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第10章 アルトレリアの生活改善編(身分証明を作ろう)
第251話 身分証明登録第一号
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六日後――
はぁ……何とか千四百十七人全員触り終えた……
トーマスやリナさん、ドワーフさんたちは、年月日の感覚があるため、普通に生年月日を把握していた。
レッドドラゴン三人とリディアも自分の生まれた日を把握していた。
そして、実は以前から五人ほど住民が増えている。それは新しい生命の誕生があったからだ。
さて、あとはカイベルにお任せして――
「カイベル~、全員の名前と生年月日、私が書いた風に少し上手めに印刷してもらえるかしら?」
「もう出来てます」
「早っ!!」
「触って生年月日を確認すると言ってたので、恐らく次に私の出番があるであろうと作っておきました」
「流石私のカイベル!」
まさに『ジャバンニが一晩でやってくれました』って感じね。
渡してくれた名簿は十四枚。一枚当たり百二人分の名前が並んでいる。
「うわ……すごっ……」
きちんと五十音順に名前が並べてある。細かいっ! でも見やすい探しやすい!
この町は私の考えがベースの所為か、アルファベット順ではなく、五十音順が基準になっている。
わざわざ枠まで作ってくれてる。しかも手書きしたみたいにキチっと平行じゃなく、少しずつズラして線が引いてあり、手書き感が表れている。
あ、なぜか私の名前まである。アルトラ表記だけど。
年齢もちゃんと書かれてる。
へぇ~、ナナトスって十五歳だったのか。若いな~、こんなに若かったのか。私と一回りも違う。
と言うか、これ見ると半数以上私より若いわ。
予想した通り、二十代が一番多く、次いで十代と三十代が同じくらい。四十代になるとかなり少なく、十歳以下は更に少ない。そして五十以上となるとほとんどいない。
多分私が来る前は土地が灼熱だったために、再生力が高い割に短命だったのだ。再生力が高くても年を経るに従い高温に耐えるのは難しくなるのだと思われる。同じ理由で幼児が生き続けるのも難しかったのだろう。
そう考えると今後は一気にベビーブームが来る可能性が高い。
さて、名簿も出来たし、早速役所に登録しに来てもらうように、回覧板にて周知。
登録は明日から始める旨を記した。
余談だけど、後でカイベルから聞いた話では、フレアハルト、レイア、リディアは、惜しいことに誕生日の日にちが一日から五日ほどズレていたらしい。アリサのみ完全一致。
が、数日のズレくらいはそのままの方が良いと判断したらしく、名簿には本人たちが覚えている生年月日が記されていた。
その理由が、正確な誕生日を伝えてしまうと、今まで生きて来て自分の思ってた日にちと違うため、混乱が生じてどちらが本物かわからなくなるかもしれないと考えたためだそうだ。
まあ、亜人以上の大型生物は、たった数日で急激に老けることはないだろうし、私もズレた誕生日をそのまま覚えておいても問題無いと思う。
翌日――
役所へ登庁すると、人だかり。
最初はもっと少ないだろうと予測していたけど、みんな意外と自分の生まれた日に興味があるのね。こういう時、日本人だと様子見してあまり来ない。
千四百十七人全員に触れて回っていたから、町民全員が身分証明のことを承知しているのか話が早い。
「あ、アルトラ様、おはようございます!」
「うん、おはよう!」
役所の受付カウンターに座り、身分証明の登録を開始する。
「じゃあ、早速登録を始めましょうか。誰からにする?」
みんな初めてのことなので、顔を見合わせて戸惑っている。
「今なら登録第一号になれるよ? リーヴァントどう?」
「いえ、私よりまずはアルトラ様第一号どうぞ」
「え!? 私が第一号なの?」
「この町を発展させたのはアルトラ様ですから。第一号はアルトラ様が良いと思います。それに我々は詳しくわかりませんので、お手本として」
「わ、わかったよ」
結局最初は私からになってしまった……
書き記すための書類は、生年月日確認のためのこの一週間で事前に用意しておいた。
早速記入を開始する。
え~と……生年月日は一九九四年五月二十五日、満二十七歳、と。
「え!? アルトラ様二十七歳なんスか! ババアじゃないッスか!」
………………!!?
後ろから覗いていたナナトスから思ってもみない言葉の暴力を喰らった!
バ……バ……ア……だと……? 二十七歳で?
確かにあなたより一回りも年上だけど……
「ナナトス~……あなたはちょっと口に気を付けた方が良いかもねぇ……」
「え? 何か怖いッスよ?」
「岩山両斬覇ッ!」
と言いながら脳天にチョップを叩き込む。
「痛たーーーーっ!! 痛いじゃないッスか!!」
「二十七歳をババアと呼ぶなら、あと十年もすればあなたもジジイの仲間入りよ? いずれは自分も同じ道を辿るんだから、吐く言葉には気を付けなさい! いらぬトラブルを生むわよ!」
「そ……そッスね……」
十代や二十代前半とかの若い子は、今が絶頂の時代だから自分がいつまでも若くいられるとでも思っているのか、年を重ねた人をディスる傾向が可能性として高い。かく言う私も十代の頃はそんな傾向だった。
と言うか、自分が年を重ねると、自分が年を取ってくるからディスらなくなるのかもしれないけど……
いつかは自分が言われてしまう立場になるかもしれないのだから、受け取る人が少しでも不快にならないように心掛けるのは大切だと思う。
まあ……年を取ってくると取ってきたで、反転現象が起こって今度は若者をディスるようになるのよね~。「今時の若者は……」なんて言葉はいつの時代にも存在する。過去から連綿と続いている。きっと未来でも言ってる人がいるだろう。
それと私はババアではない! どちらかと言ったらロリババアだ!
さて、書類の方に戻るか。
家族構成は……う~ん、何て書いたら良いんだコレ? 私この魔界に親いないし。
前世の親『地野 守』、『地野 陽子』で良いのか?
亡者だから、書かなくても良いかな?
自分で身分証明作ることを提案しておいて、何書くかわからないって、そんなことある?
でも、ここで両親の欄空白だと、全くお手本の体を成していないことになる。
一応親の名前を書いておくか。あの二人がいなければ私もここには存在してないわけだし。
「『地野 守』、『地野 陽子』と」
「へぇ~、アルトラ様の両親って、そんな名前なんですね」
「聞き慣れない名前ッスね」
確かにここの住民には聞き馴染みは無いだろうな。地球規模で考えても漢字使ってる国がかなり少ないわけだし。
みんな興味があるのか、私の書くことを覗き見ようとする。
しかし、この異世界で両親の名前書くのは正解なのかしら?
あとは、
出身地は『地球』、
現住所は『地獄の門前広場』、
家族構成は『養女と使用人』、ケルベロスは……あれは家族構成に書くものではないか。
養女の種族は『クラーケン』、使用人の種族は『人間』、
備考欄『亡者である』と。
こんなところか。
はぁ……何とか千四百十七人全員触り終えた……
トーマスやリナさん、ドワーフさんたちは、年月日の感覚があるため、普通に生年月日を把握していた。
レッドドラゴン三人とリディアも自分の生まれた日を把握していた。
そして、実は以前から五人ほど住民が増えている。それは新しい生命の誕生があったからだ。
さて、あとはカイベルにお任せして――
「カイベル~、全員の名前と生年月日、私が書いた風に少し上手めに印刷してもらえるかしら?」
「もう出来てます」
「早っ!!」
「触って生年月日を確認すると言ってたので、恐らく次に私の出番があるであろうと作っておきました」
「流石私のカイベル!」
まさに『ジャバンニが一晩でやってくれました』って感じね。
渡してくれた名簿は十四枚。一枚当たり百二人分の名前が並んでいる。
「うわ……すごっ……」
きちんと五十音順に名前が並べてある。細かいっ! でも見やすい探しやすい!
この町は私の考えがベースの所為か、アルファベット順ではなく、五十音順が基準になっている。
わざわざ枠まで作ってくれてる。しかも手書きしたみたいにキチっと平行じゃなく、少しずつズラして線が引いてあり、手書き感が表れている。
あ、なぜか私の名前まである。アルトラ表記だけど。
年齢もちゃんと書かれてる。
へぇ~、ナナトスって十五歳だったのか。若いな~、こんなに若かったのか。私と一回りも違う。
と言うか、これ見ると半数以上私より若いわ。
予想した通り、二十代が一番多く、次いで十代と三十代が同じくらい。四十代になるとかなり少なく、十歳以下は更に少ない。そして五十以上となるとほとんどいない。
多分私が来る前は土地が灼熱だったために、再生力が高い割に短命だったのだ。再生力が高くても年を経るに従い高温に耐えるのは難しくなるのだと思われる。同じ理由で幼児が生き続けるのも難しかったのだろう。
そう考えると今後は一気にベビーブームが来る可能性が高い。
さて、名簿も出来たし、早速役所に登録しに来てもらうように、回覧板にて周知。
登録は明日から始める旨を記した。
余談だけど、後でカイベルから聞いた話では、フレアハルト、レイア、リディアは、惜しいことに誕生日の日にちが一日から五日ほどズレていたらしい。アリサのみ完全一致。
が、数日のズレくらいはそのままの方が良いと判断したらしく、名簿には本人たちが覚えている生年月日が記されていた。
その理由が、正確な誕生日を伝えてしまうと、今まで生きて来て自分の思ってた日にちと違うため、混乱が生じてどちらが本物かわからなくなるかもしれないと考えたためだそうだ。
まあ、亜人以上の大型生物は、たった数日で急激に老けることはないだろうし、私もズレた誕生日をそのまま覚えておいても問題無いと思う。
翌日――
役所へ登庁すると、人だかり。
最初はもっと少ないだろうと予測していたけど、みんな意外と自分の生まれた日に興味があるのね。こういう時、日本人だと様子見してあまり来ない。
千四百十七人全員に触れて回っていたから、町民全員が身分証明のことを承知しているのか話が早い。
「あ、アルトラ様、おはようございます!」
「うん、おはよう!」
役所の受付カウンターに座り、身分証明の登録を開始する。
「じゃあ、早速登録を始めましょうか。誰からにする?」
みんな初めてのことなので、顔を見合わせて戸惑っている。
「今なら登録第一号になれるよ? リーヴァントどう?」
「いえ、私よりまずはアルトラ様第一号どうぞ」
「え!? 私が第一号なの?」
「この町を発展させたのはアルトラ様ですから。第一号はアルトラ様が良いと思います。それに我々は詳しくわかりませんので、お手本として」
「わ、わかったよ」
結局最初は私からになってしまった……
書き記すための書類は、生年月日確認のためのこの一週間で事前に用意しておいた。
早速記入を開始する。
え~と……生年月日は一九九四年五月二十五日、満二十七歳、と。
「え!? アルトラ様二十七歳なんスか! ババアじゃないッスか!」
………………!!?
後ろから覗いていたナナトスから思ってもみない言葉の暴力を喰らった!
バ……バ……ア……だと……? 二十七歳で?
確かにあなたより一回りも年上だけど……
「ナナトス~……あなたはちょっと口に気を付けた方が良いかもねぇ……」
「え? 何か怖いッスよ?」
「岩山両斬覇ッ!」
と言いながら脳天にチョップを叩き込む。
「痛たーーーーっ!! 痛いじゃないッスか!!」
「二十七歳をババアと呼ぶなら、あと十年もすればあなたもジジイの仲間入りよ? いずれは自分も同じ道を辿るんだから、吐く言葉には気を付けなさい! いらぬトラブルを生むわよ!」
「そ……そッスね……」
十代や二十代前半とかの若い子は、今が絶頂の時代だから自分がいつまでも若くいられるとでも思っているのか、年を重ねた人をディスる傾向が可能性として高い。かく言う私も十代の頃はそんな傾向だった。
と言うか、自分が年を重ねると、自分が年を取ってくるからディスらなくなるのかもしれないけど……
いつかは自分が言われてしまう立場になるかもしれないのだから、受け取る人が少しでも不快にならないように心掛けるのは大切だと思う。
まあ……年を取ってくると取ってきたで、反転現象が起こって今度は若者をディスるようになるのよね~。「今時の若者は……」なんて言葉はいつの時代にも存在する。過去から連綿と続いている。きっと未来でも言ってる人がいるだろう。
それと私はババアではない! どちらかと言ったらロリババアだ!
さて、書類の方に戻るか。
家族構成は……う~ん、何て書いたら良いんだコレ? 私この魔界に親いないし。
前世の親『地野 守』、『地野 陽子』で良いのか?
亡者だから、書かなくても良いかな?
自分で身分証明作ることを提案しておいて、何書くかわからないって、そんなことある?
でも、ここで両親の欄空白だと、全くお手本の体を成していないことになる。
一応親の名前を書いておくか。あの二人がいなければ私もここには存在してないわけだし。
「『地野 守』、『地野 陽子』と」
「へぇ~、アルトラ様の両親って、そんな名前なんですね」
「聞き慣れない名前ッスね」
確かにここの住民には聞き馴染みは無いだろうな。地球規模で考えても漢字使ってる国がかなり少ないわけだし。
みんな興味があるのか、私の書くことを覗き見ようとする。
しかし、この異世界で両親の名前書くのは正解なのかしら?
あとは、
出身地は『地球』、
現住所は『地獄の門前広場』、
家族構成は『養女と使用人』、ケルベロスは……あれは家族構成に書くものではないか。
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