【完結】テルの異世界転換紀?!転がり落ちたら世界が変わっていた。

カヨワイさつき

文字の大きさ
27 / 39

25、次期公爵

しおりを挟む
*フェニーチェ目線

私はハーフン家次期公爵とされるフェニーチェ 
(オレオールの1番上の兄)である。
我が愛しい妻と私の間に2人の子宝を授かり
そのうちの1人は、約1年と少し前
大きな高魔力の衝撃とともにこの世に
誕生したのだった。
学生時代からの友人で商人・商業ギルドの
副長ドゥペールが"趣味"で魔道具を
作ってくれたのだが、友人価格だとか
お祝いだとか言ってまともに魔道具代を
受け取ってはくれなかった。
薄情な事に友人の好みなどがわからず
無難なワインや冒険者ギルドづてに
珍しい魔石や魔道具に必要そうなモノを
プレゼントしていた。
ドゥペールのおかげ、恐れていた
魔力暴走も起きず4歳になる長男とともに
すくすく成長している。
1歳を過ぎたあたりから目も髪色も
変わり始め黒っぽくなっていった。
闇の色。
ドゥペールが作った娘の為の魔道具、
その魔道具が作り上げる魔石は娘の
溢れた出た魔力を吸って闇属性の魔石に
なっていた。
娘が誕生した時、この国フェーリス国と
モジェ王国に高魔力の衝撃が走ったのだった。
公爵邸に強力な防御壁と娘を中心に
認識阻害の魔法をかけていた。

娘が生まれた時あまりの高魔力に驚き
ご先祖様が作ったとされる
魔道具で魔力と属性を調べると闇属性が
強く出たのだった。
よほどの事がない限り5歳で教会などで
属性や魔力を調べるのだが聖属性は教会、
闇属性は国に親元から引き離され
教会か国管理で教育されるのだった。
みんなが皆そうしていたから、仕方なく
子どもを手放さなければならないと
わかっていても5歳になってしまったら
娘が国に取られてしまう。
娘を手放したくない。
聖属性、闇属性、特殊な属性を持つ者を
確保し保護する名目だが、機密性が高く
どうやって生活しているのかはわからない。
悪い考えしか思い浮かばず、娘を
国には渡したくない、娘と離れたくないなど
そう考えていたら毎日どうしたらいいかも
分からず、娘の側から離れるのが惜しくなっていた。
公爵邸から出る事が極端に少なくなってしまった。
こんな事なら、娘の中から闇属性自体
無くなればいいのにとか、
欲しいやつにこの力くれてやりたい、
希少価値のある属性だと言われてるが
我が子には必要ない魔法属性だ、消えてしまえと
汚い言葉ばかり吐きそうになっていた。

父母は珍しく言い争い?をしていたかと
思えば翌日の夕刻から母はどこかに
出かけてしまったようだった。
父をともわないで夜会か?
あの万年新婚夫婦がまさかの浮気?と
思ったが母が出てから一刻もしないうちに
戻ってきた。だが、使用人も慌ただしくなり
珍しくざわついていた。
1歳を過ぎたレイラはそわそわし
なぜか嬉しそうにしていた。

客人が来ているので朝食はいつもより
大きなダイニングルームでとる
予定だったらしいが客人のうち1人は
昨夜から体調不良との事でまだ
部屋で休んでいるそうだ。
他の2人も貴族のマナーを知らないとか
もう1人の客人の体調を気にしてか
それぞれ部屋食になった。
昼前に顔合せをしたが、かなり
インパクトある2人だった。
初めて見る獣人族?から抑えているだろうが
かなりの魔力を感じた。
2人は父が捜査していたドワーフ族の
秘蔵っ子"テル様"の手がかりをつかみたくて
マモノのお店ハキダメに通っていたそうだ。
母は、こっそりじゃなく堂々と
調べたらいいとの事で、お店のママと会話し
捜査協力まで取り付けてきたのだった。
そして、お店の開店時間中、お店には
まだ出してないマモノのお店ハキダメの
秘蔵っ子扱いの"テル様"が何らかで
倒れたらしく、それを耳にした母が
強引に連れてきたそうだ。
お店のママと従業員、そしてお店の
秘蔵っ子"テル様"。
この秘蔵っ子"テル様"の魔力も
なかなかのモノだった。
お店のママと従業員は一度店に戻り
他の従業員に指示を出してくるそうだ。
お店の秘蔵っ子"テル様"はこのまま
預かるそうだ。
確かに可愛い子だが人族のわりには
かなりの高魔力、なんらかの混じりモノなのか?

「可愛い子ね。本当に女の子みたいね。」
「えっ?!」
「あらやだ。あなたまさか気づいて無かったの?」
「……いや、お…んなの子にしては
髪が短いとかズボンを履いていたとか
報告あったが……。」
「ふふっ、あのお店に出たら間違いなく
かなりの人気出そうね。」
「……。」
マモノはお店ハキダメ、ハゲミママとやらも
かなりのインパクトだが従業員もかなり
"マモノ"だと父が言っていた。
男にしか見えないが普通のお店では
ないのだろうか?
お酒も食事も美味しいらしいが
値段もそれなりに高いらしい。
「私にはよくわからないな。」
私の最愛である妻のマリーは
いつも以上にキレイで愛らしく笑った。

客人2人がお店に戻りしばらくした頃
父は書斎、母は以前からの約束での
茶会に出席していた。
時間に余裕があるのは引きこもり気味の
私だけだった。
最愛の積まれたマリーと子どもたちは
お昼寝などで席を外していた。
まだ気づかないお客人の部屋の窓辺で
ティーテーブルで簡単な書き物や
最低限の仕事をしていた。
「……。」
「また俺は……捨てられた、の?」
「?!」
この子は捨てられたのか?
ハーフ、混血児は両方の種族から
疎(うと)まれやすく、運が良ければ
孤児院、そうでなければ奴隷として
生きていく事が多いのが現状だった。
「……価値ない……殺して……。」
「……なぜ……生きてるの?」
この子に何が起きてしまったのかは
わからないが、涙を流しながら
うわ言を言う少女のような少年の頭を
撫で続けてしまっていた。
「………。」
再び落ち着いたのか、深く
ねむったようだった。
どれくらいの時間が経ったのかは
わからなかったが、いつのまにか
ティーテーブルに小さなクッキーと
紅茶が湯気を立てていた。
無言で頭を下げている執事が
静かに部屋を出て行った。
気配を感じたのだろうか?
視線を感じた方を向くと艶がある黒髪に
黒い瞳がこちらを見ていた。
「……オ、オレオール?!」
「……。」
この子はオレオールを知っているのか?
どういう知り合いだ?
我が弟に浮いた話しもなく、母が
仕掛けたお見合いもスルッとかわしたり
騎士としての仕事優先していた。
私のように最愛の妻と幸せな家庭を
築いてほしいが……。
「……幸せか。」
レイラの魔力は……。
1歳を過ぎてから一言二言と言葉が増え
4歳の長男と楽しげにおしゃべりしている。
「カ、カリカリメーラ?カリ、ニフタ?」
そうそう、こんな感じだ。
レイラと同じような発音で
"おはよう"と"おやすみ"と聞こえた。
「……プッ。」
我が子よりは大きい"子ども"だが
国が違うのか顔立ちも骨格自体
ちがうようだ。
妻に言われるまで男の子だと気づかなかった。
たどたどしく呟いたあと、寂しげな
黒い瞳は再び閉じられ寝息をたてていた。

オレオール、我が堅物で不器用な弟を知る
マモノのお店ハキダメの秘蔵っ子"テル様"。
久々に弟を呼び寄せようと思い、ペンを持った。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。

はやしかわともえ
BL
のんびり書いていきます。 2023.04.03 閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m お待たせしています。 お待ちくださると幸いです。 2023.04.15 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m 更新頻度が遅く、申し訳ないです。 今月中には完結できたらと思っています。 2023.04.17 完結しました。 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます! すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。

この僕が、いろんな人に詰め寄られまくって困ってます!〜まだ無自覚編〜

小屋瀬
BL
〜まだ無自覚編〜のあらすじ アニメ・漫画ヲタクの主人公、薄井 凌(うすい りょう)と、幼なじみの金持ち息子の悠斗(ゆうと)、ストーカー気質の天才少年の遊佐(ゆさ)。そしていつもだるーんとしてる担任の幸崎(さいざき)teacher。 主にこれらのメンバーで構成される相関図激ヤバ案件のBL物語。 他にも天才遊佐の事が好きな科学者だったり、悠斗Loveの悠斗の実の兄だったりと個性豊かな人達が出てくるよ☆ 〜自覚編〜 のあらすじ(書く予定) アニメ・漫画をこよなく愛し、スポーツ万能、頭も良い、ヲタク男子&陽キャな主人公、薄井 凌(うすい りょう)には、とある悩みがある。 それは、何人かの同性の人たちに好意を寄せられていることに気づいてしまったからである。 ーーーーーーーーーーーーーーーーー 【超重要】 ☆まず、主人公が各キャラからの好意を自覚するまでの間、結構な文字数がかかると思います。(まぁ、「自覚する前」ということを踏まえて呼んでくだせぇ) また、自覚した後、今まで通りの頻度で物語を書くかどうかは気分次第です。(だって書くの疲れるんだもん) ですので、それでもいいよって方や、気長に待つよって方、どうぞどうぞ、読んでってくだせぇな! (まぁ「長編」設定してますもん。) ・女性キャラが出てくることがありますが、主人公との恋愛には発展しません。 ・突然そういうシーンが出てくることがあります。ご了承ください。 ・気分にもよりますが、3日に1回は新しい話を更新します(3日以内に投稿されない場合もあります。まぁ、そこは善処します。(その時はまた近況ボード等でお知らせすると思います。))。

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~

朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」 普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。 史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。 その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。 外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。 いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。 領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。 彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。 やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。 無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。 (この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)

異世界召喚チート騎士は竜姫に一生の愛を誓う

はやしかわともえ
BL
11月BL大賞用小説です。 主人公がチート。 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。 励みになります。 ※完結次第一挙公開。

【完結】父を探して異世界転生したら男なのに歌姫になってしまったっぽい

御堂あゆこ
BL
超人気芸能人として活躍していた男主人公が、痴情のもつれで、女性に刺され、死んでしまう。 生前の行いから、地獄行き確定と思われたが、閻魔様の気まぐれで、異世界転生することになる。 地獄行き回避の条件は、同じ世界に転生した父親を探し出し、罪を償うことだった。 転生した主人公は、仲間の助けを得ながら、父を探して旅をし、成長していく。 ※含まれる要素 異世界転生、男主人公、ファンタジー、ブロマンス、BL的な表現、恋愛 ※小説家になろうに重複投稿しています

この俺が正ヒロインとして殿方に求愛されるわけがない!

ゆずまめ鯉
BL
五歳の頃の授業中、頭に衝撃を受けたことから、自分が、前世の妹が遊んでいた乙女ゲームの世界にいることに気づいてしまったニエル・ガルフィオン。 ニエルの外見はどこからどう見ても金髪碧眼の美少年。しかもヒロインとはくっつかないモブキャラだったので、伯爵家次男として悠々自適に暮らそうとしていた。 これなら異性にもモテると信じて疑わなかった。 ところが、正ヒロインであるイリーナと結ばれるはずのチート級メインキャラであるユージン・アイアンズが熱心に構うのは、モブで攻略対象外のニエルで……!? ユージン・アイアンズ(19)×ニエル・ガルフィオン(19) 公爵家嫡男と伯爵家次男の同い年BLです。

聖女の兄で、すみません!

たっぷりチョコ
BL
聖女として呼ばれた妹の代わりに異世界に召喚されてしまった、古河大矢(こがだいや)。 三ヶ月経たないと元の場所に還れないと言われ、素直に待つことに。 そんな暇してる大矢に興味を持った次期国王となる第一王子が話しかけてきて・・・。 BL。ラブコメ異世界ファンタジー。

処理中です...