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服を選んでもらっただけなのに、幼なじみの機嫌を損ねてしまったんだが?
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勢いよくこっちを向いた精悍な顔が、不機嫌そうに歪む。男らしい眉をしかめながら俺を見つめる赤い瞳は、なんだか咎めているように鋭かった。
何か怒られるような要素、あったっけ?
自分の発言を振り返ってみたが、よく分からない。だったら、取り敢えず、ことのいきさつだけでも説明すべきだろう。
「いやー……恥ずかしい話なんだけど。おしゃれしていこうとしたら服がなくてさ。困ってたら、先輩が見立ててくれたんだ」
ホントに昨日たまたま先輩に会えたから良かったものの。俺一人だったら、結局いつも通りの格好でデートに臨んでしまっていただろう。
感謝してもしきれない。今度先輩に会ったら、お気に入りのいつものジュース奢ろう。
「……先輩が、ってのは引っ掛かるけどよ。俺の為に、してきてくれたってことでいいんだよな」
良かった。もう、怒ってないみたいだ。先程より、いくぶんか表情の和らいだダンが俺に尋ねた。
「うん、だってデートだし」
「……そっか、今日はデートだもんな」
噛みしめるように繰り返す。その表情にはいつものカッコよくて可愛い笑顔が戻っていた。
「じゃあ、行こうぜ! ところで相棒、昼飯もう食ったか?」
差し出された、ひと回り大きな手を握って歩きだす。
「まだ、ダンは?」
「俺も、シュンは食べたいのあるか?」
「うーん……ハンバーグとか?」
「いいな! 地下街に美味い洋食屋さんがあるから、そこ行こうぜ!」
足取り軽く、真っ青な空の下へと繰り出す。降り注ぐ柔らかい日差しが、隣を歩くダンの真っ赤な短髪を鮮やかに照らした。
◇
重たいドアを開けると済んだ鈴の音が鳴る。昼時ということもあって店内は、見渡す限り人人々。満員御礼って感じだ。
運良く、ちょうど空いた二人掛けのテーブル席へ案内してもらい、メニューを受け取る。
「俺、照り焼きハンバーグセット。ダンは?」
見開きにでかでかと載った、艷やかなソースを纏うハンバーグに見事に釣られたのだ。釣られたんだが。
「ビーフシチューハンバーグセット」
メニュー表を俺に向け、指し示す指の先。茶色と生クリームのコントラストが、柔かそうな角切りのお肉とジューシーなハンバーグのコラボレーションが、何とも魅力的だ。そそられてしまう。
「あー……それも美味しそう」
「一口やるから心配すんな」
分かっていたと言わんばかりに、ダンが口の端を持ち上げる。いつものあの笑顔だ。しょうがねぇなぁシュンは……って時の呆れたような、擽ったそうな笑顔。
「やった! 俺のもダンにあげるよ」
ありがとな、と笑みを深める。注文してからしばらくすると、鉄板にのったハンバーグが俺達の前に運ばれた。
黒い鉄板の上で肉汁が踊り、ソースが音を立てて弾ける。
早速一緒にいただきますをしてから、紙ナフキンを膝にかける。ふっくらまん丸のハンバーグを、ナイフで一口サイズに切り分けてから口に運んだ。
「あっち!」
「おいおい、少しは学習しろよ。大丈夫か?」
「うん。めちゃ美味い」
「良かったな。ほら、あーん」
何か怒られるような要素、あったっけ?
自分の発言を振り返ってみたが、よく分からない。だったら、取り敢えず、ことのいきさつだけでも説明すべきだろう。
「いやー……恥ずかしい話なんだけど。おしゃれしていこうとしたら服がなくてさ。困ってたら、先輩が見立ててくれたんだ」
ホントに昨日たまたま先輩に会えたから良かったものの。俺一人だったら、結局いつも通りの格好でデートに臨んでしまっていただろう。
感謝してもしきれない。今度先輩に会ったら、お気に入りのいつものジュース奢ろう。
「……先輩が、ってのは引っ掛かるけどよ。俺の為に、してきてくれたってことでいいんだよな」
良かった。もう、怒ってないみたいだ。先程より、いくぶんか表情の和らいだダンが俺に尋ねた。
「うん、だってデートだし」
「……そっか、今日はデートだもんな」
噛みしめるように繰り返す。その表情にはいつものカッコよくて可愛い笑顔が戻っていた。
「じゃあ、行こうぜ! ところで相棒、昼飯もう食ったか?」
差し出された、ひと回り大きな手を握って歩きだす。
「まだ、ダンは?」
「俺も、シュンは食べたいのあるか?」
「うーん……ハンバーグとか?」
「いいな! 地下街に美味い洋食屋さんがあるから、そこ行こうぜ!」
足取り軽く、真っ青な空の下へと繰り出す。降り注ぐ柔らかい日差しが、隣を歩くダンの真っ赤な短髪を鮮やかに照らした。
◇
重たいドアを開けると済んだ鈴の音が鳴る。昼時ということもあって店内は、見渡す限り人人々。満員御礼って感じだ。
運良く、ちょうど空いた二人掛けのテーブル席へ案内してもらい、メニューを受け取る。
「俺、照り焼きハンバーグセット。ダンは?」
見開きにでかでかと載った、艷やかなソースを纏うハンバーグに見事に釣られたのだ。釣られたんだが。
「ビーフシチューハンバーグセット」
メニュー表を俺に向け、指し示す指の先。茶色と生クリームのコントラストが、柔かそうな角切りのお肉とジューシーなハンバーグのコラボレーションが、何とも魅力的だ。そそられてしまう。
「あー……それも美味しそう」
「一口やるから心配すんな」
分かっていたと言わんばかりに、ダンが口の端を持ち上げる。いつものあの笑顔だ。しょうがねぇなぁシュンは……って時の呆れたような、擽ったそうな笑顔。
「やった! 俺のもダンにあげるよ」
ありがとな、と笑みを深める。注文してからしばらくすると、鉄板にのったハンバーグが俺達の前に運ばれた。
黒い鉄板の上で肉汁が踊り、ソースが音を立てて弾ける。
早速一緒にいただきますをしてから、紙ナフキンを膝にかける。ふっくらまん丸のハンバーグを、ナイフで一口サイズに切り分けてから口に運んだ。
「あっち!」
「おいおい、少しは学習しろよ。大丈夫か?」
「うん。めちゃ美味い」
「良かったな。ほら、あーん」
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