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三年生交流行事
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「皆さんおはようございます。本日は天気にも恵まれて絶好の登山日和となりました。Bクラスの皆さんは先輩方と二人一組のペアを組んで山頂を目指してもらいます」
薄茶色の髪の壮年の男性が、朝礼台の上に立って出発前の挨拶を始めた。
「先輩とよりも相棒とペア組みたかったぜ」
「何言ってんだよ。それじゃあ意味ないだろ? 三年生との交流行事なのに」
黒地に赤いラインの入った軍服を着た俺達は、クラスメイトと列を作って並んでいる。今日は学園の裏にある山を登るため、運動用の軍服をあらかじめ着用してからの登校となった。
隣にいるダンが俺の肩に腕を回してため息を吐く。
「分かってっけどさぁ……シュンは俺とペア組むの嫌なのかよ」
「いや、俺もダンと一緒だと嬉しいけど、仕方ないだろ」
「へへっそっか。まぁ今回は我慢するか」
機嫌を直してくれたみたいだ。拗ねたように尖らせていた口を満足そうに綻ばせ、無邪気に頬を擦り寄せてくる。
多少は慣れてきたけれど……勘弁して欲しい。嬉しいし、可愛いんだけどさ。
「えーそこ、私語は慎むように! 仲がいいのは大変良いことですが、今はちゃんと並びなさい」
目が合った。完全に俺達のことだ。慌てて離れるも周りからクスクス笑う声が聞こえた。
「……ダンのせいで怒られただろっ」
「……ごめんって」
声を潜めて前を向いたまま、ダンを肘でつつくと小声で俺に平謝りしてくる。
先生がオッホンとわざとらしく咳払いをしたので、今度こそ俺達は口をつぐんだ。
「えー本日登るのは比較的なだらかな山ですが、年に数件ほど魔獣の目撃情報があります。各自魔除けの鈴を忘れずに身に着けてください」
魔獣か……要するに熊が出るかもしれないから気を付けろってことだろうか。
「10組ずつ三つのルートに別れて登ります。私は一足先に山頂に向かいますが、それぞれの中間地点に先生方が二人待機してるので何か有ったときはすぐに報告、相談してください」
示す先には6人の先生が立っていた。その中にはグレイ先生もいる。先生は俺と目が合うと口元を緩めてウィンクしてくれた。
「では手元の番号を確認してください。同じ番号を持つ三年生と一緒に、かかれた数字の番号順に出発してください。では解散!」
挨拶が終わると周囲がざわつき始め、皆思い思いに動き始める。
「相棒は何番目なんだ? 俺は17番」
ダンが後ろから抱きつき、覗き込んでくる。太い腕がすっぽり俺を包み込み、男らしい手がおへその辺りに重ねられた。
「30番」
「大分離れてんな……てか一番最後じゃねーか!」
「11から20までがBだから、ルートも別々だな」
俺の肩に顎をのせたまま、がっくりとうなだれる。あからさまにガッカリしてる。離れて歩くんだから、番号近くても、ルートが一緒でも結局会えないのにな。まぁ、俺も心細くはあるけれど。
「しょうがねーな……山頂で待ってるから昼飯一緒に食べようぜ」
「ちなみに今日のおかずは?」
「からあげ」
「よしっ! 速攻で追い付くわ」
「朝っぱらからお熱いねーお二人さん。妬けちゃうなーオレ」
薄茶色の髪の壮年の男性が、朝礼台の上に立って出発前の挨拶を始めた。
「先輩とよりも相棒とペア組みたかったぜ」
「何言ってんだよ。それじゃあ意味ないだろ? 三年生との交流行事なのに」
黒地に赤いラインの入った軍服を着た俺達は、クラスメイトと列を作って並んでいる。今日は学園の裏にある山を登るため、運動用の軍服をあらかじめ着用してからの登校となった。
隣にいるダンが俺の肩に腕を回してため息を吐く。
「分かってっけどさぁ……シュンは俺とペア組むの嫌なのかよ」
「いや、俺もダンと一緒だと嬉しいけど、仕方ないだろ」
「へへっそっか。まぁ今回は我慢するか」
機嫌を直してくれたみたいだ。拗ねたように尖らせていた口を満足そうに綻ばせ、無邪気に頬を擦り寄せてくる。
多少は慣れてきたけれど……勘弁して欲しい。嬉しいし、可愛いんだけどさ。
「えーそこ、私語は慎むように! 仲がいいのは大変良いことですが、今はちゃんと並びなさい」
目が合った。完全に俺達のことだ。慌てて離れるも周りからクスクス笑う声が聞こえた。
「……ダンのせいで怒られただろっ」
「……ごめんって」
声を潜めて前を向いたまま、ダンを肘でつつくと小声で俺に平謝りしてくる。
先生がオッホンとわざとらしく咳払いをしたので、今度こそ俺達は口をつぐんだ。
「えー本日登るのは比較的なだらかな山ですが、年に数件ほど魔獣の目撃情報があります。各自魔除けの鈴を忘れずに身に着けてください」
魔獣か……要するに熊が出るかもしれないから気を付けろってことだろうか。
「10組ずつ三つのルートに別れて登ります。私は一足先に山頂に向かいますが、それぞれの中間地点に先生方が二人待機してるので何か有ったときはすぐに報告、相談してください」
示す先には6人の先生が立っていた。その中にはグレイ先生もいる。先生は俺と目が合うと口元を緩めてウィンクしてくれた。
「では手元の番号を確認してください。同じ番号を持つ三年生と一緒に、かかれた数字の番号順に出発してください。では解散!」
挨拶が終わると周囲がざわつき始め、皆思い思いに動き始める。
「相棒は何番目なんだ? 俺は17番」
ダンが後ろから抱きつき、覗き込んでくる。太い腕がすっぽり俺を包み込み、男らしい手がおへその辺りに重ねられた。
「30番」
「大分離れてんな……てか一番最後じゃねーか!」
「11から20までがBだから、ルートも別々だな」
俺の肩に顎をのせたまま、がっくりとうなだれる。あからさまにガッカリしてる。離れて歩くんだから、番号近くても、ルートが一緒でも結局会えないのにな。まぁ、俺も心細くはあるけれど。
「しょうがねーな……山頂で待ってるから昼飯一緒に食べようぜ」
「ちなみに今日のおかずは?」
「からあげ」
「よしっ! 速攻で追い付くわ」
「朝っぱらからお熱いねーお二人さん。妬けちゃうなーオレ」
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