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やはり、夢ではないらしい
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軽快な電子音が枕元で鳴り響く。
手探りで音源を探り当てると見慣れたスマホの画面が起床時間を知らせていた。
アラームを切り、寝ぼけた頭で周囲を見回す。まだ見慣れていない部屋の様相が、言外に昨日の事は夢ではなかったのだと俺に告げてくる。
……取り敢えずは、と顔を洗うために洗面台に立つ。
「やっぱり、夢じゃなかったのか……」
鏡には俺をベースに2次元化したような、黒髪黒目の男が映っていた。
「部屋もそうだが……この顔にも、まだ慣れないな」
気を取り直して、顔を洗って、歯を磨く。少しさっぱりしたことで、ぼやけた思考がクリアになっていく。
とにもかくにも腹が減っては何とやら、だ。ぐーぐー訴える腹の虫を黙らせるべく準備を、パンをトースターに突っ込んで、冷蔵庫から牛乳を取り出しコップに注ぐ。
「案外、現代と変わらないというか……単純に現代にゲームのファンタジー要素をくっつけただけ……って感じだな」
周りの景色や、出会う人はゲームの世界そのもの。なのに何故か、スマホや冷蔵庫の様な家電製品が普通にある。おまけに通帳には俺一人で暮らすには十分な預金が有るっていう……まさに至れり尽くせりだ。
最初はどうなることかと不安に思ったが、とりあえずは問題なくこの世界で生きていけそうだ。
何だか都合が良すぎる気もするが……考えても埒が明かないだろう。神様からの思し召しだとでも思っておくことにしよう。
チンっとこ気味いい音で知らせてくれたトースターから、こんがり焼けたパンを取り出し、一口かじる。
美味い。やっぱり朝はパンだよな。和食も良いけど、ご飯炊くの面倒だし。ましてや、料理経験が家庭科の授業位しかない俺にとって、やれ味噌汁だの焼き魚だのは無理ゲーもいいところだ。
あー……誰か俺のために毎日ご飯作ってくれないかなー……
雄っぱいの大きいイケメンならなをよし。いや、それこそ無理ゲーだな。
パンを牛乳で流し込み、冷蔵庫に常備してあるコンビニのサラダチキンにかぶりつく。コンビニは手軽に美味しいものが手に入るから、俺みたいなものぐさには非常に有難い存在だ。
栄養バランスとか耳が痛い問題には、野菜ジュースやサプリを飲んで目をそらす。一日に必要な栄養素は取れてるはずだからさ、何も問題は無いだろう。多分。
自分に謎の言い訳をしながら食事を終え、制服に着替えていると来客を知らせるチャイムが鳴った。
慌ててネクタイを結び、髪を手ぐしで整えてから扉を開ければ、案の定ダンが満面の笑みで立っていた。
「おはよう相棒! 迎えにきたぜ!」
眩しい笑顔に体の疲れが一気に吹き飛ぶ。
やっぱり推しの笑顔が、俺にとっての一番の栄養なんだよなー……今日も頑張れそうです。ありがとうございます。
「おいおいシュン、ネクタイ曲がってるぞ。髪も寝癖ついてるし……しょうがないなぁ」
ゴツい手が俺のネクタイを素早く結び直す。続けてポケットから櫛を取り出して、俺の髪をせっせと整えていく。
「よしっこれで完璧だ! ほんっと、俺がいないとダメだよなー、シュンは。まぁ、寝癖のついた相棒も可愛いけどな!」
……何これ? 新婚さんかな? 朝っぱらから刺激が強すぎるんですが? 推しのどや顔可愛い。尊い。
唐突なときめきイベントにハートが鷲掴みにされたどころか、一発ノックダウンされてしまった。そんな、ぼけーっと突っ立っている俺を、さぁいくぞ、と大きな手が引っ張っていく。
半ば引きずられるような形で学園を目指し、ダンと一緒に歩き出す。
ようやく、ばっくばくにはしゃいでいた心臓が落ち着き始めた頃、誰かの手が俺の左肩を優しく叩いた。
「おはようシュン。調子はどうだ?」
手探りで音源を探り当てると見慣れたスマホの画面が起床時間を知らせていた。
アラームを切り、寝ぼけた頭で周囲を見回す。まだ見慣れていない部屋の様相が、言外に昨日の事は夢ではなかったのだと俺に告げてくる。
……取り敢えずは、と顔を洗うために洗面台に立つ。
「やっぱり、夢じゃなかったのか……」
鏡には俺をベースに2次元化したような、黒髪黒目の男が映っていた。
「部屋もそうだが……この顔にも、まだ慣れないな」
気を取り直して、顔を洗って、歯を磨く。少しさっぱりしたことで、ぼやけた思考がクリアになっていく。
とにもかくにも腹が減っては何とやら、だ。ぐーぐー訴える腹の虫を黙らせるべく準備を、パンをトースターに突っ込んで、冷蔵庫から牛乳を取り出しコップに注ぐ。
「案外、現代と変わらないというか……単純に現代にゲームのファンタジー要素をくっつけただけ……って感じだな」
周りの景色や、出会う人はゲームの世界そのもの。なのに何故か、スマホや冷蔵庫の様な家電製品が普通にある。おまけに通帳には俺一人で暮らすには十分な預金が有るっていう……まさに至れり尽くせりだ。
最初はどうなることかと不安に思ったが、とりあえずは問題なくこの世界で生きていけそうだ。
何だか都合が良すぎる気もするが……考えても埒が明かないだろう。神様からの思し召しだとでも思っておくことにしよう。
チンっとこ気味いい音で知らせてくれたトースターから、こんがり焼けたパンを取り出し、一口かじる。
美味い。やっぱり朝はパンだよな。和食も良いけど、ご飯炊くの面倒だし。ましてや、料理経験が家庭科の授業位しかない俺にとって、やれ味噌汁だの焼き魚だのは無理ゲーもいいところだ。
あー……誰か俺のために毎日ご飯作ってくれないかなー……
雄っぱいの大きいイケメンならなをよし。いや、それこそ無理ゲーだな。
パンを牛乳で流し込み、冷蔵庫に常備してあるコンビニのサラダチキンにかぶりつく。コンビニは手軽に美味しいものが手に入るから、俺みたいなものぐさには非常に有難い存在だ。
栄養バランスとか耳が痛い問題には、野菜ジュースやサプリを飲んで目をそらす。一日に必要な栄養素は取れてるはずだからさ、何も問題は無いだろう。多分。
自分に謎の言い訳をしながら食事を終え、制服に着替えていると来客を知らせるチャイムが鳴った。
慌ててネクタイを結び、髪を手ぐしで整えてから扉を開ければ、案の定ダンが満面の笑みで立っていた。
「おはよう相棒! 迎えにきたぜ!」
眩しい笑顔に体の疲れが一気に吹き飛ぶ。
やっぱり推しの笑顔が、俺にとっての一番の栄養なんだよなー……今日も頑張れそうです。ありがとうございます。
「おいおいシュン、ネクタイ曲がってるぞ。髪も寝癖ついてるし……しょうがないなぁ」
ゴツい手が俺のネクタイを素早く結び直す。続けてポケットから櫛を取り出して、俺の髪をせっせと整えていく。
「よしっこれで完璧だ! ほんっと、俺がいないとダメだよなー、シュンは。まぁ、寝癖のついた相棒も可愛いけどな!」
……何これ? 新婚さんかな? 朝っぱらから刺激が強すぎるんですが? 推しのどや顔可愛い。尊い。
唐突なときめきイベントにハートが鷲掴みにされたどころか、一発ノックダウンされてしまった。そんな、ぼけーっと突っ立っている俺を、さぁいくぞ、と大きな手が引っ張っていく。
半ば引きずられるような形で学園を目指し、ダンと一緒に歩き出す。
ようやく、ばっくばくにはしゃいでいた心臓が落ち着き始めた頃、誰かの手が俺の左肩を優しく叩いた。
「おはようシュン。調子はどうだ?」
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