【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ

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ソレイユ先輩からキスされた上に宣戦布告されてしまったんだが?

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 ゆらりと伸びてきたしなやかな指が俺の顎を持ち上げる。緩やかな弧を描いた唇が俺の口の端にそっと触れた。

「……サルフ達とならともかく、オレみたいなのにこーゆーことされたくないでしょ?」

 顎から指を離して輪郭をなぞるように撫でてから笑う。その微笑みは何だかとても寂しそうに見えた。

「……ごめんなさい」

「いーのいーの分かってくれたらそれで……」

 切り替わるみたいにぱっといつもの人の良さそうな笑顔に戻っていく。先輩は俺を優しく抱き起こすと頭をぽんっと軽く撫でた。

「いや、そうじゃなくて……その、俺、嫌じゃない、みたいです……」

 嫌じゃないどころか、ちょっと残念に思ったくらいだ……唇じゃないんだなって。

 自分でも分かるくらいに顔が熱い。鼓動もさっきからひっちゃかめっちゃかだ。ドキドキし過ぎておかしくなってしまいそう。

 なんかまともに見れそうになくて、俺は顔ごと目を背けた。

「いやいや、なにそれ反則でしょ……サルフになんて説明すんだよオレ……」

 ぶつぶつとひとりごちていた声がふと聞こえなくなる。急に俺の両肩が大きな手にガシリと掴まれた。

 相手は勿論ソレイユ先輩だった。思わず背けていた顔を戻すと橙色の瞳がひたむきに俺を見つめている。

「キミがそーゆーつもりならオレ、もう我慢しないから」

「先輩?」

 それは、さっきの優しいものとはかけ離れた強引な口づけだった。そっと俺の頬に手を添え、噛みつくみたいに勢いよく重ねられたんだ。

 なのに、さっきよりもドキドキしてしまっていた。嬉しいなって思っていた。

「んっ……せんぱ、い」

「オレを本気にさせたこと……後悔しても、もう遅いからね?」

 先輩の指先が俺の唇をなぞっていく。赤い舌を覗かせ自分の唇を舐めてから妖艶に微笑んだ。

「あぅ……お、お手柔らかにお願いします……」

「大丈夫。オレってこー見えて紳士だからゆっくり優しく落としてあげるね」

 落とすって……どういうことだ? 全くもって分からないけれど、何故か俺は受け入れるみたいに頷いていた。オレンジの瞳が満足そうににっこり微笑む。

 ちょっとぬるくなっちゃったけど、とジュースを返されたけど。今の俺には味もましてや温度なんて分かるハズもなかった。



 気が付くと俺は白い世界にぽつんと立っていた。

 ソレイユ先輩に部屋まで送ってもらったのは覚えている。その後ひどい眠気に襲われたのも。そのままベッドに沈んで……ということはこれは夢か?

 成る程、これが噂の明晰夢ってやつか……ってなんか前にもこんなことがあった気がするな。

「良かったシュン。また会えたね!」

 俺が不思議に思っていると茶色の髪の青年がにこにこ笑いながら俺に抱きついてきた。

「ライ……?」
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