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俺が知っているようで、知らない世界
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「シュンは何処に住んでるんだ? もう遅いし、家まで俺が送ろう」
「あぁ、俺、寮生なんで大丈夫ですよ。すぐそこですし」
「そうか俺と一緒だな。じゃあ、せめて部屋まで送らせてくれないか? その……先程のこともあるから心配なんだ……頼む」
まだ、自分のせいで俺を巻き込んでしまったと思っているのかな? 俺は全然気にしていないのに……むしろ守ってもらったのに。
先輩が優し過ぎて心配になってくるな。いや、俺のこと心配してくれているのは凄く嬉しいんだけれども。
「じゃあ、お言葉に甘えてお願いします」
「いいのか? よしっ! じゃあ、すぐ着替えてくるからここで待っていてくれ!」
俺の言葉にぱっと顔を輝かせた先輩が、猛スピードで練習場の奥へと駆けていく。
みるみる小さくなっていく先輩の背中を眺めていると、不意に今日の出来事がぽこぽこと頭の中で浮かんできた。
……この世界に来てから驚きの連続だな。そもそも、ゲームの世界にいるってだけでも十分な驚きなのに。
しかし、これは本当に俺の知っているゲームの世界なんだろうか?
ダンやグレイ先生、サルファー先輩、攻略対象達はゲームの通りのキャラだった。が、明らかに俺の知らないイベントが多すぎる。
それに、ただの自惚れかも知れないが……三人とも俺に対して好感度が高過ぎないか? 何か、妙に積極的というかス、キンシップが激しいというか……
いや嬉しいけども! むしろ役得ですけど!!
まー……分からないことを、うだうだ考えても仕方がないか。一応、大筋はゲーム通りなんだし……何とかなるだろう多分。
「お待たせ。さあ帰ろうか?」
大きな手がスッと俺の前に差し出される。制服に着替えた先輩が、いつの間にか俺の前に立っていた。
……爽やかだ。茜色に染まった黄色の髪がキラキラ輝いて。笑顔も夕日に負けないくらい眩しくて。まさに、青春の1ページといった感じだ。
神がかったカッコよさにすっかり見惚れ、おずおずとしか伸ばせずにいた俺の手が、ひょいっと取られ、ベンチから引っ張り上げられる。
思いがけない力にバランスを崩してしまう。ぐらりと傾いた俺の身体は、そのまま先輩の胸に向かってダイブした。ポフンと音を立てながら、分厚い胸板が俺の顔面を受け止める。
「おっと悪い。強く引っ張り過ぎたな」
さして気にすることもなく先輩は俺を抱き留めてくれたが、俺にそんな余裕はない。
目の前に好きな人の雄っぱいが有るんだぞ! これが冷静にいられるか!!
……と、いかん。早く退かないと行けないのに……俺の欲望がゴネてしまっている。このままずっと埋もれていたい、と。
「す、すみません……」
理性を総動員させ、何とか先輩の雄っぱいの誘惑に打ち勝つことが出来た。
「いや気にするな。急に引っ張った俺が悪かったしな。じゃあ行こうか」
繋いだ手はそのままに、寮への道を俺達は歩き出した。
「あぁ、俺、寮生なんで大丈夫ですよ。すぐそこですし」
「そうか俺と一緒だな。じゃあ、せめて部屋まで送らせてくれないか? その……先程のこともあるから心配なんだ……頼む」
まだ、自分のせいで俺を巻き込んでしまったと思っているのかな? 俺は全然気にしていないのに……むしろ守ってもらったのに。
先輩が優し過ぎて心配になってくるな。いや、俺のこと心配してくれているのは凄く嬉しいんだけれども。
「じゃあ、お言葉に甘えてお願いします」
「いいのか? よしっ! じゃあ、すぐ着替えてくるからここで待っていてくれ!」
俺の言葉にぱっと顔を輝かせた先輩が、猛スピードで練習場の奥へと駆けていく。
みるみる小さくなっていく先輩の背中を眺めていると、不意に今日の出来事がぽこぽこと頭の中で浮かんできた。
……この世界に来てから驚きの連続だな。そもそも、ゲームの世界にいるってだけでも十分な驚きなのに。
しかし、これは本当に俺の知っているゲームの世界なんだろうか?
ダンやグレイ先生、サルファー先輩、攻略対象達はゲームの通りのキャラだった。が、明らかに俺の知らないイベントが多すぎる。
それに、ただの自惚れかも知れないが……三人とも俺に対して好感度が高過ぎないか? 何か、妙に積極的というかス、キンシップが激しいというか……
いや嬉しいけども! むしろ役得ですけど!!
まー……分からないことを、うだうだ考えても仕方がないか。一応、大筋はゲーム通りなんだし……何とかなるだろう多分。
「お待たせ。さあ帰ろうか?」
大きな手がスッと俺の前に差し出される。制服に着替えた先輩が、いつの間にか俺の前に立っていた。
……爽やかだ。茜色に染まった黄色の髪がキラキラ輝いて。笑顔も夕日に負けないくらい眩しくて。まさに、青春の1ページといった感じだ。
神がかったカッコよさにすっかり見惚れ、おずおずとしか伸ばせずにいた俺の手が、ひょいっと取られ、ベンチから引っ張り上げられる。
思いがけない力にバランスを崩してしまう。ぐらりと傾いた俺の身体は、そのまま先輩の胸に向かってダイブした。ポフンと音を立てながら、分厚い胸板が俺の顔面を受け止める。
「おっと悪い。強く引っ張り過ぎたな」
さして気にすることもなく先輩は俺を抱き留めてくれたが、俺にそんな余裕はない。
目の前に好きな人の雄っぱいが有るんだぞ! これが冷静にいられるか!!
……と、いかん。早く退かないと行けないのに……俺の欲望がゴネてしまっている。このままずっと埋もれていたい、と。
「す、すみません……」
理性を総動員させ、何とか先輩の雄っぱいの誘惑に打ち勝つことが出来た。
「いや気にするな。急に引っ張った俺が悪かったしな。じゃあ行こうか」
繋いだ手はそのままに、寮への道を俺達は歩き出した。
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