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第4章 アルトラの受難編
第96話 リディア居候により出てきた重要な問題
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日も傾いてきたし、リディアを迎えに行くか。
あ、でもリディアを居候させるなら、オルシンジテンはどうすれば良いんだろう……?
オルシンジテンは作成以来、村人にすらひた隠しにしている、私の最重要機密事項だ。いくら同居人となるリディアでもバレるわけにはいかない。
再び一旦我が家に戻る。
しかし、リディアが居候するとなると、オルシンジテンはずっと屋根の上に逃げたままになっちゃうな。
魔力感知への対策はしてあるし、リディアに見つかる心配は無いと思うけど。
問題は……『経年劣化』。
今まで、私の中ではオルシンジテンは『経年劣化しないんじゃないか』と勝手に思い込んでいた。普通の動くことがない物体と違って部屋の中飛びまわってるし、埃が積もることもないから、埃による劣化をすることはないし、あまりダメージを受けてないんじゃないかと。
でも、それは今までほとんどの時間、家の中に居たからであって、今後ほとんどを外に居た場合はどうなるだろう?
ここは灼熱の大地だった影響は未だ残っていて、大分草木が生えるようになったとは言え、まだ砂ぼこりも舞っていたりする。
一応本の形を成しているから、もしかしたら陽の光で劣化していくかもしれない。表紙をハードカバーにしたから、もしかしたらヒビが入ってボロボロに崩れていくかもしれない。
ずっと雨ざらしだった場合はどうだろう? 私の付与した風雨を弾く機能はずっと大丈夫なんだろうか?
風雨を弾くとはいえ、表面が濡れないわけじゃないからカビとか生えてきそうだ。防カビしておくか?
風を受け続ければ、いくら風雨を弾くとは言っても、風化していくこともあるかもしれない。
この辺りは実際に年数経過してみないと結果がわからない。
だとしたら屋根の上に逃げる機能改め、亜空間へ逃げる機能にした方が良いんじゃないだろうか?
亜空間は時の流れが存在してないから、劣化することは無い。
保存するにはこれほど適した場所は無い。
と、ここまではオルシンジテンを『物』として考えていたらという話。
オルシンジテンは会話が出来る。
私が創り出した『物』だし、『物』に対してこう言ってはおかしいのかもしれないが、ちゃんとしゃべれて、会話が出来る存在を、私以外の他人 (主にリディア)が家に居る間、ずっと真っ暗で何も無い空間で過ごさせるってどうだろう?
オルシンジテン、精神病んじゃったりしないかしら?
日本には「物にも魂が宿る」っていう言葉もあるし、もしかしたら魂が入ってる可能性だって無い話ではないかもしれない。特にこの魔界は私のような死人が歩いて生活できるような世界だ。もしかしたら現世よりも魂が入っている可能性が高いかもしれない。
真っ暗な中にずっと居させるのは、何か可哀想な気がするのは私だけだろうか?
部屋の中で立ちっぱなしで思案を重ねていると、オルシンジテンが停止して何かやり始めた。
凄い勢いでバサバサと本を閉じたり開いたりしてる。
「何やってんだアレ?」
しばらく様子を見ていたところ、どうやら部屋の中の埃やゴミを、本を閉じたり開いたりする風圧で家の玄関付近に集めているらしい。
そして、器用にドアを開けて外に捨てている。
今までオルシンジテンの挙動を全く見てなかったのかな? ただ浮いて漂ってるだけだと思ってたけど、まさか部屋の掃除とかしてたとは……
作った当初は私が声をかけなければ動かなかったはずだけど……段々と自動的に何かやるようになってきている……
きっかけは、多分……私以外の誰かが来た時に『見つかる前に屋根の上に逃走する機能』を付けた辺りだろう。あの辺りから声をかけなくても勝手に動き出すようになった。
「………………」
もうこの際だから見た目ごと変えてしまおうか?
私は生物は作れないけど、物質として人の形を成し、それを動くように作ることは可能。実際生物的にあり得ない形のオルシンジテンが今まで動いて、しゃべってたわけだし。
作成する際にはロボットをイメージすると細かい部品とかまでイメージしないと動くようには作れないから、シンプルに人形にする。稼働部分は関節人形、表面はフィギュアをイメージすると美人さんに作れるかもしれない。私の魔力で動く人形。
表面とかも限りなく生物に近い見た目にしてしまえば、他の亜人に見られても滅多なことではバレないかもしれない。
何より、私がこの万能書物を連れて歩けるメリットは結構大きい。
アクアリヴィアから帰って来たばかりの今なら、村民にも「水の国で雇った」って答えれば一応は誤魔化せそうだ。
しかし、この『人を模した形にする』ということ。これには一つ問題がある。
それは…………私のこれまで築き上げてきた威厳が落ちる!
私より圧倒的物知りが登場したら、もう私はお払い箱なんじゃないだろうか?
もしオルシンジテンが私を差し置いて大活躍するようになったら――
『おい! アルトラぁ……これやっとけよ!』
『わかりました! へへぇ~』
『全くアルトラは愚図でノロマなんだから!』
『痛い! 物投げないでくだせぇ……』
何て――
…………想像が過ぎたな……そもそも私は物投げられた程度じゃ痛くない。
流石にこんな事態にはならないとは思うけど、少なくとも私の出番は大幅に減りそうだ。
でも、もしかしたらこの物語の主人公もオルシンジテンに盗られてしまうかも?
『書物転生? ~見た目が書物かと思ったら、いつの間にか人形に作り替えられて、ご主人様を差し置いて大活躍してしまいました~』
なんてタイトルに変わってしまうかもしれない……
いやいや、全部考え過ぎか……
これらも私が日本人だった頃の不安に考える癖かな。
そこは私を立ててくれるような命令を組み込めば良いだけの話じゃないか!
よし! 決めた!
あ、でもリディアを居候させるなら、オルシンジテンはどうすれば良いんだろう……?
オルシンジテンは作成以来、村人にすらひた隠しにしている、私の最重要機密事項だ。いくら同居人となるリディアでもバレるわけにはいかない。
再び一旦我が家に戻る。
しかし、リディアが居候するとなると、オルシンジテンはずっと屋根の上に逃げたままになっちゃうな。
魔力感知への対策はしてあるし、リディアに見つかる心配は無いと思うけど。
問題は……『経年劣化』。
今まで、私の中ではオルシンジテンは『経年劣化しないんじゃないか』と勝手に思い込んでいた。普通の動くことがない物体と違って部屋の中飛びまわってるし、埃が積もることもないから、埃による劣化をすることはないし、あまりダメージを受けてないんじゃないかと。
でも、それは今までほとんどの時間、家の中に居たからであって、今後ほとんどを外に居た場合はどうなるだろう?
ここは灼熱の大地だった影響は未だ残っていて、大分草木が生えるようになったとは言え、まだ砂ぼこりも舞っていたりする。
一応本の形を成しているから、もしかしたら陽の光で劣化していくかもしれない。表紙をハードカバーにしたから、もしかしたらヒビが入ってボロボロに崩れていくかもしれない。
ずっと雨ざらしだった場合はどうだろう? 私の付与した風雨を弾く機能はずっと大丈夫なんだろうか?
風雨を弾くとはいえ、表面が濡れないわけじゃないからカビとか生えてきそうだ。防カビしておくか?
風を受け続ければ、いくら風雨を弾くとは言っても、風化していくこともあるかもしれない。
この辺りは実際に年数経過してみないと結果がわからない。
だとしたら屋根の上に逃げる機能改め、亜空間へ逃げる機能にした方が良いんじゃないだろうか?
亜空間は時の流れが存在してないから、劣化することは無い。
保存するにはこれほど適した場所は無い。
と、ここまではオルシンジテンを『物』として考えていたらという話。
オルシンジテンは会話が出来る。
私が創り出した『物』だし、『物』に対してこう言ってはおかしいのかもしれないが、ちゃんとしゃべれて、会話が出来る存在を、私以外の他人 (主にリディア)が家に居る間、ずっと真っ暗で何も無い空間で過ごさせるってどうだろう?
オルシンジテン、精神病んじゃったりしないかしら?
日本には「物にも魂が宿る」っていう言葉もあるし、もしかしたら魂が入ってる可能性だって無い話ではないかもしれない。特にこの魔界は私のような死人が歩いて生活できるような世界だ。もしかしたら現世よりも魂が入っている可能性が高いかもしれない。
真っ暗な中にずっと居させるのは、何か可哀想な気がするのは私だけだろうか?
部屋の中で立ちっぱなしで思案を重ねていると、オルシンジテンが停止して何かやり始めた。
凄い勢いでバサバサと本を閉じたり開いたりしてる。
「何やってんだアレ?」
しばらく様子を見ていたところ、どうやら部屋の中の埃やゴミを、本を閉じたり開いたりする風圧で家の玄関付近に集めているらしい。
そして、器用にドアを開けて外に捨てている。
今までオルシンジテンの挙動を全く見てなかったのかな? ただ浮いて漂ってるだけだと思ってたけど、まさか部屋の掃除とかしてたとは……
作った当初は私が声をかけなければ動かなかったはずだけど……段々と自動的に何かやるようになってきている……
きっかけは、多分……私以外の誰かが来た時に『見つかる前に屋根の上に逃走する機能』を付けた辺りだろう。あの辺りから声をかけなくても勝手に動き出すようになった。
「………………」
もうこの際だから見た目ごと変えてしまおうか?
私は生物は作れないけど、物質として人の形を成し、それを動くように作ることは可能。実際生物的にあり得ない形のオルシンジテンが今まで動いて、しゃべってたわけだし。
作成する際にはロボットをイメージすると細かい部品とかまでイメージしないと動くようには作れないから、シンプルに人形にする。稼働部分は関節人形、表面はフィギュアをイメージすると美人さんに作れるかもしれない。私の魔力で動く人形。
表面とかも限りなく生物に近い見た目にしてしまえば、他の亜人に見られても滅多なことではバレないかもしれない。
何より、私がこの万能書物を連れて歩けるメリットは結構大きい。
アクアリヴィアから帰って来たばかりの今なら、村民にも「水の国で雇った」って答えれば一応は誤魔化せそうだ。
しかし、この『人を模した形にする』ということ。これには一つ問題がある。
それは…………私のこれまで築き上げてきた威厳が落ちる!
私より圧倒的物知りが登場したら、もう私はお払い箱なんじゃないだろうか?
もしオルシンジテンが私を差し置いて大活躍するようになったら――
『おい! アルトラぁ……これやっとけよ!』
『わかりました! へへぇ~』
『全くアルトラは愚図でノロマなんだから!』
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何て――
…………想像が過ぎたな……そもそも私は物投げられた程度じゃ痛くない。
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でも、もしかしたらこの物語の主人公もオルシンジテンに盗られてしまうかも?
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なんてタイトルに変わってしまうかもしれない……
いやいや、全部考え過ぎか……
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よし! 決めた!
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