に拒否権はないらしい。いーからいーから、と手を握り、腕を引いてさっさと歩き始めてしまった。
何だか……抵抗する気すら湧いてこなくなってきたな。というか、何を言っても何やかんやと上手く丸め込まれてしまいそうだ。
諦めて大人しく続くことにしたものの、方向が違う気がする。
「先輩何処に行くんですか?」
「駅前のショッピングモール」
「反対方向ですよ?」
「まーまーいいからいいから」
尋ねる前より疑問が深まってしまった。とはいえ、先輩が俺の手を離さない以上ついて行くしかない。
そのまま歩いていると見慣れた建物が。俺の寮とほぼ同じ見た目をした、3年生の寮に辿り着く。
「ここ、先輩達の寮ですよね?」
小さく頷き、寮の入口で立ち止まる。ちょっと待ってて、と言い残しさっさと中へ入ってしまった。
寮の前にポツンと取り残されたまま、待つこと数分。
「お待たせ、シュンちゃん。はいこれ」
「へ? おわっ」
黒革のグローブを着けた先輩が帰ってきた。手に持ったハーフタイプのヘルメットを、俺にすぽんっと被せてくる。
黒を基調とし、真ん中に橙色の太いラインとその両サイドには白の細い線が入ったデザインだ。同じものを先輩も着けている。
慣れた手つきでベルトを顎の下で調整し、締めてくれた。
「よしっ、オッケー」
「いや、だから、何がオッケーなんですか?」
またしても、スルー。ヘルメット越しに頭をぽんぽんしてから、再び俺の手を引いて歩きだす。
向かった駐車場の端には黒いバイク。ようやく分かった。俺を側で待たせ、颯爽と跨がりエンジンをかける。
外装がないんだろうか? エンジンが剥き出しだ。メーカーのロゴとタイヤの中心部分がオレンジ色で、いいアクセントになっている。カッコいい。
先輩が手招きして、後ろのシートを叩く。
バイクとか初めてなんだけど……恐る恐る後ろに跨がると腕を掴まれた。先輩の腰に回すように誘導される。
「よしっ行くよ! オレにしっかり掴まっててね?」
けたたましい音を立て、ゆっくりバイクが動き出す。思わず、回した腕に力を込めた。
「な、何もしてないですからね!」
「分かってるって。っていうか、そもそもされるとしたらシュンちゃんの方でしょ」
「へ?」
「まぁまぁ、飲みなよ。ぬるくなっちゃうよ?」
そう促して、へらりと笑ったままだんまり。もう、この話は終わりって感じだ。
何か、聞き捨てならぬことを言われたような気がしたんだが……聞いたとしても華麗にスルーされるだけだろう。多分。
気を取り直して、俺も手元の缶を軽くシェイク。開ければ気持ちのいい音、口に含めば爽やかな香りとフルーティーな甘さが、乾いた喉を潤してくれた。
「……ふむふむ、幼なじみくんとのデートにおしゃれして行きたいけど、肝心の服がない、と」
結局、あれよあれよという間に、洗いざらい吐かされてしまった。そもそも、ソレイユ先輩に隠し事は出来そうにないのだけれども。
「よし! んじゃ、行こっか」
明るい掛け声と共に、空き缶をポイッとゴミ箱に放り投げる。今回もキレイにホールインワン。さり気なく俺の分もひょいっと奪って投げ入れる。
甲高い音が鳴り響く中、腕を取られ、軽々と立ち上がらせられた。
「え、行くって……何処に、ですか?」
「服。オニーサンが、コーディネートしたげるからさ」
「今からですか?」
「明日でしょデート。間に合わないじゃん」
怒涛の展開に思考がついていかない。こっちが戸惑っている間も、柔らかい笑みを浮かべながら勝手に話を進めていってしまう。
「大丈夫、そんな高いところいかないし。なんならオレが奢ったげるよ。バイト代入って、懐があったかいんだよね」
「そんな、悪いですって!」
俺に拒否権はないらしい。いーからいーから、と手を握り、腕を引いてさっさと歩き始めてしまった。
何だか……抵抗する気すら湧いてこなくなってきたな。というか、何を言っても何やかんやと上手く丸め込まれてしまいそうだ。
諦めて大人しく続くことにしたものの、方向が違う気がする。
「先輩何処に行くんですか?」
「駅前のショッピングモール」
「反対方向ですよ?」
「まーまーいいからいいから」
尋ねる前より疑問が深まってしまった。とはいえ、先輩が俺の手を離さない以上ついて行くしかない。
そのまま歩いていると見慣れた建物が。俺の寮とほぼ同じ見た目をした、3年生の寮に辿り着く。
「ここ、先輩達の寮ですよね?」
小さく頷き、寮の入口で立ち止まる。ちょっと待ってて、と言い残しさっさと中へ入ってしまった。
寮の前にポツンと取り残されたまま、待つこと数分。
「お待たせ、シュンちゃん。はいこれ」
「へ? おわっ」
黒革のグローブを着けた先輩が帰ってきた。手に持ったハーフタイプのヘルメットを、俺にすぽんっと被せてくる。
黒を基調とし、真ん中に橙色の太いラインとその両サイドには白の細い線が入ったデザインだ。同じものを先輩も着けている。
慣れた手つきでベルトを顎の下で調整し、締めてくれた。
「よしっ、オッケー」
「いや、だから、何がオッケーなんですか?」
またしても、スルー。ヘルメット越しに頭をぽんぽんしてから、再び俺の手を引いて歩きだす。
向かった駐車場の端には黒いバイク。ようやく分かった。俺を側で待たせ、颯爽と跨がりエンジンをかける。
外装がないんだろうか? エンジンが剥き出しだ。メーカーのロゴとタイヤの中心部分がオレンジ色で、いいアクセントになっている。カッコいい。
先輩が手招きして、後ろのシートを叩く。
バイクとか初めてなんだけど……恐る恐る後ろに跨がると腕を掴まれた。先輩の腰に回すように誘導される。
「よしっ行くよ! オレにしっかり掴まっててね?」
けたたましい音を立て、ゆっくりバイクが動き出す。思わず、回した腕に力を込めた。
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