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やはり、何事も、地道にコツコツが正解らしい
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「助かったぜ相棒! じゃあ、次は俺がシュンに教える番だな!」
スペースを確保すべく、俺達は各々の勉強道具を片付け、ローテーブルを壁際に寄せると向かい合って座った。
「よろしくお願いします! ダン先生!」
苦手な座学を終えたからだろうな。得意げに白い歯を見せるダンは上機嫌だ。
「おう、任せろ! 俺が教えるんだから、大船に乗ったつもりでいろよな!」
握り拳で力強く、筋肉に覆われた分厚い胸を叩いてから、意気揚々と魔術の教科書を開く。
「まず、知っていると思うが……魔力の強さは筋力で決まる。けどな、単純に体を鍛えれば全部解決するわけじゃない。まぁ、ないよりは有る方が良いに決まってるけどな!」
俺にも見えるように示した先には、何やら事細かく……力の流れがどうだとか、細胞がうんちゃらとかが、生物学的な画像つきで書かれている。
うーん……正直、さっぱりだ。ダンの言う通り、単純じゃあないんだろうなってことしか分からない。
でも、ダンはちゃんも分かっているんだろうな。ゲームの中でも、攻略対象達は皆、魔術に優れているって設定だし。
餅は餅屋だ、任せよう。とすっかり俺は、ダン先生の講義に耳を傾ける気でいたのだが。
「問題は力の使い方だ。こればっかしは、何回もやって感覚を覚えるしかねぇ。要は習うより慣れろってことだ!」
力強く言い放った彼の手により、甲高い音と共に教科書は閉じられた。
どうやら、彼は体当たりで教えてくれるタイプのようだ。理論からではなく、とにかくやってみようって方の。とっつきやすいのは助かるが。
「結局、出来るまでひたすら練習あるのみってわけか……」
「まぁ、でもコツなら教えられるし、出来るまで俺が付いてるから心配すんなよ! な?」
肩を落とす俺を元気づけるように、大きな手が背中を軽く叩く。
「……ありがとうダン。俺頑張るよ!」
せっかく推しが俺のために手伝ってくれてるんだ。しっかりしないとな!
「よし! その意気だ! じゃあ、まずは俺が手本を見せるからよく見ておけよ」
分厚い胸板の前で右手の人差し指を立てながら構え、集中するように瞳を伏せる。すると、人差し指の先に徐々に赤色の光の粒がキラキラと舞い始め、次第に大きな光となって瞬いた。
半透明な赤い光がまるで炎のように揺らめき、輝いて……とても綺麗だ。
「綺麗だな……まるで、ダンの瞳みたいだ」
赤い輝きに魅せられて、思わず呟いてしまっていた。その瞬間、さっきまで悠然と輝いていた光がびくりと跳ね、瞬く間に霧散していく。
「おい、相棒……急に変なこと言うなよな! びっくりしただろうが」
いかん、邪魔をしてしまった……せっかく推しが見本を見せてくれてたってのに。
スペースを確保すべく、俺達は各々の勉強道具を片付け、ローテーブルを壁際に寄せると向かい合って座った。
「よろしくお願いします! ダン先生!」
苦手な座学を終えたからだろうな。得意げに白い歯を見せるダンは上機嫌だ。
「おう、任せろ! 俺が教えるんだから、大船に乗ったつもりでいろよな!」
握り拳で力強く、筋肉に覆われた分厚い胸を叩いてから、意気揚々と魔術の教科書を開く。
「まず、知っていると思うが……魔力の強さは筋力で決まる。けどな、単純に体を鍛えれば全部解決するわけじゃない。まぁ、ないよりは有る方が良いに決まってるけどな!」
俺にも見えるように示した先には、何やら事細かく……力の流れがどうだとか、細胞がうんちゃらとかが、生物学的な画像つきで書かれている。
うーん……正直、さっぱりだ。ダンの言う通り、単純じゃあないんだろうなってことしか分からない。
でも、ダンはちゃんも分かっているんだろうな。ゲームの中でも、攻略対象達は皆、魔術に優れているって設定だし。
餅は餅屋だ、任せよう。とすっかり俺は、ダン先生の講義に耳を傾ける気でいたのだが。
「問題は力の使い方だ。こればっかしは、何回もやって感覚を覚えるしかねぇ。要は習うより慣れろってことだ!」
力強く言い放った彼の手により、甲高い音と共に教科書は閉じられた。
どうやら、彼は体当たりで教えてくれるタイプのようだ。理論からではなく、とにかくやってみようって方の。とっつきやすいのは助かるが。
「結局、出来るまでひたすら練習あるのみってわけか……」
「まぁ、でもコツなら教えられるし、出来るまで俺が付いてるから心配すんなよ! な?」
肩を落とす俺を元気づけるように、大きな手が背中を軽く叩く。
「……ありがとうダン。俺頑張るよ!」
せっかく推しが俺のために手伝ってくれてるんだ。しっかりしないとな!
「よし! その意気だ! じゃあ、まずは俺が手本を見せるからよく見ておけよ」
分厚い胸板の前で右手の人差し指を立てながら構え、集中するように瞳を伏せる。すると、人差し指の先に徐々に赤色の光の粒がキラキラと舞い始め、次第に大きな光となって瞬いた。
半透明な赤い光がまるで炎のように揺らめき、輝いて……とても綺麗だ。
「綺麗だな……まるで、ダンの瞳みたいだ」
赤い輝きに魅せられて、思わず呟いてしまっていた。その瞬間、さっきまで悠然と輝いていた光がびくりと跳ね、瞬く間に霧散していく。
「おい、相棒……急に変なこと言うなよな! びっくりしただろうが」
いかん、邪魔をしてしまった……せっかく推しが見本を見せてくれてたってのに。
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