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何やら、幼なじみと先輩の様子がおかしいんだが?
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……一体どういう状況なんだこれは。
右側で歩くダンは俺の肩に腕を回し、隙あらば俺を自分の方に引き寄せようとする。かたや先輩はというと、俺の腰に腕を回してダンの動きを牽制している。
普段の俺だったら両手に花、いや両手に雄っぱいとか最高だ! とか諸手を挙げて喜ぶところだが……正直、二人の様子が普段と違いすぎて素直に喜べない。
……本当にどうしたんだ? 二人ともずっと無言だし。これじゃあ、まるで連行されてるみたいだぞ。
「なぁ、相棒。昨日の埋め合わせなんだけどよ、今日の放課後でもいいか?」
「えっ? あ、あぁ……別に、大丈夫だけど……本当に何もないぞ? 俺の部屋」
「……シュンの部屋だから意味があるんだよ……それに明日は実力テストがあるだろ? 一緒にテスト勉強しようぜ!」
最初の方は声が小さく聞き取りづらかったが、勉強に関しては大賛成だ。実力テストには、魔力の実技テストもあったはずだからな。ダンに教えてもらっておいた方がいいだろう。
……なんせ、魔力のまの字も知らないんだからな。俺、この世界の人間じゃないし。
「いいよ、俺も助かるし。実技テストが……ちょっと不安なんだ」
「シュンは昔から魔力の操作が苦手だったよな。仕方ねぇなー……俺がばっちり教えてやるからよ! そのかわり、数学は頼んだぞ」
「分かった。じゃあ、放課後に」
「シュン、昨日の事なんだが」
俺達の会話に突如、先輩が割り込んでくる。
「君さえ良ければ、正式に剣術部に入らないか? 君は筋がいいから、きっと強くなれるはずだ。それに、筋力を鍛えれば魔力の操作も上達しやすいだろう? もちろん、最後まで俺がしっかりサポートするよ」
俺が口を挟む余地もなく、トントン拍子に話が進んでいく。
でも、まぁ確かに先輩の言う通りだ。この世界で筋肉は正義なのだから、鍛えておくに超したことはないだろう。推しが直々にとあれば、断る理由なんて有る訳がない。
「あ、ありがとうございます。えっと……じゃあ、まずは体験入部って形でもいいですか?」
「あぁ、もちろんそれで構わないよ。明日はテストで疲れているだろうから……明後日の放課後からでどうかな?」
「俺は大丈夫ですけど……先輩はいいんですか? 俺の都合に合わせてしまって」
「俺が好きでやっていることだから、シュンが気にすることはないよ」
そう言って、優しく微笑みかけてくれる。流石の威力だ。花が咲くような笑顔に自然と心臓が高鳴ってしまう。
「先輩っ、俺の相棒を、むやみに誑かさないでくれませんか?」
「うわっ」
不意に、肩に回されている太い腕に力が込められた。真っ赤な瞳を鋭く細め、先輩を睨みつけるダンの視線からは、ありありと敵意に近い何かが伝わってくる。
……ダン、怒ってる……よな? 絶対。でも、何でだろう? 今の先輩との会話の流れで、イラッとくる箇所なんか有ったか? 無いよな?
あと、たぶらかすって……何だ? 俺、ただ先輩に剣術部に誘われただけだよな?
「確かに、俺はシュンに対して特別な好意を抱いてはいるが……決して誑かしてなどいないよ」
「おわっ」
今度は腰に回された方の腕が力を込め、俺を引き寄せようとする。見上げれば、また先輩が……あの笑っているようで笑っていない微笑みを、ダンに向かって浮かべていた。
何か今、さらっとすごいことを告白された気がするな。しかし、今そんなことを気にしてる余裕は、俺にはない。
右側で歩くダンは俺の肩に腕を回し、隙あらば俺を自分の方に引き寄せようとする。かたや先輩はというと、俺の腰に腕を回してダンの動きを牽制している。
普段の俺だったら両手に花、いや両手に雄っぱいとか最高だ! とか諸手を挙げて喜ぶところだが……正直、二人の様子が普段と違いすぎて素直に喜べない。
……本当にどうしたんだ? 二人ともずっと無言だし。これじゃあ、まるで連行されてるみたいだぞ。
「なぁ、相棒。昨日の埋め合わせなんだけどよ、今日の放課後でもいいか?」
「えっ? あ、あぁ……別に、大丈夫だけど……本当に何もないぞ? 俺の部屋」
「……シュンの部屋だから意味があるんだよ……それに明日は実力テストがあるだろ? 一緒にテスト勉強しようぜ!」
最初の方は声が小さく聞き取りづらかったが、勉強に関しては大賛成だ。実力テストには、魔力の実技テストもあったはずだからな。ダンに教えてもらっておいた方がいいだろう。
……なんせ、魔力のまの字も知らないんだからな。俺、この世界の人間じゃないし。
「いいよ、俺も助かるし。実技テストが……ちょっと不安なんだ」
「シュンは昔から魔力の操作が苦手だったよな。仕方ねぇなー……俺がばっちり教えてやるからよ! そのかわり、数学は頼んだぞ」
「分かった。じゃあ、放課後に」
「シュン、昨日の事なんだが」
俺達の会話に突如、先輩が割り込んでくる。
「君さえ良ければ、正式に剣術部に入らないか? 君は筋がいいから、きっと強くなれるはずだ。それに、筋力を鍛えれば魔力の操作も上達しやすいだろう? もちろん、最後まで俺がしっかりサポートするよ」
俺が口を挟む余地もなく、トントン拍子に話が進んでいく。
でも、まぁ確かに先輩の言う通りだ。この世界で筋肉は正義なのだから、鍛えておくに超したことはないだろう。推しが直々にとあれば、断る理由なんて有る訳がない。
「あ、ありがとうございます。えっと……じゃあ、まずは体験入部って形でもいいですか?」
「あぁ、もちろんそれで構わないよ。明日はテストで疲れているだろうから……明後日の放課後からでどうかな?」
「俺は大丈夫ですけど……先輩はいいんですか? 俺の都合に合わせてしまって」
「俺が好きでやっていることだから、シュンが気にすることはないよ」
そう言って、優しく微笑みかけてくれる。流石の威力だ。花が咲くような笑顔に自然と心臓が高鳴ってしまう。
「先輩っ、俺の相棒を、むやみに誑かさないでくれませんか?」
「うわっ」
不意に、肩に回されている太い腕に力が込められた。真っ赤な瞳を鋭く細め、先輩を睨みつけるダンの視線からは、ありありと敵意に近い何かが伝わってくる。
……ダン、怒ってる……よな? 絶対。でも、何でだろう? 今の先輩との会話の流れで、イラッとくる箇所なんか有ったか? 無いよな?
あと、たぶらかすって……何だ? 俺、ただ先輩に剣術部に誘われただけだよな?
「確かに、俺はシュンに対して特別な好意を抱いてはいるが……決して誑かしてなどいないよ」
「おわっ」
今度は腰に回された方の腕が力を込め、俺を引き寄せようとする。見上げれば、また先輩が……あの笑っているようで笑っていない微笑みを、ダンに向かって浮かべていた。
何か今、さらっとすごいことを告白された気がするな。しかし、今そんなことを気にしてる余裕は、俺にはない。
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