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第16章 大使就任とアルトレリア健康計画編
第431話 みんなで結果報告!
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お昼時、カフェテラスにみんなで集まって何やら話してるのを見かけた。
ナナトス、カンナー、フレアハルト、アリサ、エルフィーレ、リナさん、ヤポーニャさん、あと名前は知らんけどレッドトロルのヒトまで居る。
実に多様多種族だ。
「みんな健康診断とかいうのはどうだったッスか? トロル族はみんな問題無かったんスかね?」
「僕は特に問題無かったね~」
「私も全く問題ありませんでした」
ナナトスの質問にカンナーとエルフィーレが答える。
「俺っちたち病気知らずって言われてるらしいッスからね」
「でも、今だに“病気”が何のことだか分からないよね」
「アルトラ様は『医者が来れば分かる』みたいなこと言ってたけど」
「何があった場合は問題なんスかねぇ?」
この子らには町に医者が来ても“病気”が何なのか分からなかったか……
ちょうど私の名前が出てたし、声かけてみようか。
「こんにちは、みんな。何だか珍しい集団が出来上がってるね。集まってどうしたの? レイアは?」
アリサがいるのに珍しくレイアがいない。
「アルトラか、レイアは今日も元気に海へ行っておるよ」
あの子、水に弱かったはずなのにどんどん漁師になっていくな……好きなこと見つけたのは良いことだけど。
「あ、噂をすれば影ッスね! みんなで健康診断の結果を報告し合ってるんスよ。アルトラ様はどうだったんスか?」
「私? 何も問題無かったよ」
カイベルのステータス照覧で、病気も毒も効かないって知ってるしね。
でも……アスク先生の最後の一言はちょっと気になるけど……
「つまんない結果報告ッスね」
「つまんないって何だよ!」
まったくコイツは一言多いな。私一応国主なのに、なにこのぞんざいな扱い。
「フレハルさんはどうだったッスか?」
「我か? う~ん……少し調子が悪いらしきことを聞いたな」
「何があったの?」
「我の体内にあるらしい『息袋』とかいう器官が何度かダメージを受けた痕跡があるとか」
「何それ?」
初めて聞く名前だな。息袋? どんな器官なんだソレ?
「ドラゴンの喉の少し手前辺りにあるらしき器官で、元々は『炎袋』と呼ばれていたらしい。ドラゴンは炎を吐く種だけではなく、例えば水のブレスや氷のブレスを吐く種もいるらしく、後々息袋に改称されたんだとか。ここに魔力を溜めた後、一気に放出するのがドラゴン種の使うブレスだそうだぞ」
「つまり、『〇〇ブレス』を吐くから息に使う魔力を溜める袋ってわけ?」
「恐らくそうであろうな。で、その息袋にダメージを受けた痕跡があると言われた」
「何があったんですか?」
心当たりはある。多分砂漠で砂賊相手に使った【インフェルノ・ブレス】が原因なんじゃないだろうか? (第402話参照)
「ああ、砂漠で敵と戦った時に酷使したのが原因らしい。もうほぼ治っているがその新しい痕跡とそれより古い痕跡が残っていると」
何せ、目測だけでも何百メートルもの大穴が開くような炎だ。負担がかからない方がおかしい。
大地に大穴開けるほどの威力だから、一発使っただけでも酷使に当たるのかな。
「火ぃ噴いたんスよね? でも、土木では岩とか炎吐いて壊してることあるんじゃないんスか?」
「そんな軽い炎とは違う。我の使える最強クラスのブレスだからな」
「最強って言われても、俺っちたち見たことないからどれくらいか分からないんスけど……」
「私が見たことあるから説明してあげるよ、あの山一つくらいなら無くなるかも」
カフェテラスから見える神社のある山を指さす。 (神社については第173話、第205話から第208話参照)
「「「え!? 山が無くなるほど!?」」」
「我もあまり使ったことがないから、そこまで負担が大きいとは知らなかった。『何回も使って慣れた場合はどうか』と聞いたところアスクに『身体の負担としても、環境としてもお勧めしない』と言われた」
「そりゃ、そんなの何回も使ったら大地は穴だらけになってしまいますよ……」
「一回使ったらしばらくの間休憩時間が必要ということだな。短い間隔で何度も使うと喉が焼け焦げて使い物にならなくなるかもしれぬと聞いた」
「「「焼け焦げる!?」」」
火に強いレッドドラゴンの喉が焼け焦げるほどの威力か……
「何か……痛そうッスね……」
「そうだな、痛いのは嫌だし、少し考えて使わねばな」
「アリサさんはどうでした?」
「わたくしは至って健康体でしたね。全く問題無いと。わたくしの場合は、フレアハルト様のような息袋に負担のかかるブレスを持ちませんので」
「同じレッドドラゴンなのに?」
「とんでもない! わたくしと王族は似て非なるドラゴンと言っても過言ではありません」
「そんなに崇高な存在なんスか、このドラゴンは?」
「ナナトス……そのドラゴンの元王子にその態度とは、お主命知らずになったな」
「軽口叩けるくらい親しくなったと考えてもらいたいッス」
物は言いようだね。
「じゃあリナさんとヤポーニャさんは?」
まずリナさんが答える。
「私はちょっとお肌の乾燥が気になると……確かに水で溢れたアクアリヴィアに比べますと、アルトレリアは乾燥してますし。それに……今の時期暑いので……水浴びも一日一回から二回に増えました」
現在八月中旬。アルトレリアは日本の気候に近くなっているから大分暑い。
みんなで報告しあっていたところ、別の方向から声がかかった。
「みなさん、こんにちは。今日も暑いですね」
そこにたまたま通りかかった銀行員で水の精霊のシーラさんと、ダム建設組 (第278話参照)のヘルヘヴンのジョンさん、土の精霊のハーバートさん、ガーゴイルのヘンリーさんが加わる。
「健康診断の話題ですか? トロル族のみなさんは初めて健康診断されたそうですね。町中その話で持ち切りですよ」
と言うのはジョンさん。
「今リナさんの話が聞こえたんで話に入ったんですけど、私も水に関連する生物なのでこの暑さは中々堪えますよ……アスク先生にも『構成水分が少々少ないようです。もっと水分を摂ってください』と言われてしまって……」
と、シーラさん。
「シーラさんって水の精霊なんスよね? 内臓とかあるんスか?」
「亜人の方々が思ってるような内臓はありませんが、受肉してる間はそれに準ずる器官があります。魔力だけで生きられるとは言え、私たち精霊も食べることを楽しめるように出来てますから。例えるなら物を消化してくれるスライムが身体の中にいるという感じでしょうか」
「へぇ~、水の精霊って身体を変形させられるんですよね? 内臓があるなんて想像もつかないですね」
「ただ、私たち水の精霊はあまり沢山食べると身体が濁ってしまうので、そこは気を付けて食べないといけません。もっとも私は人型に近い方の水の精霊なので、ウンディーネ族のように限り無く水に近い精霊と比べればそれほど影響はありませんけど」
体内に不純物が多くなるのかな? 食べカスとか? 人間で言うところの悪玉コレステロールが多くなるとかそんな感覚かしら?
「俺たちもこの暑さは堪えるな……」
と言うのはガーゴイルのヘンリーさん。
「ガーゴイルの俺や土の精霊のハーバートは、土や石に由来がある生物だから、水分が少なくなると肌がボロボロになってくる」
「どうやって対処するんですか?」
「ハーバートのような精霊は魔力を補充さえすれば身体を維持できる。どうしても補充が追い付かない場合は、魔力を補充する薬があるからそれを使えば良い」
「へぇ~、それもアスク先生から貰うんですか?」
「そうだな。この町にはまだ売っていないし。しかし俺の場合は精霊と違って魔力を補充すれば身体が治るというわけではないから別の方法でケアする」
「別の方法って?」
「石を食べたり、土を肌に塗り付けたり」
「そ、それで肌荒れ治るんですか?」
「まあ短期的にはそれで良い。持続させないとまた荒れてくるが」
「ず、随分特殊な生態なんですね」
ガーゴイルって言ったら、地球では石の悪魔で有名だから、石の成分で摂取して栄養を得るんだろう。
水分が多く、年中変わらない気候のエレアースモに住んでたから、夏のあるアルトレリアは大変なのかも。エレアースモは水分量が調整されてたから過ごし易かっただろうな。
「ジョンさんは?」
「私もそれほど悪くはなかったですね。ただアルトレリアでは水分調整がされてないのと、暑さの所為で多少羽が荒れてます」
「黒い羽だと疑似太陽の熱を存分に吸収しそうですしね」
「まあ普段は羽を消してるので良いのですが、羽を出現させた時にはやはり荒れが気になります」
う~ん……雷の国出身のみんなはみんなが水分に困ってるっぽいな。
いや、熱に強いトロルとレッドドラゴン以外はみんな水分関連で不調をきたしてるように見える。水路とか増やして空気中の水分を増やすのは今後の課題かな。
「ヤポーニャさんはどうッスか?」
「あたしは問題無かったよ。母親が全く酒を飲まない人でね、私もその血を継ぐハーフドワーフの所為なのか酒もタバコもやらないから。それにまだ年も若いし。でも、フィンツたちがちょっと注意されてたね」
あ、ナナトスが『ドワーフが何かの筒に入って検査されてた』って言ってたっけ。
ヤポーニャさんは私の計算では確か四十歳前後だったはず。見た目は少女にしか見えないが……ドワーフの“見た目年齢”は人間の三分の一くらいに当たるから、現在の年齢を人間換算で考えると見た目年齢は十三、四歳ってところか。
「フロセルとルドルフが酒の飲みすぎで肝臓が悪くなってきてるとかで」
「脂肪肝?」
「のちょっと手前。あの二人は暇さえあれば酒飲んでるから。次いでフィンツにも注意が入った」
「ドワーフなのに肝臓悪くなるんですね。ドワーフって確か酒に強い種族でしたよね?」
「そりゃ長年飲んでれば悪くもなるさ、一体何年飲んでると思う?」
という私とヤポーニャさんのやり取りに、トロル族、レッドドラゴン族は何のことか分からない様子。多分肝臓も脂肪肝も分からないためだと思われる。
「アクアリヴィアは二十歳から酒飲めるから…………もう八十年くらい毎日浴びるように飲んでるんだよ!?」
「「「八十年!?」」」
百歳って言うと……人間換算で考えると三十三歳くらいに相当するのか。三十三歳で脂肪肝はヤバイな。
「それを知ってるってことは……ヤポーニャさんって、もしかして八十超えてるんスか? それってババァ……」
「そんな行ってないよ! まだピチピチの四十一歳さ」
「よ、四十一って……やっぱりバ……」
「ああ?」
「いえ……何でもないッス……」
「四十一って僕たちより倍以上上じゃないですか。てっきり年下なのかと……」
十五歳の彼らからすれば、人間換算の十三、四歳は年下に見えるかもしれないな。
ただでさえ、ドワーフ族は低身長なのに。
「亜人には異種族から見て年相応に見えないのも多数存在するからね。特に長命種と短命種は食い違いが多いし。あたしとあんたたちもそのケースだよ。ま、とにかく八十年毎日毎日飲んでりゃ、そりゃ悪くもなるさ。だから今後はあたしがきちんと管理してやらないとね」
ああ……ご愁傷様……今後は彼女による厳しい管理がなされるのかな……
ナナトス、カンナー、フレアハルト、アリサ、エルフィーレ、リナさん、ヤポーニャさん、あと名前は知らんけどレッドトロルのヒトまで居る。
実に多様多種族だ。
「みんな健康診断とかいうのはどうだったッスか? トロル族はみんな問題無かったんスかね?」
「僕は特に問題無かったね~」
「私も全く問題ありませんでした」
ナナトスの質問にカンナーとエルフィーレが答える。
「俺っちたち病気知らずって言われてるらしいッスからね」
「でも、今だに“病気”が何のことだか分からないよね」
「アルトラ様は『医者が来れば分かる』みたいなこと言ってたけど」
「何があった場合は問題なんスかねぇ?」
この子らには町に医者が来ても“病気”が何なのか分からなかったか……
ちょうど私の名前が出てたし、声かけてみようか。
「こんにちは、みんな。何だか珍しい集団が出来上がってるね。集まってどうしたの? レイアは?」
アリサがいるのに珍しくレイアがいない。
「アルトラか、レイアは今日も元気に海へ行っておるよ」
あの子、水に弱かったはずなのにどんどん漁師になっていくな……好きなこと見つけたのは良いことだけど。
「あ、噂をすれば影ッスね! みんなで健康診断の結果を報告し合ってるんスよ。アルトラ様はどうだったんスか?」
「私? 何も問題無かったよ」
カイベルのステータス照覧で、病気も毒も効かないって知ってるしね。
でも……アスク先生の最後の一言はちょっと気になるけど……
「つまんない結果報告ッスね」
「つまんないって何だよ!」
まったくコイツは一言多いな。私一応国主なのに、なにこのぞんざいな扱い。
「フレハルさんはどうだったッスか?」
「我か? う~ん……少し調子が悪いらしきことを聞いたな」
「何があったの?」
「我の体内にあるらしい『息袋』とかいう器官が何度かダメージを受けた痕跡があるとか」
「何それ?」
初めて聞く名前だな。息袋? どんな器官なんだソレ?
「ドラゴンの喉の少し手前辺りにあるらしき器官で、元々は『炎袋』と呼ばれていたらしい。ドラゴンは炎を吐く種だけではなく、例えば水のブレスや氷のブレスを吐く種もいるらしく、後々息袋に改称されたんだとか。ここに魔力を溜めた後、一気に放出するのがドラゴン種の使うブレスだそうだぞ」
「つまり、『〇〇ブレス』を吐くから息に使う魔力を溜める袋ってわけ?」
「恐らくそうであろうな。で、その息袋にダメージを受けた痕跡があると言われた」
「何があったんですか?」
心当たりはある。多分砂漠で砂賊相手に使った【インフェルノ・ブレス】が原因なんじゃないだろうか? (第402話参照)
「ああ、砂漠で敵と戦った時に酷使したのが原因らしい。もうほぼ治っているがその新しい痕跡とそれより古い痕跡が残っていると」
何せ、目測だけでも何百メートルもの大穴が開くような炎だ。負担がかからない方がおかしい。
大地に大穴開けるほどの威力だから、一発使っただけでも酷使に当たるのかな。
「火ぃ噴いたんスよね? でも、土木では岩とか炎吐いて壊してることあるんじゃないんスか?」
「そんな軽い炎とは違う。我の使える最強クラスのブレスだからな」
「最強って言われても、俺っちたち見たことないからどれくらいか分からないんスけど……」
「私が見たことあるから説明してあげるよ、あの山一つくらいなら無くなるかも」
カフェテラスから見える神社のある山を指さす。 (神社については第173話、第205話から第208話参照)
「「「え!? 山が無くなるほど!?」」」
「我もあまり使ったことがないから、そこまで負担が大きいとは知らなかった。『何回も使って慣れた場合はどうか』と聞いたところアスクに『身体の負担としても、環境としてもお勧めしない』と言われた」
「そりゃ、そんなの何回も使ったら大地は穴だらけになってしまいますよ……」
「一回使ったらしばらくの間休憩時間が必要ということだな。短い間隔で何度も使うと喉が焼け焦げて使い物にならなくなるかもしれぬと聞いた」
「「「焼け焦げる!?」」」
火に強いレッドドラゴンの喉が焼け焦げるほどの威力か……
「何か……痛そうッスね……」
「そうだな、痛いのは嫌だし、少し考えて使わねばな」
「アリサさんはどうでした?」
「わたくしは至って健康体でしたね。全く問題無いと。わたくしの場合は、フレアハルト様のような息袋に負担のかかるブレスを持ちませんので」
「同じレッドドラゴンなのに?」
「とんでもない! わたくしと王族は似て非なるドラゴンと言っても過言ではありません」
「そんなに崇高な存在なんスか、このドラゴンは?」
「ナナトス……そのドラゴンの元王子にその態度とは、お主命知らずになったな」
「軽口叩けるくらい親しくなったと考えてもらいたいッス」
物は言いようだね。
「じゃあリナさんとヤポーニャさんは?」
まずリナさんが答える。
「私はちょっとお肌の乾燥が気になると……確かに水で溢れたアクアリヴィアに比べますと、アルトレリアは乾燥してますし。それに……今の時期暑いので……水浴びも一日一回から二回に増えました」
現在八月中旬。アルトレリアは日本の気候に近くなっているから大分暑い。
みんなで報告しあっていたところ、別の方向から声がかかった。
「みなさん、こんにちは。今日も暑いですね」
そこにたまたま通りかかった銀行員で水の精霊のシーラさんと、ダム建設組 (第278話参照)のヘルヘヴンのジョンさん、土の精霊のハーバートさん、ガーゴイルのヘンリーさんが加わる。
「健康診断の話題ですか? トロル族のみなさんは初めて健康診断されたそうですね。町中その話で持ち切りですよ」
と言うのはジョンさん。
「今リナさんの話が聞こえたんで話に入ったんですけど、私も水に関連する生物なのでこの暑さは中々堪えますよ……アスク先生にも『構成水分が少々少ないようです。もっと水分を摂ってください』と言われてしまって……」
と、シーラさん。
「シーラさんって水の精霊なんスよね? 内臓とかあるんスか?」
「亜人の方々が思ってるような内臓はありませんが、受肉してる間はそれに準ずる器官があります。魔力だけで生きられるとは言え、私たち精霊も食べることを楽しめるように出来てますから。例えるなら物を消化してくれるスライムが身体の中にいるという感じでしょうか」
「へぇ~、水の精霊って身体を変形させられるんですよね? 内臓があるなんて想像もつかないですね」
「ただ、私たち水の精霊はあまり沢山食べると身体が濁ってしまうので、そこは気を付けて食べないといけません。もっとも私は人型に近い方の水の精霊なので、ウンディーネ族のように限り無く水に近い精霊と比べればそれほど影響はありませんけど」
体内に不純物が多くなるのかな? 食べカスとか? 人間で言うところの悪玉コレステロールが多くなるとかそんな感覚かしら?
「俺たちもこの暑さは堪えるな……」
と言うのはガーゴイルのヘンリーさん。
「ガーゴイルの俺や土の精霊のハーバートは、土や石に由来がある生物だから、水分が少なくなると肌がボロボロになってくる」
「どうやって対処するんですか?」
「ハーバートのような精霊は魔力を補充さえすれば身体を維持できる。どうしても補充が追い付かない場合は、魔力を補充する薬があるからそれを使えば良い」
「へぇ~、それもアスク先生から貰うんですか?」
「そうだな。この町にはまだ売っていないし。しかし俺の場合は精霊と違って魔力を補充すれば身体が治るというわけではないから別の方法でケアする」
「別の方法って?」
「石を食べたり、土を肌に塗り付けたり」
「そ、それで肌荒れ治るんですか?」
「まあ短期的にはそれで良い。持続させないとまた荒れてくるが」
「ず、随分特殊な生態なんですね」
ガーゴイルって言ったら、地球では石の悪魔で有名だから、石の成分で摂取して栄養を得るんだろう。
水分が多く、年中変わらない気候のエレアースモに住んでたから、夏のあるアルトレリアは大変なのかも。エレアースモは水分量が調整されてたから過ごし易かっただろうな。
「ジョンさんは?」
「私もそれほど悪くはなかったですね。ただアルトレリアでは水分調整がされてないのと、暑さの所為で多少羽が荒れてます」
「黒い羽だと疑似太陽の熱を存分に吸収しそうですしね」
「まあ普段は羽を消してるので良いのですが、羽を出現させた時にはやはり荒れが気になります」
う~ん……雷の国出身のみんなはみんなが水分に困ってるっぽいな。
いや、熱に強いトロルとレッドドラゴン以外はみんな水分関連で不調をきたしてるように見える。水路とか増やして空気中の水分を増やすのは今後の課題かな。
「ヤポーニャさんはどうッスか?」
「あたしは問題無かったよ。母親が全く酒を飲まない人でね、私もその血を継ぐハーフドワーフの所為なのか酒もタバコもやらないから。それにまだ年も若いし。でも、フィンツたちがちょっと注意されてたね」
あ、ナナトスが『ドワーフが何かの筒に入って検査されてた』って言ってたっけ。
ヤポーニャさんは私の計算では確か四十歳前後だったはず。見た目は少女にしか見えないが……ドワーフの“見た目年齢”は人間の三分の一くらいに当たるから、現在の年齢を人間換算で考えると見た目年齢は十三、四歳ってところか。
「フロセルとルドルフが酒の飲みすぎで肝臓が悪くなってきてるとかで」
「脂肪肝?」
「のちょっと手前。あの二人は暇さえあれば酒飲んでるから。次いでフィンツにも注意が入った」
「ドワーフなのに肝臓悪くなるんですね。ドワーフって確か酒に強い種族でしたよね?」
「そりゃ長年飲んでれば悪くもなるさ、一体何年飲んでると思う?」
という私とヤポーニャさんのやり取りに、トロル族、レッドドラゴン族は何のことか分からない様子。多分肝臓も脂肪肝も分からないためだと思われる。
「アクアリヴィアは二十歳から酒飲めるから…………もう八十年くらい毎日浴びるように飲んでるんだよ!?」
「「「八十年!?」」」
百歳って言うと……人間換算で考えると三十三歳くらいに相当するのか。三十三歳で脂肪肝はヤバイな。
「それを知ってるってことは……ヤポーニャさんって、もしかして八十超えてるんスか? それってババァ……」
「そんな行ってないよ! まだピチピチの四十一歳さ」
「よ、四十一って……やっぱりバ……」
「ああ?」
「いえ……何でもないッス……」
「四十一って僕たちより倍以上上じゃないですか。てっきり年下なのかと……」
十五歳の彼らからすれば、人間換算の十三、四歳は年下に見えるかもしれないな。
ただでさえ、ドワーフ族は低身長なのに。
「亜人には異種族から見て年相応に見えないのも多数存在するからね。特に長命種と短命種は食い違いが多いし。あたしとあんたたちもそのケースだよ。ま、とにかく八十年毎日毎日飲んでりゃ、そりゃ悪くもなるさ。だから今後はあたしがきちんと管理してやらないとね」
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主人公のフィアナは、前世では一生を病院で過ごした病弱少女であったが……、
「健康な身体って凄い! 神さま、ありがとう!(ドラゴンをワンパンしながら)」
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魔界で育ったフィアナには、この世界の普通が分からない。
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彩世幻夜
ファンタジー
「働きもせずぐうたら三昧なんてつまんないわ!」
お嬢様はご不満の様です。
海に面した豊かな国。その港から船で一泊二日の距離にある少々大きな離島を領地に持つとある伯爵家。
名前こそ辺境伯だが、両親も現当主の祖父母夫妻も王都から戻って来ない。
使用人と領民しか居ない田舎の島ですくすく育った精霊姫に、『玉の輿』と羨まれる様な縁談が持ち込まれるが……。
王道中の王道の俺様王子様と地元民のイケメンと。そして隠された王子と。
乙女ゲームのヒロインとして生まれながら、その役を拒否するお嬢様が選ぶのは果たして誰だ?
※5/4完結しました。
新作
【あやかしたちのとまり木の日常】
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