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第17章 風の国ストムゼブブ『暴食』の大罪騒乱編
第472話 vs赤アリ その4(決着)
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赤アリの放った大爆発から辛くも逃れたフレイムハルトだったが――
爆発による暴風により離れた場所まで飛ばされており、爆発が収まって爆心地付近の空まで、可能な限り急いで戻って来ていた。
「あ、兄上……」
地上では溶岩の海が更に広がり、少しの時間それを空から茫然と眺めて佇む。
フレアハルトの魔力反応は感じられず生死も不明。
「そうだ! 赤アリはどうなった!?」
フレアハルトの生死も気になるが、赤アリを確実に始末しておかないと、フレアハルトの命懸けの行為も無駄になってしまう。まずは赤アリの生死の確認が先決と考え、始末できたという確たる証拠探しを開始する。
赤アリは爆発前もあの酷い火傷にボロボロの重傷である。あの時点ですら疾うに死んでいてもおかしくないほど重大なる怪我を負っていた。
『死んでいてほしい』、あの爆発で力を使い果たし『そのまま力尽きていてくれ』とフレイムハルトは願っていた。
安堵するために赤アリの『死体』を探していた、そのはずだったが――
「!?」
現実はそうではなかった。
まだ動いていたのである! しかも――
「……あ、あの大怪我を負っても、なお再生しようとしているのか……?」
周囲に溢れる溶岩からふんだんに火の魔力を吸収し、怪我を回復しようとしているらしき行動がフレイムハルトの目に映る。
あまりにも緩慢ながら徐々に外骨格が再生され、大きく裂けた亀裂が、ドロドロに溶けた火傷による傷口が、徐々に徐々に繋がっていくのが見てとれた。爆発前は半分以下になっていた顔の外骨格が、今では三分の二ほどまで再生していた。このまま放置すれば一日もしないうちに完全な状態で甦るであろうことは想像に難くない……
【インフェルノ・ブレス】放射後にボロボロの身体になった赤アリを見て、フレアハルトとフレイムハルトが『副脚が焼け落ちており、もう再生する手立ては無いはず』、そう予想したことは間違っており、副脚無しでも魔力の吸収は可能であったのだ!
確かに副脚は大量の魔力を吸収するのに適しておりそれを使うことにより高速で魔力の貯蔵が可能になる。そしてそれに比例して再生も早まる。
しかし、副脚が無くても赤アリに魔力を吸って再生する能力は備わっており、副脚を使用した時と比較すると再生速度は極端に落ちるものの徐々に回復は可能であった。
「兄上が命を賭けて繋いでくれたのだ、絶対に回復などさせぬ!」
フレイムハルトは大爆発から逃れた後、枯渇した魔力を補うため、兄が最後に残した【フレアボール】の魔力を糧として取り込み自身の魔力を回復していた。
これにより万全ではないにせよもう一発【インフェルノ・ブレス】を放てるくらいには回復できていた。
赤アリは生命維持のため自身の再生に忙しく、今ならまだ上空に居るフレイムハルトには気付いていない。奇襲するには絶好の機会である。
フレイムハルトはすぐさま行動に移す。
竜人形態から再びドラゴン形態へ変身。そして――
「喰らえ……」
―― 【インフェルノ・ブレス】 ――
上空高くから二度目の【インフェルノ・ブレス】。極大の威力を誇る炎のブレスを赤アリに向かって一直線に放つ。
赤アリはその光に気付いたが時すでに遅し。
副脚が健在の間は炎の噴出の加減によって超高速移動を可能としていたが、その頼みの副脚はまだ一本たりとも再生には至っておらず、自身に向かってくる極大の炎を避ける手段は皆無であった。
苦し紛れに少数の防御魔法を展開し、守りを固めたものの為す術無く【インフェルノ・ブレス】の炎に飲まれる。展開した防御魔法は弱った赤アリの能力ではほぼ無意味であり、身体を守るまでの効果が発揮されていなかった。
外骨格がボロボロの状態で二度目の【インフェルノ・ブレス】を喰らったため、赤アリの壊れた外骨格から炎が体内へ入り込み、そしてそのまま内側から焼き尽くされ、今度こそ焼失。
今度こそ赤アリは倒された。両者の激しい炎の応酬による戦闘は、フレイムハルトに軍配が上がった。
万全ではないとは言え、【インフェルノ・ブレス】の直撃により大地には再び大穴が開き、今度は溶岩の海となっていた周囲のマグマが、新しく開いた大穴に向かって大量に流れ込む。ここに巨大な溶岩湖が出来てしまった。
「………………」
大穴にマグマが流れ込んで出来た溶岩湖を見下ろし、赤アリを警戒、目視で探す。これで終わったかどうかはフレイムハルトには分かりようがない。『死体かもしくはそれに代わる何かを見つけなければ安心してここを離れることはできない』と考え、撃破した証拠を必死で探す。
そう思っていたが、少し経って【インフェルノ・ブレス】で開いた溶岩湖の中に赤黒色のとあるものが浮上してきた。
「あれは……」
近付いてみると――
「これは、赤アリの頭……なのか?」
溶けてしまって半分以下しかないものの赤アリの頭の部分の外骨格と酷似したものだった。
「これが溶岩に浮かんでいるということは……倒したとみて良いだろう。いくらしぶといヤツとて首を失っては生きてはいないだろうしな……」
中身の無くなった赤アリの頭の外骨格を拾い上げる。
よく見れば腕や身体の外骨格と思われる部分もちらほら浮かんできている。『外骨格の一部を残し、内側は焼失したのだろう』と考えた。
「討伐した証として一応持って行こう。…………そんなことよりも、兄上を探さねば! 兄上ーーーー!!」
赤アリを倒したのを確認したため、急いでフレアハルトの捜索を開始。
「兄上ーーーー! 聞こえていたら返事をしてください!!」
戦場は今や溶岩地帯となって大小様々な大きさの溶岩湖が出来てしまい、赫々 (※)と照らされ一般の亜人では非常に物が見えにくい場所になってしまった。
しかし、元々溶岩流れる場所を住処にしているフレイムハルトにとっては、それは見慣れた光景。どこに何があるのか一目見ただけで分かる。それでもなおフレアハルトの姿が見いだせないのだ。
(※赫々:赤く照り輝くさま)
「兄上ーーーー!! そうだ! 目で探せないなら魔力感知だ!」
レッドドラゴンの魔力感知能力は優れている。とりわけ王族であるフレイムハルトは一族の中でもトップクラスの能力を誇る。だが――
「くそっ! ダメだ……魔力感知するにもここは濃度が高過ぎて見分けが付けられない……」
【インフェルノ・ブレス】三発分、赤アリの爆発攻撃二発分という、五発もの魔力の大量発散があったため、この場所は一時的に魔力“超濃度地帯”に変貌してしまい、如何に優れた魔力感知能力者であっても感知能力で探し出すのは不可能となっていた。
こうなってしまっては、地道に目と足……彼の場合は足の代わりに翼になるが、移動しながら探すより他は無かった。
……
…………
………………
そして――
長い時間、溶岩の海を探し回るも、フレアハルトを終ぞ見つけることが出来ず……
「くそっ! くそっ! くそっ! どこに居られるのだ!! まさか本当に焼き尽くされてしまったのか……?」
そう悲観的な展開を想像してしまったが、必死で悪い想像を振り払いすぐに持ち直す。
「あのしぶとい兄上に限ってそんなはずはない! 一人で探しても埒が明かない! 一旦司令本部へ戻って、他の八人にも捜索に加わってもらおう……」
捜索を切り上げ、他のレッドドラゴンにも捜索に加わってもらうよう一旦司令本部へ戻ることにした。
爆発による暴風により離れた場所まで飛ばされており、爆発が収まって爆心地付近の空まで、可能な限り急いで戻って来ていた。
「あ、兄上……」
地上では溶岩の海が更に広がり、少しの時間それを空から茫然と眺めて佇む。
フレアハルトの魔力反応は感じられず生死も不明。
「そうだ! 赤アリはどうなった!?」
フレアハルトの生死も気になるが、赤アリを確実に始末しておかないと、フレアハルトの命懸けの行為も無駄になってしまう。まずは赤アリの生死の確認が先決と考え、始末できたという確たる証拠探しを開始する。
赤アリは爆発前もあの酷い火傷にボロボロの重傷である。あの時点ですら疾うに死んでいてもおかしくないほど重大なる怪我を負っていた。
『死んでいてほしい』、あの爆発で力を使い果たし『そのまま力尽きていてくれ』とフレイムハルトは願っていた。
安堵するために赤アリの『死体』を探していた、そのはずだったが――
「!?」
現実はそうではなかった。
まだ動いていたのである! しかも――
「……あ、あの大怪我を負っても、なお再生しようとしているのか……?」
周囲に溢れる溶岩からふんだんに火の魔力を吸収し、怪我を回復しようとしているらしき行動がフレイムハルトの目に映る。
あまりにも緩慢ながら徐々に外骨格が再生され、大きく裂けた亀裂が、ドロドロに溶けた火傷による傷口が、徐々に徐々に繋がっていくのが見てとれた。爆発前は半分以下になっていた顔の外骨格が、今では三分の二ほどまで再生していた。このまま放置すれば一日もしないうちに完全な状態で甦るであろうことは想像に難くない……
【インフェルノ・ブレス】放射後にボロボロの身体になった赤アリを見て、フレアハルトとフレイムハルトが『副脚が焼け落ちており、もう再生する手立ては無いはず』、そう予想したことは間違っており、副脚無しでも魔力の吸収は可能であったのだ!
確かに副脚は大量の魔力を吸収するのに適しておりそれを使うことにより高速で魔力の貯蔵が可能になる。そしてそれに比例して再生も早まる。
しかし、副脚が無くても赤アリに魔力を吸って再生する能力は備わっており、副脚を使用した時と比較すると再生速度は極端に落ちるものの徐々に回復は可能であった。
「兄上が命を賭けて繋いでくれたのだ、絶対に回復などさせぬ!」
フレイムハルトは大爆発から逃れた後、枯渇した魔力を補うため、兄が最後に残した【フレアボール】の魔力を糧として取り込み自身の魔力を回復していた。
これにより万全ではないにせよもう一発【インフェルノ・ブレス】を放てるくらいには回復できていた。
赤アリは生命維持のため自身の再生に忙しく、今ならまだ上空に居るフレイムハルトには気付いていない。奇襲するには絶好の機会である。
フレイムハルトはすぐさま行動に移す。
竜人形態から再びドラゴン形態へ変身。そして――
「喰らえ……」
―― 【インフェルノ・ブレス】 ――
上空高くから二度目の【インフェルノ・ブレス】。極大の威力を誇る炎のブレスを赤アリに向かって一直線に放つ。
赤アリはその光に気付いたが時すでに遅し。
副脚が健在の間は炎の噴出の加減によって超高速移動を可能としていたが、その頼みの副脚はまだ一本たりとも再生には至っておらず、自身に向かってくる極大の炎を避ける手段は皆無であった。
苦し紛れに少数の防御魔法を展開し、守りを固めたものの為す術無く【インフェルノ・ブレス】の炎に飲まれる。展開した防御魔法は弱った赤アリの能力ではほぼ無意味であり、身体を守るまでの効果が発揮されていなかった。
外骨格がボロボロの状態で二度目の【インフェルノ・ブレス】を喰らったため、赤アリの壊れた外骨格から炎が体内へ入り込み、そしてそのまま内側から焼き尽くされ、今度こそ焼失。
今度こそ赤アリは倒された。両者の激しい炎の応酬による戦闘は、フレイムハルトに軍配が上がった。
万全ではないとは言え、【インフェルノ・ブレス】の直撃により大地には再び大穴が開き、今度は溶岩の海となっていた周囲のマグマが、新しく開いた大穴に向かって大量に流れ込む。ここに巨大な溶岩湖が出来てしまった。
「………………」
大穴にマグマが流れ込んで出来た溶岩湖を見下ろし、赤アリを警戒、目視で探す。これで終わったかどうかはフレイムハルトには分かりようがない。『死体かもしくはそれに代わる何かを見つけなければ安心してここを離れることはできない』と考え、撃破した証拠を必死で探す。
そう思っていたが、少し経って【インフェルノ・ブレス】で開いた溶岩湖の中に赤黒色のとあるものが浮上してきた。
「あれは……」
近付いてみると――
「これは、赤アリの頭……なのか?」
溶けてしまって半分以下しかないものの赤アリの頭の部分の外骨格と酷似したものだった。
「これが溶岩に浮かんでいるということは……倒したとみて良いだろう。いくらしぶといヤツとて首を失っては生きてはいないだろうしな……」
中身の無くなった赤アリの頭の外骨格を拾い上げる。
よく見れば腕や身体の外骨格と思われる部分もちらほら浮かんできている。『外骨格の一部を残し、内側は焼失したのだろう』と考えた。
「討伐した証として一応持って行こう。…………そんなことよりも、兄上を探さねば! 兄上ーーーー!!」
赤アリを倒したのを確認したため、急いでフレアハルトの捜索を開始。
「兄上ーーーー! 聞こえていたら返事をしてください!!」
戦場は今や溶岩地帯となって大小様々な大きさの溶岩湖が出来てしまい、赫々 (※)と照らされ一般の亜人では非常に物が見えにくい場所になってしまった。
しかし、元々溶岩流れる場所を住処にしているフレイムハルトにとっては、それは見慣れた光景。どこに何があるのか一目見ただけで分かる。それでもなおフレアハルトの姿が見いだせないのだ。
(※赫々:赤く照り輝くさま)
「兄上ーーーー!! そうだ! 目で探せないなら魔力感知だ!」
レッドドラゴンの魔力感知能力は優れている。とりわけ王族であるフレイムハルトは一族の中でもトップクラスの能力を誇る。だが――
「くそっ! ダメだ……魔力感知するにもここは濃度が高過ぎて見分けが付けられない……」
【インフェルノ・ブレス】三発分、赤アリの爆発攻撃二発分という、五発もの魔力の大量発散があったため、この場所は一時的に魔力“超濃度地帯”に変貌してしまい、如何に優れた魔力感知能力者であっても感知能力で探し出すのは不可能となっていた。
こうなってしまっては、地道に目と足……彼の場合は足の代わりに翼になるが、移動しながら探すより他は無かった。
……
…………
………………
そして――
長い時間、溶岩の海を探し回るも、フレアハルトを終ぞ見つけることが出来ず……
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