異世界に来ちゃったよ!?

いがむり

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プロローグ

(1)プロローグ

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番号235番。これが私の名前。幼い頃の記憶はない。親も兄弟も分からない。ただ私がいるこのファクトリーではそういう子どもたちを預かって"普通"の暮らしをさせている。

「おねーちゃん、あそぼ」

「あそぼあそぼ」

ここには私より幼い子どもたちが大勢いる。もしかしたら私が最年長かもしれない。

「うん、遊ぼうね」

今日は鬼ごっこをして遊ぶらしい。いつも通り私が鬼だ。

「始めるよ。いーち、にーい、さーん…」

子ども達はファクトリーの中を縦横無尽に走り回る。白衣の女性の前を通るが女性は子どもの足が速すぎて全く気づいていない。私と子どもたち以外は少し風が吹いただけにしか思えないらしい。

「…じゅう。よし、捕まえちゃうよ」

私は視界を閉ざして、集中する。ぼんやりとした青いもやがちらほら見えてきた。

これは私だけが持つ能力らしい。教会のシスターが言うには【魂の可視化】だって驚いてた。

あ、鬼ごっこに戻らなきゃ。1番近くの男の子にしよう。草陰の中に隠れて蹲っているみたい。私は音をたてずにその前にきた。お尻が少し見える。頭隠して尻隠さずとはこのことだね。

「みーつけた」

私は草陰の中に手を突っ込んで男の子を抱き上げた。男の子は振り向くと、驚いた顔のまま固まってしまった。

「どうしたの?」





少年は振り向くと、陽の光を背にした彼女の白銀の髪が彼女の透明感を引き出し、更には彼女の持つブルーサファイアのような蒼い瞳も合わさって神秘的な姿に見えた。あまりの美しさに少年はしばらくフリーズ状態になってしまったのだ。





「大丈夫?」

「……………………………うん、大丈夫」

私は男の子の頭を撫でる。すると今度は顔が真っ赤になった。頭から湯気が出そうなほど。

「き、君……本当に大丈─」

「235番、時間ですよ」

白衣のシスター1人が呼びに来た。もうそんな時間かぁ。

「はぁい」

私は男の子を下ろして「次の鬼はお願いね」と言ってからシスターの方に向かった。






「うん………」

少年は胸がチクチクするのを我慢して、彼女の後ろ姿をじっと見つめていた。







そしてこれが彼女の最期だと……ファクトリーの誰も知らなかった。
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