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第15章 火の国ルシファーランド強制招待編
第409話 王都アグニシュ到着
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翌日――
朝食を食べ、簡易家を壊して出発。
しばらく砂漠を進むと、フレアハルトが何か発見したらしい。
「おい、立派な石造りの建造物があるぞ」
石造りの建造物? ってことは――
「ピラミッドだ!」
遠目過ぎて小さくしか見えないが、紛れもなく砂漠に建つピラミッド。
私が想像してたのはこれよこれ! 樹の国にあったのは森林の中にコケとかカビとか生えて何だか黄緑色っぽくて『コレジャナイ感』があったけど、こっちは私がテレビで見慣れている姿だ。
樹の国でジゼルさんが言っていた火の国の砂漠にあるピラミッドってのは、きっとこれのことだろう。 (第358話参照)
サンドニオさんにここでも例の質問をしてみる。
「あのピラミッドって何のためにあるんですか?」
「私は専門家ではないので詳しくはありませんが……かつて冥球が闇に染まった太古の昔に建造され、一時でも早く太陽が出現するようにと太陽神ラーに祈りを捧げられたとされています」
太陽神ラーはここで登場するわけか。
「太陽の神に祈りを捧げたことはこの国のヒトたちに広く伝わってるんですか?」
「ええ、我が国の王は代々太陽の復活に固執している傾向がありますので、太古の時代のルシファー様が建造されたと伝わっています」
なるほど、光の魔王とまで呼ばれているから、一万年もの長き間、最も太陽の出現を心待ちにしているってわけか。
それで疑似太陽を作った私にも執着していると。
「しかし……どれほど永きに渡って祈祷しても、闇の帳は晴れることがなく、終ぞ現在まで太陽は出現することはありませんでした。そのため現在ではラーへ祈りを捧げることをやめてしまい、その当時の名残りだけが残った古代の遺物という位置付けになっています」
もはや一万年の昔にホントに太陽が出てたのかさえ疑わしい環境だしね……
樹の国のものとは違って、観光名所として使ったりもしてない、打ち捨てられた遺跡ってことかな。
「ピラミッドは魔力を増幅する機能を持っているという説があり、ある時代には世界中から光魔術師を集め、それを先導していた当時のルシファー王が光魔法で闇の帳を打ち破ろうとしたという説もあるそうです。暗闇に辟易していた魔界の人々は火の国だけではなかったため、当時は世界中が協力して闇を晴らそうとしたのかもしれませんね」
「結果は?」
「現在も闇の帳が続いている通り失敗に終わっています。当時集められた光魔術師の魔力は一国を滅ぼせるほどの魔力だったとかそうでないとか、説はいくつかあります」
あの闇ってそんなに強力なの!?
でも地球での死者が冥球へ来る時だけは通過できるのよね……
ああ、でも『一国を滅ぼせる』は説の一つだから歴史的な真実とは限らないのか。
「また、ある一説では太陽の神を召喚しようとしたという伝説と共に、それが失敗に終わったという説もあります」
「太陽の神を召喚しようとして失敗した? 召喚施設である可能性があるんですか?」
ここのも魔力増幅の機能があるような話だったし、樹の国のピラミッドと同じく、神降ろしや精霊降ろしにも使ってた施設ってことなのかしら。
「細かい部分までは伝わっていない上、祈祷するための場所という説が有力なため、闇の帳を打ち破ろうとした話や、召喚の話自体が作られたものである可能性もあります。きちんと調べれば分かるかもしれませんが、私はそちら方面に造詣が深いわけではないので、複数ある説の有力とされている三つの説ですね」
「へぇ~」
諸説ありってやつか。
ちょっと興味ありそうな話題だったんだけど、そこまでは分からないのね。
「ピラミッド内にはトラップの痕跡があるという話も聞いたことがあるので、かつては重要施設だった可能性が高いのではないかとされています。しかし、現在では管理もされていないためモンスターや砂賊が根城にしているという噂もあります」
「なるほど、屋根もありますし拠点にするにはなかなかの場所ですよね」
「まあ、あの周囲には巨大な人面の獣が住み着いているので、あれを手なづけるか排除しなければ拠点とするのは難しいかもしれませんが……」
人面の獣ってのは多分スフィンクスのことだな。
今回の火の国訪問では特に寄る必要が無い場所のため、ピラミッドについては横目で見ながら素通り。機会があれば見に行ってみようかな。
◇
更に五時間ほど進むと、首都が見えてきた。
「アルトラ様~、街が見えてきましたよ~!」
「お~、あれが首都か~」
遠目から見た首都はここまでの他の町同様に、高い壁に囲まれている。これはモンスターが住む世界である以上仕方ない。
街は段々のある土地に作られており、街の中心部へ近付くほど高くなり、お金持ちが住むらしい。
王城は最も高いところにあるようだ。ここからでも高いところに建つ城が見える。
ちなみに『王都』と言ったり『首都』と言ったりするが、どちらも使われるらしい。『王都アグニシュ』が正式名称だが前後の文脈を見て使い分けるのが良い。私は首都を主に使おうと思う。
◇
それから間もなくして首都へ到着。
「奴隷二名、アルトレリアから帰還! アルトラ様をお連れしました!」
サンドニオさんが首都外壁の門衛にそう伝える。
ここまで見て来た町の兵士と比べて、一回りも二回りも屈強そうに見える。きっと良い物食べて、質の高い訓練をしているのだろう。装備もこれまでの町に居た兵士のような安物ではない。
「貴女がアルトラ様ですか。では貴女様はこちらへ。お連れの方はボディチェックを受けた後、問題が無ければ王都へ入る許可がされます。奴隷のお前たちは帰って良いぞ、ご苦労だったな」
え? 私だけ別のところへ通されるの? ボディチェックも無しに?
「じゃああなたたちとは別行動らしいから、また後でね」
「あ、ああ……」
サンドニオさん、レドナルドさんとも少し分かれるだけかと思ったら――
「アルトラ殿、いえアルトラ様」
急にサンドニオさんの二人称が『殿呼び』から、『様呼び』に変わった。
「わたくしたちはここまでとなります」
「我々の役目は貴女をここへお連れすることなので、ここでお別れです」
「えっ!? サンドニオさんとレドナルドさんもですか!? 私の身の回りの世話をする役目だったんじゃないんですか!?」
「わたくしたちのお役目は道中お世話をすることです。我々は奴隷身分ですので、残念ですが王都ではこのまま貴女と行動することはできません。お世話係は別の者が引き継ぎます」
「危険もありましたが中々に楽しい旅路でした」
「お世話をするつもりが結局のところは散々助けられましたね。それでは名残惜しいですが我々二人、今後のアルトラ様、並びにお連れの方々の幸運をお祈り致します」
二人とも深々と頭を下げ、この場から立ち去ろうとする。
「ちょ、ちょっと待ってください。別れる前にお二人にせめてこれを。持ち主に幸運が訪れる魔法をかけてあります」
いつものようにお世話になったヒトに対して贈る創成魔法で作った宝石を手渡した。
「こ、こんな高価なものはいただけません!」
「それに、こんなもの持っていてもすぐに盗まれてしまいます!」
「私特製の紛失防止の魔法がかけてあるので、念じるだけで手元に戻ってきます。危ない時にはわざと奪わせておいて、後で取り返すって方法も可能です」
また、その他の効力についても説明する。幸運上昇や再生力強化、少しの身体強化を盛り込んだ。
「そ、それは凄い……ですが……こんな高価なものは……」
「持って行ってください。お世話になった方には贈るようにしているんです。また、もし生活に困るなら手放していただいても構いません。自身で手放す気がある時には紛失防止の魔法も効力を失ってしまいますけど……」
流石に売っておいて、紛失防止の効果で引き寄せた場合、詐欺を働くことになってしまうため手放した場合は紛失防止の魔法の効果は失うようにしてある。逆に大事に使ってくれる間は決して効力を失わない。
「そ、そこまで言うなら……」
「ありがたく頂戴します……」
再度深々と頭を下げられ、今度こそ本当にお別れ。
たった一週間弱一緒だっただけとは言え、そこはかとない寂しさが漂う。
抑圧されている奴隷身分としてはあまりにも国内のことに精通し過ぎていたため、道中本当に奴隷の身分なのか何度か疑っていたが、お役御免になって上の身分の者と行動できないということは、結局のところ奴隷の身分なのは間違いないようだ。
ただ、やっぱり未だに何かがちょっと引っかかる。別の何かを隠していたのではないかと。
もっとも……彼らと関わりを持ったのが『私を火の国に連れて来る』ということが目的の薄い繋がりであることを考えると、今後彼らに再会する可能性は極めて低い。身分を考えると命令以外ではおいそれと火の国の国外へは出られないだろう。今後アルトレリアを訪れる可能性も低いと考えられるから、多分これが今生の別れになると思う。
彼らが意図して別の何かを隠していたところで、今後の私には何も関係の無いことだ。
彼らとの別れを惜しんでいると、今度はサンチョさんから声がかかる。
「それではアルトラ殿、私もここでお別れとなります。道中駱駝車のご利用ありがとうございました、有意義な旅でした。貴女の行く末に幸運が訪れんことを」
「はい、サンチョさんもお元気で。あなたにもこれを贈ります」
ここまで駱駝車を手繰って連れて来てくれたサンチョさんともお別れ。
私が空間魔法を扱えることが分かっているため、帰りに利用しないことも把握しているようだ。
サンチョさんにも宝石も手渡す。
「ありがとうございます。大事に使わせていただきます」
サンドニオさんたちとのやり取りを聞いていたのか、すんなりと受け取ってくれた。
その後、駱駝車を引いてこの場を去って行った。
「ではアルトラ様、こちらへどうぞ」
門衛の方に促され付いて行き、外壁内にある別室へと通された。
朝食を食べ、簡易家を壊して出発。
しばらく砂漠を進むと、フレアハルトが何か発見したらしい。
「おい、立派な石造りの建造物があるぞ」
石造りの建造物? ってことは――
「ピラミッドだ!」
遠目過ぎて小さくしか見えないが、紛れもなく砂漠に建つピラミッド。
私が想像してたのはこれよこれ! 樹の国にあったのは森林の中にコケとかカビとか生えて何だか黄緑色っぽくて『コレジャナイ感』があったけど、こっちは私がテレビで見慣れている姿だ。
樹の国でジゼルさんが言っていた火の国の砂漠にあるピラミッドってのは、きっとこれのことだろう。 (第358話参照)
サンドニオさんにここでも例の質問をしてみる。
「あのピラミッドって何のためにあるんですか?」
「私は専門家ではないので詳しくはありませんが……かつて冥球が闇に染まった太古の昔に建造され、一時でも早く太陽が出現するようにと太陽神ラーに祈りを捧げられたとされています」
太陽神ラーはここで登場するわけか。
「太陽の神に祈りを捧げたことはこの国のヒトたちに広く伝わってるんですか?」
「ええ、我が国の王は代々太陽の復活に固執している傾向がありますので、太古の時代のルシファー様が建造されたと伝わっています」
なるほど、光の魔王とまで呼ばれているから、一万年もの長き間、最も太陽の出現を心待ちにしているってわけか。
それで疑似太陽を作った私にも執着していると。
「しかし……どれほど永きに渡って祈祷しても、闇の帳は晴れることがなく、終ぞ現在まで太陽は出現することはありませんでした。そのため現在ではラーへ祈りを捧げることをやめてしまい、その当時の名残りだけが残った古代の遺物という位置付けになっています」
もはや一万年の昔にホントに太陽が出てたのかさえ疑わしい環境だしね……
樹の国のものとは違って、観光名所として使ったりもしてない、打ち捨てられた遺跡ってことかな。
「ピラミッドは魔力を増幅する機能を持っているという説があり、ある時代には世界中から光魔術師を集め、それを先導していた当時のルシファー王が光魔法で闇の帳を打ち破ろうとしたという説もあるそうです。暗闇に辟易していた魔界の人々は火の国だけではなかったため、当時は世界中が協力して闇を晴らそうとしたのかもしれませんね」
「結果は?」
「現在も闇の帳が続いている通り失敗に終わっています。当時集められた光魔術師の魔力は一国を滅ぼせるほどの魔力だったとかそうでないとか、説はいくつかあります」
あの闇ってそんなに強力なの!?
でも地球での死者が冥球へ来る時だけは通過できるのよね……
ああ、でも『一国を滅ぼせる』は説の一つだから歴史的な真実とは限らないのか。
「また、ある一説では太陽の神を召喚しようとしたという伝説と共に、それが失敗に終わったという説もあります」
「太陽の神を召喚しようとして失敗した? 召喚施設である可能性があるんですか?」
ここのも魔力増幅の機能があるような話だったし、樹の国のピラミッドと同じく、神降ろしや精霊降ろしにも使ってた施設ってことなのかしら。
「細かい部分までは伝わっていない上、祈祷するための場所という説が有力なため、闇の帳を打ち破ろうとした話や、召喚の話自体が作られたものである可能性もあります。きちんと調べれば分かるかもしれませんが、私はそちら方面に造詣が深いわけではないので、複数ある説の有力とされている三つの説ですね」
「へぇ~」
諸説ありってやつか。
ちょっと興味ありそうな話題だったんだけど、そこまでは分からないのね。
「ピラミッド内にはトラップの痕跡があるという話も聞いたことがあるので、かつては重要施設だった可能性が高いのではないかとされています。しかし、現在では管理もされていないためモンスターや砂賊が根城にしているという噂もあります」
「なるほど、屋根もありますし拠点にするにはなかなかの場所ですよね」
「まあ、あの周囲には巨大な人面の獣が住み着いているので、あれを手なづけるか排除しなければ拠点とするのは難しいかもしれませんが……」
人面の獣ってのは多分スフィンクスのことだな。
今回の火の国訪問では特に寄る必要が無い場所のため、ピラミッドについては横目で見ながら素通り。機会があれば見に行ってみようかな。
◇
更に五時間ほど進むと、首都が見えてきた。
「アルトラ様~、街が見えてきましたよ~!」
「お~、あれが首都か~」
遠目から見た首都はここまでの他の町同様に、高い壁に囲まれている。これはモンスターが住む世界である以上仕方ない。
街は段々のある土地に作られており、街の中心部へ近付くほど高くなり、お金持ちが住むらしい。
王城は最も高いところにあるようだ。ここからでも高いところに建つ城が見える。
ちなみに『王都』と言ったり『首都』と言ったりするが、どちらも使われるらしい。『王都アグニシュ』が正式名称だが前後の文脈を見て使い分けるのが良い。私は首都を主に使おうと思う。
◇
それから間もなくして首都へ到着。
「奴隷二名、アルトレリアから帰還! アルトラ様をお連れしました!」
サンドニオさんが首都外壁の門衛にそう伝える。
ここまで見て来た町の兵士と比べて、一回りも二回りも屈強そうに見える。きっと良い物食べて、質の高い訓練をしているのだろう。装備もこれまでの町に居た兵士のような安物ではない。
「貴女がアルトラ様ですか。では貴女様はこちらへ。お連れの方はボディチェックを受けた後、問題が無ければ王都へ入る許可がされます。奴隷のお前たちは帰って良いぞ、ご苦労だったな」
え? 私だけ別のところへ通されるの? ボディチェックも無しに?
「じゃああなたたちとは別行動らしいから、また後でね」
「あ、ああ……」
サンドニオさん、レドナルドさんとも少し分かれるだけかと思ったら――
「アルトラ殿、いえアルトラ様」
急にサンドニオさんの二人称が『殿呼び』から、『様呼び』に変わった。
「わたくしたちはここまでとなります」
「我々の役目は貴女をここへお連れすることなので、ここでお別れです」
「えっ!? サンドニオさんとレドナルドさんもですか!? 私の身の回りの世話をする役目だったんじゃないんですか!?」
「わたくしたちのお役目は道中お世話をすることです。我々は奴隷身分ですので、残念ですが王都ではこのまま貴女と行動することはできません。お世話係は別の者が引き継ぎます」
「危険もありましたが中々に楽しい旅路でした」
「お世話をするつもりが結局のところは散々助けられましたね。それでは名残惜しいですが我々二人、今後のアルトラ様、並びにお連れの方々の幸運をお祈り致します」
二人とも深々と頭を下げ、この場から立ち去ろうとする。
「ちょ、ちょっと待ってください。別れる前にお二人にせめてこれを。持ち主に幸運が訪れる魔法をかけてあります」
いつものようにお世話になったヒトに対して贈る創成魔法で作った宝石を手渡した。
「こ、こんな高価なものはいただけません!」
「それに、こんなもの持っていてもすぐに盗まれてしまいます!」
「私特製の紛失防止の魔法がかけてあるので、念じるだけで手元に戻ってきます。危ない時にはわざと奪わせておいて、後で取り返すって方法も可能です」
また、その他の効力についても説明する。幸運上昇や再生力強化、少しの身体強化を盛り込んだ。
「そ、それは凄い……ですが……こんな高価なものは……」
「持って行ってください。お世話になった方には贈るようにしているんです。また、もし生活に困るなら手放していただいても構いません。自身で手放す気がある時には紛失防止の魔法も効力を失ってしまいますけど……」
流石に売っておいて、紛失防止の効果で引き寄せた場合、詐欺を働くことになってしまうため手放した場合は紛失防止の魔法の効果は失うようにしてある。逆に大事に使ってくれる間は決して効力を失わない。
「そ、そこまで言うなら……」
「ありがたく頂戴します……」
再度深々と頭を下げられ、今度こそ本当にお別れ。
たった一週間弱一緒だっただけとは言え、そこはかとない寂しさが漂う。
抑圧されている奴隷身分としてはあまりにも国内のことに精通し過ぎていたため、道中本当に奴隷の身分なのか何度か疑っていたが、お役御免になって上の身分の者と行動できないということは、結局のところ奴隷の身分なのは間違いないようだ。
ただ、やっぱり未だに何かがちょっと引っかかる。別の何かを隠していたのではないかと。
もっとも……彼らと関わりを持ったのが『私を火の国に連れて来る』ということが目的の薄い繋がりであることを考えると、今後彼らに再会する可能性は極めて低い。身分を考えると命令以外ではおいそれと火の国の国外へは出られないだろう。今後アルトレリアを訪れる可能性も低いと考えられるから、多分これが今生の別れになると思う。
彼らが意図して別の何かを隠していたところで、今後の私には何も関係の無いことだ。
彼らとの別れを惜しんでいると、今度はサンチョさんから声がかかる。
「それではアルトラ殿、私もここでお別れとなります。道中駱駝車のご利用ありがとうございました、有意義な旅でした。貴女の行く末に幸運が訪れんことを」
「はい、サンチョさんもお元気で。あなたにもこれを贈ります」
ここまで駱駝車を手繰って連れて来てくれたサンチョさんともお別れ。
私が空間魔法を扱えることが分かっているため、帰りに利用しないことも把握しているようだ。
サンチョさんにも宝石も手渡す。
「ありがとうございます。大事に使わせていただきます」
サンドニオさんたちとのやり取りを聞いていたのか、すんなりと受け取ってくれた。
その後、駱駝車を引いてこの場を去って行った。
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