建国のアルトラ ~魔界の天使 (?)の国造り奮闘譚~

ヒロノF

文字の大きさ
281 / 591
第11章 雷の国エレアースモ探訪編

第276話 エレアースモ国立博物館探訪 その9(土産物コーナー)

しおりを挟む
 おみやげコーナーも大分変わり種だった。
 まず生物展にちなんだ生物を模した置物、フィギュアはもちろん、骨の模型などもある。さっき生物展の上の方に展示されていたクラーケンのフィギュアもある。
 あ、キマイラのフィギュアだ! ちょっと欲しい!

 と思って手に取ったところ、リディアに購入を催促される。

「お~、このドラゴンの骨の模型カッコイイナ! アルトラ、これ買ってくレ!」

 リディアが持ってきたのはボーンドラゴンのミニチュア。と言っても、結構でかい。頭から尻尾まで……四……いや五十センチくらいあるかもしれない。値段は大きさにしては手ごろな三千エレノル。置いてあったところの名札を見ると『1/100スケール』の文字。これ精霊展にいた動く骨アイツか。

「そんなのどこに置いとくの?」
「机の上に飾っとク」
「却下で」
「何デ~!?」
「そんなの置いといても、カッコイイのは最初だけで、あとは見向きもされない置物オブジェに成り下がるよ」

 そう、私にはこの経験がある。
 子供の頃欲しいと思った模型は少しすると、見向きもしなくなって、仕舞いには埃を被って無残な姿に成り果てる。
 学生時代、キャラのポーズの参考にするために買ったデッサン人形は、元々髪の毛なんか無いはずなのに、あまりにも放置された所為せいでアフロヘアーになっていたことがあった。…………何言ってるか分からないと思うが、つまり埃が人形の頭に溜まって髪の毛が生えたようになっていたということ。
 一度買ってしまうと、見ることすらしないくせに『捨てるのは勿体ない』という理由で捨てられない呪いのアイテムに変貌してしまうのだ!

 それでもきちんと掃除して埃取りをするならまだ良いのだが、リディアは誰に似たのか割とものぐさだ (※)。このボーンドラゴンが埃被って、今発掘されたかのような見た目になる未来が見える。
 特にこのボーンドラゴンの模型、骨と骨の間がスカスカだから、埃を取るために掃除するだけでも大分面倒そうだ。きっとカイベルの仕事が増えてしまう。あと、骨と骨の間の埃は取り難そうだから、専用のハケも必要かもしれない。
   (※ものぐさ:大抵のことはカイベルがやってくれるのでアルトラもものぐさである。リディアもきっとアルトラに似た)

「そんなことなイ! 毎日見ル! 穴が開くほど見ル!」
「いーや、見ないね! 三日後には飽きて放置よ!」

 もう既に穴開いてるし、骨の模型だからスカスカだし。

「もうちょっと実用的なやつで気に入るようなの無いの?」
「ムー……」

 渋々返しに行った。
 リディアを追い返した後、リディアが来る前から手に持っていたキマイラに目が移る。

「………………」

 キマイラのフィギュアをそっと売り場に戻した。これも私が購入するときっと呪いのアイテムに変貌する道を辿る……大事にしてくれる亜人ひとが買った方が良い。

「アルトラ、死体売ってるゾ!」

 はぁ!? ホントに!?
 急いで見に行ってみると、ミイラを模したフィギュアのようなものだった。
 なんだ、本物じゃないのか……ビックリした……ご丁寧に棺桶を模した箱に入っている……
 これは死体展にちなんだお土産かな?

 他にもゾンビのフィギュアやゴースト、スケルトンのようなポピュラーなものも置いてある。中には溶けかかった腐乱死体のような誰得なフィギュアも……そして壁にはそいつらを模したお面やマスク。まるでここのワンコーナーだけホラーハウスだ。
 こういうお面はリーヴァントが好きそう。 (第153話参照)

「買っていってあげようかしら?」

 と口に出してはみたが、奥さんと息子さんが怖がりそうなので考えを改めた。
 こういうのが好きなホラー愛好家みたいな人がいるのは知っているが、これが部屋に置いてあると怖くない?

 他には植物展にちなんだお土産。生花はお土産として相応しくないのか、造花なんかも売っている。
 色とりどりで美しいが、中にはラフレシアやオオコンニャクに似た毒々しい造花や、マンイーターを模した造花も……

「これが伝説に聞くマンイーターか」

 造花と言うよりフィギュア。見た目は牙があって触手があって、沢山の足……いや根っこかな? 多分この沢山の根っこを使って歩き回るんだろう。
 いかにも人を喰いそうな見た目だが、手に乗るほどの大きさしかないため、実物がどの程度大きいのかは判断が付かない。さっきのボーンドラゴンみたいに『何分の一スケール』とか書いておいてくれればある程度想像出来るのだけど……
 もしかしたら植物展に行けばこれの実物が見れたのかもしれない。

「ヨダレ (?)まで再現されてる……」

 多分、口に当たると思われる器官から流れ落ちる……ヨダレ? 一応植物だから樹液か? そんなとこまで再現せんでも良いのに……

「これも誰が買うんだろう……」

 嗜好の方向は人それぞれ、きっとこれが好きな亜人ひともいるんだろう。
 マンドラゴラの根なんかも売ってる。

「これって毒あるんじゃないのかしら? 魅了毒が」

 あ、よく見たら『毒抜きしてあります』って書いてある。どうやら食べられるらしい。
 他にも色んな植物の花びらや葉っぱ、根っこ、茎、粉上にしてあって何かの実験に使えそう。薬にもなるのかもしれない。

 土産物の中には役に立ちそうなものもある。
 魔道具展にちなんだお土産。簡単な魔道具が売っており、ライター染みたもの、懐中電灯染みたもの、水の出るジョウロ、風を噴き出すなにかなど。
 中には自分で魔道具を作れる作成キットなんかも売っている。

「魔道具ってこんな手軽に作れるんだ」

 その作成キットには、魔印シールというものが付属しており、これに魔法をストックさせると即席の簡易魔道具が出来るらしい。魔印シールは単体でも売られている。
 もっとも、お土産として売っているものだけに、それほど強い魔力は込められず、せいぜいライターやジョウロ程度の力の弱い魔道具が作れるくらい。一回魔力を込めると数回から数十回使うことができる。一応魔印シールが破損するまでは何度も使えるみたいだ。シールがあればまた作れるから便利そうではある。でも――

「私には必要無さそうかな……」

 魔力量の多い私にとっては、ライター程度の火は魔力が減らないも同然だから必要としない。
 多分、私じゃなくても大人ならこれ以上の魔力を持つから特に必要としない。まあ火属性が使えない亜人ひとにライターは役に立つかもしれないけど、それにしたって火魔法の補充役が必要になるし。
 役に立つと言うよりは、子供のお遊びに使う程度のもの。まさに子供だましのアイテム。

 なんてことを考えてたら、リディアが別の欲しいものを持って来た。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

美化係の聖女様

しずもり
ファンタジー
毒親の仕打ち、親友と恋人の裏切り、人生最悪のどん底でやけ酒を煽り何を思ったのか深夜に突然掃除を始めたら床がドンドンって大きく鳴った。 ゴメン、五月蝿かった? 掃除は止めにしよう、そう思った瞬間、床に現れた円のようなものが光りだした。 気づいたらゴミと掃除道具と一緒に何故か森の中。 地面には気を失う前に見た円が直径3メートルぐらいの大きさで光ってる。 何コレ、どうすればいい? 一方、魔王復活の兆しに聖女を召喚した王城では召喚された筈の聖女の姿が見当たらない。 召喚した手応えはあったものの目の前の床に描かれた魔法陣には誰も居ない。 もしかして召喚先を間違えた? 魔力の残滓で聖女が召喚された場所に辿り着いてみれば聖女はおらず。 それでも魔王復活は待ってはくれない。 それならば聖女を探しながら魔王討伐の旅へ見切り発車で旅する第二王子一行。 「もしかしたら聖女様はいきなり召喚された事にお怒りなのかも知れない、、、、。」 「いや、もしかしたら健気な聖女様は我らの足手まといにならぬ様に一人で浄化の旅をしているのかも知れません。」 「己の使命を理解し果敢に試練に立ち向かう聖女様を早く見つけださねばなりません。」 「もしかして聖女様、自分が聖女って気づいて無いんじゃない?」 「「「・・・・・・・・。」」」 何だかよく分からない状況下で主人公が聖女の自覚が無いまま『異世界に来てしまった理由』を探してフラリと旅をする。 ここ、結構汚れていません?ちょっと掃除しますから待ってて下さいね。掃除好きの聖女は無自覚浄化の旅になっている事にいつ気付くのか? そして聖女を追って旅する第二王子一行と果たして出会う事はあるのか!? 魔王はどこに? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 不定期更新になります。 主人公は自分が聖女だとは気づいていません。 恋愛要素薄めです。 なんちゃって異世界の独自設定になります。 誤字脱字は見つけ次第修正する予定です。 R指定は無しの予定です。

銀眼の左遷王ケントの素人領地開拓&未踏遺跡攻略~だけど、領民はゼロで土地は死んでるし、遺跡は結界で入れない~

雪野湯
ファンタジー
王立錬金研究所の研究員であった元貴族ケントは政治家に転向するも、政争に敗れ左遷された。 左遷先は領民のいない呪われた大地を抱く廃城。 この瓦礫に埋もれた城に、世界で唯一無二の不思議な銀眼を持つ男は夢も希望も埋めて、その謎と共に朽ち果てるつもりでいた。 しかし、運命のいたずらか、彼のもとに素晴らしき仲間が集う。 彼らの力を借り、様々な種族と交流し、呪われた大地の原因である未踏遺跡の攻略を目指す。 その過程で遺跡に眠っていた世界の秘密を知った。 遺跡の力は世界を滅亡へと導くが、彼は銀眼と仲間たちの力を借りて立ち向かう。 様々な苦難を乗り越え、左遷王と揶揄された若き青年は世界に新たな道を示し、本物の王となる。

【完結】竜騎士の私は竜の番になりました!

胡蝶花れん
ファンタジー
ここは、アルス・アーツ大陸。  主に5大国家から成り立つ大陸である。  この世界は、人間、亜人(獣に変身することができる。)、エルフ、ドワーフ、魔獣、魔女、魔人、竜などの、いろんな種族がおり、また魔法が当たり前のように使える世界でもあった。  この物語の舞台はその5大国家の内の一つ、竜騎士発祥の地となるフェリス王国から始まる、王国初の女竜騎士の物語となる。 かくして、竜に番(つがい)認定されてしまった『氷の人形』と呼ばれる初の女竜騎士と竜の恋模様はこれいかに?! 竜の番の意味とは?恋愛要素含むファンタジーモノです。 ※毎日更新(平日)しています!(年末年始はお休みです!) ※1話当たり、1200~2000文字前後です。

目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・

Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・ 転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。 そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。 <script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>

【完結】海外在住だったので、異世界転移なんてなんともありません

ソニエッタ
ファンタジー
言葉が通じない? それ、日常でした。 文化が違う? 慣れてます。 命の危機? まあ、それはちょっと驚きましたけど。 NGO調整員として、砂漠の難民キャンプから、宗教対立がくすぶる交渉の現場まで――。 いろんな修羅場をくぐってきた私が、今度は魔族の村に“神託の者”として召喚されました。 スーツケース一つで、どこにでも行ける体質なんです。 今回の目的地が、たまたま魔王のいる世界だっただけ。 「聖剣? 魔法? それよりまず、水と食糧と、宗教的禁忌の確認ですね」 ちょっとズレてて、でもやたらと現場慣れしてる。 そんな“救世主”、エミリの異世界ロジカル生活、はじまります。

精霊が俺の事を気に入ってくれているらしく過剰に尽くしてくれる!が、周囲には精霊が見えず俺の評価はよろしくない

よっしぃ
ファンタジー
俺には僅かながら魔力がある。この世界で魔力を持った人は少ないからそれだけで貴重な存在のはずなんだが、俺の場合そうじゃないらしい。 魔力があっても普通の魔法が使えない俺。 そんな俺が唯一使える魔法・・・・そんなのねーよ! 因みに俺の周囲には何故か精霊が頻繁にやってくる。 任意の精霊を召還するのは実はスキルなんだが、召喚した精霊をその場に留め使役するには魔力が必要だが、俺にスキルはないぞ。 極稀にスキルを所持している冒険者がいるが、引く手あまたでウラヤマ! そうそう俺の総魔力量は少なく、精霊が俺の周囲で顕現化しても何かをさせる程の魔力がないから直ぐに姿が消えてしまう。 そんなある日転機が訪れる。 いつもの如く精霊が俺の魔力をねだって頂いちゃう訳だが、大抵俺はその場で気を失う。 昔ひょんな事から助けた精霊が俺の所に現れたんだが、この時俺はたまたまうつ伏せで倒れた。因みに顔面ダイブで鼻血が出たのは内緒だ。 そして当然ながら意識を失ったが、ふと目を覚ますと俺の周囲にはものすごい数の魔石やら素材があって驚いた。 精霊曰く御礼だってさ。 どうやら俺の魔力は非常に良いらしい。美味しいのか効果が高いのかは知らんが、精霊の好みらしい。 何故この日に限って精霊がずっと顕現化しているんだ? どうやら俺がうつ伏せで地面に倒れたのが良かったらしい。 俺と地脈と繋がって、魔力が無限増殖状態だったようだ。 そしてこれが俺が冒険者として活動する時のスタイルになっていくんだが、理解しがたい体勢での活動に周囲の理解は得られなかった。 そんなある日、1人の女性が俺とパーティーを組みたいとやってきた。 ついでに精霊に彼女が呪われているのが分かったので解呪しておいた。 そんなある日、俺は所属しているパーティーから追放されてしまった。 そりゃあ戦闘中だろうがお構いなしに地面に寝そべってしまうんだから、あいつは一体何をしているんだ!となってしまうのは仕方がないが、これでも貢献していたんだぜ? 何せそうしている間は精霊達が勝手に魔物を仕留め、素材を集めてくれるし、俺の身をしっかり守ってくれているんだが、精霊が視えないメンバーには俺がただ寝ているだけにしか見えないらしい。 因みにダンジョンのボス部屋に1人放り込まれたんだが、俺と先にパーティーを組んでいたエレンは俺を助けにボス部屋へ突入してくれた。 流石にダンジョン中層でも深層のボス部屋、2人ではなあ。 俺はダンジョンの真っただ中に追放された訳だが、くしくも追放直後に俺の何かが変化した。 因みに寝そべっていなくてはいけない理由は顔面と心臓、そして掌を地面にくっつける事で地脈と繋がるらしい。地脈って何だ?

病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~

アトハ
ファンタジー
【短いあらすじ】 普通を勘違いした魔界育ちの少女が、王都に旅立ちうっかり無双してしまう話(前世は病院少女なので、本人は「超健康な身体すごい!!」と無邪気に喜んでます) 【まじめなあらすじ】  主人公のフィアナは、前世では一生を病院で過ごした病弱少女であったが……、 「健康な身体って凄い! 神さま、ありがとう!(ドラゴンをワンパンしながら)」  転生して、超健康な身体(最強!)を手に入れてしまう。  魔界で育ったフィアナには、この世界の普通が分からない。  友達を作るため、王都の学園へと旅立つことになるのだが……、 「なるほど! 王都では、ドラゴンを狩るには許可が必要なんですね!」 「「「違う、そうじゃない!!」」」  これは魔界で育った超健康な少女が、うっかり無双してしまうお話である。 ※他サイトにも投稿中 ※旧タイトル 病弱少女、転生して健康な肉体(最強)を手に入れる~友達が欲しくて魔境を旅立ちましたが、どうやら私の魔法は少しおかしいようです~

ヒロイン? 玉の輿? 興味ありませんわ! お嬢様はお仕事がしたい様です。

彩世幻夜
ファンタジー
「働きもせずぐうたら三昧なんてつまんないわ!」 お嬢様はご不満の様です。 海に面した豊かな国。その港から船で一泊二日の距離にある少々大きな離島を領地に持つとある伯爵家。 名前こそ辺境伯だが、両親も現当主の祖父母夫妻も王都から戻って来ない。 使用人と領民しか居ない田舎の島ですくすく育った精霊姫に、『玉の輿』と羨まれる様な縁談が持ち込まれるが……。 王道中の王道の俺様王子様と地元民のイケメンと。そして隠された王子と。 乙女ゲームのヒロインとして生まれながら、その役を拒否するお嬢様が選ぶのは果たして誰だ? ※5/4完結しました。 新作 【あやかしたちのとまり木の日常】 連載開始しました

処理中です...