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第13章 樹の国ユグドマンモン探検偏
第328話 水浴びタイム・水面に開いた異様な空洞
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前回の森小屋を発ってからしばらく経過。
森に入って四日目の今日は今までとは比べ物にならないくらいスムースに進行。
エルフヴィレッジの最も近くにある森小屋まで来た。
「エルフヴィレッジはここからあと半日ほどで着きます。本日はこの森小屋で一泊しましょう」
◇
翌日――
更にスムースに進行し、あっという間にエルフヴィレッジ近くの湖まで進行。
「エルフヴィレッジはこの湖を越えた先にあります」
「これ以上近付くと捕えられたりしませんか?」
ルイスさんが心配してトリニアさんに聞く。
「今回はわたくしが同行していますし、大丈夫だと思いますが……」
「そうですか、それなら良いのですが……エルフは気難しいと聞いていますし……」
あ、ルイスさんの中でのエルフの認識も“気難しい”なんだ。
『エルフは気難しい』って私に話してくれたフィンツさんもアクアリヴィア出身だし、アクアリヴィアではこれが共通認識なのかな?
エルフヴィレッジは真のエルフの国だって言うし。
それにしても…………湖か、ちょうど良いから身体洗いたい!
「ところで提案なんですけど、ここまで大きい水場も無かったので、少し休憩して行きませんか? 身体を洗っておきたいんですけど……」
くさい植物も予想以上に多くて、身体中ににおいが染みついてしまってるしね……
道中、底の浅い川か流れの速い川ばかりだったから、全身ザンブリと水に浸かりたい。
ここに来るまでに風呂を作って入りたいとも思ったが、大量の水を使うため水を流してその場の環境が変化してしまうのではないかと考え、環境に配慮して大きい水場を作るのを避けていた。石鹸とか使うとそれを処理する浄化施設も無いしね。
やむを得ず洗い場を作ったのはロクトスとナナトスがマンイーターに消化されかけたあの一回だけだ。 (第321話参照)
これだけ大きい湖なら、石鹸を使わなくても水に潜って身体を擦るだけでもかなりの汚れを落とせそうだ。
「……そうですね……では休憩と致しましょう」
「じゃあ私とトリニアさんは水浴びしてくるんで、男連中は後で、ということで」
「はいッス!」
◇
木々の影に隠れて服を脱ぐ。
私は闇のドレスを消して下着を脱ぐだけだけど。
「その黒いドレス、魔法だったんですか!?」
「え? そうですよ」
「随分動く不思議な服だなと思ってましたけど……」
「昔服を燃やされてしまったんで、それ以降から闇魔法で服を作るようにしたんです」
「闇魔法で服を……? アルトラ様は精霊でもないですし維持が大変なのではないですか?」
「いえ、他人より少々魔力が多く生まれているので、それほどではないですよ」
「下着は付けてるんですね。何か理由が?」
「……昔は全裸に闇のドレスだったんですけど、服屋さんで着替える時にやらかしてしまいまして……それ以降からショーツだけは履くように……」 (第69話参照)
「な、なるほど……」
いざ湖に入ろうとする時、ふと予感がした。
「トリニアさん、周囲には誰も居ないとは思いますが認識阻害の魔法をかけておこうと思います。不可視化&魔力遮断」
自身とトリニアさんに透明になる魔法と自身から漏れ出る魔力を隠す魔法をかけた。
「おぉー!? アルトラ様の身体が透明に! あ、わたくしも!?」
これで私もトリニアさんも透明になった。
「これで見られても大丈夫です。実際には光の屈折率をゆがめてるだけですけど熱感知できない生物には見えません」
「あ、待ってください、脱いだ服を草場の影にでも隠しておきます」
嬉々として水の中に足を踏み入れ、腰辺りまで水に浸かる。
すると、後ろに立っているらしきトリニアさんから疑問符が付く口調で話しかけられた。
「アルトラ様、今水の中に入りましたよね?」
「透明になってるのによく分かりましたね」
「今腰の辺りまで潜ったのではないですか?」
「よく分かりましたね!! まさか見えてますか!?」
「いえ……その……湖面に不自然な穴が……」
と言われて、自分の下半身を見ると――
「おぉっ!? なんじゃコリャ!?」
不可視化をかけているので自分の身体は透明で見えていない。しかし、自分の身体が沈んでいると思われる湖面に、水が進入してこない不自然な空洞が開いている。
「ど、どういうこと!?」
「どうやらわたくしたちが透明になってるというだけで、実際はそこに身体が存在しているので、湖面にわたくしたちの身体のラインに沿った穴が開いてるように見えるみたいですね……両足が水に浸かったであろう時、湖面に突然小さい空洞が二つ出現してちょっとビックリしました。脚や腰が沈んでいる部分だけ水が無くなって、物凄く変な状態に見えます……」
例えるなら透明のガラスのコップを水がギリギリ入り込まないように水中に入れた状態って感じかな。
まさかと思って、水中に潜ってトリニアさんがいると思われる方向を見ると――
透明ながらトリニアさんの下半身らしきものが水中に存在している。
うわ……何か艶かしい……身体のラインが水中にくっきり表れてるわ……
でも青くて身体の形に透き通っていて、どこか神秘的。
しかし、水中には下半身があるのに、水面へ上がると上半身は見えない。何とも奇妙な光景だ……
首だけ水面に出して、トリニアさんを誘ってみる。
「トリニアさん! 水中に潜ってみると面白い光景が見れますよ!」
「わ! ホントだ! わたくしたちの身体と同じ穴が開いてて綺麗です! でも、これって透明になっていても水中に潜られたら身体のラインが丸見えなんじゃないんですか?」
「………………まあ……水に潜らないと見えませんし、湖面より上から見る分には物陰に居れば多分気付かれることはないでしょう」
とは言え、透明になっているはずなのに水中に潜ったら裸がそこにあるようで落ち着かない。さっさと身体を洗って出よう。
とりあえず身体に染みついたにおいだけは、少しでも薄くしておきたい。
「ちょっと試してみたいことがあるんですけど、『いっせいの』で水中に潜ってみませんか?」
「私もちょっと疑問に思ってました」
「じゃあ――」
「「いっせいの!」」
ザブンッと水中に顔を沈め、トリニアさんの方を見ると――
透明ながら顔がきちんと形作られて見える。髪の毛の一本一本までちゃんと分かる。透明で青くて神秘的な身体がそこに映されている。
でも、よく見ると……目は黒目が見えないな……まあ、白目と黒目の間に凹凸があるわけじゃないし、それはしょうがないか。
酸素も少なくなってきたということで、水面に上半身を出す。
「プハッ! 凄いですね! まるで水の精霊になったみたいです! あれ? アルトラ様……身体のラインが……」
水に全身を沈めたために、今度は水中外でも別の奇妙な現象が起きていた!
「おぉ!? なんじゃこりゃ!」
被った水が身体の表面を濡らしたため、透明の身体の表面を水が滴っている。
その所為で光を咲かせる花の光が水滴に反射して、自身の身体がキラキラ光る透明のオブジェのようになっている。
さっき潜った時は首だけ水面に出しただけだったから気付かなかったんだ!
「ア、アルトラ様、これって周囲からはそこに何かあるってすぐ分かるレベルで光ってるんじゃないでしょうか?」
身体が透明な分、光を遮るものが無いため、付着した水による光の反射が激しい。例えるなら歌番組でよく見られるスパンコールの付いた服みたいな感じ。
「ちょ、ちょっとこれ裸で水浴びするより目立ちそうですね。光の当たらない物陰に行きましょう」
そういうわけで物陰に避難して身体を洗うことは続行。
◇
「ところで木の精霊って、水の中にどっぷり浸かっても大丈夫なんですか? 植物は水を与え過ぎると根腐れするって聞きますけど」
「受肉体の周りを魔力の保護膜で覆っているのでご心配には及びません」
あ~、以前シーラさんに似たような話を聞いたっけ。 (第273話参照)
「魔力の保護膜で覆ってるのに汚れるんですね……」
「保護膜が汚れるんでしょうね。まあ亜人で言うところの皮膚に当たると考えていただければ分かりやすいかと思います」
その時、ナナトスらを置いて来た方向から声が聞こえる。
「ナナトスくん、覗きなんてまずいですって……ロクトスくんも止めてくださいよ」
「……コイツは怒られないとやめないから仕方ない……」
「そう言いながら二人とも付いて来てるじゃないッスか」
何となく予感がしてたけど、あの悪戯小僧はやっぱり覗きに来たな! 認識阻害の魔法かけておいて正解だった。
「……俺たちはお前を連れ戻しに来たんだよ……! ……お前アルトラ様に知られたらマズいぞ……?」
「大丈夫ッス! アルトラ様の貧相な身体なんか興味無いッスから」
にゃにを~~!?
全部聞こえてんだぞ!? これは後で脳天チョップの刑ね。
「……トリニアさんを見たら見たで、今度は国際問題になりかねないから早く帰るぞ……」
「あれ~? アルトラ様たちいないッスね」
「……いないのか? どこ行ったんだろ……」
「もっと遠くに居るんスかね?」
その時、突然明後日の方角からナナトスたち以外の声が!
ちょっと怒気を含んでいるように感じる。
「おい! お前たちは何だ! 森賊か?」
声がした方を見ると端正な顔立ちで細身の男性が複数人。
森に入って四日目の今日は今までとは比べ物にならないくらいスムースに進行。
エルフヴィレッジの最も近くにある森小屋まで来た。
「エルフヴィレッジはここからあと半日ほどで着きます。本日はこの森小屋で一泊しましょう」
◇
翌日――
更にスムースに進行し、あっという間にエルフヴィレッジ近くの湖まで進行。
「エルフヴィレッジはこの湖を越えた先にあります」
「これ以上近付くと捕えられたりしませんか?」
ルイスさんが心配してトリニアさんに聞く。
「今回はわたくしが同行していますし、大丈夫だと思いますが……」
「そうですか、それなら良いのですが……エルフは気難しいと聞いていますし……」
あ、ルイスさんの中でのエルフの認識も“気難しい”なんだ。
『エルフは気難しい』って私に話してくれたフィンツさんもアクアリヴィア出身だし、アクアリヴィアではこれが共通認識なのかな?
エルフヴィレッジは真のエルフの国だって言うし。
それにしても…………湖か、ちょうど良いから身体洗いたい!
「ところで提案なんですけど、ここまで大きい水場も無かったので、少し休憩して行きませんか? 身体を洗っておきたいんですけど……」
くさい植物も予想以上に多くて、身体中ににおいが染みついてしまってるしね……
道中、底の浅い川か流れの速い川ばかりだったから、全身ザンブリと水に浸かりたい。
ここに来るまでに風呂を作って入りたいとも思ったが、大量の水を使うため水を流してその場の環境が変化してしまうのではないかと考え、環境に配慮して大きい水場を作るのを避けていた。石鹸とか使うとそれを処理する浄化施設も無いしね。
やむを得ず洗い場を作ったのはロクトスとナナトスがマンイーターに消化されかけたあの一回だけだ。 (第321話参照)
これだけ大きい湖なら、石鹸を使わなくても水に潜って身体を擦るだけでもかなりの汚れを落とせそうだ。
「……そうですね……では休憩と致しましょう」
「じゃあ私とトリニアさんは水浴びしてくるんで、男連中は後で、ということで」
「はいッス!」
◇
木々の影に隠れて服を脱ぐ。
私は闇のドレスを消して下着を脱ぐだけだけど。
「その黒いドレス、魔法だったんですか!?」
「え? そうですよ」
「随分動く不思議な服だなと思ってましたけど……」
「昔服を燃やされてしまったんで、それ以降から闇魔法で服を作るようにしたんです」
「闇魔法で服を……? アルトラ様は精霊でもないですし維持が大変なのではないですか?」
「いえ、他人より少々魔力が多く生まれているので、それほどではないですよ」
「下着は付けてるんですね。何か理由が?」
「……昔は全裸に闇のドレスだったんですけど、服屋さんで着替える時にやらかしてしまいまして……それ以降からショーツだけは履くように……」 (第69話参照)
「な、なるほど……」
いざ湖に入ろうとする時、ふと予感がした。
「トリニアさん、周囲には誰も居ないとは思いますが認識阻害の魔法をかけておこうと思います。不可視化&魔力遮断」
自身とトリニアさんに透明になる魔法と自身から漏れ出る魔力を隠す魔法をかけた。
「おぉー!? アルトラ様の身体が透明に! あ、わたくしも!?」
これで私もトリニアさんも透明になった。
「これで見られても大丈夫です。実際には光の屈折率をゆがめてるだけですけど熱感知できない生物には見えません」
「あ、待ってください、脱いだ服を草場の影にでも隠しておきます」
嬉々として水の中に足を踏み入れ、腰辺りまで水に浸かる。
すると、後ろに立っているらしきトリニアさんから疑問符が付く口調で話しかけられた。
「アルトラ様、今水の中に入りましたよね?」
「透明になってるのによく分かりましたね」
「今腰の辺りまで潜ったのではないですか?」
「よく分かりましたね!! まさか見えてますか!?」
「いえ……その……湖面に不自然な穴が……」
と言われて、自分の下半身を見ると――
「おぉっ!? なんじゃコリャ!?」
不可視化をかけているので自分の身体は透明で見えていない。しかし、自分の身体が沈んでいると思われる湖面に、水が進入してこない不自然な空洞が開いている。
「ど、どういうこと!?」
「どうやらわたくしたちが透明になってるというだけで、実際はそこに身体が存在しているので、湖面にわたくしたちの身体のラインに沿った穴が開いてるように見えるみたいですね……両足が水に浸かったであろう時、湖面に突然小さい空洞が二つ出現してちょっとビックリしました。脚や腰が沈んでいる部分だけ水が無くなって、物凄く変な状態に見えます……」
例えるなら透明のガラスのコップを水がギリギリ入り込まないように水中に入れた状態って感じかな。
まさかと思って、水中に潜ってトリニアさんがいると思われる方向を見ると――
透明ながらトリニアさんの下半身らしきものが水中に存在している。
うわ……何か艶かしい……身体のラインが水中にくっきり表れてるわ……
でも青くて身体の形に透き通っていて、どこか神秘的。
しかし、水中には下半身があるのに、水面へ上がると上半身は見えない。何とも奇妙な光景だ……
首だけ水面に出して、トリニアさんを誘ってみる。
「トリニアさん! 水中に潜ってみると面白い光景が見れますよ!」
「わ! ホントだ! わたくしたちの身体と同じ穴が開いてて綺麗です! でも、これって透明になっていても水中に潜られたら身体のラインが丸見えなんじゃないんですか?」
「………………まあ……水に潜らないと見えませんし、湖面より上から見る分には物陰に居れば多分気付かれることはないでしょう」
とは言え、透明になっているはずなのに水中に潜ったら裸がそこにあるようで落ち着かない。さっさと身体を洗って出よう。
とりあえず身体に染みついたにおいだけは、少しでも薄くしておきたい。
「ちょっと試してみたいことがあるんですけど、『いっせいの』で水中に潜ってみませんか?」
「私もちょっと疑問に思ってました」
「じゃあ――」
「「いっせいの!」」
ザブンッと水中に顔を沈め、トリニアさんの方を見ると――
透明ながら顔がきちんと形作られて見える。髪の毛の一本一本までちゃんと分かる。透明で青くて神秘的な身体がそこに映されている。
でも、よく見ると……目は黒目が見えないな……まあ、白目と黒目の間に凹凸があるわけじゃないし、それはしょうがないか。
酸素も少なくなってきたということで、水面に上半身を出す。
「プハッ! 凄いですね! まるで水の精霊になったみたいです! あれ? アルトラ様……身体のラインが……」
水に全身を沈めたために、今度は水中外でも別の奇妙な現象が起きていた!
「おぉ!? なんじゃこりゃ!」
被った水が身体の表面を濡らしたため、透明の身体の表面を水が滴っている。
その所為で光を咲かせる花の光が水滴に反射して、自身の身体がキラキラ光る透明のオブジェのようになっている。
さっき潜った時は首だけ水面に出しただけだったから気付かなかったんだ!
「ア、アルトラ様、これって周囲からはそこに何かあるってすぐ分かるレベルで光ってるんじゃないでしょうか?」
身体が透明な分、光を遮るものが無いため、付着した水による光の反射が激しい。例えるなら歌番組でよく見られるスパンコールの付いた服みたいな感じ。
「ちょ、ちょっとこれ裸で水浴びするより目立ちそうですね。光の当たらない物陰に行きましょう」
そういうわけで物陰に避難して身体を洗うことは続行。
◇
「ところで木の精霊って、水の中にどっぷり浸かっても大丈夫なんですか? 植物は水を与え過ぎると根腐れするって聞きますけど」
「受肉体の周りを魔力の保護膜で覆っているのでご心配には及びません」
あ~、以前シーラさんに似たような話を聞いたっけ。 (第273話参照)
「魔力の保護膜で覆ってるのに汚れるんですね……」
「保護膜が汚れるんでしょうね。まあ亜人で言うところの皮膚に当たると考えていただければ分かりやすいかと思います」
その時、ナナトスらを置いて来た方向から声が聞こえる。
「ナナトスくん、覗きなんてまずいですって……ロクトスくんも止めてくださいよ」
「……コイツは怒られないとやめないから仕方ない……」
「そう言いながら二人とも付いて来てるじゃないッスか」
何となく予感がしてたけど、あの悪戯小僧はやっぱり覗きに来たな! 認識阻害の魔法かけておいて正解だった。
「……俺たちはお前を連れ戻しに来たんだよ……! ……お前アルトラ様に知られたらマズいぞ……?」
「大丈夫ッス! アルトラ様の貧相な身体なんか興味無いッスから」
にゃにを~~!?
全部聞こえてんだぞ!? これは後で脳天チョップの刑ね。
「……トリニアさんを見たら見たで、今度は国際問題になりかねないから早く帰るぞ……」
「あれ~? アルトラ様たちいないッスね」
「……いないのか? どこ行ったんだろ……」
「もっと遠くに居るんスかね?」
その時、突然明後日の方角からナナトスたち以外の声が!
ちょっと怒気を含んでいるように感じる。
「おい! お前たちは何だ! 森賊か?」
声がした方を見ると端正な顔立ちで細身の男性が複数人。
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