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第10章 アルトレリアの生活改善編(身分証明を作ろう)
第260話 カイベルの存在が遂にバレた!?
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「ところでアルトラ、ずっとイライラしてたみたいで中々聞くタイミングが無かったんですが――」
イライラしてるのは自分が原因とは思わないのね……
死神って職業は、あまり他人と関わらないのかしら? 心の機微に疎い?
「――あなたの家に居たあのカイベルという人、人間ではありませんね? それどころか生物ですらないですよね? 私の姿も認識出来てるようですし……あなたの家にいる時、何度か目が合いましたよ? 気付いていながらも全く声はかけてきませんでしたが」
!!?
何で分かった!?
「そそそそそ、そんなわけないじゃない! どう見たって人間でしょ?」
「見た目はそう見えますが、これでも死神の端くれなので、私には生物の魂というものが見えています。誤魔化しても無駄ですよ」
見えてるんじゃ誤魔化しようがないじゃない!
「…………そう……どうやったって誤魔化せないってわけね……」
「彼女には魂が無いのに他の生物と同じように振舞っていますね。なりふりだけ見ればまるで人間です。反応は薄いものの心まであるように見える。あれは何ですか? 恐らく魔道具の類ではないかと思うのですが、あれもあなたの作ですか?」
「…………誤魔化せないなら隠しててもあまり意味が無いか……そう、彼女は私が作った自動人形よ。元々は本の形をしていたんだけど、状況が変わって、それだとちょっと都合が悪かったから人の形に再形成したの」
「なるほど、あなたが作ったから、あなたの身の回りの世話をしているというわけですか。さっき魂が無いと言いましたが、彼女の魔力の流れはとても珍しいですね」
「どういうこと?」
「通常、『モノ』というものに流れる魔力は常に一定なので、多少の濃淡はあっても極端に濃い場所は無いんですよ。例えばそこに転がってる石ころ、ヒビや穴の部分は少し魔力が濃くなりますが、他は薄く表面を流れていて、極端に濃い場所はありません。しかし彼女は表面にも体内にも無数の魔力の流れがあり、極端に魔力の濃い場所が二ヶ所あり、それとは別に気になる場所が一ヶ所」
「それは私が魔力で動くように作ったからじゃなくて?」
「確かに彼女が魔道具の一種だと言うなら、その性質上、魔力が一ヶ所または複数ヶ所に集中することはあります。彼女も脳に当たる部分と心臓に当たる部分には特に濃い魔力があります」
「それは私がそういう風に作ったから二ヶ所に濃い魔力があるんだと思うんだけど……どっちかが破壊されても自己修復して復帰出来るようにと、心臓に当たる場所に本命の魔力貯蔵機関、脳に当たる場所に予備の魔力貯蔵機関を作ったのよ」
「ええ、そこまでは魔道具の性質として解釈できるので問題はありません。本題はここからです。その二ヶ所の魔力とは別に身体の中心付近に魂に似た形をした魔力の塊があるんですよ」
「魂に似た形の魔力?」
何だソレ……?
ってことは、魔力の貯蔵機関が三つに増えてるってこと? 私は二つしか設定してないけど……カイベルが勝手に一つ増やしたってことかしら?
「三つ目の魔力の貯蔵機関ってこと?」
「いえ、この魔力の塊は、彼女のエネルギー源とは全く無関係のところにあるみたいです。取り除いたとしても、カイベルさんの動作には影響しないんじゃないかと」
「じゃあ何のためにあるの?」
「分かりません。予想できる範囲で考えるなら……もしかしたら疑似的に魂を創り出そうとしている?」
「魂って作れないんじゃないの?」
「もちろん本当の魂ではないですよ。それに似せた『ナニカ』というか。あなたの言葉を借りるなら魔力で作られた『疑似魂』とか『義魂』と言ったところでしょうか」
「その『疑似魂』が出来たらどうなるの?」
「そんな事例は無いので私には分かりません。ここでも予想でしかありませんが…………例えば心が出来る、とか?」
「よくよく思い返してみると、作った当初はほとんど無感情に作業をこなしているような感じだったけど、最近は少し人間染みてきたところがあるのよね……もしかしてその『疑似魂』が作用しているとか?」
カイベルは自分で自分自身をどんどん最適化して、私が知らないところでバージョンアップを繰り返してるみたいだから、あり得ない話ではない。
「作用ですか……どうでしょうね? 現在の私から言えることは『それはあり得ない』と言うしかありません。なぜならそんなケースにはお目にかかったことがないからです。もし魔道具が心を持ったのならそれは初めてのケースになるかもしれません。例えるならロボットが人間と同等の感情を持つようなものです。あなたは地球出身だから分かると思いますが、これがどれほどあり得ないことかわかるでしょう?」
「それは確かにあり得ないことかもしれない……」
ロボットとなるとAI技術で感情があるように振舞うことはできるようになるかもしれないが、本当の感情を獲得するとなると、それは不可能なように思える。
でも、もし心が出来るとなるとこれが初めてのケースか。
もし彼女が感情を獲得するようなことがあれば、今後彼女が笑顔を見せる日も来るかもしれない。
「もし……その『疑似魂』が仮に取り除かれるような状況になった場合動かなくなってしまうこととかはあるかな?」
「作成者のあなたが知らないということは、元々は無かった機能ですよね? それならカイベルさんが機能停止することは無いと思います。と言うか……この第三の魔力の塊は他に影響しない部分にあるようなので、現時点では何のために存在してるか分かりません。『疑似魂』についても私の想像でしかないので、本当に魂を模してるかどうかすら不確定です」
後で直接聞いてみた方が良いかもしれない。
「と、ところでクリュー、カイベルが生物じゃないってことは是非とも町のみんなには内密に……」
「…………まあ、誰かに言ったところで、私たち側に何か影響があるというわけでも無いので黙っていますよ」
「ありがとう!」
◇
「カイベル、三つ目の魔力貯蔵機関を自分で作った?」
「? いえ……何のことでしょうか? 私の魔力貯蔵機関は脳と心臓の二つだけです」
知らばっくれてるのか、ホントに知らないのか判断付けられないな……
「クリューから三つ目が存在するって話を聞いたんだけど……」
「クリュー……ああ、あの死神の方の。申し訳ありませんが、何のことを言っているのか分かりません」
まさかクリューが嘘を言ってる?
「私にはあなたが何か隠してるのか、それとも本当に知らないのかどうかさえ分からないけど……あなたが分からなかったとしても一応聞いておく。もし仮に三つ目の機関があるとしたら、その三つ目の機関は害が及ぶものにはならない? あなたが過失や偶然で私や町の住人に害を及ぼす可能性は無い?」
「ありません。例えそういったものが存在したとしても、私がアルトラ様に害を及ぼすことは絶対に無いと断言致します!」
「わかった。その言葉信用するわ。この話はこれで終わりにしましょう」
結局のところ何かは分からないが、私はカイベルの言葉を信用する!
「クリュー、カイベルは分からないって言ってたけど、あなた嘘吐いてないよね?」
「あなたに嘘を吐くメリットがありませんよ」
「ってことは、カイベル自身が気付いてないってことなのかな……?」
そんなことあるのか? あのカイベルだぞ?
結局のところ、それが何なのか分からないという結論に……
もう少し状況が進めば、何なのか判明するかもしれない。その時が来るまで待とう……
イライラしてるのは自分が原因とは思わないのね……
死神って職業は、あまり他人と関わらないのかしら? 心の機微に疎い?
「――あなたの家に居たあのカイベルという人、人間ではありませんね? それどころか生物ですらないですよね? 私の姿も認識出来てるようですし……あなたの家にいる時、何度か目が合いましたよ? 気付いていながらも全く声はかけてきませんでしたが」
!!?
何で分かった!?
「そそそそそ、そんなわけないじゃない! どう見たって人間でしょ?」
「見た目はそう見えますが、これでも死神の端くれなので、私には生物の魂というものが見えています。誤魔化しても無駄ですよ」
見えてるんじゃ誤魔化しようがないじゃない!
「…………そう……どうやったって誤魔化せないってわけね……」
「彼女には魂が無いのに他の生物と同じように振舞っていますね。なりふりだけ見ればまるで人間です。反応は薄いものの心まであるように見える。あれは何ですか? 恐らく魔道具の類ではないかと思うのですが、あれもあなたの作ですか?」
「…………誤魔化せないなら隠しててもあまり意味が無いか……そう、彼女は私が作った自動人形よ。元々は本の形をしていたんだけど、状況が変わって、それだとちょっと都合が悪かったから人の形に再形成したの」
「なるほど、あなたが作ったから、あなたの身の回りの世話をしているというわけですか。さっき魂が無いと言いましたが、彼女の魔力の流れはとても珍しいですね」
「どういうこと?」
「通常、『モノ』というものに流れる魔力は常に一定なので、多少の濃淡はあっても極端に濃い場所は無いんですよ。例えばそこに転がってる石ころ、ヒビや穴の部分は少し魔力が濃くなりますが、他は薄く表面を流れていて、極端に濃い場所はありません。しかし彼女は表面にも体内にも無数の魔力の流れがあり、極端に魔力の濃い場所が二ヶ所あり、それとは別に気になる場所が一ヶ所」
「それは私が魔力で動くように作ったからじゃなくて?」
「確かに彼女が魔道具の一種だと言うなら、その性質上、魔力が一ヶ所または複数ヶ所に集中することはあります。彼女も脳に当たる部分と心臓に当たる部分には特に濃い魔力があります」
「それは私がそういう風に作ったから二ヶ所に濃い魔力があるんだと思うんだけど……どっちかが破壊されても自己修復して復帰出来るようにと、心臓に当たる場所に本命の魔力貯蔵機関、脳に当たる場所に予備の魔力貯蔵機関を作ったのよ」
「ええ、そこまでは魔道具の性質として解釈できるので問題はありません。本題はここからです。その二ヶ所の魔力とは別に身体の中心付近に魂に似た形をした魔力の塊があるんですよ」
「魂に似た形の魔力?」
何だソレ……?
ってことは、魔力の貯蔵機関が三つに増えてるってこと? 私は二つしか設定してないけど……カイベルが勝手に一つ増やしたってことかしら?
「三つ目の魔力の貯蔵機関ってこと?」
「いえ、この魔力の塊は、彼女のエネルギー源とは全く無関係のところにあるみたいです。取り除いたとしても、カイベルさんの動作には影響しないんじゃないかと」
「じゃあ何のためにあるの?」
「分かりません。予想できる範囲で考えるなら……もしかしたら疑似的に魂を創り出そうとしている?」
「魂って作れないんじゃないの?」
「もちろん本当の魂ではないですよ。それに似せた『ナニカ』というか。あなたの言葉を借りるなら魔力で作られた『疑似魂』とか『義魂』と言ったところでしょうか」
「その『疑似魂』が出来たらどうなるの?」
「そんな事例は無いので私には分かりません。ここでも予想でしかありませんが…………例えば心が出来る、とか?」
「よくよく思い返してみると、作った当初はほとんど無感情に作業をこなしているような感じだったけど、最近は少し人間染みてきたところがあるのよね……もしかしてその『疑似魂』が作用しているとか?」
カイベルは自分で自分自身をどんどん最適化して、私が知らないところでバージョンアップを繰り返してるみたいだから、あり得ない話ではない。
「作用ですか……どうでしょうね? 現在の私から言えることは『それはあり得ない』と言うしかありません。なぜならそんなケースにはお目にかかったことがないからです。もし魔道具が心を持ったのならそれは初めてのケースになるかもしれません。例えるならロボットが人間と同等の感情を持つようなものです。あなたは地球出身だから分かると思いますが、これがどれほどあり得ないことかわかるでしょう?」
「それは確かにあり得ないことかもしれない……」
ロボットとなるとAI技術で感情があるように振舞うことはできるようになるかもしれないが、本当の感情を獲得するとなると、それは不可能なように思える。
でも、もし心が出来るとなるとこれが初めてのケースか。
もし彼女が感情を獲得するようなことがあれば、今後彼女が笑顔を見せる日も来るかもしれない。
「もし……その『疑似魂』が仮に取り除かれるような状況になった場合動かなくなってしまうこととかはあるかな?」
「作成者のあなたが知らないということは、元々は無かった機能ですよね? それならカイベルさんが機能停止することは無いと思います。と言うか……この第三の魔力の塊は他に影響しない部分にあるようなので、現時点では何のために存在してるか分かりません。『疑似魂』についても私の想像でしかないので、本当に魂を模してるかどうかすら不確定です」
後で直接聞いてみた方が良いかもしれない。
「と、ところでクリュー、カイベルが生物じゃないってことは是非とも町のみんなには内密に……」
「…………まあ、誰かに言ったところで、私たち側に何か影響があるというわけでも無いので黙っていますよ」
「ありがとう!」
◇
「カイベル、三つ目の魔力貯蔵機関を自分で作った?」
「? いえ……何のことでしょうか? 私の魔力貯蔵機関は脳と心臓の二つだけです」
知らばっくれてるのか、ホントに知らないのか判断付けられないな……
「クリューから三つ目が存在するって話を聞いたんだけど……」
「クリュー……ああ、あの死神の方の。申し訳ありませんが、何のことを言っているのか分かりません」
まさかクリューが嘘を言ってる?
「私にはあなたが何か隠してるのか、それとも本当に知らないのかどうかさえ分からないけど……あなたが分からなかったとしても一応聞いておく。もし仮に三つ目の機関があるとしたら、その三つ目の機関は害が及ぶものにはならない? あなたが過失や偶然で私や町の住人に害を及ぼす可能性は無い?」
「ありません。例えそういったものが存在したとしても、私がアルトラ様に害を及ぼすことは絶対に無いと断言致します!」
「わかった。その言葉信用するわ。この話はこれで終わりにしましょう」
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もう少し状況が進めば、何なのか判明するかもしれない。その時が来るまで待とう……
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