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第7章 川完成編
第175話 村の名前が正式にアルトレリアになった!
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今度は私の出番だ。
急いで、舞台袖の簡易控え室へ行く。
通り過ぎる途中に色んな声が聞こえる。
「今日新しい村の名前に変わるんだろ?」
「遂にこの村にも正式な名前が付けられるのか」
「一体どんな名前になるのかしら?」
「ははは、変な名前じゃなけりゃ良いな」
控え室入りし、発表の段取りを確認。
◇
「準備が出来たようなので、村の新しい名前の発表に移りたいと思います。では、アルトラ様、新しい村の名前の発表をお願いします!」
私が舞台袖から檀上へ上る。
舞台中心まで進み、正面へ向かって一礼、左右に一礼ずつし、舞台の上に設置されている巻物の紐を握る。
「投票の結果、この村の正式な名前が決定致しました! 投票していただいた方々、ありがとうございました! 新しい村の名前決定委員会で吟味した結果、満場一致で――」
紐を引き、セキウンに書いてもらった、書を広げる。
「『アルトレリア』に決定致しました!」
「「「おお~~!!」」」
パチパチパチパチパチパチパチパチ
「え~、この村もそれなりに発展してきたので、それに伴って、『村』の呼称を『町』と呼ぶように改めたいと思います。今後は『アルトレリア町』、または略して『アルトレリア』などと呼ぶようになると思います。ここまで発展してこられたのも、皆さまのご尽力の賜物です。わたくし自身今後も町の発展に寄与し、より生活が豊かになるように努めてまいりたいと思います。今後ともよろしくお願い致します!」
パチパチパチパチパチパチパチパチ
「アルトレリアか!」
「中々良い名前じゃないか!」
「アルトラ様に寄せた名前なのか? 誰が投票したものだろうな?」
「でも、トロル村って呼称も馴染み深くなってたから、名前が変わるのは少し寂しくもあるな」
みなが思い思い口にする。
「アルトラ様ありがとうございました。さて、皆様、お待たせ致しました! 村の新しい名前も決定致しましたので、祝宴の席を設けさせていただきました! 村の住人全員が参加可能ですので、皆様存分にご賞味ください」
調理されていた品々が、次々と運ばれてくる。
食事に関しては、以前、ヨントス、ゴトス、ロクトス、ナナトスの四兄弟の生還兼、私の領主就任パーティーの時同様、各自取って食べるビュッフェスタイル。
(第40話参照)
ただし、あの当時とは並べられている料理の種類が比較にならない。
あの当時は、ガルムの肉とカトブレパスの肉のほぼ肉中心で、その他に少しの山菜しかないような状態だった。
しかし、今回は肉料理はもちろんのこと、魚料理、ご飯やパンなどの穀類、色とりどりのスープ、多種多様の野菜山菜、キノコ、フルーツ、果てはジュースやアイスなどの加工品、スイーツなどの甘味どころまで取り揃えられ、数は少ないものの酒も置いてある。潤いの木の実も完備。
ハンバームちゃん以下、食堂の従業員の人たちが頑張ってくれた。
ちなみに、ご飯やパン、酒類については、まだアクアリヴィアからの輸入品。魚は海のものではなく川魚。
酒の近くにはドワーフさんたちが既に陣取っている……
食器類も以前とは様変わりしている。以前は木を彫った手製の皿と木で出来たナイフやフォーク、皿が無い場合の間に合わせでただ木の皮を剥がして少し綺麗に整えただけのものだったりしたが、今回は陶器を使った皿、木製ではあるが使いやすく洗練されたナイフやフォークが大量に用意され、私の希望で箸までちゃんとある。と言うか、箸はもう既にそれなりに普及している。
木製のナイフやフォーク、箸は衛生面を考慮した上で用意された使い捨ての物。この後は燃やして灰が肥料になる。
料理を取り分け易いように木のトレイも用意してもらった。好みによって陶器の皿でも木のトレイでも自由に選んで使える。
飲み物用として紙コップも用意してもらった。これならグラスと違って片付けるのにさほど手間がかからない上に、大量に用意出来るため大勢の人が飲むことができる。これも使い捨てで後々肥料。
余談だが、金属製のナイフやフォークもまだ数は少ないながら家庭用として普及しつつある。
これらも鍛冶場や工房が出来、発展してきた賜物である。
「では、皆様お食事の用意が整ったようなので、アルトラ様、乾杯の音頭をお願いします」
「さて、お集まりいただいた皆様、いよいよお待ちかねのお食事の時間です。我が町の筆頭料理人であるハンバーム、そして食堂の従業員の方々が腕によりをかけて、本日の料理をご用意してくださいました! ありがたくいただくとしましょう! お手元の紙コップをお持ちください。私が『乾杯』と腕を上げる動作をしたら、同じ動作で復唱をお願いします」
参加者がコップを持つのを少し待つ。
みんな固唾を飲んで、私の音頭を待つ。
少し見回してみんなが準備できたのを確認し――
「それでは、皆様コップを手に持たれたようなので乾杯の音頭を取らせていただきます。新しい町への発展を祝い、そして今後の繁栄を願って、乾杯!」
「「「乾杯!」」」
ふぅ……これでこのイベントは粗方終わりね。
後は締めの挨拶くらいか。
◇
みんな思い思いパーティーを楽しむ。
リディアは、友達と一緒にあれやこれや食べてる……と見せかけて、相変わらず甘い物ばかりトレイに取っている。あなたは海の生物でしょ、目の前に魚がある、魚食え魚を!
ドワーフたちは酒しか飲んでない……彼らだけで今回用意された酒が無くなってしまう勢いだ……
アリサ、レイア、受付嬢三人、エルフィーレはカイベルを囲んで、ファッション談義に花を咲かせている。今回の巫女衣装について話をしているみたいだ。
一方で雑談の中から、どんな投票をしたかという話が聞こえてきたため聞き耳を立ててみる。
「お前、何か投票した?」
「俺か? 『アルトラ村』って書いて入れた」
「お前も? 俺も『アルトラ村』って書いた。お前は?」
「……『ガルムの村』」
「……何でガルム?」
「美味いじゃないか」
「あ~、そっちの意味でか! ガルムが名産ってことか!」
あ、『ガルムの村』の意図って、『ガルム (が名産)の村』ってことだったのね。
…………言うほど名産か?
確かによく食卓には上るけど。
「ナナトスは?」
「え? 俺っちッスか? いやぁ、考えたんスけど、思い付かなかったんで投票してないッスね」
などと言っているが、『ナナトス王国』は本人が投票したとしか思えない。
ちょっとからかってみるか。
他の人に聞こえないようにボソッと小声で話しかける。
「……『王国』、出来なくて残念だったね……」
「ななな、何でその名前を!? いや! な、何のことかわからないッスね!」
さっきのちんちくりんのお返しだ!
ついでに話の席に加わった。
「そ、それよりも、フレハルさんは何か投票したんスか?」
「我は……」
フレアハルトの視線がこちらへ泳いだ。
『フレアハルト帝国』がフレハルかレイアかどちらの投票なのかわからないが、とりあえず無言で圧力をかける。「こんな大勢のところでバラしたらアカンぞ」と……
ナナトスとカンナーは正体を知ってるから良いが、他に何人も周りにいるからここで言われたら正体を知られかねない。
「……じ、自分の名前で投票した」
「フレハルさんもッスか!?」
フレアハルトはこちらの意図を察してくれたのか、具体的な名前は伏せた。
しかし、投票した名前が村の名前になるってのに、普通自分の名前を付けて投票するかしら?
この二人が自己主張激しめなのかな?
「“も”? お主は投票していないのではないのか?」
「投票したようなしないような……」
「ハッキリせんな! そんなに恥ずかしい名前だったのか?」
「……まあ、俺っちが大成した時にお話するッスよ」
さて、その大成はいつになることやら……
いや、コミュニケーション能力が高い人は有能だから、もしかしたらすぐにでも頭角を現すかもしれないな。
「カンナーは?」
「僕ですか? 僕は……『アトマクド人X村』……」
「「「「………………」」」」
あれはカンナー考案だったのね。
「聞き慣れないがどういう意味だ?」
カンナーがその意味を説明する。
(第172話参照)
「おお! 異種族が共に支え合うようで素晴らしい名前ではないか!」
「それが良かったッスね!」
「そうかぁ? 聞き慣れなくて覚えにくいが……」
「言いにくくもあるな……」
賛否両論ね。
彼らがこの名前を付けた時の欠点に気付いてるかどうかを除けば。
「カンナー、その名前が村の名前になった時の欠点気付いてる?」
「欠点……ですか? 名前書いて投票しただけなのに欠点って何ですか?」
カンナーに住人や異種族が増えた時の欠点を説明する。
(第172話参照)
「「「「ああ~~確かに!」」」」
「異種族共栄ってところは素晴らしいんだけど、村の名前としてはちょっと惜しかったね」
「理由を聞いてみると……確かにそうですね……」
「考え方は良いことなんだから落ち込まないで!」
「そうですね! ありがとうございます!」
祝賀ムードの時は過ぎ――
◇
お昼時に始まったパーティーももう四時間近くが経ち、料理はほとんど無くなった。日も大分傾いて、冷えてきた。
役員と式典に列席する者以外は、基本的に自由参加のため、パーティーの締めくくりを待たずに帰った者も数多くいる。
フレアハルトと側近二人も寒いからともう既に帰った。
「さて、皆様、宴もたけなわではございますが、そろそろ日も傾いてきておりますので時間の都合上、この辺りでお開きとしたいと思います。本日は忙しい中お集まりいただき、本当にありがとうございました」
本来なら一本締めで終わりたいところだけど、多分誰も聞いちゃいないこの状態で説明するのが大変だ。
「それでは、運営スタッフの方々、食事を用意してくださった食堂の方々、式場・会場の準備をしてくださった方々、また並びに集まってお祝いしてくださった皆様方、お疲れ様でした。今後ともよろしくお願い致します。残った料理については、欲しい方は各自持ち帰ってお召し上がりください。撤去のスタッフの方々はこの後よろしくお願いします」
こうして、何とかトラブル無く、地鎮祭と新しい村の名前発表式典も終わりを告げた。
ヘパイトスさんは宣言通り、町の名前が決まった後にアクアリヴィアへと帰った。
その際、リナさんの時同様、宝石を贈った。
今回、宝石は茶オレンジがかったトパーズを選んだ。宝石の石の言葉の中に『悪いものを遠ざける』というような効果があるらしいため、それを魔力で増幅し、幸運の祈りと防御魔法を付与し、その宝石の近くにいると一日だけ周囲にも同じ効果があり、再接近で再び一日効果があるという魔法、そして紛失無効の魔法を込めて贈った。
これでヘパイトスさんの家族が物理的な危険からある程度守られる。
余談だけど……リディアに投票したかどうか聞いてみた。
「お菓子がもっと増えることを祈っテ、『おかしていこく』って書いて入れタ」
やっぱりあれはリディアだったか……
地球のイカもお菓子食べさせると、こんなにお菓子ばっかり所望するようになるのかしら?
それと、石階段でフレアハルトに懇願された寒さ対策。
後日、フレアハルトたち三人のセーターの付与魔法をパワーアップさせ、より寒さに強くなるようにした。
それと、家に居る間だけでも暖を取れるようにと、フレアハルトの借家に以前ケルベロスの犬小屋に施した、床暖房効果の魔法を付与した。
しかしこの時、私たちはまだまだ寒さの本番は遥か先であるということを知らなかった……
急いで、舞台袖の簡易控え室へ行く。
通り過ぎる途中に色んな声が聞こえる。
「今日新しい村の名前に変わるんだろ?」
「遂にこの村にも正式な名前が付けられるのか」
「一体どんな名前になるのかしら?」
「ははは、変な名前じゃなけりゃ良いな」
控え室入りし、発表の段取りを確認。
◇
「準備が出来たようなので、村の新しい名前の発表に移りたいと思います。では、アルトラ様、新しい村の名前の発表をお願いします!」
私が舞台袖から檀上へ上る。
舞台中心まで進み、正面へ向かって一礼、左右に一礼ずつし、舞台の上に設置されている巻物の紐を握る。
「投票の結果、この村の正式な名前が決定致しました! 投票していただいた方々、ありがとうございました! 新しい村の名前決定委員会で吟味した結果、満場一致で――」
紐を引き、セキウンに書いてもらった、書を広げる。
「『アルトレリア』に決定致しました!」
「「「おお~~!!」」」
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「え~、この村もそれなりに発展してきたので、それに伴って、『村』の呼称を『町』と呼ぶように改めたいと思います。今後は『アルトレリア町』、または略して『アルトレリア』などと呼ぶようになると思います。ここまで発展してこられたのも、皆さまのご尽力の賜物です。わたくし自身今後も町の発展に寄与し、より生活が豊かになるように努めてまいりたいと思います。今後ともよろしくお願い致します!」
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「アルトレリアか!」
「中々良い名前じゃないか!」
「アルトラ様に寄せた名前なのか? 誰が投票したものだろうな?」
「でも、トロル村って呼称も馴染み深くなってたから、名前が変わるのは少し寂しくもあるな」
みなが思い思い口にする。
「アルトラ様ありがとうございました。さて、皆様、お待たせ致しました! 村の新しい名前も決定致しましたので、祝宴の席を設けさせていただきました! 村の住人全員が参加可能ですので、皆様存分にご賞味ください」
調理されていた品々が、次々と運ばれてくる。
食事に関しては、以前、ヨントス、ゴトス、ロクトス、ナナトスの四兄弟の生還兼、私の領主就任パーティーの時同様、各自取って食べるビュッフェスタイル。
(第40話参照)
ただし、あの当時とは並べられている料理の種類が比較にならない。
あの当時は、ガルムの肉とカトブレパスの肉のほぼ肉中心で、その他に少しの山菜しかないような状態だった。
しかし、今回は肉料理はもちろんのこと、魚料理、ご飯やパンなどの穀類、色とりどりのスープ、多種多様の野菜山菜、キノコ、フルーツ、果てはジュースやアイスなどの加工品、スイーツなどの甘味どころまで取り揃えられ、数は少ないものの酒も置いてある。潤いの木の実も完備。
ハンバームちゃん以下、食堂の従業員の人たちが頑張ってくれた。
ちなみに、ご飯やパン、酒類については、まだアクアリヴィアからの輸入品。魚は海のものではなく川魚。
酒の近くにはドワーフさんたちが既に陣取っている……
食器類も以前とは様変わりしている。以前は木を彫った手製の皿と木で出来たナイフやフォーク、皿が無い場合の間に合わせでただ木の皮を剥がして少し綺麗に整えただけのものだったりしたが、今回は陶器を使った皿、木製ではあるが使いやすく洗練されたナイフやフォークが大量に用意され、私の希望で箸までちゃんとある。と言うか、箸はもう既にそれなりに普及している。
木製のナイフやフォーク、箸は衛生面を考慮した上で用意された使い捨ての物。この後は燃やして灰が肥料になる。
料理を取り分け易いように木のトレイも用意してもらった。好みによって陶器の皿でも木のトレイでも自由に選んで使える。
飲み物用として紙コップも用意してもらった。これならグラスと違って片付けるのにさほど手間がかからない上に、大量に用意出来るため大勢の人が飲むことができる。これも使い捨てで後々肥料。
余談だが、金属製のナイフやフォークもまだ数は少ないながら家庭用として普及しつつある。
これらも鍛冶場や工房が出来、発展してきた賜物である。
「では、皆様お食事の用意が整ったようなので、アルトラ様、乾杯の音頭をお願いします」
「さて、お集まりいただいた皆様、いよいよお待ちかねのお食事の時間です。我が町の筆頭料理人であるハンバーム、そして食堂の従業員の方々が腕によりをかけて、本日の料理をご用意してくださいました! ありがたくいただくとしましょう! お手元の紙コップをお持ちください。私が『乾杯』と腕を上げる動作をしたら、同じ動作で復唱をお願いします」
参加者がコップを持つのを少し待つ。
みんな固唾を飲んで、私の音頭を待つ。
少し見回してみんなが準備できたのを確認し――
「それでは、皆様コップを手に持たれたようなので乾杯の音頭を取らせていただきます。新しい町への発展を祝い、そして今後の繁栄を願って、乾杯!」
「「「乾杯!」」」
ふぅ……これでこのイベントは粗方終わりね。
後は締めの挨拶くらいか。
◇
みんな思い思いパーティーを楽しむ。
リディアは、友達と一緒にあれやこれや食べてる……と見せかけて、相変わらず甘い物ばかりトレイに取っている。あなたは海の生物でしょ、目の前に魚がある、魚食え魚を!
ドワーフたちは酒しか飲んでない……彼らだけで今回用意された酒が無くなってしまう勢いだ……
アリサ、レイア、受付嬢三人、エルフィーレはカイベルを囲んで、ファッション談義に花を咲かせている。今回の巫女衣装について話をしているみたいだ。
一方で雑談の中から、どんな投票をしたかという話が聞こえてきたため聞き耳を立ててみる。
「お前、何か投票した?」
「俺か? 『アルトラ村』って書いて入れた」
「お前も? 俺も『アルトラ村』って書いた。お前は?」
「……『ガルムの村』」
「……何でガルム?」
「美味いじゃないか」
「あ~、そっちの意味でか! ガルムが名産ってことか!」
あ、『ガルムの村』の意図って、『ガルム (が名産)の村』ってことだったのね。
…………言うほど名産か?
確かによく食卓には上るけど。
「ナナトスは?」
「え? 俺っちッスか? いやぁ、考えたんスけど、思い付かなかったんで投票してないッスね」
などと言っているが、『ナナトス王国』は本人が投票したとしか思えない。
ちょっとからかってみるか。
他の人に聞こえないようにボソッと小声で話しかける。
「……『王国』、出来なくて残念だったね……」
「ななな、何でその名前を!? いや! な、何のことかわからないッスね!」
さっきのちんちくりんのお返しだ!
ついでに話の席に加わった。
「そ、それよりも、フレハルさんは何か投票したんスか?」
「我は……」
フレアハルトの視線がこちらへ泳いだ。
『フレアハルト帝国』がフレハルかレイアかどちらの投票なのかわからないが、とりあえず無言で圧力をかける。「こんな大勢のところでバラしたらアカンぞ」と……
ナナトスとカンナーは正体を知ってるから良いが、他に何人も周りにいるからここで言われたら正体を知られかねない。
「……じ、自分の名前で投票した」
「フレハルさんもッスか!?」
フレアハルトはこちらの意図を察してくれたのか、具体的な名前は伏せた。
しかし、投票した名前が村の名前になるってのに、普通自分の名前を付けて投票するかしら?
この二人が自己主張激しめなのかな?
「“も”? お主は投票していないのではないのか?」
「投票したようなしないような……」
「ハッキリせんな! そんなに恥ずかしい名前だったのか?」
「……まあ、俺っちが大成した時にお話するッスよ」
さて、その大成はいつになることやら……
いや、コミュニケーション能力が高い人は有能だから、もしかしたらすぐにでも頭角を現すかもしれないな。
「カンナーは?」
「僕ですか? 僕は……『アトマクド人X村』……」
「「「「………………」」」」
あれはカンナー考案だったのね。
「聞き慣れないがどういう意味だ?」
カンナーがその意味を説明する。
(第172話参照)
「おお! 異種族が共に支え合うようで素晴らしい名前ではないか!」
「それが良かったッスね!」
「そうかぁ? 聞き慣れなくて覚えにくいが……」
「言いにくくもあるな……」
賛否両論ね。
彼らがこの名前を付けた時の欠点に気付いてるかどうかを除けば。
「カンナー、その名前が村の名前になった時の欠点気付いてる?」
「欠点……ですか? 名前書いて投票しただけなのに欠点って何ですか?」
カンナーに住人や異種族が増えた時の欠点を説明する。
(第172話参照)
「「「「ああ~~確かに!」」」」
「異種族共栄ってところは素晴らしいんだけど、村の名前としてはちょっと惜しかったね」
「理由を聞いてみると……確かにそうですね……」
「考え方は良いことなんだから落ち込まないで!」
「そうですね! ありがとうございます!」
祝賀ムードの時は過ぎ――
◇
お昼時に始まったパーティーももう四時間近くが経ち、料理はほとんど無くなった。日も大分傾いて、冷えてきた。
役員と式典に列席する者以外は、基本的に自由参加のため、パーティーの締めくくりを待たずに帰った者も数多くいる。
フレアハルトと側近二人も寒いからともう既に帰った。
「さて、皆様、宴もたけなわではございますが、そろそろ日も傾いてきておりますので時間の都合上、この辺りでお開きとしたいと思います。本日は忙しい中お集まりいただき、本当にありがとうございました」
本来なら一本締めで終わりたいところだけど、多分誰も聞いちゃいないこの状態で説明するのが大変だ。
「それでは、運営スタッフの方々、食事を用意してくださった食堂の方々、式場・会場の準備をしてくださった方々、また並びに集まってお祝いしてくださった皆様方、お疲れ様でした。今後ともよろしくお願い致します。残った料理については、欲しい方は各自持ち帰ってお召し上がりください。撤去のスタッフの方々はこの後よろしくお願いします」
こうして、何とかトラブル無く、地鎮祭と新しい村の名前発表式典も終わりを告げた。
ヘパイトスさんは宣言通り、町の名前が決まった後にアクアリヴィアへと帰った。
その際、リナさんの時同様、宝石を贈った。
今回、宝石は茶オレンジがかったトパーズを選んだ。宝石の石の言葉の中に『悪いものを遠ざける』というような効果があるらしいため、それを魔力で増幅し、幸運の祈りと防御魔法を付与し、その宝石の近くにいると一日だけ周囲にも同じ効果があり、再接近で再び一日効果があるという魔法、そして紛失無効の魔法を込めて贈った。
これでヘパイトスさんの家族が物理的な危険からある程度守られる。
余談だけど……リディアに投票したかどうか聞いてみた。
「お菓子がもっと増えることを祈っテ、『おかしていこく』って書いて入れタ」
やっぱりあれはリディアだったか……
地球のイカもお菓子食べさせると、こんなにお菓子ばっかり所望するようになるのかしら?
それと、石階段でフレアハルトに懇願された寒さ対策。
後日、フレアハルトたち三人のセーターの付与魔法をパワーアップさせ、より寒さに強くなるようにした。
それと、家に居る間だけでも暖を取れるようにと、フレアハルトの借家に以前ケルベロスの犬小屋に施した、床暖房効果の魔法を付与した。
しかしこの時、私たちはまだまだ寒さの本番は遥か先であるということを知らなかった……
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「健康な身体って凄い! 神さま、ありがとう!(ドラゴンをワンパンしながら)」
転生して、超健康な身体(最強!)を手に入れてしまう。
魔界で育ったフィアナには、この世界の普通が分からない。
友達を作るため、王都の学園へと旅立つことになるのだが……、
「なるほど! 王都では、ドラゴンを狩るには許可が必要なんですね!」
「「「違う、そうじゃない!!」」」
これは魔界で育った超健康な少女が、うっかり無双してしまうお話である。
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※旧タイトル
病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~
ヒロイン? 玉の輿? 興味ありませんわ! お嬢様はお仕事がしたい様です。
彩世幻夜
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王道中の王道の俺様王子様と地元民のイケメンと。そして隠された王子と。
乙女ゲームのヒロインとして生まれながら、その役を拒否するお嬢様が選ぶのは果たして誰だ?
※5/4完結しました。
新作
【あやかしたちのとまり木の日常】
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