異世界に来ちゃったよ!?

いがむり

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第1章

(17)取り返そう!

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《くそっ、ソフィアがっ……!》

ソフィアを奪われて、数時間後。魔法がやっと解け、オーヴィが後を追ったが騎士団はすでに国に戻っていた。

〈あのとき……俺が人間どもにソフィアを見せなければ……!〉

『あれは、そなたのせいではない』

『スピーレ様!これからどうすれば……?』

『ソフィアを……連れ戻さないと…』

〈森の奴らもソフィアを心配している……〉

グライは声を低くして、

《わしが行く。この中で1番身軽じゃからのう》

『何を言うか!』

『そうよ!グライ様も私達の家族でしょ!』

『そうよ!』

今度はオーヴィが、

〈俺も行く、国が全勢力出してきたらグライだけでは歯が立たないだろ〉

『オーヴィ!お主まで……』

『『『『『スピーレサマ……ワタシタチモ……!』』』』』

『お前達……………』

『『スピーレ様!』』

スピーレも腹を括る。

『私も行こう……ソフィアを、家族を奪われて何もせぬ奴など、家族ではないからな!』







5日経ち、森の仲間達もソフィアのことを話すと加勢すると言い出した。

〈全く……ソフィアはみんなに愛されているようだな〉

《『まったくだ(じゃ)』》

このとき、森の中にいたソフィアを慕う魔物達全員に万能の神ヘラムントから強化魔法をかけられていたことに魔物達は気づいていない。

《では、行くかのお!》

〈ああ〉

『『行きましょう』』

『行こう』

『『『『『『ハイ……!』』』』』』

全ての魔物達が一斉に吠えた。

みんなの思いは……

『《〈『『ソフィアをとりかえす!』』〉》』

暫く向かっていると、

「((グライ、スピーレ、オーヴィ、みんな~))」

《〈『『『((ソフィア!!))』』』〉》

ソフィアが念話してきた。家族全員が反応する。

「((ど、どうしたのみんな?))」

《((どうしたもこうしたもないわい!!))》

オーヴィが今の状態を説明すると急に切れてしまった。

〈おっおい!ソフィア!〉

《切れてしもうたか……》

『『ソフィアが……!!』』

緊張感が高まる……










ベイフロー公国の門では……

「な……何だ、あれ?」

門番の1人が、大量の魔獣と精霊がこちらに向かっているのが遠くで見えた。

「ジャック隊長!緊急事態です!」

「んー?どうした?」

彼はベイフロー公国国営騎士5番隊隊長、ジャックリン・クリストファー。

「魔物と精霊の群れが……!」

「隊長!!」

「今度は何ー?」

「国王から緊急連絡です!森の魔物と精霊がこちらに向かってくるそうです!」

「なんで国王が知ってるんだ……?まあ、それはおいおい聞くとして……」

ジャックはペンダントを口に近づけ、

「第5番隊隊員に告ぐ!森の魔物がこちらに向かってくる!至急門を閉じ、襲ってきた魔物を討伐しろ!」

ペンダントは音声通信魔道具で、第6部隊がつい最近完成させたものである。

「第6部隊が開発してくれるおかげで伝達もこんなに早く済ませられるとは、世の中便利になったなぁ」

「そんなこと言ってる場合じゃないですよ、ジャック隊長」

「まあ、そうなんだけどー」

「それから国王様とエリック隊長もこちらにおいでになるようですよ」

「えー、ここに来るの?」

ジャックは壁にかけていた弓をとる。

「それなら、頑張らないとな!」







 
グライ達が門の1キロ手前まで来ると、門の周りに騎士達がいた。

《待つのじゃ……スピーレ》

『そうだな、私が言おう』

魔物達が止まると、スピーレが1歩前に出た。

『私達の家族を返して貰おう』 

騎士達がざわつく。

「家族?精霊のことか?」

「なんの事かさっぱりわからないぞ?」

騎士から1人前、ジャックが前に出る。

「家族は分からないが、もうすぐ国王が来る!暫くお待ちいただきたい!」

スピーレはグライに念話をする。 

『((どうする……暫く待ってみるか?))』

《((そうじゃな、警戒は怠らぬようにじゃが))》

意図を読みとって、全員に伝えた。






暫く待つと、また1人の男が騎士の前に出た。国王、サエモンドロだ。

「ベイフロー公国国王、サエモンドロである!家族はこちらで保護している!」

魔物達が唸る。

『今すぐ、返して貰おうか』

国王は、言葉を詰まらせる。ここで返してしまったら、フェアリーデイの存在が明らかになり、ソフィアや国を狙う者が出てくると危惧しているからだった。

「どうしたものか……」

「返しちゃったらいいんじゃないっすか?」

「そう簡単には行かぬのだ……」







その頃、ソフィアは……

「うーん、どうしよう……」

外には多分騎士さんがいるし、ここから出ないように言われたけど……

「みんな……かほごだからな…」

絶対ここまで来るかも……!?

外に出るには……

「ま……まど!」

そばまで近づいて手を伸ばすけど、この身長では届かない……

「ちょっとソファを……う、うごかない…」

私、力弱くなってる!どうしよう!

『ソフィア、ソフィア』

「……?」

どこからか声が聞こえる。見回して見るけど、誰もいない。

『今は声だけだ』

「あなたは、だあれ?」

『俺はアビラス、魔法の神だ』

「かみさま!わたし、そとに…かぞくのところにいかないといけないんです!」

『ああ、分かってる。今から空を飛ぶ魔法を教える。名前はフライ』

「フライ…わかりました!」

『よし、俺の言った通りに魔力を操作するんだ』

「はい…」

魔力を……出来るかな?

『大丈夫だ、ソフィアなら出来る。多分、シスターに習っているはずだからな』

「……わかりました!」

『いい返事だ。まずは自分の中心にある魔力を感じるんだ、契約したときみたいにな』

「うん」

目を瞑って、自分の中にある魔力……あった!

「できました!」

『いいぞ。次はその流れを血液が全体を流れるように…』

流れるように……

「できました」

『速っ……よし、それで背中の肩甲骨…とにかく天使の翼があるように魔力を流すんだ』

天使の翼…そういえば、男のシスター?が私の姿を描いてくれたな……なんか私の背中から翼が生えてたけど。あれを参考に……

バサァッ

「バサッ?」

『出来てるぞ』

目を開けると少し……浮いてる!!

パッと花の輪っかが頭に出来る。

『その花冠には強化魔法が付与してある。付けておくといい』

「ありがとうございます!」

すると、頭にグライ達のいる地図が浮かぶ。

『あとおまけだが…今グライ達がいる場所だ』

私のためにこんなに……!

「ありがとうございます!じゃあ、いってきます!」

私は窓を開けて、そこから外に出た。翼は私の思った通りに動いてくれてる。よし、これなら!

「まにあって!」

ソフィアが門の方へ飛ぶ様子を、多数の国民が天使の降臨だと思い込み、数ヵ月間騒ぎになることをソフィアは知らない。

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