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思い出した、大事な友達
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沈みかけていた目の前が、突然明るくなったみたいだ。
「出来るんですか!?」
弾かれるように顔を上げた俺に、セレストさんはいつものように何てことないみたいに口の端を持ち上げ、胸を張った。
「ふっ、私くらいの術者なら造作もないことだ。あぁ、勿論普通の魔術だから安心したまえ」
代償も副作用も何もないよ、と得意満面の笑みで言い放つ。
じゃあお願いします、と頼むよりも早くダン達を押し退け、俺のおでこに自分の額を重ねてきた。
驚く間もなく、淡く輝き出した水色の光が俺達を包み込む。俺の頭に知らない映像が流れ込んできた。
……誰だろう? 茶色い髪の青年が満面の笑みで俺に飛び付いてくる。
場面が切り替わり、同じ青年が今度は泣きそうな顔で俺を見つめている。
また、変わった。俺と彼が楽しそうに笑い合っている。
彼と会うのは、いつも同じ場所みたいだ。真っ白な……まるで、この現実じゃないみたいな幻想的な場所……
まただ。今にも泣きそうな顔で笑う彼。ひび割れて、崩れていく白い世界。
『……ずっと大好きだよ。僕の大切な、たった一人の友達』
俺の伸ばした腕が、彼に届かず空を切った。
「ラ、イ……思い出した……俺、ライを助けないとっ! 大事な友達なんだ!」
「もしかして……そのライ君が、私達が探し出そうとしていた術者かい?」
グレイ先生の言葉に頷くとダンが苦々しげに吐き捨てた。
「そいつのせいでお前寝たきりになってたんだぞ!? なんで助ける必要があんだよ!」
「違うっ! ライは悪くない! だって知らなかったんだ……それに俺を喚んだせいでライは……」
「ダンくんも、シュンちゃんも落ち着いてよ……オレもう嫌だよ……せっかくシュンちゃんが目を覚ましたのに……」
俺達の服の裾をソレイユ先輩が弱々しく引いてくる。涙に濡れたオレンジに、震えるか細い声に、サッと熱が冷めていく。胃がきゅっと重くなっていく。
居た堪れなくなったのはダンも同じらしい。唇を噛み締め、瞳を伏せていたんだから。
「……ソルの言う通りだ。シュン、俺達にも分かるように順を追って説明して欲しい。どうするかは、その後に決めればいいだろう。ダンもそれでいいな?」
サルファー先輩が俺達の背中を優しく叩きながら諭すように言った。
そう、だよな……説明不足にも程がある。皆にちゃんと話さないと。ライのことを、彼がしたことを。
「……はい、ごめんなさい。サルファー先輩、ソレイユ先輩……ダンもごめん、心配してくれてるのに、俺……」
「いや、俺の方こそ……ちゃんと聞きもせずに悪かった、ごめんな……先輩達もすみませんでした」
「話はまとまったようだね。全く……ろくに食事を取ってないから気が立つのだよ! シュン君も食べられる物でいいから少しはお腹に入れなさい。話はその後ゆっくり聞こう」
「出来るんですか!?」
弾かれるように顔を上げた俺に、セレストさんはいつものように何てことないみたいに口の端を持ち上げ、胸を張った。
「ふっ、私くらいの術者なら造作もないことだ。あぁ、勿論普通の魔術だから安心したまえ」
代償も副作用も何もないよ、と得意満面の笑みで言い放つ。
じゃあお願いします、と頼むよりも早くダン達を押し退け、俺のおでこに自分の額を重ねてきた。
驚く間もなく、淡く輝き出した水色の光が俺達を包み込む。俺の頭に知らない映像が流れ込んできた。
……誰だろう? 茶色い髪の青年が満面の笑みで俺に飛び付いてくる。
場面が切り替わり、同じ青年が今度は泣きそうな顔で俺を見つめている。
また、変わった。俺と彼が楽しそうに笑い合っている。
彼と会うのは、いつも同じ場所みたいだ。真っ白な……まるで、この現実じゃないみたいな幻想的な場所……
まただ。今にも泣きそうな顔で笑う彼。ひび割れて、崩れていく白い世界。
『……ずっと大好きだよ。僕の大切な、たった一人の友達』
俺の伸ばした腕が、彼に届かず空を切った。
「ラ、イ……思い出した……俺、ライを助けないとっ! 大事な友達なんだ!」
「もしかして……そのライ君が、私達が探し出そうとしていた術者かい?」
グレイ先生の言葉に頷くとダンが苦々しげに吐き捨てた。
「そいつのせいでお前寝たきりになってたんだぞ!? なんで助ける必要があんだよ!」
「違うっ! ライは悪くない! だって知らなかったんだ……それに俺を喚んだせいでライは……」
「ダンくんも、シュンちゃんも落ち着いてよ……オレもう嫌だよ……せっかくシュンちゃんが目を覚ましたのに……」
俺達の服の裾をソレイユ先輩が弱々しく引いてくる。涙に濡れたオレンジに、震えるか細い声に、サッと熱が冷めていく。胃がきゅっと重くなっていく。
居た堪れなくなったのはダンも同じらしい。唇を噛み締め、瞳を伏せていたんだから。
「……ソルの言う通りだ。シュン、俺達にも分かるように順を追って説明して欲しい。どうするかは、その後に決めればいいだろう。ダンもそれでいいな?」
サルファー先輩が俺達の背中を優しく叩きながら諭すように言った。
そう、だよな……説明不足にも程がある。皆にちゃんと話さないと。ライのことを、彼がしたことを。
「……はい、ごめんなさい。サルファー先輩、ソレイユ先輩……ダンもごめん、心配してくれてるのに、俺……」
「いや、俺の方こそ……ちゃんと聞きもせずに悪かった、ごめんな……先輩達もすみませんでした」
「話はまとまったようだね。全く……ろくに食事を取ってないから気が立つのだよ! シュン君も食べられる物でいいから少しはお腹に入れなさい。話はその後ゆっくり聞こう」
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